用語集

穴太衆

読み方
あのうしゅう

穴太衆(あのうしゅう)とは、滋賀県大津市坂本(旧称:穴太、あのお)を本拠地として活動していた中世〜近世の石垣築造専門集団で、安土城・大坂城・江戸城・名古屋城・熊本城・姫路城など日本の主要城郭の石垣築造に関与した伝説的な石工集団である。古来より比叡山延暦寺・坂本周辺の寺院石垣を手掛けてきた石工技術者集団で、織田信長が1576年に安土城築城に際して穴太衆を招き、本格的な城郭石垣築造を担当させたことで全国的に知られるようになった。穴太衆の特徴的な技術である「穴太積み(あのうづみ)」は、自然石を加工せずに巧みに組み合わせ、隙間に「飼石」と呼ばれる小石を詰めて安定させる「野面積み」の一種で、見た目の素朴さの中に高度な構造力学的判断と職人技術が凝縮されている。穴太積みの石垣は、(1)大規模地震に対する優れた耐震性、(2)400年以上経過しても崩壊しない長期耐久性、(3)排水性に優れ凍結融解にも強い、(4)周辺景観に調和する自然な美しさ、などの特徴を持ち、現代でも文化財石垣の修復・再現工事において欠かせない技術となっている。現代の穴太衆の継承者として、滋賀県大津市の有限会社粟田建設(粟田純徳氏が15代目)が石垣修復・新規築造・伝統技術伝承活動を続けており、文化財登録建造物の修復工事を多数手掛けている。マンション・ビル・ホテルの大規模修繕工事でも、エントランス・庭園・外構の石積み修復や和風意匠の石垣再生において、伝統石積み技術の価値が見直されており、明誠は専門石工技術者との連携で文化的価値を尊重する修繕提案も行える。

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