横浜市西区の管理組合が使える無料・低コストの相談窓口13選|区の法律相談から市のアドバイザー派遣(初回無料)まで【令和8年度版】
2026年10月9日 更新
横浜市西区のマンションの理事長さまから、こんなご相談をいただくことがあります。
「大規模修繕の時期が近いが、誰に何を聞けばいいのかわからない。専門家への相談料を、修繕積立金から出すのは気が引ける」
私は、こうしたお話を聞くたびに、相談先を知らないだけで遠回りをしている管理組合が多いと感じます。みなとみらいや横浜駅西口の周辺に、築年数の進んだマンションと新しいマンションが混在する西区は、相談の入口がいくつもあるからです。
西区役所では、神奈川県弁護士会の弁護士による法律相談が開かれています。横浜市には、マンション管理士や建築士が管理組合へ訪問する「マンション・アドバイザー派遣」があり、令和8年度は初回が無料です(利用実績がない場合)。国の窓口である日管連の相談ダイヤルは、何度でも無料です。
申し遅れました。私は株式会社明誠の本間幸紘と申します。東京都東大和市を拠点に、20年近くマンション・ビル・ホテルの外壁の仕事をしてきました。工事の話に入る前に、いま西区の管理組合が使える「お金をかけずに(または少額で)聞ける相談先」を整理してお伝えします。
結論:西区で使える窓口は13、費用が無料と明記されているのは7つ
先に一覧でお示しします。公式ページに「無料」と書かれているものと、費用の記載が見つからなかったものを分けています。
| # | 制度・窓口 | 誰が対応するか | 費用 | 申込先 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 西区役所 法律相談(年度内2回まで) | 神奈川県弁護士会の弁護士 | 要確認(西区ページに料金の記載なし) | 西区役所 区政推進課 045-320-8321 |
| 2 | 西区役所 行政書士相談(第4木曜) | 神奈川県行政書士会の行政書士 | 要確認(同上) | 西区役所1階1番窓口 |
| 3 | 横浜市市民相談室 法律相談・夜間法律相談 | 弁護士 | 要確認(市の案内ページに料金の記載なし) | 市民相談室 045-671-2306 |
| 4 | 市民相談室 司法書士相談(不動産登記ほか) | 認定司法書士 | 要確認(同上) | 同上 |
| 5 | 市民相談室 宅地建物相談 | 宅建業協会会員 | 要確認(同上) | 同上 |
| 6 | マンション・アドバイザー派遣 | マンション管理士・建築士ほか | 初回無料(要件あり)、2回目以降は1回12,650円(税込) | 横浜市住宅供給公社 045-451-7740 |
| 7 | 横浜市マンション管理組合サポートセンター(各区交流会) | 管理組合・専門家 | 無料 | 同センター(市の窓口一覧に記載) |
| 8 | 防災認証関連の専門家派遣(住宅政策課) | 専門家 | 無料(市の窓口一覧に記載) | 建築局住宅政策課 |
| 9 | 神奈川県マンション管理組合交流会(令和8年11月) | マンション管理の専門家 | 無料 | 神奈川県マンション管理士会 045-662-5471 |
| 10 | 管理計画認定制度 相談ダイヤル(日管連) | マンション管理士 | 無料(何回でも) | 03-5801-0858 |
| 11 | マンション管理センター 電話相談 | 専門相談員 | 要確認(費用の記載なし) | 03-3222-1517/1519 |
| 12 | 横浜市消費生活総合センター | 消費生活相談員 | 要確認 | 045-845-6666 |
| 13 | 法テラス 無料法律相談 | 弁護士等 | 無料(収入・資産の基準あり) | 0570-078374 |
正直にお伝えします。私が令和8年10月9日時点で公式ページを確認した範囲では、「費用がかかるかどうか」の記載がない窓口が6つありました。電話で申し込むときに「相談料はかかりますか」とひと言確認するだけで、あとから戸惑わずに済みます。
もう一つ、大事な点があります。神奈川県の「マンションアドバイザー派遣事業」は、横浜市の管理組合は対象外です。県のページに「横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市は対象外で、それぞれ別の制度がある」と書かれています(出典:神奈川県「マンションアドバイザー派遣事業」)。西区の管理組合は、県ではなく市の制度を使う形になります。
西区役所の法律相談と行政書士相談
西区役所の「市民相談」には、次の相談があります(出典:横浜市西区「区民相談」、令和8年3月25日更新)。
| 相談 | 日程 | 方法 |
|---|---|---|
| 法律相談(弁護士) | 毎月第1・2・3木曜、13:00〜15:30開始の25分枠6つ | 電話か1階1番窓口で予約 |
| 行政書士相談 | 毎月第4木曜 13:00〜16:00 | 当日順番(書類の作成は行わない) |
| 行政相談(国の行政全般) | 奇数月の第4金曜 13:00〜16:00 | 当日順番 |
法律相談の予約は、西区在住の方の場合、相談希望日の1週間前の木曜8時45分から受け付けています。電話は045-320-8321(区政推進課広報相談係)です。年度内(4月1日〜翌年3月31日)に一人2回まで、前日17時以降のキャンセルは利用回数に数えられます。
今月でいえば、第3木曜の10月15日が最後の法律相談日です。11月は5日、12日、19日が相談日になります。
西区のページには料金の記載がありません。一方、同じページが案内している市役所の法律相談は「無料法律相談」と表記されています。区の相談も同様か、予約のお電話で確認されるのが確実です。なお、西区役所では電話による法律相談は行っていません。
管理費の滞納や、理事会の議事の進め方、規約の読み方といった「工事の前段階」の疑問は、この法律相談で整理できることが多いと私は見ています。ただし、市民相談は個人の相談が基本で、管理組合としての利用が可能かどうかは、公式ページでは確認できませんでした。予約の際に「マンションの管理組合の理事として相談したい」と伝えてください。
横浜市役所の市民相談室:登記・不動産・夜間の法律相談
市役所(中区本町6丁目50番地の10、3階)の市民相談室では、次の相談が開かれています(出典:横浜市「市民相談室」、令和8年10月9日更新)。
- 司法書士相談:月〜水曜 13:00〜16:00、対面、25分以内。不動産登記、相続、成年後見など
- 宅地建物相談:月曜 10:00〜12:00/13:00〜16:00、電話か対面、35分以内。不動産の売買・賃貸借など(令和8年8月から相談方法を選べるようになりました)
- 夜間法律相談:毎月第2・4水曜、電話かオンライン(選択制)
- 予約:電話045-671-2306。日中の枠は1週間前の同じ曜日の8時45分から受付
対象は横浜市民で、在勤・在学の方は利用できません。西区のマンションにお住まいの区分所有者であれば、利用の道が開かれています。ただし、ページに料金の記載はなく、無料かどうかは確認できませんでした。また、市民相談室では税理士による税務相談は行っていません。管理組合の税務は税理士か税務署が窓口になります。
市のマンション・アドバイザー派遣:初回無料(要件あり)
私が最も使いやすいと感じるのが、横浜市のこの制度です。マンション管理士や建築士などの登録専門家が、管理組合の会合に訪問して相談に応じます。管理運営・規約、修繕積立金、長期修繕計画や大規模修繕、管理計画認定制度、共用部の省エネ改修まで、相談できる範囲は広いです(出典:横浜市「マンション・アドバイザー派遣」、令和8年4月13日更新)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 分譲マンションの管理組合(マンション登録制度への登録が要件) |
| 時間 | 1回につき3時間以内 |
| 回数 | 原則通算6回まで(令和8年度以降)。6回に達した後は年度あたり1回 |
| 費用 | 初回無料(令和7年度以前に利用実績がない場合)。2回目以降は1回あたり税込12,650円(令和8年度) |
| 申込先 | 横浜市住宅供給公社 街づくり事業課 045-451-7740/mansion-adviser@yokohama-kousya.or.jp |
| 対象外 | 居住者間の紛争解決や権利調整 |
ご注意いただきたいのは、同じページの別の箇所に、2回目以降の費用が「12,572円(令和7年度の金額)」と書かれている点です。令和8年度の金額は12,650円と読めますが、申込みの際に事務局で確認してください。
建築士の派遣については、市の独自制度としては、このアドバイザー派遣の枠組みの中で対応する形です。「建築士だけを無料で派遣する」制度は、私が確認した範囲では見つかりませんでした。
さらに令和8年度から、アドバイザー派遣を通算6回利用した管理組合を対象にした「顧問導入支援」が始まっています。6か月間で月額25,300円(通常50,600円を市が半額負担)で、月1回の定期相談などが付きます。これは無料ではありませんが、外部のコンサルタントを入れる前の選択肢として知っておく価値があります。
ここで、現場にいる私の立場から一つお伝えします。アドバイザー派遣は、施工会社の営業とは別の第三者の意見が聞ける点が最大の価値です。見積書が出てから慌てて呼ぶより、見積依頼の前に呼ぶほうが、仕様のぶれが小さくなります。
管理組合のつながりと、防災の専門家派遣
横浜市マンション管理組合サポートセンター
市の窓口一覧には、ほかの管理組合と情報交換できる「横浜市マンション管理組合サポートセンター」が載っています。費用は無料と記載されています。各区交流会は原則毎月第1日曜の9:30〜11:30、リモート交流会は原則毎月第3日曜の18:00〜19:30で、各区交流会は申込不要です(出典:横浜市「マンション管理セミナー・相談会等」)。実際の会場や日程は、年度ごとに変わる可能性があります。事前に電話で確認してください。
防災認証に関する専門家派遣
建築局住宅政策課の窓口では、防災認証に関する専門家の派遣は無料と記載されています。詳細は市の窓口一覧からお問い合わせください(出典:横浜市「マンション管理に関する相談窓口」)。
管理計画認定制度:認定の相談は無料、申請には費用がかかる
認定を受けるかどうかの相談は、日管連の相談ダイヤルで無料です。03-5801-0858、月〜土の10:00〜17:00、何回でも相談でき、1回あたり約30分です(出典:日本マンション管理士会連合会「管理計画認定制度 相談ダイヤル」)。
一方、実際に認定を受けるには費用がかかります。横浜市の場合は次のとおりです(出典:横浜市「管理計画認定制度」)。
- 市への申請手数料:新規・更新とも3,900円(長期修繕計画が複数ある場合は1計画につき1,700円加算)
- 事前確認(マンション管理センター経由・計画1つの場合):合計20,000円
- 申請先:建築局住宅部住宅再生課 045-671-2954
認定には5年の有効期間があります。認定を受けると、フラット35の金利引下げなどの優遇が受けられます(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。
神奈川県・国の相談窓口
神奈川県マンション管理組合交流会(令和8年度)
神奈川県内のマンション管理組合の役員を対象に、専門家の助言を受けながら情報交換する交流会です。費用は無料で、11月に4会場で開かれます。
- 11月7日(土)箱根町役場:マンションの適正管理
- 11月14日(土)ユニコムプラザさがみはら:区分所有法、標準管理規約改正
- 11月22日(日)茅ヶ崎市民文化会館:修繕(長期修繕計画を含む)
- 11月28日(土)葉山マリーナ:区分所有法、標準管理規約改正
いずれも14:00〜16:00の予定で、会場ごとのGoogleフォームから申し込みます。西区から近い会場はありませんが、修繕をテーマにした11月22日の茅ヶ崎会場は、横浜からも通える範囲です。問合せは神奈川県マンション管理士会事務局(045-662-5471、平日10〜17時)です(出典:神奈川県「マンション管理組合交流会」、令和8年9月3日更新)。
マンション管理センターの電話相談
(公財)マンション管理センターの電話相談は、平日9:30〜17:00(祝日・年末年始を除く)、1回あたり15分が目安です。管理組合の運営・規約は03-3222-1517、建物・設備の維持管理は03-3222-1519です。ページに費用の記載はありません(出典:マンション管理センター「電話相談」)。
横浜市消費生活総合センター
契約トラブルの相談は、港南区のゆめおおおかオフィスタワー4階にある横浜市消費生活総合センター(相談専用ダイヤル045-845-6666)が窓口です。訪問販売や工事契約のトラブルの相談先として、覚えておいてください。受付時間と費用は、掲載ページでは確認できませんでした。
法テラス
法テラスの無料法律相談は、収入と資産の基準を満たす方が対象です。たとえば家族が1人の場合、手取りの月収182,000円以下(東京23区などは200,200円以下)で、資産は180万円以下が目安です。サポートダイヤルは0570-078374(平日9〜21時、土曜9〜17時)です(出典:法テラス「無料法律相談のご利用の流れ」)。管理組合という法人格のない団体の場合に基準がどう適用されるかは、法テラスに直接確認が必要です。
相談の前に、足場とロープアクセスの比較も知っておいてください
無料の相談で整理した後、実際の工事の計画に進むとき、工法の選択が総額を大きく変えます。私どもは、通常の足場工法、ロープアクセス工法、両方を組み合わせるハイブリッド工法の3つから、建物に合う方法をご提案しています。
目安として、10階建て・外周80m・工期3か月のマンションで、仮設足場に約168万円かかる場面で、ロープアクセスなら約59万円という比較例があります(建物の形状や条件で大きく変わります。あくまで参考値です)。外壁の打診調査の単価は、一般に1㎡あたり250〜500円程度が目安です。
ロープアクセス工法は、メインロープとバックアップロープの2本に接続し、2点以上の吊元を確保して作業します。明誠と全国のフランチャイズ加盟企業では、過去16年間、墜落による労働災害はゼロです。株式会社明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。詳しい工法の仕組みは明誠のロープアクセス工法の技術詳細に、同業者向けの技術・訓練情報は姉妹サイトのロープアクセスドットコムにまとめています。
料金の考え方は大規模修繕の料金の考え方でお伝えしています。明誠のこれまでの実績は明誠の施工事例からご覧いただけます。管理組合さま向けの詳しいご案内は管理組合向けサービスのページに、私たちの考え方は明誠の理念に書いています。ロープアクセスの安全面や費用面を、もう少し具体的に知りたい方は、姉妹サイトのロープアクセスの解説記事もご覧ください。
