用語集
打ち放し仕上げ
打ち放し仕上げ(うちはなししあげ、Exposed Concrete Finish、As-Cast Concrete Finish)とは、コンクリートの型枠を外した後、そのままの状態を仕上げとする手法を指し、コンクリートの素材感を生かす現代建築の代表的な意匠仕上技法概念である。前項「打ち放しコンクリート」とほぼ同義だが、特に「仕上げ」の側面、つまり最終的な意匠表現としての処理に焦点を当てた用語である。本仕上の主な特徴は、第一に「打設したコンクリートの表情がそのまま意匠」(型枠の質感、骨材の表情)、第二に「セパレート(型枠を支える金物)の跡(ピーコン孔)が幾何学的なパターンとして意匠に組み込まれる」、第三に「水セメント比・骨材種類・混和剤の選定により色合いを調整可能」、第四に「型枠の素材選択(杉板型枠、化粧合板、ステンレス型枠等)により表面テクスチャーを表現」、第五に「目地割り・継目を意匠的に配置」などが挙げられる。施工精度の要求が極めて高く、第一に「型枠の精度」(寸法精度、表面状態、剥離剤)、第二に「コンクリートの品質管理」(配合、温度、スランプ、骨材分布)、第三に「打設・締固め」(バイブレーターの適切な使用、層厚の均一性)、第四に「養生」(適切な湿潤養生、温度管理、応力負荷の回避)、第五に「脱型タイミング」(早すぎると角欠け、遅すぎるとひび割れ)などが品質を決定する。表面コーティングの選択として、第一に「無塗装(自然な経年変化を楽しむ)」、第二に「撥水剤(シラン系含浸材)」(コンクリートに浸透して撥水機能を付与、外観はほぼ無変化)、第三に「クリアコーティング(透明保護)」(光沢を付加、若干の表情変化)、第四に「打ち放し用化粧仕上材」(コンクリート風塗装、補修・補色対応)、第五に「色合わせ補修材」(既存意匠の維持)などが、用途と環境に応じて選定される。代表的なメーカーには、菊水化学工業、エスケー化研、大日本塗料、関西ペイント、日本ペイント、神東塗料、ロックペイント、東亜合成、株式会社シーズトレーディング、株式会社オリジン等がある。マンション・ビル・ホテルの大規模修繕工事における打ち放し仕上建物のリニューアル提案では、既存意匠を維持しつつ防水性能・耐久性能を向上させる「補修・保護コーティング」が標準アプローチとなる。明誠フランチャイズの塗装・補修工事専門会社では、打ち放し意匠維持の専門技術を蓄積し、収益不動産オーナーへの長期的な物件価値維持提案を行っている。JCSAでも打ち放しコンクリート補修のセミナーを定期開催している。

