用語集
浮き床
浮き床(うきゆか、Floating Floor)とは、建物の構造躯体から弾性材(ゴム・スプリング・グラスウール等)で支持され、躯体から独立した状態で施工される床構造を指し、固体伝搬音・振動の遮断を目的とする現代の遮音・防振技術概念である。一般住宅の床が構造梁・スラブに直接接合されているのに対し、浮き床は弾性支持材を介在させることで、上階での歩行音・落下音・楽器音・機械振動などが下階や隣室に伝達されることを大幅に抑制する。本構造の特徴は、第一に「重量床衝撃音(LH)の低減」(ドンドンという重低音の減衰)、第二に「軽量床衝撃音(LL)の低減」(コツコツという衝撃音の減衰)、第三に「設計の柔軟性」(弾性材の固有振動数を調整することで遮断特性を最適化)、第四に「メンテナンスの容易さ」(既存スラブを残したまま施工可能)などが挙げられる。構造形式として、第一に「乾式浮き床」(弾性パッドの上にパーティクルボード・合板を敷き、その上に床仕上を施工、施工性が良い)、第二に「湿式浮き床」(弾性支持材の上にコンクリートを打設、より高い遮音性能)、第三に「スプリング式浮き床」(スプリングで支持、低周波音にも対応)、第四に「グラスウール緩衝材式」(不織布・グラスウールで広面支持)など多様な工法がある。主な適用施設は、第一に「録音スタジオ・音楽スタジオ」、第二に「コンサートホール・ライブハウス」、第三に「マンション・集合住宅の上下階遮音」、第四に「ホテル客室の遮音」、第5に「機械室の振動遮断」、第六に「ダンススタジオ・スポーツ施設」などである。建築基準法施行令・住宅性能表示制度における床衝撃音遮断等級(LL/LH等級)の達成手段としても活用される。代表的なメーカー・施工会社には、東京防音、大同防音、ニッタイ工業、ベル工業、防音工事ナビなどがある。マンション・ビル・ホテルの大規模修繕工事における専有部リフォーム提案では、上下階の遮音改善を目的とした浮き床への変更提案が、住民満足度向上・賃料水準維持の差別化戦略として有効。明誠フランチャイズの内装工事専門会社では、遮音性能向上工事の総合対応が可能で、収益不動産オーナーへの提案を提供している。JCSAでも遮音・防振技術のセミナーを定期開催している。