何を用意して相談に行けばいいか:3点セット
専門家に相談するとき、手元に次の3点があると、相談の時間がずっと有効になります。私はいつも理事長さまにこの3つをお願いしています。
- 総会議事録(直近2〜3期分):何を決めてきたかが分かります。
- 長期修繕計画:作成年、次回の大規模修繕の予定、修繕積立金の残高と見通しを確認します。
- 管理規約(使用細則を含む):議決の要件や、専有部分・共用部分の範囲を確認します。
加えて、築年数、戸数、階数、管理会社の有無が分かると、アドバイザーも法律相談の弁護士も、一般論ではなく自分たちのマンションの話として答えられます。
よくあるご質問
Q. 西区の管理組合は、神奈川県のマンションアドバイザー派遣を使えますか?
A. 使えません。県の制度は横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市が対象外です。西区の管理組合は、横浜市のマンション・アドバイザー派遣(横浜市住宅供給公社 045-451-7740)を使います。
Q. 市のアドバイザー派遣は、本当に無料ですか?
A. 初回は無料ですが、令和7年度以前に利用実績がない管理組合が対象です。マンション登録制度への登録も要件です。2回目以降は1回あたり税込12,650円(令和8年度)で、1回は3時間以内、通算6回までが原則です。
Q. 西区役所の法律相談は、管理組合の理事でも使えますか?
A. 公式ページでは管理組合としての利用可否は確認できませんでした。予約の電話(045-320-8321)で「管理組合の理事として」と伝えて確認してください。年度内に一人2回までです。
Q. 登記や不動産の相談は、どこでできますか?
A. 横浜市役所3階の市民相談室で、司法書士相談(登記)と宅地建物相談が開かれています。予約は045-671-2306です。西区役所では、登記・不動産の相談は案内されていません。
Q. 管理計画認定を受けると何が良くなりますか?
A. フラット35の金利引下げなどの優遇があり、市場での評価向上も期待されています。横浜市への申請手数料は3,900円で、事前確認の費用は別にかかります。相談は日管連のダイヤル(03-5801-0858)が無料です。
Q. 無料相談のあと、工事の見積りだけ取ることはできますか?
A. できます。相談と見積りは別です。見積りの前に専門家の意見を聞くと、仕様のぶれが小さくなります。明誠も、お見積りのみのご相談を承っています。
Q. 窓口に電話する前に、何を用意すればよいですか?
A. 築年数、戸数、階数、管理会社の有無と、総会議事録・長期修繕計画・管理規約の3点を手元にご用意ください。聞きたいことを3つに絞ると、短い相談枠でも足ります。
まとめ:今週動くこと3点
私は、西区の管理組合の皆さまに、今週のうちに次の3つを提案します。
- 3点セットをそろえる:総会議事録、長期修繕計画、管理規約を1つのフォルダにまとめます。
- 電話を1本かける:市のアドバイザー派遣(045-451-7740)で、マンション登録と初回無料の対象かを確認します。同時に西区役所(045-320-8321)で10月15日の法律相談の空きを聞いてみてください。
- 理事会で議題にする:次回の理事会で、「見積りの前に第三者の意見を聞く」ことを1分だけでも話題にしてください。
相談先を知ることは、修繕積立金を守る最初の一歩です。工事のことで、ご相談だけでも遠慮なくお問合せフォームからお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。
出典・参考資料
- 横浜市西区「区民相談」(令和8年3月25日更新)
- 横浜市「市民相談室」(令和8年10月9日更新)
- 横浜市「マンション・アドバイザー派遣」(令和8年4月13日更新)
- 横浜市「マンション管理に関する相談窓口」(令和8年4月8日更新)
- 横浜市「マンション管理に関する相談窓口一覧(PDF)」(令和8年3月30日)
- 横浜市「マンション管理セミナー・相談会等(PDF)」(令和8年2月17日)
- 横浜市「管理計画認定制度(PDF)」
- 神奈川県「マンションアドバイザー派遣事業」(令和8年6月26日更新)
- 神奈川県「マンション管理組合交流会」(令和8年9月3日更新)
- (公財)マンション管理センター「電話相談」
- 日本マンション管理士会連合会「管理計画認定制度 相談ダイヤル」
- 国土交通省「マンション管理計画認定制度」
- 法テラス「無料法律相談のご利用の流れ」
本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月9日時点で公表されている横浜市および国土交通省・神奈川県の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、横浜市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。なお、西区・市民相談室の相談料、市民相談の管理組合としての利用可否、市独自の建築士単独派遣制度の有無は、公式ページで確認できませんでした。アドバイザー派遣の2回目以降の費用は、同一ページに令和8年度12,650円と令和7年度12,572円の記載があり、本記事では令和8年度の金額を採用しています。
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。IRATA水準の技能訓練を受けた作業員、ISO9001品質マネジメントシステムのもとで施工しています。
最終更新:2026年10月9日
関連記事(姉妹サイト)
ロープアクセス工法の詳細や実例については、姉妹サイト「ロープアクセスドットコム」の以下の記事もぜひご覧ください。
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『大規模修繕工事 職人だから言える本当の話 —— 見積書では見えない業界の裏側と、修繕積立金を守る発注術』(Kindle版)を出版しています。20年以上の現場経験から、管理組合・オーナーが修繕積立金を守るための発注術と、業界の内幕を書き下ろしました。
横浜市中区の管理組合が使える無料・低コストの相談窓口14選|区役所の弁護士・公証人相談から市のアドバイザー派遣(初回無料)まで【令和8年度版】
2026年10月9日 更新
横浜市中区のマンションの理事長さまから、こんなご相談をいただくことがあります。
「大規模修繕の時期が近いが、誰に何を聞けばいいのかわからない。専門家に相談するたびにお金がかかるなら、修繕積立金には手を付けにくい」
私は、こうしたお話を聞くたびに、相談先を知らないだけで遠回りをしている管理組合が多いと感じます。理由は単純で、無料で使える入口が、区役所、市役所、民間の支援団体、県、国と、あちこちに分かれているからです。
中区には、ほかの区にはない強みがあります。区役所の弁護士相談は「無料」と公式ページに明記されています。横浜市役所の庁舎が中区の本町にあり、市の住宅再生課も、市民相談室も、同じ庁舎に入っています。マンション管理組合サポートセンターの事務局も、中区の翁町にあります。窓口を歩いて回れる距離感は、理事会の負担を軽くしてくれます。
申し遅れました。私は株式会社明誠の本間幸紘と申します。東京都東大和市を拠点に、20年近くマンション・ビル・ホテルの外壁の仕事をしてきました。工事の話に入る前に、いま中区の管理組合が使える「お金をかけずに(または少額で)聞ける相談先」を整理してお伝えします。
結論:中区で使える窓口は14、費用が無料と明記されているのは11
先に一覧でお示しします。公式ページに「無料」と書かれているものと、費用の記載が見つからなかったものを分けています。
| # | 制度・窓口 | 誰が対応するか | 費用 | 申込先 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 中区役所 弁護士による相談(予約制) | 弁護士 | 無料(年度内2回まで) | 中区役所 区政推進課 045-224-8123 |
| 2 | 中区役所 公証人による相談(予約制) | 公証人 | 無料 | 同上 |
| 3 | 中区役所 行政書士による相談(予約制) | 行政書士 | 要確認(ページに費用の記載なし) | 同上 |
| 4 | 横浜市役所 市民相談室(司法書士・宅建・夜間法律相談) | 司法書士・宅建業の専門家・弁護士 | 要確認(ページに費用の記載なし) | 市民相談室 045-671-2306 |
| 5 | マンション・アドバイザー派遣 | マンション管理士・建築士ほか | 初回無料(要件あり)、2回目以降は1回12,650円(税込) | 横浜市住宅供給公社 045-451-7740 |
| 6 | 管理組合活動活性化支援 | マンション専門家 | 無料(市の窓口一覧に記載) | 同上 |
| 7 | 規約や総会等がないマンションへの専門家派遣 | 専門家 | 無料(印刷費などの実費が出ることあり) | 同上 |
| 8 | マンション・団地再生コーディネート支援(築30年以上) | 専門家 | 無料(個別業務は別契約) | 同上 |
| 9 | 横浜市マンション管理組合サポートセンター(各区交流会) | 管理組合・専門家 | 無料(市の窓口一覧に記載) | 同センター 045-663-5459 |
| 10 | よこはま防災力向上マンション認定制度の専門家派遣 | 専門家団体 | 無料(市の窓口一覧に記載) | 建築局住宅政策課 045-671-4121 |
| 11 | 管理計画認定制度 相談ダイヤル(日管連) | マンション管理士 | 無料(何回でも) | 03-5801-0858 |
| 12 | 神奈川県マンション管理組合交流会(令和8年11月) | 専門家による講義と意見交換 | 無料 | 神奈川県マンション管理士会 045-662-5471 |
| 13 | マンション管理センター 電話相談 | 専門相談員 | 要確認(費用の記載なし) | 03-3222-1517/1519 |
| 14 | 法テラス 無料法律相談 | 弁護士等 | 無料(収入・資産の基準あり) | 0570-078374 |
このほかに、無料ではありませんが、長期修繕計画の作成費用を市が2分の1(上限20万円)補助する制度があります。後ほど別に整理します。
正直にお伝えします。私が令和8年10月9日時点で公式ページを確認した範囲では、「費用がかかるかどうか」の記載がない窓口が3つありました。電話で申し込むときに「相談料はかかりますか」とひと言確認するだけで、あとから戸惑わずに済みます。
もう一つ、大事な点があります。神奈川県の「マンションアドバイザー派遣事業」は、横浜市の管理組合は対象外です。県のページに「横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市は対象外で、それぞれ別の制度がある」と書かれています(出典:神奈川県「マンションアドバイザー派遣事業」)。中区の管理組合は、県ではなく市の制度を使う形になります。
中区役所の「専門家による相談」:弁護士・公証人は無料
中区役所(横浜市中区日本大通35番地)では、次の専門家相談が開かれています(出典:横浜市中区「専門家(弁護士・公証人・行政書士)による相談」、令和8年4月28日更新)。
| 相談 | 日程 | 費用 | 対象の例 |
|---|---|---|---|
| 弁護士による相談 | 第1・第2・第3火曜日 13:00〜16:00(1回25分) | 「秘密厳守・無料です」 | 法律にかかわる問題 |
| 公証人による相談 | 第2金曜日 13:00〜15:00(1回25分) | 「秘密厳守・無料です」 | 相続、公正証書、遺言など |
| 行政書士による相談 | 第4金曜日 13:00〜16:00(1回25分) | ページに記載なし | 遺言書の作成、各種許認可、会社・法人設立など |
予約は電話で、相談日の当日に受け付けます。中区に住んでいる方・勤めている方は午前9時から、中区以外の市内在住・在勤の方は午前9時30分からです。電話は中区役所区政推進課の045-224-8123です。弁護士相談は年度内(4月1日〜翌年3月31日)に2回まで利用できます。
実施日の例を挙げます。弁護士相談は、10月が13日と20日、11月が10日と17日です。11月3日は祝日のため実施されません(ページに「5月5日、8月11日、11月3日、令和9年1月5日は実施なし」とあります)。12月は1日、8日、15日です。今日の10月9日は第2金曜日で、公証人相談の日にあたります。次回は11月13日です。
なお、ご注意いただきたい点が1つあります。区の別のFAQページには、法律相談の電話番号が045-224-8121と載っています。令和8年4月に更新された専門家相談のページは8123です。つながらないときは、区役所の代表電話(045-224-8181)から区政推進課につないでもらってください。
管理費の滞納、理事会の議事の進め方、規約の読み方といった「工事の前段階」の疑問は、弁護士相談で整理できることが多いと私は見ています。ただし、この相談が個人の相談を想定しているのか、管理組合の理事としての相談も受けられるのかは、公式ページでは確認できませんでした。予約の電話で「マンションの管理組合の理事として相談したい」とお伝えください。
公証人相談は、組合というより区分所有者ご本人の相続や遺言の相談向けです。ただし、管理組合の議事録や契約書の「公正証書」にまつわる疑問が出たときの入口として、覚えておく価値はあります。
横浜市役所の市民相談室:登記・不動産・夜間の法律相談
