用語集
埋込柱脚
埋込柱脚(うめこみちゅうきゃく)とは、鉄骨造(S造)建築物における柱脚形式のひとつで、鉄骨柱の脚部を鉄筋コンクリート基礎の内部に完全に埋め込み、コンクリートとの一体化により柱脚部の固定度を確保する高剛性の柱脚構造を指す。柱脚形式は構造的に「露出柱脚」「根巻柱脚」「埋込柱脚」の3種に大別され、回転剛性・耐力・施工難易度・コストの観点で、埋込柱脚は最も高剛性かつ耐震性能に優れる柱脚形式として、超高層S造建築・大規模事務所ビル・工場・倉庫などのラーメン構造柱脚に標準採用されている。技術的特徴として、第一に「完全固定に近い回転剛性」(柱脚をピン接合ではなく剛接合として設計可能で、ラーメン構造の梁の応力負担が低減)、第二に「高い終局耐力」(地震時の塑性ヒンジを柱頭または梁端に誘導する機構として機能)、第三に「埋込深さ」(柱断面の2倍以上が標準的、柱せいD×2D≦埋込長さ)、第四に「アンカーボルトやコンクリート補強筋との組合せ」などが挙げられる。日本建築学会「鋼構造接合部設計指針」「鉄骨工事技術指針」「建築基準法施行令」などで設計基準・施工要領が定められており、設計者は地震時水平力・転倒モーメントに基づき柱脚形式を選定する。施工面では、基礎コンクリート打設前に鉄骨柱をクレーンで建て込み、コンクリート打設により一体化させる工程となり、施工精度の確保(垂直度・水平位置・芯ずれ)が品質上の重要管理項目となる。マンション・ビル・ホテルの大規模修繕工事との直接的関連は新築工事ほど大きくないが、超高層S造マンションの耐震診断・補強計画では、柱脚部の耐震性能評価が重要となり、明誠の調査診断業務でも非破壊検査やコア抜き調査を通じて柱脚部の健全性確認を行うケースがある。明誠フランチャイズの構造補強工事専門会社では、既存柱脚周囲のRC増打ち補強やシアキー追加施工などにも対応している。JCSAでも構造関連セミナーを開催している。

