用語集
行灯の光
読み方
あんどんのひかり
行灯の光(あんどんのひかり)とは、行灯から発せられる和紙越しの柔らかな拡散光のことで、現代の建築・照明設計において日本の伝統的な光環境を再現する際の参考事例として位置付けられる照明文化の象徴である。物理的特性は、(1)油皿または蝋燭の比較的低色温度(2,000〜2,500K、現代LEDで言う電球色相当)の暖色光、(2)和紙による光の拡散(指向性光から拡散光への変換)、(3)和紙の透過率20〜40%程度による低照度(10〜30ルクス相当)、(4)和紙の繊維による光の散乱・揺らぎ、(5)枠の影が壁面に投影される独特の意匠、などで、現代の均一・高照度なLED照明とは異質な「不均一・低照度・暖色・揺らぎ」を特徴とする。谷崎潤一郎の随筆「陰翳礼讃」(1933年)は、こうした日本の伝統的な光環境の美意識を論じた古典的名著で、現代の和風建築・和モダン建築の照明設計の理論的支柱として広く参照される。現代照明設計における「KAGE TO HIKARI(影と光)」のコンセプトは、まさに行灯の光に代表される日本の光文化を現代建築に翻訳する設計思想で、(A)高級和風旅館・料亭、(B)和モダン住宅、(C)日本料理店・茶室、(D)寺社・神社の夜間ライトアップ、(E)日本文化を演出するホテル・商業施設、などで採用される。マンション・ホテルの大規模修繕工事における共用部リニューアルでも、行灯風の和紙シェード付きLED照明や、間接照明による柔らかな光演出が和風意匠の物件で人気を集めている。明誠はこうした多様な意匠ニーズに応える内装提案も含めた総合的な修繕プロジェクトを提供できる。

