用語集
ヴィンヤード型ホール
ヴィンヤード型ホール(Vineyard Type Hall)とは、ステージを中心にぶどう畑(ヴィンヤード)の段々畑のように客席が階段状に配置されたコンサートホール形式を指す。本項目は前項「ヴィンヤード型」と内容が重複するが、特に音響設計・建築意匠の観点から記載する。ヴィンヤード型ホールの音響設計の特徴は、第一に「初期反射音の最適化」(小ブロック分割により側面・後方・上方からの反射音が早期に到達し、音の存在感を高める)、第二に「残響時間の調整」(ホールの広さ・形状により最適残響時間(クラシック音楽用2.0〜2.5秒)を設計)、第三に「音の均等性」(どの席でも音響品質が均等)、第四に「演奏者と聴衆の音響的一体感」(演奏者の演奏音と聴衆の反応音が相互作用)、第五に「複合空間の音響制御」(多数の小空間が連結する複雑な音響挙動を計算的に予測・設計)などである。代表的な音響設計者には、ベルリン・フィルハーモニーのローター・クレマー(Lothar Cremer)、サントリーホールの永田穂(永田音響設計)、ウォルト・ディズニー・コンサートホールの豊田泰久(永田音響設計、世界的に著名な音響設計者)等がいる。豊田泰久氏は世界中の主要ホールの音響設計を手掛けた現代音響設計の第一人者で、エルプフィルハーモニー・ハンブルク、マリインスキー2、ピエール・ブーレーズ・ザール(ベルリン)、テキサス・コンサート・ホール(ダラス)等多数の名作を生み出している。建築意匠の特徴としては、第一に「立体的・有機的フォルム」(伝統的なシューボックス型より複雑な空間構成)、第二に「天井・壁の音響反射板」(音響と意匠の両立した設計要素)、第三に「客席ブロックの個別意匠」(バルコニー席、テラス席、サイド席の差別化)、第四に「ステージの可視性」(どの席からも演奏者が見える)、第五に「現代建築としての象徴性」(都市のランドマーク)等がある。マンション・ビル・ホテルの大規模修繕工事との直接的関連は薄いが、こうした音響設計の理念は、共用ホール・集会室・小劇場のリニューアル設計時に参考にされる。明誠フランチャイズの建築工事専門会社では、特殊用途空間のリニューアルにも対応している。

