用語集
移転
移転(いてん、英:Relocation、Transfer)とは、建築・不動産用語として複数の意味を持つ多義的な用語で、文脈により(1)建物の位置を物理的に動かす建築移転工事、(2)法的権利の所有者・契約者を変更する不動産権利移転、(3)事業所・住居の引っ越し、(4)住民票・本籍の登録変更などを指す。建築工事における「建物移転」とは、既存建物を解体せずに別の位置へ動かす特殊工事で、曳家(ひきや)・揚屋(あげや)と呼ばれる伝統工法と現代の機械化工法がある。曳家は江戸時代から続く日本の伝統技術で、建物の基礎下にレール・コロ・ジャッキを組み込み、人力・機械力で建物全体を水平移動させる。文化財建築・神社仏閣の保存修理、土地区画整理事業、都市計画道路建設、公共事業の用地買収などで、貴重な建物を保存しつつ移転する必要がある場合に採用される。日本国内の代表的な移転事例には、迎賓館赤坂離宮の移転検討、京都府庁旧本館の保存活用、伊勢神宮の式年遷宮(伝統的な建替式建物移転)、各地の寺院本堂・山門の曳家修復などがある。法的権利の所有者変更を指す「権利移転」には、所有権移転(売買・贈与・相続)、借地権移転、賃借権移転、抵当権移転などがあり、いずれも法務局での登記手続が必要となる。マンション・ビル・ホテルの売買では所有権移転登記が必須で、買主名義への変更手続きが完了して初めて法的に所有権が移転する。事業所・住居の引っ越しは事業の継続性確保が課題で、什器・機器・データ・通信設備・電源・防災設備などの計画的な移設が必要となる。明誠フランチャイズの加盟会社の中には、引越し・原状回復・新拠点整備をワンストップで請け負う事業会社も存在し、建物所有者・テナント双方の移転業務を支援している。

