用語集
アンコールワット
読み方
あんこーるわっと
アンコールワット(Angkor Wat)とは、カンボジア北西部シェムリアップ州に位置する世界最大級の宗教建築遺跡で、12世紀前半(西暦1113年〜1150年頃)にクメール帝国のスーリヤヴァルマン2世によって建造されたヒンドゥー教(後に仏教)寺院複合体である。1992年にユネスコ世界文化遺産に登録され、年間200万人以上の観光客が訪れる世界的観光地となっている。アンコールワットの建築上の特徴は、(1)東西1.5km・南北1.3kmの広大な敷地、(2)周囲を幅190mの濠で囲まれた回廊式設計、(3)中央祠堂は高さ65mの五重塔型、(4)砂岩・赤色砂岩・ラテライト石材を用いた精緻な石造建築、(5)四方を放射状に伸びる参道・回廊、(6)壁面・梁・柱に施された膨大な浮彫(バス・レリーフ)、(7)天文学・占星術に基づいた精密な設計(春分・秋分の太陽の動きに合わせた配置)、などである。長年の風化・植物侵食・盗難・戦災によって損傷が進行したが、フランス・日本・米国などの国際的支援により修復・保存活動が継続されている。日本のJSA(日本国政府アンコール遺跡救済チーム、上智大学アンコール遺跡国際調査団など)は、世界に貢献する文化財修復技術として高い評価を得ている。建築・建設分野では、(A)伝統石造建築技術の研究、(B)石材保存・修復技術、(C)熱帯気候下での建材耐久性研究、(D)大規模構造物の遺構保存技術、などが関連分野として研究される。マンション・ビル・ホテルの大規模修繕工事との直接の関連性は薄いが、明誠が運営するJCSAでは、世界の建築文化・修復技術の知見を建設業者向けに情報発信し、業界の視野拡大に貢献している。

