用語集
内訳書
内訳書(うちわけしょ、Itemized Statement、Cost Breakdown)とは、工事費を項目別に詳細に記載した書類を指し、建設工事の積算結果を体系的に整理した現代の建設業の重要書類概念である。建設工事の見積・契約・支払の根拠書類として、施主・元請・下請の三者間の取引において共通の理解基盤を提供する役割を担う。本書類の主な構成項目は、第一に「工事項目」(具体的な工事内容の細目)、第二に「数量」(工事規模、面積・体積・本数・式等の単位数量)、第三に「単位」(㎡、m³、本、式、kg、t等)、第四に「単価」(数量1単位あたりの工事費)、第五に「金額」(数量×単価)、第六に「摘要」(工事内容の補足説明、材質、仕様、特記事項)などである。階層構造として、第一に「大項目」(仮設工事、土工事、躯体工事、外装工事、内装工事、設備工事、外構工事等)、第二に「中項目」(足場仮設、揚重・運搬、コンクリート工事、鉄筋工事、塗装工事、防水工事、サッシ工事等)、第三に「小項目」(具体的な施工内容、例:単管足場H=20m、鉄筋D13、外壁塗装シリコン樹脂等)と整理される。法的位置付けとして、第一に「建設業法第20条」(請負契約の見積条件明示義務)、第二に「公共工事の入札参加資格における積算」、第三に「住宅瑕疵担保責任保険の対象金額計算」、第四に「不動産売買・賃貸の付帯工事費の算出基礎」、第五に「自治体の補助金・助成金申請の根拠資料」など、多様な用途で活用される。積算の方法として、第一に「積み上げ方式」(個別の数量・単価を積み上げ)、第二に「歩掛り方式」(建設業労働災害防止協会の標準歩掛りを活用)、第三に「単価方式」(公共単価表を活用)、第四に「実勢価格方式」(市場実勢に基づく)などがあり、用途と精度要求に応じて選定される。代表的な積算ソフトウェアには、福井コンピュータ「KCAD」「ARCHITREND ZERO」、コクヨ「コクヨツール」、サイバーリンク「Geist」、ダイテック「達人」、シーティーシーエス「シーティーシースイート」など。マンション・ビル・ホテルの大規模修繕工事における見積・契約では、内訳書の精度と透明性が施主の信頼を得るための重要要素となる。明誠フランチャイズの建設会社では、内訳書の標準フォーマット・積算手法を整備し、見積の信頼性と効率性を確保している。JCSAでも積算技術・コスト管理のセミナーを定期開催し、加盟会社の経営支援を進めている。