市役所(中区本町6丁目50番地の10、3階)の市民相談室では、次の相談が開かれています(出典:横浜市「市民相談室」、令和8年10月9日時点で確認)。
- 司法書士相談:月〜水曜 13:00〜16:00、対面、25分以内。不動産登記、相続、成年後見など
- 宅地建物相談:月曜 10:00〜12:00/13:00〜16:00、電話か対面、35分以内。不動産の売買・賃貸借など
- 夜間法律相談:毎月第2・4水曜、電話かオンライン(選択制)
- 予約:電話045-671-2306
対象は横浜市民で、在勤・在学の方は利用できません。ページに料金の記載はなく、無料かどうかは確認できませんでした。また、市民相談室では税理士による税務相談は行っていません。管理組合の税務は、税理士か税務署が窓口になります。
市のマンション・アドバイザー派遣:初回無料(要件あり)
私が最も使いやすいと感じるのが、横浜市のこの制度です。マンション管理士や建築士などの登録専門家が、管理組合の会合に訪問して相談に応じます(出典:横浜市「マンション・アドバイザー派遣」、令和8年4月13日更新)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 分譲マンションの管理組合(有志や個人名の申込みは不可)。マンション登録制度への登録が要件 |
| 時間 | 1回につき3時間以内 |
| 回数 | 原則6回まで。6回に達した後は、翌年度以降は年度あたり1回 |
| 費用 | 初回無料(令和7年度以前に利用実績がない場合)。2回目以降は1回あたり税込12,650円(令和8年度) |
| 申込先 | 横浜市住宅供給公社 街づくり事業課。事前相談書をメール(mansion-adviser@yokohama-kousya.or.jp、件名に【マンション名】)またはFAX(045-451-7789)で提出。電話は045-451-7740 |
ご注意いただきたいのは、同じページに、2回目以降の費用として「12,572円(令和7年度の金額)」という記載も残っている点です。令和8年度の金額は12,650円と読めます。申込みの際に事務局で確認してください。
また、市の窓口一覧には「顧問導入支援」も載っています。アドバイザー派遣のあとに、継続的な専門家相談を体験できる制度で、月額25,300円(6か月まで)と記載されています。無料ではありませんが、外部の管理コンサルタントを入れる前の試し運転として知っておく価値があります。
ここで、現場にいる私の立場から一つお伝えします。アドバイザー派遣の最大の価値は、施工会社の営業とは別の第三者の意見が聞けることです。見積書が出てから慌てて呼ぶより、見積依頼の前に呼ぶほうが、仕様のぶれが小さくなります。理事会の議題を整理する、という使い方でも十分に元が取れます。
管理組合の運営を無料で支える、市の3つの専門家派遣
アドバイザー派遣のほかにも、公社が窓口になっている無料の支援が3つあります。状況に合うものを選んでください。窓口は、いずれも横浜市住宅供給公社 街づくり事業課(045-451-7740)です。
管理組合活動活性化支援
マンションの専門家による、組合運営の相談です。市の窓口一覧では、費用は「無料」と記載されています(出典:横浜市「マンション管理に関する相談窓口一覧(PDF)」、令和8年3月30日)。このPDFには、対象の要件の詳細が書かれていません。申込みの前に、公社へ要件を確認してください。
規約や総会等がないマンションへの専門家派遣
管理規約がない、総会を開いていないなど、組織・規約・総会などに関する8項目のうち2つ以上に当てはまる管理組合が対象です。専門家の派遣費用は無料で、1回3時間以内です。ただし、配付物の印刷費や登記簿謄本の取得費など、一定の実費がかかることがあります(出典:横浜市「規約や総会等がないマンションへの専門家派遣」、令和8年4月3日更新)。
マンション・団地再生コーディネート支援
築30年以上の分譲マンション・団地が対象です。管理組合があり年1回以上総会を開いていること、管理規約があること、7年以内に見直された長期修繕計画があることが条件です。専門家が、大規模修繕のその先(長寿命化・建替えなど)の検討を支援します。費用は無料です。ただし、設計図面の作成のような個別の業務を頼むときは、別途契約になります。1回3時間まで、年5回、合計15回、通算4か年まで使えます(出典:横浜市「将来検討初動期の活動支援」、令和8年8月25日更新)。
長期修繕計画の作成費を、市が2分の1補助(上限20万円)
ここは無料ではありませんが、費用を抑えたい管理組合にとって大きな制度です。「長期修繕計画がない」「15年以上見直していない」管理組合を対象に、劣化の診断費用と計画の作成費用を、委託費用の2分の1(上限20万円、1,000円未満切り捨て)まで補助します(出典:横浜市「長期修繕計画がない、長年更新していないマンションへの補助金」、令和8年4月1日更新)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象の要件 | 年1回以上の総会、管理規約あり、長期修繕計画がない(または15年以上見直していない)、計画の作成・見直しと費用を規約に沿って決定、マンション登録制度に登録済み |
| 補助対象 | ①劣化調査・診断の費用、②長期修繕計画の作成費用(各1回) |
| 補助率・上限 | 委託費用の2分の1、上限20万円 |
| 受付 | 受付期間の記載なし。令和8年度の予算に達し次第終了。事前に住宅再生課へ相談 |
| 期限 | 令和9年1月末までに事業を完了し、実績報告 |
| 注意 | すでに契約済みの業務は対象外。併用住宅は住宅部分の費用のみ対象 |
| 窓口 | 建築局住宅再生課 045-671-2954(市庁舎24階) |
併用住宅に関する記載は、住宅と商業施設・事務所が混在する建物の理事会にとって、見落としやすいポイントです。区分所有者の中に店舗やオフィスがある建物は、費用の按分を専門家と先に整理しておくと、申請がスムーズです。
さらに、省エネ改修を含む長期修繕計画を作る場合の補助もあります。こちらは管理計画認定を受けている(または総会で認定申請を承認している)ことが条件で、補助額は同じく「2分の1、上限20万円」です。屋根・外壁の断熱、窓の断熱改修、太陽光発電などが対象になります(出典:横浜市「省エネに関する長期修繕計画を作成しようとするマンションへの補助金」、令和8年4月1日更新)。
なお、予算の都合で受付が終わることがあります。「来年度でいいか」と先延ばしにすると、制度の内容そのものが変わる可能性もあります。使うつもりがあるなら、早めの電話をおすすめします。
管理組合同士のつながりと、防災の専門家派遣
横浜市マンション管理組合サポートセンター
市内の管理組合が情報交換し、専門家を交えて話し合う事業です。事務局は、中区翁町1-5-14(新見翁ビル3階)にあります。各区の交流会は、原則として毎月第1日曜の9:30〜11:30に地区センター等で開かれ、申込みは不要です。リモート交流会は、原則として毎月第3日曜の18:00〜19:30で、申込みが必要です(出典:横浜市「マンション管理セミナー・相談会等(PDF)」、令和8年2月17日)。
費用は、市の窓口一覧に「参加費無料」と書かれています。一方、サポートセンターの紹介ページには参加費の記載がありません(出典:横浜市「マンション管理組合サポートセンター」、令和8年4月3日更新)。中区の交流会の会場と日程は、公式ページでは確認できませんでした。事務局(045-663-5459、平日10時〜17時)か、チラシで確認してください。
よこはま防災力向上マンション認定制度の専門家派遣
建築局住宅政策課(045-671-4121)の防災認証に関する専門家派遣は、無料と記載されています(出典:前掲の窓口一覧PDF)。受付の流れは、市に直接お尋ねください。
管理計画認定制度:認定の相談は無料、申請には費用がかかる
認定を受けるかどうかの相談は、日管連の相談ダイヤルで無料です。03-5801-0858、月〜土の10:00〜17:00(祝日・年末年始を除く)、何回でも相談でき、1回あたり30分程度です(出典:日本マンション管理士会連合会「管理計画認定制度 相談ダイヤル」)。
一方、実際に認定を受けるには費用がかかります。横浜市のページには、次の記載があります(出典:横浜市「管理計画認定制度」、令和7年12月8日更新)。
- 申請手数料(新規):3,900円+郵送料。長期修繕計画が複数ある場合は、1,700円×(計画の数−1)を加算
- 手続きシステム利用料:10,000円
- 事前確認(適合確認)の費用:依頼する専門家によって異なり、金額の記載なし
- 申請の方法:市への直接申請は受け付けず、マンション管理センターの手続きシステムから申請
このページは令和7年12月の更新で、令和8年度の金額かどうかは明記されていません。更新の手数料の記載もありません。申請の前に、市の住宅再生課(045-671-2954)で最新の金額をご確認ください。認定には5年の有効期間があり、フラット35の金利引下げなどの優遇が受けられます(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。
神奈川県・国の相談窓口
神奈川県マンション管理組合交流会(令和8年度)
神奈川県内のマンション管理組合の役員を対象に、講義と、参加者同士の意見・情報交換を行う交流会です。費用は無料で、11月に4会場で開かれます。
- 11月7日(土)箱根町役場:マンションの適正管理
- 11月14日(土)ユニコムプラザさがみはら(相模原市南区):区分所有法、標準管理規約の改正
- 11月22日(日)茅ヶ崎市民文化会館:修繕(長期修繕計画を含む)
- 11月28日(土)葉山マリーナ(三浦郡葉山町):区分所有法、標準管理規約の改正
いずれも14:00〜16:00の予定で、会場ごとのGoogleフォームから申し込みます。中区から近い会場はありませんが、修繕をテーマにした11月22日の茅ヶ崎会場は、JR「茅ヶ崎駅」から徒歩8分です。問合せは神奈川県マンション管理士会事務局(045-662-5471、平日10〜17時)です(出典:神奈川県「マンション管理組合交流会」、令和8年9月3日更新)。
マンション管理センターの電話相談
(公財)マンション管理センターの電話相談は、管理組合の運営・規約が03-3222-1517、建物・設備の維持管理が03-3222-1519です。市の窓口一覧にも、ページにも、費用の記載がありません(出典:マンション管理センター「電話相談」)。
法テラス
法テラスの無料法律相談は、収入と資産の基準を満たす方が対象です。サポートダイヤルは0570-078374です(出典:法テラス「無料法律相談のご利用の流れ」)。管理組合という法人格のない団体の場合に、基準がどう適用されるかは、法テラスに直接確認が必要です。
相談の前に、足場とロープアクセスの比較も知っておいてください
無料の相談で整理した後、実際の工事の計画に進むとき、工法の選択が総額を大きく変えます。私どもは、通常の足場工法、ロープアクセス工法、両方を組み合わせるハイブリッド工法の3つから、建物に合う方法をご提案しています。
目安として、10階建て・外周80m・工期3か月のマンションで、仮設足場に約168万円かかる場面で、ロープアクセスなら約59万円という比較例があります(建物の形状や条件で大きく変わります。あくまで参考値です)。外壁の打診調査の単価は、一般に1㎡あたり250〜500円程度が目安です。
ロープアクセス工法は、メインロープとバックアップロープの2本に接続し、2点以上の吊元を確保して作業します。明誠と全国のフランチャイズ加盟企業では、過去16年間、墜落による労働災害はゼロです。株式会社明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。詳しい工法の仕組みは明誠のロープアクセス工法の技術詳細に、同業者向けの技術・訓練情報は姉妹サイトのロープアクセスドットコムにまとめています。
料金の考え方は大規模修繕の料金の考え方でお伝えしています。明誠のこれまでの実績は明誠の施工事例からご覧いただけます。管理組合さま向けの詳しいご案内は管理組合向けサービスのページに、私たちの考え方は明誠の理念に書いています。ロープアクセスの安全面や費用面を、もう少し具体的に知りたい方は、姉妹サイトのロープアクセスの解説記事もご覧ください。
何を用意して相談に行けばいいか:3点セット
専門家に相談するとき、手元に次の3点があると、相談の時間がずっと有効になります。25分や3時間という限られた枠では、とくに差が出ます。私はいつも理事長さまにこの3つをお願いしています。
- 総会議事録(直近2〜3期分):何を決めてきたかが分かります。
- 長期修繕計画:作成年、次回の大規模修繕の予定、修繕積立金の残高と見通しを確認します。補助金の要件(15年以上未見直しかどうか)の確認にも使います。
- 管理規約(使用細則を含む):議決の要件や、専有部分・共用部分の範囲を確認します。
加えて、築年数、戸数、階数、管理会社の有無、店舗や事務所が入っているかどうかが分かると、アドバイザーも弁護士も、一般論ではなく自分たちのマンションの話として答えられます。
よくあるご質問
Q. 中区の管理組合は、神奈川県のマンションアドバイザー派遣を使えますか?
A. 使えません。県の制度は横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市が対象外です。中区の管理組合は、横浜市のマンション・アドバイザー派遣(横浜市住宅供給公社 045-451-7740)を使います。
