用語集
アースアンカー
アースアンカーとは、土留め壁の背面に発生する土圧や水圧に対抗するため、地中深部に削孔・挿入してセメントミルク・モルタル等で定着させた引張材(鋼棒、PC鋼より線、PC鋼線など)の総称であり、土留め支保工の代表的な工法のひとつである「アースアンカー工法」を構成する主要部材を指す。アースアンカーは1955年頃にフランスで開発された比較的新しい土留め支保工法で、日本では1960年代後半から普及が始まり、現在では地下工事・大規模掘削・斜面安定・既設構造物の補強など幅広い土木・建築分野で使用されている。一般的な構造は、削孔径100〜250mm程度の深穴を地中に削孔し、その中にPC鋼より線などの引張材を挿入した後、定着部にセメントミルクを注入・加圧して引張材を地盤と一体化させ、地表側で支圧プレート・楔・ナットなどを用いて土留め壁等に緊張力を伝達する形式である。アースアンカー工法の最大のメリットは、内部に切梁・腹起しなどの仮設材を設置せずに済むため、掘削空間が広く確保でき、施工効率が大幅に向上することにある。深い掘削・複雑形状の掘削・狭隘地での掘削など、従来の切梁工法では対応困難なケースでも適用可能で、特に都市部のビル地下工事・地下鉄工事・トンネル斜面工事・斜面崩壊対策工事・既設擁壁の補強工事などで多用される。設計時には、定着長・引張材種類・引張力・地盤の摩擦抵抗・群効果・腐食対策などを総合的に検討する必要があり、JGS(地盤工学会)の「グラウンドアンカー設計・施工基準」や日本道路協会の「斜面のグラウンドアンカー工法 設計・施工指針」などが基準として参照される。マンション・ビル建築工事における地下工事では、敷地境界線から十分な距離を取れない都市部の現場で、隣地への迷惑をかけずに深い掘削を実現するための工法としてアースアンカーが選定されるケースが多い。明誠ではマンション大規模修繕工事において、既設擁壁の補強・斜面安定化・地盤改良が必要な現場に対し、アースアンカー工法を含む各種地盤対策をフランチャイズ加盟の土木専門会社と連携して提案できる体制を整えている。

