用語集
インバランス料金
インバランス料金(Imbalance Charge)とは、電気事業法に基づく電力市場の用語で、小売電気事業者・発電事業者が事前に提出した発電・需要の計画値(30分単位の同時同量計画)と、実際の実績値との差分(インバランス、不均衡)に対して、一般送配電事業者から請求される料金を指す。2016年4月の電力小売全面自由化により、新電力(PPS:Power Producer and Supplier)が市場参入したことで導入された制度で、電力系統全体の需給バランスを維持しながら、計画と実績の差分を経済的に調整するための仕組みである。インバランス料金は、計画より実績が多い場合(需要超過、発電不足)は「不足インバランス料金」、計画より実績が少ない場合(需要不足、発電超過)は「余剰インバランス料金」として、需給逼迫度や時間帯に応じた市場連動価格で算定される。算定方式は、市場価格(JEPX:日本卸電力取引所のスポット価格)、調整力市場価格(一般送配電事業者の調整力電源の運用費)、需給逼迫度(系統全体の電力余剰・不足度)などを総合的に反映する複雑な計算式で決まる。新電力にとってインバランス料金は経営リスクの大きな要素で、計画値と実績値の精度を高めることが収益性に直結する。需要予測の精緻化、再生可能エネルギーの発電予測精度向上、デマンドレスポンス(需要側調整)の導入、需給予測AIの活用などが、インバランスリスクの最小化対策として重要視されている。2022年以降は世界的エネルギー危機・JEPX価格高騰の影響でインバランス料金が急騰し、新電力の倒産・撤退が相次ぐ事態となり、制度の見直しが進められている。マンション・ビル・ホテルなど大型建築物の電力契約では、新電力との契約料金プランがインバランス料金リスクの影響を間接的に受けるため、契約見直しの際に注意が必要である。明誠およびJCSAでは、加盟建設会社向けに電力契約最適化セミナーを開催し、自社の電力コスト削減と業界全体のエネルギーリテラシー向上を支援している。