Q. 市のアドバイザー派遣は、本当に無料ですか?
A. 初回は無料ですが、令和7年度以前に利用実績がない管理組合が対象です。マンション登録制度への登録も要件です。2回目以降は1回あたり税込12,650円(令和8年度)で、1回は3時間以内、原則6回までです。
Q. 中区役所の弁護士相談は、管理組合の理事でも使えますか?
A. 公式ページでは、管理組合としての利用可否は確認できませんでした。予約の電話(045-224-8123)で「管理組合の理事として」と伝えて確認してください。費用は無料と明記されており、年度内に2回まで利用できます。
Q. 弁護士相談の予約は、いつ電話すればよいですか?
A. 相談日の当日の朝です。中区在住・在勤の方は午前9時から、それ以外の市内在住・在勤の方は午前9時30分からです。前日までの予約はできません。
Q. 長期修繕計画の補助金は、いつ申し込めますか?
A. ページに受付期間の記載はなく、令和8年度の予算に達し次第終了です。令和9年1月末までに事業を終える必要があるため、検討中なら早めに市の住宅再生課(045-671-2954)へ相談してください。
Q. 管理計画認定を受けると何が良くなりますか?
A. フラット35の金利引下げなどの優遇があり、省エネ改修を含む長期修繕計画の補助の要件にもなります。申請手数料は新規で3,900円+郵送料、別途システム利用料10,000円です。最新の金額は市の住宅再生課で確認してください。相談は日管連のダイヤル(03-5801-0858)が無料です。
Q. 無料相談のあと、工事の見積りだけ取ることはできますか?
A. できます。相談と見積りは別です。見積りの前に専門家の意見を聞くと、仕様のぶれが小さくなります。明誠も、お見積りのみのご相談を承っています。
まとめ:今週動くこと3点
私は、中区の管理組合の皆さまに、今週のうちに次の3つを提案します。
- 3点セットをそろえる:総会議事録、長期修繕計画、管理規約を1つのフォルダにまとめます。
- 電話を1本かける:市のアドバイザー派遣(045-451-7740)で、マンション登録と初回無料の対象かを確認します。長期修繕計画を15年以上見直していないなら、住宅再生課(045-671-2954)に補助金の空きも聞いてください。
- 火曜の朝を押さえる:10月13日(火)か20日(火)の午前9時、中区役所(045-224-8123)に電話して、弁護士相談の枠を確認します。
相談先を知ることは、修繕積立金を守る最初の一歩です。工事のことで、ご相談だけでも遠慮なくお問合せフォームからお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。
出典・参考資料
- 横浜市中区「専門家(弁護士・公証人・行政書士)による相談」(令和8年4月28日更新)
- 横浜市「市民相談室」
- 横浜市「マンション・アドバイザー派遣」(令和8年4月13日更新)
- 横浜市「規約や総会等がないマンションへの専門家派遣」(令和8年4月3日更新)
- 横浜市「将来検討初動期の活動支援(コーディネート支援)」(令和8年8月25日更新)
- 横浜市「長期修繕計画がない、長年更新していないマンションへの補助金」(令和8年4月1日更新)
- 横浜市「省エネに関する長期修繕計画を作成しようとするマンションへの補助金」(令和8年4月1日更新)
- 横浜市「マンション管理組合サポートセンター」(令和8年4月3日更新)
- 横浜市「マンション管理に関する相談窓口一覧(PDF)」(令和8年3月30日)
- 横浜市「マンション管理セミナー・相談会等(PDF)」(令和8年2月17日)
- 横浜市「管理計画認定制度」(令和7年12月8日更新)
- 神奈川県「マンションアドバイザー派遣事業」
- 神奈川県「マンション管理組合交流会」(令和8年9月3日更新)
- (公財)マンション管理センター「電話相談」
- 日本マンション管理士会連合会「管理計画認定制度 相談ダイヤル」
- 国土交通省「マンション管理計画認定制度」
- 法テラス「無料法律相談のご利用の流れ」
本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月9日時点で公表されている横浜市および国土交通省・神奈川県の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、横浜市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。なお、中区役所の行政書士相談・市民相談室・マンション管理センター電話相談の費用、中区役所の弁護士相談が管理組合として利用できるか、管理計画認定の令和8年度の手数料、サポートセンター交流会の中区会場は、公式ページで確認できませんでした。中区役所の法律相談の電話番号は、専門家相談のページ(045-224-8123)と別のFAQ(045-224-8121)で異なっており、本記事では更新の新しい前者を採用しています。
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。IRATA水準の技能訓練を受けた作業員、ISO9001品質マネジメントシステムのもとで施工しています。
最終更新:2026年10月9日
関連記事(姉妹サイト)
ロープアクセス工法の詳細や実例については、姉妹サイト「ロープアクセスドットコム」の以下の記事もぜひご覧ください。
本間社長の著書のご案内
『大規模修繕工事 職人だから言える本当の話 —— 見積書では見えない業界の裏側と、修繕積立金を守る発注術』(Kindle版)を出版しています。20年以上の現場経験から、管理組合・オーナーが修繕積立金を守るための発注術と、業界の内幕を書き下ろしました。
小山市の賃貸オーナー向け補助金2026|ブロック塀改修は最大45万円、旧耐震の耐震改修は固定資産税1/2減額
小山市で賃貸マンション・アパート・収益ビルをお持ちのオーナーさまへ。この記事では、令和8年度(2026年度)に小山市が公表している建物まわりの補助金と税の減額制度を、「オーナーさまが申請者になれるもの」「区分所有の投資用マンションで効いてくるもの」「賃貸物件では使えないもの」の3つに分けて整理しました。根拠は小山市公式ホームページの各制度ページ(更新日2026年3月〜8月)で、確認日は2026年10月9日です。
先に結論をお伝えします。小山市の住まいの補助金は、耐震改修・太陽光・空き家リフォームのいずれも「自分で住む人」か「空き家バンクで売買する人」が中心で、賃貸経営中の建物に使える現金補助は、ブロック塀等安全対策補助金と吹付けアスベスト対策の補助にほぼ限られます。しかもブロック塀の補助は、令和8年度分が2026年8月28日時点で「補助枠が残りわずか」と案内されており、受付期間も9月上旬までです。いま検討を始めるなら、令和9年度の受付開始(例年4月1日)に照準を合わせるのが現実的です。
その一方で、オーナーさまにとって見落とされがちな「税の減額」があります。小山市資産税課の案内では、昭和57年1月1日以前からある住宅で現行の耐震基準に適合する改修をした場合、翌年度の固定資産税(家屋)が2分の1減額されます。同じページのバリアフリー改修と省エネ改修には「賃貸住宅を除きます」と明記されていますが、耐震改修の要件には賃貸を除く記載がありません。旧耐震の賃貸物件を持つオーナーさまにとって、ここは確認する価値のあるポイントです。
この記事では、これらを入居率・NOI(実質賃料収入)・損金算入・出口戦略の視点で読み解き、補助に頼れない外壁・防水の工事費をどう抑えるかまで、20年以上大規模修繕の現場に立ってきた私の経験からお話しします。
小山市の賃貸オーナー向け 制度マップ【令和8年度】
最初に全体像です。「オーナーから見た使い道」の欄は、小山市の公式ページの記載をもとに私が整理した目安です。実際に使えるかどうかは、必ず担当課にご確認ください。
| 制度(令和8年度) | 内容 | オーナーから見た使い道 | 担当課 |
|---|---|---|---|
| ブロック塀等安全対策補助金 | 撤去のみ1/2・上限10万円(通学路3/4・上限15万円)/撤去+軽量塀の設置1/2・上限30万円(通学路3/4・上限45万円) | 所有者として申請できる。令和8年度は残りわずか、9月上旬まで | 建築指導課 0285-22-9233 |
| 民間建築物吹付けアスベスト対策助成 | 分析調査と除去等工事(除去・封じ込め・囲い込み)の一部を補助 | 所有者等が対象。駐車場や機械室の吹付け材がある古い物件で検討 | 建築指導課 0285-22-9233 |
| 耐震改修による固定資産税の減額 | 翌年度の家屋の固定資産税を1/2減額(1戸120㎡相当分まで) | 賃貸を除く記載なし。旧耐震の賃貸物件で要確認 | 資産税課 0285-22-9436 |
| 大規模修繕を行ったマンションの固定資産税減額 | 1戸100㎡相当分まで1/3減額(令和9年3月31日までの工事) | 区分所有マンションの住戸を貸しているオーナーに効く | 資産税課/建築課 0285-22-9214 |
| 空き家バンク利用促進補助(リフォーム) | 1/2・上限50万円 | 空き家バンクの売買物件が対象。賃貸中の建物は対象外 | 建築指導課 空き家対策係 0285-22-9824 |
| 空家等解体費補助 | 1/2・上限50万円(準特定空家等は30万円) | 「賃貸借または販売を目的とするもの」は対象外 | 同上 |
| 木造住宅耐震対策助成 | 改修費の4/5・上限115万円など | 「自己用住宅」「空き家ではないこと」が条件。賃貸は対象外 | 建築指導課 0285-22-9233 |
| 個人向け太陽光発電設備導入費補助 | 太陽光発電設備 | 「対象住宅に居住していること」が条件。賃貸は対象外 | 市の環境担当課 |
表を見ていただくとわかるとおり、小山市でオーナーさまが自ら申請者になれる補助は、ブロック塀とアスベストという「安全対策」の2つです。そして、税の減額は、補助金と違って予算枠がなく、要件を満たせば受けられるという性格があります。補助金の争奪戦に加わるより先に、税の減額で取れるものを取りこぼさない。小山市の賃貸オーナーさまには、この順番をおすすめしています。
ブロック塀等安全対策補助金:所有者が申請できる、小山市で数少ない現金補助
小山市ブロック塀等安全対策補助金は、地震などでブロック塀が倒れたときの被害を減らし、避難路がふさがれるのを防ぐための制度です。賃貸経営の目線で要点を整理します。
- 申請できる人:小山市内に設置されているブロック塀等の所有者で、国税・県税・市税の滞納がない方
- 対象の塀:コンクリートブロック塀、石塀、れんが塀などで、建築基準法の道路に面し、建築基準法施行令の高さ・壁の厚さ・控え壁などの基準を満たしていないもの
- 対象の工事:「撤去工事」または「改修工事(撤去と軽量な塀等の設置)」で、市内に事務所または事業所を持つ業者に請け負わせ、申請した年度の2月末までに完了するもの
- 対象外になる場合:塀のある土地や附属する建物の販売を目的とする場合、公共事業の補償の対象になる場合、同じ敷地ですでにこの補助や生垣設置の助成を受けている場合
ここでオーナーさまに注目していただきたいのは、対象外とされているのは「販売目的」であって、「賃貸目的」ではないという点です。申請者の要件も「所有者」で、ご自身が住んでいるかどうかは問われていません。駐車場や駐輪場の外周、隣地境界の道路側にブロック塀が残っている賃貸アパートなら、検討の対象になります。
補助金の額は、工事の種類と通学路に面しているかどうかで変わります。
| 工事の種類 | 補助の計算 | 通学路に面していない場合 | 通学路に面している場合 |
|---|---|---|---|
| 撤去のみ | 見積額と「塀の長さ×18,000円」の少ない額に補助率を掛ける | 1/2・上限10万円 | 3/4・上限15万円 |
| 撤去+軽量な塀等の設置 | 見積額と「塀の長さ×39,000円」の少ない額に補助率を掛ける | 1/2・上限30万円 | 3/4・上限45万円 |
たとえば、通学路に面した長さ20メートルのブロック塀を撤去してフェンスに替える工事の見積が70万円だったとします。「20メートル×39,000円=78万円」と見積額70万円の少ないほうは70万円で、その4分の3は52.5万円ですから、上限の45万円が補助額になります(仮定の数字です)。
注意点は、受付が先着順で、期間が毎年度4月1日から9月上旬までとされていることです。令和8年度については、2026年8月28日の更新で「補助枠が残りわずか」と案内されています。この記事を書いている10月時点では、令和8年度の受付は終了している可能性が高いと考えたほうがよいでしょう。令和9年度の制度内容は、この記事の執筆時点では公表されていません。来年度も同じ枠組みが続くとは限りませんが、例年どおり4月1日に受付が始まるなら、冬のうちに業者の見積と事前相談の準備を終えておくのが、先着順の補助を確実に取るための段取りです。
もう一つ大切なのは、塀の安全は補助の有無に関係なく、所有者の管理責任だということです。地震で塀が倒れて通行人や入居者さまがけがをすれば、民法上の工作物責任を問われる可能性があります。市の点検表(補強コンクリートブロック造の塀・石塀などの組積造の塀)は公式ページからダウンロードできますので、まずはご自身の物件の塀をチェックしてみてください。
吹付けアスベスト対策の補助:古い賃貸マンションの「見えないリスク」に
小山市には、民間建築物吹付けアスベスト対策助成事業があります。小山市の交付要綱では、建築物の所有者等が行うアスベストの分析調査と、分析でアスベストの含有が確認された吹付け建材の除去・封じ込め・囲い込みの工事に対して、予算の範囲内で補助すると定めています。
賃貸マンションでは、昭和の時期に建てられた建物の駐車場の天井、機械室、階段の裏などに吹付け材が残っていることがあります。2022年以降、一定規模以上の改修・解体工事ではアスベストの事前調査と報告が義務になっており、大規模修繕の直前に吹付け材が見つかって、工程と予算が大きく狂うというのは珍しい話ではありません。
補助の上限額や対象となる建材の細かな条件は年度によって変わる可能性があり、この記事では小山市の公式ページで最新の金額を確認できませんでした。大規模修繕を計画している段階で、建築指導課に「分析調査から相談したい」と伝えるのが確実です。調査の結果は、売却時の物件状況報告書や、買い手の金融機関への説明資料としても役に立ちます。
耐震改修の固定資産税減額:賃貸物件でも確認したい「税のほう」の支援
ここが、小山市のオーナーさまに一番お伝えしたいポイントです。
小山市資産税課の「住宅改修による固定資産税の減額制度について」(2026年4月1日更新)では、耐震改修による減額の要件を次のように定めています。
- 住宅が昭和57年1月1日以前から存在する
- 現行の耐震基準に適合する改修を行った
- 1戸当たりの耐震改修工事費が50万円以上(耐震改修と直接関係ない費用は含まない)
- 店舗等併用家屋の場合は、床面積の2分の1以上が居住用であること
- 耐震改修工事の完了時期が平成18年1月1日から令和13年3月31日までであること
減額されるのは、工事完了の翌年度分の固定資産税(家屋)の2分の1で、120平方メートル相当分が限度です。耐震改修にあわせて長期優良住宅の認定を受けると、減額は3分の2になります。申告は改修後3か月以内に、減額申請書と建築士などが発行する証明書、改修費用がわかる書類を資産税課に出します。
同じページを読み比べると、バリアフリー改修の減額には「※賃貸住宅を除きます」、省エネ改修の減額には「賃貸住宅を除く」と書かれているのに対し、耐震改修の要件には賃貸住宅を除く記載がありません。国の制度の枠組みでも、耐震改修に伴う固定資産税の減額は、貸家かどうかで区別していないのが原則です。
