用語集

RT60

読み方
あーるてぃーろくじゅう

RT60(Reverberation Time 60dB、残響時間60デシベル)とは、建築音響・室内音響設計の分野で使われる重要指標で、室内で発生した音が、音源が停止した瞬間から音圧レベルが60dB(百万分の一の音響エネルギー)低下するまでに要する時間を秒単位で表したものを指す。RT60は1900年頃にハーバード大学のウォーレス・C・セービン教授が確立した「セービンの残響時間式」に基づき、室容積V(m³)と等価吸音面積A(m²・サビン単位)から「RT60=0.161×V/A」で算出される。室内の用途・規模・天井高・内装材・観客数によって最適なRT60は異なり、たとえば講堂・教室は0.6〜0.9秒、ホール(オペラ・コンサートホール)は1.5〜2.2秒、教会・大聖堂は2.5〜4.0秒、録音スタジオは0.2〜0.4秒、図書館は0.5〜0.7秒、オフィスは0.5〜0.8秒程度が推奨される。RT60が長すぎると音が混濁して言葉が聞き取りにくくなり、短すぎると音が乾いて響きの豊かさが失われるため、用途に応じた適切なバランス設計が求められる。RT60を制御する手段としては、(1)吸音材(グラスウール・ロックウール・有孔ボード・カーテン・カーペット)の配置、(2)反射材(凸面パネル・拡散体)の配置、(3)室容積と形状の最適化、(4)電気音響設備(PAシステム)との統合設計、などがあり、専門の音響コンサルタント・建築音響技術者が設計に関与する。マンション・ホテル・商業施設の大規模修繕においても、エントランスホール・宴会場・会議室・共用部の音響改善ニーズは高く、明誠ではフランチャイズ加盟の内装専門会社と連携して吸音天井・吸音壁の改修工事に対応できる体制を整えている。さらに、最近では遠隔会議・オンラインセミナーの普及に伴いオフィス内会議室のRT60適正化が求められており、JCSAでもオンラインセミナー会場の音響設計支援に取り組んでいる。

← 用語集一覧へ戻る

お気軽にご相談ください!