用語集
安土城石垣
読み方
あづちじょういしがき
安土城石垣(あづちじょういしがき、Azuchi Castle Stone Wall)とは、織田信長が1576年から1579年にかけて滋賀県近江八幡市の安土山に築城した安土城の石垣を指し、戦国時代末期の本格的な総石垣造の城郭建築の代表例として、日本の城郭石垣建築史において画期的な位置を占める文化財・歴史的構造物である。安土城は天主(天守)を中心とする壮麗な総石垣の城郭で、当時の城郭建築の常識を打ち破る革新的な構造物として、後の安土桃山時代の城郭建築(大阪城・伏見城・聚楽第・姫路城など)に大きな影響を与えた。安土城石垣の特徴は、(1)野面積み(自然石を積み上げる伝統的工法)から打込み接ぎ(石材の表面を整える中間的工法)への過渡的技術、(2)穴太衆(あのうしゅう、近江国坂本の石工集団)による高度な石積み技術、(3)石材は近江周辺の花崗岩・チャート・石灰岩など多様な石種、(4)天主台・本丸・二の丸・三の丸など複雑な階層構造、(5)大手道の石段・石垣による象徴的な登城路、などである。安土城は1582年の本能寺の変直後に焼失したが、石垣の一部は現存し、特別史跡として保護されている。1989年から発掘調査・整備事業が継続的に実施されており、戦国時代末期の城郭建築の解明が進んでいる。マンション・ビル・ホテルの大規模修繕工事の直接対象とはならないが、文化財建造物の保存・修復工事、観光地の石垣補修工事、歴史テーマパークの石垣再現工事などで、安土城石垣に学ぶ伝統石積み技術は活用される。明誠ではフランチャイズ加盟の石工・伝統工法職人と連携し、文化財から現代建築まで対応できる総合修繕プロバイダーの体制を整えている。