つまり、市の耐震補助(木造の自己用住宅に限定)は使えなくても、旧耐震の賃貸物件を耐震改修すれば、税の減額は受けられる可能性があるということです。ただし、共同住宅で「1戸当たり50万円以上」をどう計算するか、店舗併用の賃貸ビルでどう扱われるかなどは、個別の判断になります。工事を契約する前に、資産税課へ物件の所在地・構造・建築年・戸数・工事内容を伝えて適用の可否を確認してください。証明書を出せる建築士の手配も、工事の前に決めておくと申告期限に慌てずに済みます。
正直に申し上げると、減額は翌年度1年分だけですから、金額だけ見れば工事費に比べて大きなものではありません。それでも、旧耐震の物件を耐震改修したという事実と、その証明書は、金融機関の評価や買い手の判断で大きく効いてきます。減額の申告は、その証明書を手元に残すきっかけと考えていただくのがよいと思います。
区分所有の投資用マンションをお持ちの方へ:長寿命化減額は令和9年3月31日まで
小山市内の分譲マンションの住戸を購入して賃貸に出している、いわゆる区分所有のオーナーさまにも関係する制度があります。大規模修繕工事等が行われたマンションに対する固定資産税の減額です。
小山市の案内では、令和5年4月1日から令和9年3月31日までの間に長寿命化に資する大規模修繕工事を実施したマンションで、次の要件をすべて満たすと、翌年度の家屋の固定資産税が1戸あたり100平方メートル相当分まで3分の1減額されます。
- 新築から20年以上が経過していること
- 居住用の専有部分を有していること
- 過去に長寿命化工事が行われていること
- 総戸数が10戸以上であること
- 管理計画の認定を受けて修繕積立金を引き上げた、または市の助言・指導を受けて長期修繕計画を見直した、のいずれかに当たること
この制度のよいところは、管理組合の管理者等から必要書類が提出され、要件を満たすと認められれば、区分所有者から申告書が出ていなくても適用されることです。投資用の住戸を持っているオーナーさまは、ご自身で書類をそろえるのではなく、管理組合の総会で「この減額を使う段取りになっているか」を確認することが大切になります。
期限が令和9年3月31日までの工事と区切られていることにも注意が必要です。すでに大規模修繕を予定している管理組合でも、管理計画の認定や長期修繕計画の見直しが間に合わなければ、要件を満たせません。小山市のマンション管理計画認定制度は建築課(0285-22-9214)が窓口です。区分所有のオーナーさまが総会で声を上げることで、修繕積立金の使い方が変わることもあります。
なお、1棟まるごと所有している賃貸マンションは区分所有のマンションではないため、この減額の対象にはなりません。1棟オーナーさまは、前の章の耐震改修の減額を確認してください。
空き家の補助は「売買」と「自己居住」が前提。賃貸中の物件は対象外
小山市は空き家対策に力を入れており、令和8年度も次の制度を設けています。
- 空き家バンク利用促進補助(リフォーム):空き家バンクに登録した売買物件の所有者や利用登録者が行う改修工事の2分の1、上限50万円。経費の総額20万円以上、着手前の申請が必要
- 子育て世帯等向け空き家リフォーム支援(令和8年4月1日開始):空き家バンクの物件を購入した子育て世帯・若者夫婦世帯に、改修費の3分の2、上限100万円
- 空家等解体費補助:昭和56年5月31日以前に着工した一戸建て住宅などの解体費の2分の1、上限50万円(準特定空家等は30万円)
ただし、どれも賃貸オーナーさまの通常の経営にはそのまま使えません。空き家バンクの補助は「売買物件」が対象で、解体費補助は「賃貸借または販売を目的とするもの」を対象外としています。
それでも、賃貸オーナーさまに無関係な話ではありません。相続で引き継いだ実家や、入居者が退去して使い道のない古い貸家をお持ちなら、「貸し続ける」以外に「空き家バンクで売る」「解体して土地を活かす」という選択肢を比べる材料になります。空き家バンクの補助は、登録から10年以内に取り壊したり登録を抹消したりしないことなどの条件もありますので、出口の計画とあわせて検討してください。
自己居住が条件の補助:木造耐震・太陽光は賃貸物件では使えない
小山市の木造住宅耐震対策助成は、耐震補強設計と耐震改修の費用の5分の4(上限115万円)、耐震建替は5分の4(上限100万円)、耐震シェルター・防災ベッドは5分の4(上限40万円)と、内容は手厚い制度です。耐震診断士の派遣は無料です。しかし、要件には「自己用住宅であること」「申請者が居住している、または居住予定であること」「空き家ではないこと」が並んでいます。木造の貸家やアパートは対象になりません。なお、令和8年度分も8月28日時点で「残りわずか」と案内されています。
個人向け太陽光発電設備導入費補助も、「対象住宅に居住していること」が条件です。賃貸物件の屋根に太陽光を載せたい場合は、市の個人向け補助ではなく、国や県の事業者向け制度を探すことになります。
ここで誤解していただきたくないのは、補助がないことと、工事がいらないことは別の話だということです。補助の対象外だからといって旧耐震の木造アパートをそのままにしておけば、地震時の入居者さまの安全だけでなく、金融機関の担保評価や売却価格にも影響します。
持ち家支援が手厚い小山市で、賃貸物件が選ばれ続けるために
小山市は、東北新幹線の停車駅である小山駅を持ち、宇都宮線・両毛線・水戸線が交わる交通の要所です。東京への通勤圏として、また市内の工業団地や大学に通う方の住まいとして、賃貸の需要が続いてきました。
一方で、市は転入勤労者等住宅取得支援補助金(東京圏から転入して住宅を取得した方への支援。令和8年度から加算要件の一部を変更)や、先ほどの子育て世帯向け空き家リフォーム支援など、持ち家の取得を後押しする制度を充実させています。オーナーさまの側から見れば、これは「ファミリー層の入居者さまが、数年後に持ち家へ移りやすい環境」ともいえます。
だからこそ、小山市の賃貸物件には、持ち家と比べても住み続けたいと思える状態を保つことが求められます。外壁の汚れやひび割れ、鉄部のさび、共用廊下の防水の劣化は、内見の第一印象を大きく左右します。家賃を下げて入居者を集める前に、外観と共用部の修繕で「選ばれる理由」を取り戻せないかを考えていただきたいと思います。
外壁・防水の工事費を何で抑えるか:仮設計画が手残りを決める
ここまで見てきたように、小山市では外壁塗装や屋上防水といった大規模修繕の本体工事に使える市の現金補助は、私が確認できた範囲では見当たりません。だからこそ、工事費の中で大きな割合を占める仮設費の計画が、オーナーさまの手残りを左右します。
一般に、大規模修繕の総工費のうち仮設足場の費用は15〜25%程度を占めるといわれます。明誠で比較した事例では、10階建て・外周80メートル・工期3か月の建物で、足場工法の仮設費の概算が168万円、ロープアクセス工法が59万円となり、約109万円の差が出ました(建物の形状や条件によって変わる参考値で、実際の見積は物件ごとに異なります)。
単価の目安も挙げておきます。外壁の打診調査は1平方メートルあたり250〜500円、外壁塗装は3,500〜4,500円、屋上・バルコニーの防水は5,000〜8,000円程度が一般的なレンジです。劣化の範囲を調査で正確に押さえてから、必要な箇所に必要な工事をすることが、過剰な見積を避ける近道です。明誠の料金の考え方は大規模修繕の料金についてで公開しています。
屋上やベランダの防水の劣化から起きる漏水は、賃貸経営では入居者さまの退去に直結します。漏水の原因調査と止水の考え方は明誠の雨漏り・漏水対策をご覧ください。また、外壁タイルの浮きを広い範囲で調べるときは、ドローンによる赤外線調査とロープアクセスによる打診を組み合わせると、足場なしで調査費を抑えられます。
株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕に携わってきました。ロープアクセス工法では、作業員1人ごとにメインロープとバックアップロープの2本に接続し、2点以上の吊元を確保するのが基本です。明誠と全国のフランチャイズ加盟企業では、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを続けています。作業員はIRATA(国際産業ロープアクセス協会)水準の技能訓練を受けており、品質面ではISO9001を取得しています。安全への取り組みは明誠の安全管理にまとめています。
小山市の物件で、足場・ロープアクセス・ハイブリッドをどう選ぶか
明誠は、通常の足場工法、無足場のロープアクセス工法、両者を組み合わせたハイブリッド工法の3つから、建物にとって最適な工法を提案できる、日本でも数少ない会社です。
| 工法 | 小山市で向いている物件のイメージ | 強み | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 通常の足場工法 | 郊外の2〜3階建てアパートで、外壁を全面的に塗り替える場合 | 広い面を一度に施工でき、作業の自由度が高い | 足場費がかかり、窓がふさがる期間が長い。敷地内駐車場が使えなくなることも |
| ロープアクセス工法(無足場) | 小山駅周辺の中高層賃貸マンション、隣地との間隔が狭い物件、タイルの部分補修やシーリングの打ち替え | 足場費の削減、工期の短縮、入居者さまの暮らしへの影響が小さい | 大面積の全面施工や重い資材の搬入には向かない場合がある |
| ハイブリッド工法 | 1階が店舗・上階が住戸の賃貸ビル、低層棟と高層棟が並ぶ物件 | 部位ごとに最適化して総額を下げる | 工程管理に高い調整力が必要 |
小山市は車で暮らす方が多く、賃貸物件の多くが敷地内に駐車場を持っています。足場を組むと駐車場の一部が数週間使えなくなり、入居者さまの不満や、近くの月極駐車場を借りる費用につながります。駅前の中高層物件では、道路使用や隣地との調整がネックになりがちです。仮設を最小限にできるロープアクセスやハイブリッドは、入居者さまの暮らしを止めないという点で、小山市の賃貸物件と相性がよいと私は考えています。
ロープアクセス工法の技術的な解説や施工事例は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムで詳しく紹介しています。賃貸ビルや店舗併用の物件についてはビルオーナー向けの明誠のサービスを、実際の工事の様子は明誠の施工事例をご覧ください。
試算:小山市の旧耐震RCマンション12戸で考える、制度と物件価値
ここからは仮定にもとづくイメージ試算です(実在の物件の数字ではありません)。
小山駅から車で10分ほどの場所に、昭和55年築・RC造3階建て・12戸・平均賃料5.5万円の賃貸マンションをお持ちだとします。満室時の年間賃料収入は、12戸×5.5万円×12か月=792万円です。
- 耐震改修と固定資産税:耐震改修の工事費が1,200万円(1戸当たり100万円)で、1戸当たりの家屋の固定資産税が年3万円だとすると、翌年度の減額は1戸1.5万円×12戸=18万円です。工事費に比べれば小さな額ですが、要件を満たすなら申告しない理由はありません
- ブロック塀:通学路に面した塀を撤去してフェンスに替える工事が70万円なら、補助は上限の45万円で、自己負担は25万円になります(令和9年度に同じ制度が続いた場合の仮定)
- 退去1件あたりの損失:空室3か月分の賃料16.5万円、広告料1か月分5.5万円、原状回復15万円とすると、1件あたり約37万円です。外観の古さや設備の不満で年に2件余分に退去が出れば、それだけで約74万円の損失になります
物件価値で考えると、差はもっとはっきりします。年間NOIが520万円の物件を、キャップレート7.0%で評価すれば約7,429万円、7.5%なら約6,933万円です。利回りの見られ方が0.5ポイント違うだけで、約496万円の差が出ます。旧耐震のまま耐震性の説明ができない物件は、買い手や金融機関から割り引いて見られがちです。耐震改修の証明書や修繕の履歴は、この差を縮める材料になります。
損金算入:修繕費と資本的支出の線引き、補助金の扱い
工事費を経費(損金)にできるかどうかは、キャッシュフローに直結します。一般的な考え方を整理します(個別の判断は必ず税理士にご確認ください)。
- 修繕費として一括で経費にしやすいもの:外壁の塗り替え、防水の補修、劣化したシーリングの打ち替えなど、建物の価値を維持したり元の状態に戻したりする工事
- 資本的支出として減価償却するもの:建物の価値を高めたり、使える期間を延ばしたりする工事。耐震補強の多くはこちらに当たる可能性があります
- 形式基準:1件20万円未満の支出や、おおむね3年以内の周期で行う修繕は修繕費として扱えます。区分がはっきりしない支出でも、60万円未満か、前期末の取得価額のおおむね10%以下であれば修繕費とできる取り扱いがあります
ブロック塀の撤去費は、一般に修繕費や除却に伴う費用として整理しやすい一方、新しく設置するフェンスは構築物として資産計上が必要になる場合があります。補助金は原則として収入(益金)になりますが、固定資産の取得や改良に充てた国や地方公共団体の補助金には、法人なら圧縮記帳、個人なら総収入金額不算入の規定を使える場合があります。見積書と請求書で「撤去」「フェンス設置」「同時に行った外構補修」を分けて書いてもらうと、税務上の整理がしやすくなります。
出口戦略:小山市で物件を売るときに効いてくる3つの記録
売却を視野に入れたとき、小山市の制度とあわせて押さえておきたいのは次の3点です。
- 耐震性の説明ができるか:旧耐震の物件は、耐震診断の結果や耐震改修の証明書があるかどうかで、買い手の融資の通りやすさが変わります。固定資産税の減額申告に使った証明書は、そのまま売却時の資料になります
- 定期報告とアスベスト調査の記録:建物の用途や規模によっては、建築基準法第12条にもとづく定期報告の対象になります。栃木県の資料では、小山市は特定行政庁として定期報告の対象建築物や報告時期を独自に指定している9市のひとつで、提出先は小山市都市整備部建築指導課(0285-22-9233)です。所有者が変わったときは届出が必要なため、売買の際に名義変更の漏れがないよう気をつけてください
- 外構と安全対策の記録:ブロック塀の撤去や改修の記録、アスベストの分析結果、外壁・防水の修繕履歴を、写真と報告書で1冊にまとめておくと、買い手への説明がぐっと楽になります
物件の収益性を高める修繕の考え方は、オーナー向けの明誠のご案内にもまとめています。
医療法人・介護事業者のオーナーさまへ:小山市の施設で優先したいこと
病院・クリニック・介護施設を所有されている法人さまにとって、建物の安全対策は事業継続そのものです。栃木県の定期報告の資料でも、病院や高齢者等の就寝の用に供する施設は、建物と防火設備の定期報告の対象として挙げられています。小山市は独自に対象を指定していますので、ご自身の施設が対象かどうか、次の報告時期はいつかを建築指導課で確認しておきましょう。
また、入所者さまや患者さまがいる状態で足場を長期間組むと、採光や防犯、騒音の面で負担が大きくなります。思川沿いなど浸水のおそれがある場所の施設では、外壁や屋上の改修とあわせて、市のハザードマップで浸水の想定も確認しておくことをおすすめします。ロープアクセスやハイブリッドで仮設の期間を短くする計画は、施設の運営への影響を抑える有力な選択肢です。
小山市のオーナーさま向け:着手までの5ステップ
- 建物と外構の現状を調べる:外壁・防水の劣化、ブロック塀の高さと状態、吹付け材の有無、建築年(昭和56年5月31日以前の着工か、昭和57年1月1日以前からあるか)を確認する
- 税の減額を先に確認する:旧耐震なら耐震改修の固定資産税減額、区分所有の住戸なら長寿命化減額の段取りを、資産税課や管理組合に確認する
- 補助の事前相談をする:ブロック塀とアスベストは建築指導課へ。いずれも契約・着工の前に。ブロック塀は令和9年度の受付開始に向けて冬のうちに準備する
- 工法と時期を決める:足場・ロープアクセス・ハイブリッドを比較し、ブロック塀の補助を使うなら「年度の2月末までに完了」から逆算して工期を組む
- 記録を残す:見積書・契約書・写真・報告書・証明書を保管し、税務申告と将来の売却に備える
よくあるご質問
Q1. 小山市で、賃貸アパートのオーナーが申請できる補助金はありますか?
