用語集
アラベスク
読み方
あらべすく
アラベスク(Arabesque)とは、イスラム建築・装飾芸術における代表的な装飾モチーフで、植物の葉・蔓・花・実などの植物文様や、星形・八角形・幾何学多角形・組紐文・無限螺旋文などの抽象的幾何学文様を、リズミカルな反復と対称性で構成する複雑で美しい装飾パターンの総称である。「アラベスク」の語源はイタリア語のarabesco(アラブ風)で、ルネサンス期にヨーロッパ人がイスラム圏の装飾芸術を「アラブ風」と呼んだことに由来する。イスラム教の偶像崇拝の禁止(人や動物の具象的描写の制限)が、植物文様・幾何学文様・カリグラフィー(アラビア文字書道)の高度な発達を促した文化的背景がある。アラベスクは、(1)モスク・宮殿・霊廟の壁面装飾、(2)木製建具・木彫格子(マシャラビー)、(3)大理石・ストゥッコ・タイル装飾、(4)金属工芸・ガラス工芸・絨毯・テキスタイル、(5)書籍装丁・写本装飾、など多様な媒体で発展した。代表的なアラベスク建築は、(A)スペイン・グラナダのアルハンブラ宮殿(13〜15世紀、ナスル朝、アラベスクの最高傑作)、(B)モロッコ・フェズのカラウィーン大学・モスク、(C)イスタンブール・スルタンアフメト・ジャミィ(ブルーモスク)、(D)イスファハン・イマームモスク、(E)インド・タージマハル、などである。日本の建築・大規模修繕工事への直接的関連性は薄いものの、ホテル・商業施設・宗教施設・記念施設の意匠提案で、アラベスクモチーフの装飾タイル・スクリーン・ガラスエッチングなどが採用される事例があり、明誠は意匠の本質を理解した修繕提案を強みとする。

