用語集
ITガバナンス
ITガバナンスとは、企業や組織がIT(情報技術)資産・IT投資・ITプロジェクト・IT人材・IT運用・情報セキュリティなどに関する意思決定と統制を、経営戦略と整合的かつ持続可能な形で実施するための仕組み・原則・体制を指す経営用語である。1990年代後半に米国・英国を中心に概念形成され、2000年代以降に国際標準化が進み、現在ではISO/IEC 38500(ITガバナンスの国際規格、2008年初版、2015年改訂)、COBIT(Control Objectives for Information and Related Technologies、ISACA発行、現行は2019年版)、ITIL(Information Technology Infrastructure Library、AXELOS発行、現行はITIL 4)などの国際的フレームワークが業界標準として広く採用されている。ITガバナンスの目的は、(1)IT投資の最適化(重複投資の排除、戦略整合性の確保)、(2)IT利用のリスク管理(情報セキュリティリスク、システム障害リスク、コンプライアンスリスク)、(3)IT価値創出の最大化(業務効率化、新規ビジネス機会創出、競争優位性確保)、(4)ITコストの可視化と透明性の確保、(5)法令遵守(個人情報保護法、GDPR、SOX法、サイバーセキュリティ基本法、改正電気通信事業法等)、(6)IT人材育成と組織能力強化、などである。経営トップ・取締役会の役割としては、IT戦略の方向性決定、IT投資の優先順位付け、サイバーセキュリティ責任体制(CISO、CIO)の設置、内部統制システムへのIT統制の組み込み、災害復旧計画(DRP)・事業継続計画(BCP)の整備、定期的なIT監査の実施、外部委託先(ベンダー)の管理などが挙げられる。建設業界においても、BIM/CIM・ICT建機・ドローン・3次元測量・施工管理アプリ・電子契約・電子帳簿・電子請求書などのDX化が急速に進む中で、中小建設業者でもITガバナンスの整備が経営課題となっている。明誠が運営するJCSA(一般社団法人全国建設業支援協会)では、加盟建設業者向けにITガバナンス、サイバーセキュリティ、DX推進、業務システム導入、IT補助金活用などのテーマでオンラインセミナー・経営支援セミナー・ビジネスマッチングを開催し、業界全体のIT水準向上に貢献している。