あります。ブロック塀等安全対策補助金は「市内に設置されているブロック塀等の所有者」が対象で、対象外とされているのは販売目的の場合です。吹付けアスベスト対策の補助も建築物の所有者等が対象です。一方、木造住宅の耐震補助や太陽光の補助は自己居住が条件のため、賃貸物件では使えません。
Q2. ブロック塀の補助は、いまから申請できますか?
令和8年度の受付期間は4月1日から9月上旬までで、8月28日時点で「補助枠が残りわずか」と案内されていました。10月時点では受付が終わっている可能性が高いため、令和9年度の受付開始に向けて準備されることをおすすめします。令和9年度の内容は未公表のため、建築指導課(0285-22-9233)に確認してください。
Q3. ブロック塀を撤去してフェンスにする場合、補助はいくらですか?
見積額と「塀の長さ×39,000円」の少ない額の2分の1で、上限30万円です。通学路に面している場合は4分の3、上限45万円になります。撤去だけの場合は「塀の長さ×18,000円」で計算し、上限は10万円(通学路は15万円)です。
Q4. 賃貸マンションでも、耐震改修で固定資産税は減額されますか?
小山市の案内では、耐震改修の減額の要件に賃貸住宅を除く記載はありません(バリアフリーと省エネの減額は賃貸住宅を除くと明記)。昭和57年1月1日以前からある住宅で、1戸当たり50万円以上の耐震改修をした場合、翌年度の固定資産税(家屋)が2分の1減額されます。共同住宅での計算方法などは、工事前に資産税課(0285-22-9436)に確認してください。
Q5. 区分所有の投資用マンションを持っています。大規模修繕で固定資産税は安くなりますか?
令和9年3月31日までに長寿命化に資する大規模修繕を行い、築20年以上・総戸数10戸以上などの要件を満たすマンションなら、1戸100平方メートル相当分まで固定資産税が3分の1減額されます。管理組合の管理者等が書類を出せば、区分所有者の申告がなくても適用されるため、まずは管理組合に確認してください。
Q6. 古い貸家を解体したいのですが、空家等解体費補助は使えますか?
小山市の空家等解体費補助は、「賃貸借または販売を目的とするもの」を対象外としています。入居者がいる、または賃貸用として募集している建物には使えません。対象になるかどうかは、空き家対策係(0285-22-9824)に確認してください。
Q7. 小山市の定期報告はどこに出しますか?
小山市は特定行政庁として定期報告の対象建築物や報告時期を独自に指定しているため、栃木県ではなく、小山市都市整備部建築指導課(0285-22-9233)が窓口です。
Q8. 小山市で外壁塗装に使える補助金はありますか?
私が確認できた範囲では、賃貸物件の外壁塗装や屋上防水に使える小山市の現金補助は見当たりません。仮設計画の見直し(足場・ロープアクセス・ハイブリッドの比較)や、劣化範囲を絞った工事で総額を抑えるのが現実的です。
この記事のポイントまとめ
- 小山市で賃貸オーナーさまが申請者になれる現金補助は、ブロック塀等安全対策(最大45万円)と吹付けアスベスト対策が中心
- ブロック塀の補助は先着順で、令和8年度は8月末時点で残りわずか。令和9年度の受付開始に向けて冬のうちに準備を
- 耐震改修の固定資産税減額(翌年度1/2)は、賃貸を除く記載がない。旧耐震の賃貸物件は工事前に資産税課へ確認を
- 区分所有の投資用マンションは、令和9年3月31日までの大規模修繕で固定資産税1/3減額の可能性。管理組合に段取りを確認
- 木造耐震・太陽光・空き家関連の補助は、自己居住や売買が前提で、賃貸中の物件は対象外
- 補助に頼れない外壁・防水は、仮設計画(足場・ロープアクセス・ハイブリッド)で総額を抑える
小山市の賃貸オーナーさまへ
小山市の住まいの支援は、持ち家の取得や自宅の耐震化、空き家の活用に重点が置かれています。賃貸オーナーさまにとっては、使える制度を正しく見極め、補助の届かない部分を工事の計画で取り返すことが大切です。
なかでも、耐震改修の固定資産税減額や、区分所有マンションの長寿命化減額は、補助金ほど話題になりませんが、要件を満たせば予算枠に左右されずに受けられる制度です。旧耐震の物件や、築20年を超える分譲マンションの住戸をお持ちなら、ぜひ一度確認してみてください。
お持ちの物件で、まだ修繕計画の検討を始めていないオーナーさまは、どうぞお気軽にご相談ください。1棟の現地調査と、工法別の概算比較、キャッシュフローの試算だけでも承ります。こちらからお問合せいただけます。
▼ロープアクセス工法・無足場工法の詳細解説はこちら
ロープアクセスドットコム|無足場工法専門メディア
本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月9日時点で公表されている小山市・栃木県の公式情報をもとに執筆しています。補助制度は予算の範囲内で先着順となるものが多く、年度途中でも受付終了や改正があり得ます。令和9年度の制度内容は執筆時点で未公表です。実際に申請・申告される前に、必ず小山市の各担当課へ最新の内容をご確認ください。
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年10月9日
関連記事(姉妹サイト)
ロープアクセス工法の詳細や実例については、姉妹サイト「ロープアクセスドットコム」の以下の記事もぜひご覧ください。
本間社長の著書のご案内
『大規模修繕工事 職人だから言える本当の話 —— 見積書では見えない業界の裏側と、修繕積立金を守る発注術』(Kindle版)を出版しています。20年以上の現場経験から、管理組合・オーナーが修繕積立金を守るための発注術と、業界の内幕を書き下ろしました。
出典(小山市・栃木県 公式ウェブサイト)
- 小山市ブロック塀等安全対策補助金制度について(2026年8月28日更新)- 小山市
- 住宅改修による固定資産税の減額制度について(2026年4月1日更新)- 小山市
- 小山市木造住宅耐震対策制度について(2026年8月28日更新)- 小山市
- 空き家バンク利用促進補助制度(2026年3月16日更新)- 小山市
- 令和8年4月1日より子育て世帯等向け空き家リフォーム支援事業補助金制度が始まります – 小山市
- 小山市空家等解体費補助制度について(2026年3月31日更新)- 小山市
- 小山市個人向け太陽光発電設備導入費補助金について – 小山市
- 小山市転入勤労者等住宅取得支援補助金 – 小山市
- 小山市民間建築物吹付けアスベスト対策助成事業補助金交付要綱 – 小山市例規集
- 定期報告に関する資料(特定行政庁9市の記載)- 栃木県
固定資産税の減額:耐震は貸家を除く記載なし、バリアフリー・省エネは賃貸対象外
補助金より効きやすいのが、固定資産税の減額です。小山市の「住宅改修による固定資産税の減額制度」のページ(2026年4月1日更新)の内容を、賃貸オーナーの目線で整理します。
| 区分 | 主な要件 | 賃貸住宅の扱い | 減額 |
|---|---|---|---|
| 耐震改修 | 昭和57年1月1日以前からある家屋、現行の耐震基準に適合する工事、1戸あたり工事費50万円以上 | 賃貸を除く旨の記載は見当たらない(要確認) | 翌年度分の1/2(120㎡相当分まで)。長期優良住宅の認定も受けた場合は2/3 |
| バリアフリー改修 | 新築から10年以上、自己負担50万円超 など | 「賃貸住宅を除きます」と明記 | 工事完了の翌年度のみ1/3 |
| 省エネ(熱損失防止)改修 | 平成26年4月1日以前からある住宅、窓の改修を含む など | 賃貸住宅を除くと明記 | 翌年度分の1/3(120㎡相当分まで) |
| 長寿命化工事を行ったマンション | 新築から20年以上、総戸数10戸以上、管理計画認定等の要件 など | 減額は居住用部分のみ。店舗・オフィスは対象外 | 工事翌年度の固定資産税の1/3(100㎡相当分まで) |
耐震改修の減額は、工事完了が令和13年3月31日まで、申告は工事完了後3か月以内です。ここで重要なのは、期限を過ぎると、同じ工事でも減額を受けられないという点です。工事を発注する段階で、完了日から逆算した申告のスケジュールを決めておくことをおすすめします。
なお、都市計画税と土地は減額の対象外です。また、耐震改修の減額を受けた年度には、バリアフリー改修・省エネ改修の減額は重ねて受けられません。
昭和57年1月1日以前からある賃貸建物で、耐震改修を行う予定がある場合、賃貸でも減額の対象になりうるかを資産税課(0285-22-9436)へ事前に確認する価値は十分にあります。ただし、小山市の木造住宅耐震補助は賃貸が対象外ですので、補助金なしで改修費を自己負担し、税の減額だけが効く形になる可能性が高い点は覚えておいてください。
長寿命化工事のマンションの減額は、基本的に分譲マンション(管理組合)を想定した制度です。賃貸一棟のオーナーさまが直接使う場面は多くありませんが、分譲マンションの一室を複数戸所有して賃貸に出している方は、管理組合の動きを知っておくと役に立ちます。この制度の内容は管理組合側の記事で詳しくお伝えしています。
入居者さま向けの制度:購入側に回る流出リスクをどう見るか
小山市には、東京圏(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)から転入して住宅を取得した勤労者を支援する「転入勤労者等住宅取得支援補助金」があります。新築は基本額30万円+加算額で上限50万円、中古は基本額10万円+加算額で上限20万円です。居住誘導区域内の取得や、39歳以下の世帯、18歳未満の子がいる世帯、3世代同居、空き家バンク登録物件の取得などで加算があります。令和8年度から、同一世帯の子の年齢要件が緩和されました(2026年4月1日更新)。
この制度は、東京圏から小山市へ転入して持ち家を購入する人への支援です。賃貸オーナーさまにとっては、すぐに自分の物件に関係する補助ではありません。ただし、次のような見方もできます。
- 東京圏から転入する層は、最初の数年は賃貸に住み、その後に購入に移る人も多い。この補助制度の存在は、「転入後、数年で購入側に回る入居者」を想定した入居期間の見立てに使える
- ファミリー層の入居者は、補助を知って購入に動く可能性がある。更新のタイミングで住み替えの意向を聞き取ることで、退去の予兆をつかみやすくなる
- 一方、単身者・DINKS向けの小型住戸は、この補助の主な対象(5年以上の定住誓約、持ち家の取得)から外れやすく、賃貸需要が相対的に安定する可能性がある
ただし、これらは私の見立てであり、市の資料に流出の実態データがあるわけではありません。実際の入居者の動きは、ご自身の物件の入居・退去履歴で確認してください。
定期報告は小山市建築指導課へ。小山市は特定行政庁
一定規模以上の共同住宅は、建築基準法第12条にもとづく定期報告(特定建築物の調査、建築設備・防火設備の検査)の対象になる場合があります。栃木県の資料によれば、小山市は特定行政庁として定期報告の指定を行っている9市のひとつです(宇都宮市、足利市、栃木市、佐野市、鹿沼市、日光市、小山市、大田原市、那須塩原市)。対象建築物や報告時期は各市が別途定めており、窓口は栃木県ではなく小山市都市整備部建築指導課(0285-22-9233)です。
所有者が変わったとき、建物の名称や用途が変わったときの届出が漏れていることは、実務でよく見かける失敗です。物件を取得した際は、売主さまや前の管理会社から、定期報告の履歴と次回の提出時期を必ず引き継いでください。
定期報告では、外壁タイルなどの全面打診が求められる時期があります。全面打診を足場を組んで行うと、調査だけで大きな費用がかかります。ロープアクセスやドローンによる赤外線調査を組み合わせることで、費用と工期を抑えられる場合があります。
マンション管理計画認定は、小山市が窓口(分譲マンション向け)
マンション管理計画認定制度は、栃木県の案内(2025年12月4日更新)によると、市域のマンションは各市が認定し、小山市は令和6年4月1日から運用を開始しています。つまり、小山市内の分譲マンションの認定は小山市に申請します。手数料については県のページに小山市分の記載がなく、確認できていません。
この制度は分譲マンションの管理組合が対象で、賃貸一棟のオーナーさまが直接使うものではありません。ただ、区分所有で複数戸を所有しているオーナーさまは、管理組合が認定を取得するかどうかで、売却時の評価や融資条件の面で影響を受ける可能性があります。制度の詳細は管理組合向けの記事で解説していますので、ご関心があればあわせてご覧ください。
外壁・防水に市の補助が見当たらない今、工事費を何で抑えるか
