用語集
あかつき金星探査機
あかつき金星探査機(あかつききんせいたんさき、PLANET-C、Venus Climate Orbiter)とは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発・打ち上げた金星探査機で、2010年5月21日にH-IIAロケット17号機により打ち上げられ、金星の大気・気象現象の長期観測を主任務とする日本初の金星探査ミッションである。日本としては「のぞみ」(火星探査機、1998年打ち上げ、火星周回軌道投入失敗)以来の太陽系惑星探査機で、世界的にも金星周回軌道に投入された数少ない探査機の一つである。あかつきの当初目標は、(1)金星の超回転大気「スーパーローテーション」(金星表面に対する大気の自転より速い高速大気循環)の解明、(2)金星表面の温度・組成・気象の長期観測、(3)金星雲層の構造・組成・動態の解明、(4)金星における雷現象・火山活動・大気化学現象の観測、などである。あかつきは2010年12月7日に金星周回軌道投入を試みたが、主推進エンジンの異常により軌道投入に失敗、その後5年間の太陽周回軌道航行を経て、2015年12月7日に姿勢制御エンジン(RCSスラスタ)の連続噴射による「軌道投入リトライ」を実施し、世界初の金星周回軌道投入リカバリーに成功した。これは日本の宇宙開発技術の高さを示す象徴的な成功事例として国際的に高く評価された。あかつきは2015年から2024年頃まで継続的に金星を観測し、(A)スーパーローテーションの3次元構造、(B)金星雲層の波動現象、(C)金星大気の温度プロファイル、(D)金星における日本気象学会・米国地球物理学会等での多数の学術論文発表、などの成果を上げた。金星探査の意義は、地球と類似のサイズ・組成を持つ「双子惑星」金星の大気と気象を理解することが、地球の気候変動・温暖化の理解、地球外惑星の居住可能性研究、太陽系形成史の解明、などに直結する科学的価値にある。建築・建設業界との直接接点は少ないが、宇宙開発で培われた構造設計・耐熱・耐放射線・耐振動・遠隔制御・センサー技術などは、建築物の高機能化・スマート化・長寿命化に応用される可能性があり、明誠が運営するJCSA(一般社団法人全国建設業支援協会)では宇宙技術の建築応用に関する最新動向も会員企業向けに情報発信している。

