用語集
位相差顕微鏡法
位相差顕微鏡法(いそうさけんびきょうほう、Phase Contrast Microscopy、PCM法)とは、光の位相差を利用して透明な微小物体(細胞・繊維等)を視覚化する顕微鏡技術で、石綿(アスベスト)繊維の濃度測定における国際標準分析法の一つである。JIS K 3850-1「空気中の繊維状粒子の測定方法」、JIS A 1481「建材中の石綿含有率測定方法」、ISO 8672「Workplace atmospheres – Determination of number concentration of airborne inorganic fibres」などの規格に基づき、世界各国で標準分析法として採用されている。測定原理は、(1)空気をフィルターで採取(一般にメンブレンフィルター)、(2)フィルターを溶剤で透明化(アセトン・トリアセチン処理)、(3)位相差顕微鏡で観察、(4)長さ5μm以上・アスペクト比3:1以上の繊維を石綿繊維として計数、(5)視野数・体積から1L当たりの繊維数に換算、などの手順で行う。利点は、(A)国際標準で世界中で比較可能、(B)測定装置が比較的安価、(C)測定時間が短い(数時間で結果判明)、(D)作業現場での即時測定可能、などである。欠点は、(i)石綿以外の繊維も計数してしまう(合成繊維・ガラス繊維との区別困難)、(ii)非常に細い繊維(電子顕微鏡で見える微小繊維)は検出不可、(iii)熟練の技術者による計数判断に依存、などである。マンション・ビル・ホテルの大規模修繕工事における石綿含有建材の除去・改修工事では、PCM法による作業環境測定・敷地境界測定が標準的に実施され、明誠は協力会社の専門機関ネットワークを活かした適切な測定実施で安全管理を徹底する。