小山市で、賃貸建物の外壁塗装や屋上防水そのものに使える市の現金補助は、私が確認できた範囲では見当たりません。だからこそ、総工費の中で大きな割合を占める仮設費をどう計画するかが、オーナーさまの手残りを左右します。
一般に、大規模修繕の総工費のうち仮設足場の費用は15〜25%程度を占めるといわれます。仮に総工事費が2,000万円の物件なら、足場関連は300〜500万円規模です。ロープアクセスで足場の範囲を絞れれば、この部分に削減の余地が出ます(建物の形状や条件により変わる参考値で、実際の見積は物件ごとに異なります)。
単価の目安も挙げておきます。外壁の打診調査は1平方メートルあたり250〜500円、外壁塗装は3,500〜4,500円、屋上・バルコニーの防水は5,000〜8,000円程度が一般的なレンジです。劣化の範囲を調査で正確に把握してから、必要な箇所に必要な工事をすることが、過剰な見積を避ける一番の近道です。料金の考え方は明誠の大規模修繕の料金の考え方で公開しています。
株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕に携わってきました。ロープアクセス工法は、作業員1人につきメインロープとバックアップロープの2本に接続し、2点以上の吊元を確保して行うのが基本です。明誠と全国のフランチャイズ加盟企業では、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを維持しています。作業員はIRATA(国際産業ロープアクセス協会)水準の技能訓練を受け、品質面ではISO9001を取得しています。安全への取り組みは明誠の安全管理をご覧ください。
小山市の物件で、足場・ロープアクセス・ハイブリッドをどう選ぶか
明誠は、通常の足場工法、無足場のロープアクセス工法、両者を組み合わせたハイブリッド工法の3つから、建物にとって最適な工法を提案できる、日本でも数少ない会社です。
| 工法 | 小山市で向いている物件のイメージ | 強み | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 通常の足場工法 | 郊外の2〜3階建てアパートで、外壁を全面塗装する場合 | 広い面を一度に施工でき、作業の自由度が高い | 足場費がかかり、窓がふさがる期間が長い。敷地内駐車場の一部が使えなくなる |
| ロープアクセス工法(無足場) | JR小山駅周辺の中高層の賃貸マンション、隣地と近接した物件、部分補修 | 足場費の削減、工期短縮、入居者さまの生活への影響が小さい | 大面積の全面施工や重量物の搬入には向かない場合がある |
| ハイブリッド工法 | 1階が店舗・上階が住戸の賃貸ビル、低層部と高層部が混在する物件 | 部位ごとに最適化して総額を下げる | 工程管理に高い調整力が必要 |
小山市は、JR東北新幹線・東北本線・水戸線・両毛線が乗り入れる交通の要衝で、駅周辺に中高層の賃貸物件が集まるエリアと、郊外の車社会の住宅地が共存しています。郊外の賃貸物件の多くは敷地内に駐車場を確保しており、足場を組むと駐車場の一部が使えなくなって、入居者さまの不満や月極駐車場の手配費用につながります。仮設を最小限にできるロープアクセスやハイブリッドは、入居者さまの暮らしへの影響を抑えるという点で、小山市の賃貸物件と相性がよいと私は考えています。
ロープアクセス工法の技術的な解説や事例は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムで詳しく紹介しています。賃貸ビルや店舗併用の物件については、ビルオーナー向けの明誠のサービスもあわせてご覧ください。実際の工事の様子は明誠の施工事例で公開しています。
葉山町のマンション補助金|大規模修繕2026年度版
2026年10月9日 更新
「葉山町のマンションで、大規模修繕に使える補助金はありますか?」
結論から申し上げます。令和8年度(2026年度)時点で葉山町の公式サイトに公開されている資料を確認した範囲では、外壁塗装や屋上防水など、共用部分の大規模修繕工事そのものを管理組合に補助する町の制度は見つかりませんでした。
ただし、葉山町のマンション管理組合が知っておきたい制度は3つあります。1つ目は、区分所有のマンションなら「専有部分1戸につき1回」使えると要綱に明記された、町の住宅リフォーム資金補助金(一律5万円)。2つ目は、神奈川県がマンション管理士などの専門家を無料で派遣する「マンションアドバイザー派遣事業」(令和8年度は令和9年2月26日まで受付)。3つ目は、補助金ではありませんが、風致地区で外壁や屋根の色を変えるときに必要な「町長の許可」です。
こんにちは、株式会社明誠の本間です。マンション・ビル・ホテルの大規模修繕に20年以上携わってきました。この記事では、葉山町のマンション管理組合の理事長さま・修繕委員の皆さまに向けて、葉山町と神奈川県の制度を「共用部に使えるか、使えないか」で仕分けし、葉山町ならではの注意点と、工事費そのものを抑える工法の選び方までお伝えします。
葉山町は、緑と海に囲まれた落ち着いた住宅地です。町内には条例で定められた風致地区があり、大規模修繕で外壁の色を変える計画を立てるときは、補助金よりも先に、この許可の確認が必要になる場合があります。 ここが、他の自治体の記事ではあまり触れない、葉山町の管理組合が押さえておきたい論点です。
早見表:葉山町のマンションで使える制度・使えない制度
まず全体像です。葉山町・神奈川県・国土交通省の公表資料をもとに整理しました(2026年10月9日時点)。
| 制度 | 実施主体 | 共用部の大規模修繕に使えるか | ポイント |
|---|---|---|---|
| 住宅リフォーム資金補助金 | 葉山町(産業振興課) | △ 要確認(主に専有部分の工事向け) | 一律5万円。区分所有住宅は専有部分1戸につき1回。町内業者・税抜20万円以上・着工前申請。別荘は対象外 |
| マンションアドバイザー派遣事業 | 神奈川県(住宅計画課) | ○ 相談に使える(工事費の補助ではない) | 派遣料無料、1回3時間以内、1管理組合につき年度内最大2回。令和8年6月26日〜令和9年2月26日 |
| マンション管理計画認定制度 | 神奈川県(町村部は県が認定) | ○ 間接的に有利 | 長寿命化促進税制や融資の金利引下げの前提になる |
| マンション長寿命化促進税制 | 国(申告先は葉山町) | ○ 間接的に有利 | 一定の大規模修繕を令和9年3月31日までに完了した場合、翌年度の固定資産税を減額 |
| 再生可能エネルギーシステム等設置補助金 | 葉山町(環境課) | × 対象外 | 自ら居住する住宅が対象。太陽光は1kWあたり1.5万円(上限5万円) |
| ブロック塀等撤去補助金 | 葉山町(都市計画課) | × 対象外 | 「自らが所有する戸建て住宅に付属するブロック塀等を所有する個人」が対象 |
| 住宅耐震補強工事の補助 | 葉山町(都市計画課) | × 確認できず | 町の案内では「木造住宅の耐震補強工事等」。マンション(非木造)向けは確認できず |
| 風致地区条例の許可 | 葉山町 | (補助ではなく手続き) | 風致地区内で建築物の外壁・屋根の色を変えるときは町長の許可が必要 |
「共用部の工事費に直接使える町の補助金はない」というのが出発点です。そのうえで、専有部分の補助を大規模修繕の時期に合わせて案内する、県の無料アドバイザーで長期修繕計画を点検する、工法の比較で工事費そのものを適正化する、という3つの手立てが現実的です。
結論:葉山町の管理組合が押さえる3つのポイント
- 町の住宅リフォーム補助は「専有部分1戸につき1回・5万円」が基本線。 共用部の工事費を管理組合として申請できるかは要綱上はっきりしないため、産業振興課への確認が必要です。また、町のサイトに掲載されている要綱PDFには有効期限の記載があるため、令和8年度の受付状況を事前に確認してください(詳しくは後述)。
- 神奈川県のマンションアドバイザー派遣は、葉山町の管理組合が無料で使える。 隣の横須賀市は県の派遣対象外ですが、葉山町は対象です。長期修繕計画や修繕積立金の見直しの「最初の一歩」として有効です。
- 風致地区にあるマンションは、外壁・屋根の色を変える前に町長の許可が必要。 同じ色で塗り直すのか、色を変えるのかで手続きが変わります。総会で色を決める前に、敷地が風致地区に入っているかを確認しましょう。
葉山町の住宅リフォーム資金補助金-区分所有なら「専有部分1戸につき1回」
制度の概要
葉山町住宅リフォーム資金補助金交付要綱と、町の案内チラシに書かれている内容を整理します。
| 項目 | 内容(町の要綱・チラシの記載) |
|---|---|
| 目的 | 地域経済の活性化と居住環境の向上 |
| 補助額 | 一律5万円 |
| 対象者 | リフォームを行う住宅の所有者または居住者(町税・国民健康保険料等の滞納がないこと) |
| 対象住宅 | 町内の居住用の住宅(チラシでは「別荘は除く」) |
| 主な条件 | 町内業者が施工すること/工事費が20万円以上(消費税抜き)/申請した年度内に完了すること/着工前に申請すること |
| 回数 | 住宅1棟につき1回。区分所有住宅は専有部分1戸につき1回 |
| 完了報告 | 工事完了から14日以内または年度末のいずれか早い日まで |
| 担当 | 産業振興課 |
チラシでは、対象工事の例として「浴室・キッチン・トイレ等のリフォーム」「給湯・換気・給排水衛生設備工事を伴うリフォーム」「屋根の塗装、ふき替え」「外壁の張替え、塗装」「手すりの設置や段差解消などのバリアフリー改修」などが挙げられています。一方で、庭・車庫・倉庫などの改築や、外壁・フェンス・門扉などの外構工事は対象外です。
マンションで、どう使えるのか
注目したいのは、要綱の第5条第2項です。補助は「住宅1棟につき1回」が原則ですが、区分所有者が2人以上いる住宅(区分所有住宅)については「専有部分1戸につき1回」と書かれています。つまり、分譲マンションでは、住戸ごとに5万円の補助を受けられる余地があるということです。
一方で、外壁や屋上防水などの共用部分の工事について、管理組合が申請者になれるかどうかは、要綱からははっきり読み取れません。チラシにも「居住スペースが対象」とあります。私の経験上、こうした町の住宅リフォーム補助は、各住戸の区分所有者が、自分の専有部分の工事に使うのが基本線です。管理組合として共用部に使えるかは、計画の早い段階で産業振興課に確認してください。
「令和8年度も受付しているか」を最初に確認
ここは正直に申し上げます。町のサイトに掲載されている要綱PDFの附則には、「この要綱は、令和7年3月31日限り、その効力を失う」という有効期限の記載があり、最後の改正は令和6年4月1日施行のものです。延長の改正が掲載されていないだけなのか、制度が終了しているのかは、公開資料からは確認できませんでした。
そのため、令和8年度(2026年度)に受付をしているか、予算が残っているかは、産業振興課(町役場 代表 046-876-1111)へ問い合わせてから計画に組み込んでください。年度ごとに予算の範囲内で交付される制度なので、年度の後半は受付状況が変わることもあります。
管理組合として、どう活かすか
この補助は、各住戸の区分所有者が申請するものですが、大規模修繕のタイミングで「専有部分のリフォームを検討している方は、町の補助が使えるかもしれません」と案内することは、管理組合にできる大切な役割です。たとえば、大規模修繕の工事説明会の資料に、町の制度の概要と問い合わせ先を1枚添えるだけでも、住戸ごとのリフォームのきっかけになります。
ただし、次の条件には注意が必要です。
- 町内業者が施工することが条件です。大規模修繕の施工会社が町外の会社の場合、専有部分の工事を同じ会社に頼むと補助の対象外になります。
- 工事の着工前に申請が必要です。申請前に着工した工事は対象になりません。
- 別荘は対象外です(チラシの記載)。葉山町のマンションには、週末や季節ごとに使う住戸もあると思います。こうした住戸の区分所有者には、対象外になる可能性を先にお伝えしておくと親切です。
- 補助を受けてから10年以内に、住宅を居住用でない建物に用途変更したり、売却・譲渡したりした場合は、町への届出が必要で、補助金の返還を求められる場合があります(要綱第14条・第15条)。
町が案内している、ほかの住宅関係の制度
町のチラシには、リフォーム補助と同じ工事に重複して申請できない「町が実施するその他のリフォーム補助制度」として、介護保険の住宅改修、在宅高齢者住宅改修、重度障害者住宅設備改造費助成、再生可能エネルギーシステム等設置補助金、いけがき設置等助成、合併処理浄化槽設置整備補助、水洗化工事費助成、住宅耐震補強工事、ブロック塀撤去補助金が挙げられています。どれも基本的には個人の住宅・住戸が対象で、マンションの共用部の大規模修繕に使えるものではありません。
