用語集
S形瓦
S形瓦(エスがたかわら、S-Shape Tile)とは、屋根瓦の断面形状がアルファベットの「S」字に似た緩やかな波形を持つ粘土瓦の一種で、和瓦・洋瓦・スパニッシュ瓦などの多様な意匠ラインナップの中で「洋風デザイン」「南欧風住宅」「地中海スタイル」などに調和する代表的瓦形状である。S形瓦の特徴は、瓦の山と谷が連続するため屋根面全体に立体感とリズム感が生まれ、シンプルでありながら陰影豊かな意匠を実現できる点にある。製造方法は、原料となる粘土を金型に押し込んでプレス成型し、1100〜1200℃で焼成して仕上げる方式が一般的で、表面に釉薬を塗布した「釉薬瓦」と無釉薬の「いぶし瓦」「素焼瓦」などのバリエーションがある。色調は赤褐色(テラコッタ系)、こげ茶色、黒色、グレー色、白色などが標準で、南欧風住宅・地中海風住宅・モダン和風住宅などに幅広く採用される。S形瓦の主要メーカーは、新東株式会社(旧・新東工業)、三州野安、丸惣(淡路瓦の老舗)、鶴弥、新東、シバオなど、愛知県三河地方(三州瓦)、兵庫県南あわじ市(淡路瓦)、島根県石見地方(石州瓦)など全国の伝統的瓦産地に集中している。屋根材としての性能は、耐候性・耐久性に優れ、適切な施工と定期的な点検・補修を行えば50〜80年程度の耐用年数を見込める。葺き方は「桟瓦葺き」「引掛桟瓦葺き」が標準で、棟・隅棟・けらば・軒先などの役物(特殊形状瓦)と組み合わせて美しい屋根面を形成する。マンション・ビル・ホテルの大規模修繕工事においては、洋風デザインを採用した低層マンション・ホテル・リゾート施設のS形瓦屋根の調査・補修・葺替工事が発生することがあり、明誠グループは瓦専門のフランチャイズ加盟店と連携してS形瓦屋根のメンテナンスに対応している。

