用語集

IPD

読み方
あいぴーでぃー

IPD(あいぴーでぃー、Integrated Project Delivery、統合型プロジェクトデリバリー)とは、建設プロジェクトにおいて発注者・設計者・施工者・専門工事会社・主要サプライヤー・コンサルタントなどの主要関係者が、プロジェクト初期段階から契約上一体化されたチームを構成し、リスク・利益・責任を共有しながら設計・施工・引渡しまでをコラボレーティブに推進するプロジェクト遂行手法を指す。1990年代後半に米国カリフォルニア州サッターヘルス(医療施設運営法人)が大規模医療施設建設で導入し、その後米国建築家協会(AIA、American Institute of Architects)が標準契約書を発行(2008年)して以来、世界的に普及しつつある。IPDの主要原則は、(1)早期関係者参画(プロジェクト企画段階から施工者・専門工事会社も意思決定に参加)、(2)リスク・利益共有(多者間共同契約による経済的インセンティブの統合)、(3)コラボレーション最重視(オープンコミュニケーション、共通目標設定)、(4)BIM/CIM活用による3次元統合モデル、(5)リーンコンストラクション(無駄排除、価値最大化)、(6)信頼ベースの関係構築、(7)プロジェクトインサイダー・ガバナンス会議体の設置、などである。従来の伝統的な「設計→入札→施工」(Design-Bid-Build)方式や「設計施工一括」(Design-Build)方式と比べ、IPDは早期段階からの専門知識統合により、設計変更・手戻り・コスト超過・工期遅延を大幅に削減できるとされる。一方、(A)日本の商習慣・契約慣行との不適合、(B)専門人材不足、(C)責任分界の不明瞭さ、(D)パートナー企業選定の困難さ、(E)法的・税務的処理の複雑さ、などの課題もあり、日本国内での本格普及はまだ限定的である。マンション大規模修繕工事は、専門工事の組み合わせと居住者対応を伴う複雑な事業で、IPD的アプローチによる早期コラボレーション・リスク共有が品質と生産性の向上に寄与する可能性があり、明誠グループはフランチャイズ加盟の専門工事会社(塗装・防水・タイル・電気・看板)と一体化したワンチーム体制を構築し、IPDに近いコラボレーション型大規模修繕モデルを実践している。

← 用語集一覧へ戻る

お気軽にご相談ください!