用語集
アーバンスプロール
アーバンスプロール(Urban Sprawl)とは、都市の市街地が計画性なく無秩序に周辺の郊外・農地・自然環境へ拡大していく現象を指す都市計画用語であり、20世紀後半以降、世界中の大都市圏で深刻な社会課題として認識されている。語源は英語のurban(都市の)とsprawl(だらしなく広がる・無秩序に拡散する)の合成語で、日本語では「都市スプロール」「市街地スプロール」「無秩序な郊外化」などとも訳される。アーバンスプロールの典型的な特徴は、(1)低密度な土地利用、(2)自動車依存型の住宅地、(3)幹線道路沿いに点在する大規模駐車場付き商業施設、(4)公共交通機関へのアクセスが悪い住宅団地、(5)農地・森林・自然環境の侵食、(6)都市インフラ(上下水道・電気・道路・通信)への過剰な負荷、(7)行政コストの増大、(8)コミュニティの希薄化、などである。発生原因は多岐にわたり、(A)自動車の普及と道路網の拡充、(B)都心地価の高騰による住宅価格の手の届かなさ、(C)郊外の安価な土地と一戸建て志向、(D)大型ショッピングモールの郊外進出、(E)都市計画法・建築基準法の不徹底、(F)行政区域の細分化と統合的計画の欠如、などが挙げられる。アーバンスプロールの主な弊害としては、(あ)自動車排ガスによる大気汚染とCO2排出増、(い)長距離通勤による生活時間の圧迫、(う)農地・自然環境の喪失と生物多様性の低下、(え)公共サービス(教育・医療・警察・消防)の効率低下、(お)中心市街地の衰退とドーナツ化現象、(か)災害時の避難・救援対応の困難化、などが指摘されている。日本では高度経済成長期(1960〜70年代)の三大都市圏を中心にアーバンスプロールが進行し、その後の都市計画法(1968年)・市街化区域および市街化調整区域の指定(1970年〜)・線引き制度の導入によって一定の抑制が図られたが、近年は高齢化・人口減少時代を迎え、「コンパクトシティ構想」「立地適正化計画」「拠点集約型まちづくり」「コンパクト+ネットワーク」などの新たな都市計画方針が国土交通省を中心に推進されている。マンション・ビルの大規模修繕工事業界においても、郊外スプロール型住宅団地の建替・大規模修繕需要、人口減少地域の空き家対策、コンパクトシティ構想に基づくマンション・複合施設の新築・リノベーション需要などが事業機会となっており、明誠グループは都市部・郊外部いずれにも対応可能な広域フランチャイズ網の強みを活かしている。

