用語集
アルカリ骨材反応
アルカリ骨材反応(あるかりこつざいはんのう、Alkali-Aggregate Reaction、AAR、Alkali-Silica Reaction、ASR)とは、コンクリート中のセメントペースト由来のアルカリ性成分(NaOH、KOH)と、骨材中に含まれる反応性シリカ鉱物(オパール・カルセドニー・クリストバライト・トリディマイト・火山ガラスなど)が水分共存下で化学反応を起こし、アルカリシリカゲルを生成して膨張・ひび割れを引き起こすコンクリート劣化現象を指す。コンクリート構造物の重大な耐久性問題の一つで、1940年代に米国カリフォルニア州・ハイウェイで発見されて以来、世界各地で構造物の早期劣化・崩壊事例が報告されてきた。日本でも1980年代以降、阪神・関西地方を中心に高速道路・橋梁・ダム・トンネルでASR被害が確認され、社会問題となった。反応のメカニズムは、(1)反応性骨材中のシリカがアルカリ水酸化物と反応してアルカリシリカゲルを生成、(2)アルカリシリカゲルが水分を吸って膨張、(3)膨張圧でコンクリート内部に応力が発生、(4)コンクリートに亀甲状ひび割れが発生、(5)ひび割れから水分・塩分・CO2が侵入し、鉄筋腐食・コンクリート中性化が加速、(6)構造性能の劣化、と進行する。対策としては、(A)低アルカリセメントの使用、(B)混和材(フライアッシュ・高炉スラグ)の併用、(C)非反応性骨材の選定、(D)アルカリ総量の制限(コンクリート1m³当たりNa2O換算3.0kg以下)、(E)骨材の事前試験(化学法・モルタルバー法)、などがJIS規格・JASS5・コンクリート示方書に規定されている。マンション・ビル・ホテルの大規模修繕工事における躯体補修工事で、ASR被害の調査・診断・補修(含浸剤・断面修復・PCM・カットオフ)が必要な場合があり、明誠は構造専門業者・コンクリート診断士との連携で対応する。

