用語集
エスキース
エスキース(フランス語:Esquisse、英語:Sketch)とは、建築設計・デザイン分野で用いられる用語で、建築家・設計者が設計プロジェクトの初期段階で構想・アイデアを素早くスケッチや簡略図として表現する手描き図面・概念図・配置プラン・形態スタディなどの総称である。語源はフランス語で「素描」「下絵」を意味し、絵画・彫刻・工芸・建築など芸術分野で広く用いられてきた言葉で、本格的な詳細設計に入る前の「思考の可視化」「アイデアの試作」のプロセスを指す。エスキースの目的は、(1)施主の要望・敷地条件・予算・法規制などの設計条件を整理しつつ、空間構成・配置計画・形態的アイデアを多数案で比較検討する、(2)設計者自身の構想を発展させる思考ツールとして機能させる、(3)施主・関係者とのコミュニケーションツールとして提案イメージを共有する、(4)設計コンペティション・プロポーザル提案書の核心アイデアを表現する、などが挙げられる。エスキースは伝統的に手描きで作成され、鉛筆・万年筆・カラーマーカー・水彩・パステル・コンテなど多様な描画材料が用いられた。代表的な巨匠建築家のエスキース集は出版物としても価値が高く、ル・コルビュジエ・フランク・ロイド・ライト・ルイス・カーン・アルヴァ・アアルト・安藤忠雄・隈研吾などの作品集・スケッチブックは設計思考のプロセスを学ぶ教科書として親しまれている。近年は手描きエスキースとデジタル表現(iPadのProcreate・SketchBook・Concepts・Photoshopなど)を組み合わせるハイブリッド手法が一般化し、AIによるエスキース支援ツール(Midjourney、Stable Diffusion等)も活用され始めている。マンション・ビル・ホテルの大規模修繕工事においても、外装デザイン刷新、エントランス改修、共用部リノベーションなどの設計提案でエスキースが活用され、明誠グループは意匠設計者と連携した提案力を強みとしている。