神奈川県のマンションアドバイザー派遣-葉山町の管理組合は無料で使えます
制度の概要
神奈川県の令和8年度 マンションアドバイザー派遣事業のご案内によると、内容は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 派遣料 | 無料 |
| 派遣されるのは | マンション管理士等の資格を持ち、マンション管理の相談経験がある専門家 |
| 相談時間・回数 | 1回につきアドバイザー1〜2名、3時間以内。夜間・休日にも対応。1管理組合につき年度内最大2回 |
| 派遣対象 | 神奈川県内の分譲マンションの管理組合等(横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市を除く) |
| 申込期間 | 令和8年6月26日(金)〜令和9年2月26日(金)。申込者が多数の場合は早期に終了 |
| 事前相談窓口(事務局) | NPO法人 かながわマンション管理組合ネットワーク(TEL 045-620-6300、平日10:00〜16:00) |
| 発行 | 神奈川県 県土整備局 建築住宅部 住宅計画課(TEL 045-210-6557) |
相談できる内容には、長期修繕計画や大規模修繕、修繕積立金などの財務、管理規約、耐震性の向上、管理計画認定制度が含まれています。詳しくは神奈川県のマンションアドバイザーのページをご覧ください。
隣の横須賀市は対象外、葉山町は対象
派遣対象から除かれているのは、横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市の4市です。案内では、これらの市のマンションは各市の住宅担当に問い合わせるよう書かれています。葉山町は除外されていないので、葉山町の分譲マンションの管理組合は、この県の制度を使えます。 申込みは、まず事務局へ電話で事前相談をし、その後に派遣申請書をメールかファクスで提出する流れです。
使い方のコツと、範囲外のこと
チラシには、見積書の比較診断、工事の受注、業者の紹介、長期修繕計画の策定そのもの、管理計画認定の申請業務などは派遣業務の範囲外と明記されています。つまり、アドバイザーは「中立の立場で考え方を整理してくれる人」です。
私はいつも理事長さまに、大規模修繕の検討を始める前に、まず中立の専門家に計画の考え方を聞いておくことをおすすめしています。年度内2回まで使えるので、たとえば1回目で長期修繕計画と修繕積立金の点検、2回目で管理計画認定の準備、という使い方もできます。中立の立場で整理した論点を持って施工会社と話すと、見積りの比較がぐっとしやすくなります。
マンション管理計画認定制度-葉山町は「神奈川県」が認定します
マンション管理計画認定制度は、管理組合の管理計画が一定の基準を満たしていることを、自治体が認定する制度です。認定を受けると、後述のマンション長寿命化促進税制を使う前提になるほか、住宅金融支援機構の融資で金利引下げの対象になります。
神奈川県のマンション管理計画認定 申請の手引きによると、葉山町を含む県内14町村(葉山町、寒川町、大磯町、二宮町、中井町、大井町、松田町、山北町、開成町、箱根町、真鶴町、湯河原町、愛川町、清川村)では、神奈川県が認定を行います。
手引きに書かれている主な認定基準は次のとおりです。
- 管理者等と監事が置かれ、集会(総会)が年1回以上開かれていること
- 管理費と修繕積立金を区分して経理していること
- 修繕積立金の3か月以上の滞納額が全体の1割以内であること
- 長期修繕計画が7年以内に作成・見直しされ、計画期間30年以上・残りの期間に大規模修繕工事を2回以上含むこと
- 将来の一時金の徴収を予定しておらず、計画期間の最終年度に借入金の残高がないこと
申請方法は、マンション管理センターの「管理計画認定手続支援サービス」で事前確認を受ける方法と、県の窓口(県土整備局 建築住宅部 住宅計画課)へ直接申請する方法の2つです。手引きは令和4年4月版のため、最新の様式や手数料は県に確認してください。
なお、県の住生活基本計画 第5章(マンション管理適正化推進計画)では、25年以上の長期修繕計画に基づいて修繕積立金を設定している管理組合の割合を、2030(令和12)年度までに65%以上にする目標が掲げられています。長期修繕計画の見直しは、県全体の課題でもあるということです。
マンション長寿命化促進税制-認定の取得から逆算を
国のマンション長寿命化促進税制は、築20年以上・10戸以上のマンションで、管理計画の認定などを受けたうえで、長寿命化に資する大規模修繕工事(外壁塗装等、床防水、屋根防水)を行った場合に、各住戸の翌年度の固定資産税を減額する制度です。対象は令和9年3月31日までに完了した工事で、完了後3か月以内に申告が必要です。
葉山町の場合、認定を出すのは神奈川県、固定資産税の申告先は葉山町と、窓口が分かれます。令和9年3月末までに工事を完了させたい場合は、工事の完了時期から逆算して、認定を先に取っておく必要があります。ほかの減額措置との併用の可否など細かな要件は、国土交通省のページと町の税務担当でご確認ください。
葉山町ならではの論点:風致地区で外壁の色を変えるときは「許可」が必要
葉山町の風致地区
風致地区は、都市計画法にもとづいて、自然の景観や緑を守るために定められる地区です。葉山町の風致地区の手引きによると、町内には大楠山風致地区(第4種、約98.72ha)と、一色風致地区(第1種 約58.2ha、第4種 約249.6ha)があります。
外壁・屋根の色を変えるなら、町長の許可
葉山町風致地区条例(平成26年葉山町条例第19号)の第2条は、風致地区内で町長の許可が必要な行為として、建物の新築・増築などと並んで「建築物等の色彩の変更」を挙げています。
同じ条の許可不要の行為の一覧を読むと、色彩の変更で許可が不要なのは「屋根、外壁、煙突、門、塀……以外のもの」とされています。言い換えると、風致地区内でマンションの外壁や屋根の色を変える場合は、許可の対象になるということです。許可の基準は「変更後の色彩が、周辺の風致と著しく不調和でないこと」(第8条)です。
罰則も定められています。許可を受けずに許可が必要な行為をした場合は30万円以下の罰金(第14条)、町長の是正命令に従わない場合は50万円以下の罰金(第13条)です。また、違反した工事の注文主や請負人も、色彩の変更などの是正を命じられる対象になります(第11条)。管理組合は「注文主」にあたるので、他人事ではありません。
足場と資材置き場は、許可不要の扱い
一方で、条例は「工事に必要な仮設の工作物」の新築等や、工事現場での工事期間内の資材の堆積を、許可不要の行為として挙げています。つまり、大規模修繕のための足場の設置そのものは、風致地区の許可の対象外です。手続きが必要になるのは、主に「色を変えるかどうか」です。
理事会で決めておきたいこと
- 敷地が風致地区に入っているかを、都市計画課(町役場 代表 046-876-1111)で確認する
- 外壁・屋根の色を現状と同じ色で塗り直すのか、色を変えるのかを、色の検討の早い段階で決める
- 色を変える場合は、総会で色を決める前に都市計画課に相談し、許可申請の期間を工程に組み込む(手引きには標準的な処理期間として14日の記載があります)
- 施工会社に、許可申請の書類作成を支援できるかを確認する
私の経験上、色の議論は総会で一番もめやすいテーマの1つです。「せっかくの大規模修繕だから、明るい色にしたい」という声が出るのは自然なことです。だからこそ、色の候補を出す前に、使える色の考え方を町に確認しておくと、総会の議論がぶれずに済みます。
なお、葉山町は景観法にもとづく景観計画も定めています。町の景観法施行条例施行規則では、届出書類の様式が木竹の伐採と屋外の物件の堆積について定められています。建物の色や形の扱いは、まちづくり条例などほかの手続きと関係する場合があるため、風致地区の確認と合わせて都市計画課に相談するのが確実です。
使えない制度を、先に見極めましょう
再生可能エネルギーシステム等設置補助金:自ら居住する住宅が対象
令和8年6月1日施行の葉山町再生可能エネルギーシステム等設置補助金交付要綱では、対象者は「町内に住所を有し、町内の自ら居住するための住宅」にシステムを設置する人です。補助額は、住宅用太陽光発電システムが1kWあたり1.5万円(上限5万円)、家庭用燃料電池(エネファーム)と定置用リチウムイオン蓄電システムが各5万円。着工前の申請が必要で、申請は年度の2月末日までです。管理組合が共用部に設置する設備は、この要綱の対象には読めません。
ブロック塀等撤去補助金:戸建て住宅の個人が対象
葉山町ブロック塀等撤去補助金交付要綱(令和4年4月1日改正)では、対象者は「自らが所有する戸建て住宅に付属するブロック塀等を所有する個人」です。補助額は撤去費用の2分の1または1mあたり5千円の少ない方、1敷地10万円が限度とされています。マンションの敷地のブロック塀は、要綱上は対象外と読めます。なお、この要綱は令和4年の改正版が最新の掲載で、令和8年度の受付状況は都市計画課へ確認してください。
住宅耐震補強工事の補助:マンション(非木造)向けは確認できず
町のリフォーム補助のチラシでは、都市計画課の制度として「住宅耐震補強工事(木造住宅の耐震補強工事等)」が案内されています。鉄筋コンクリート造のマンションを対象とした耐震診断・耐震改修の補助は、葉山町の公開資料では確認できませんでした。 旧耐震(1981年5月以前に建築確認)のマンションの場合は、まず県のアドバイザー派遣で耐震性の向上についての考え方を相談してみてください。
葉山町のマンションの大規模修繕-足場か、ロープアクセスか、公平に比べます
町の補助が共用部に使えない以上、工事費そのものを適正に抑えることが、修繕積立金を守る最大の手段になります。
費用の目安
金額は物件によって大きく変わるため、あくまで参考値です。私たちが見積りの入口でお伝えしている目安は次のとおりです。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 30戸規模マンションの大規模修繕 総工費 | 約3,500万〜5,000万円 |
| うち仮設足場の割合 | 総工費の約15〜25% |
| 外壁塗装 | 1㎡あたり約3,500〜4,500円 |
| 外壁の打診調査 | 1㎡あたり約250〜500円 |
| 防水工事 | 1㎡あたり約5,000〜8,000円 |
当社の試算例では、10階建て・外周80m・工期3か月の建物で、足場の費用が約168万円かかるところ、ロープアクセスでは約59万円、差額は約109万円です。30戸のマンションなら、1戸あたり約3.6万円の差になる計算です。実際の見積りは、建物の形状・劣化状況・工事範囲によって変わります。料金の考え方は大規模修繕の料金の考え方(明誠)でもご紹介しています。
3つの工法を、公平に比べる
明誠は、次の3つの工法から建物に合う方法を提案しています。
| 工法 | 向いている建物・工事 | 強み | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 通常の足場仮設工法 | 外壁の全面補修、塗装・防水・タイル・サッシ交換を一括で行う大規模修繕 | 作業の安全性と品質を確保しやすく、全面的な工事に適する | 設置・解体の費用と工期がかかる。足場期間中は防犯・採光・ベランダの使用に配慮が必要 |
| ロープアクセス工法(無足場工法) | 外壁の部分補修、シーリングの打替え、調査・点検、部分塗装 | 足場が不要なため、工期と費用を抑えやすい。居住者の生活への影響が少ない | 作業内容によっては向かない。専門技能を持つ職人が必要 |
| ハイブリッド工法 | 面ごと・部位ごとに足場とロープを使い分けたい建物 | 部位ごとに最適な方法を選べ、総額を最適化しやすい | 計画と工程管理に専門性が必要 |
ロープアクセス工法では、作業者がメインロープとバックアップロープの2本に接続し、屋上などに2点以上の吊元(ロープを固定する支点)を確保して作業します。明誠の工法の詳細は明誠のロープアクセス工法の技術と実績で、業界全体の安全基準や施工例は姉妹サイトのロープアクセスドットコム(無足場工法の専門メディア)で詳しく紹介しています。安全管理の考え方は明誠の高所作業の安全管理にまとめています。
ここは正直に申し上げます。 私たちは3つの工法をすべて扱うので、足場が最適なら足場を、ロープが向くならロープを提案します。この記事は、どれか1つに誘導するためのものではありません。
緑の多い敷地で、ロープアクセスが役立つ場面
葉山町のマンションは、斜面や樹木の多い敷地に建つものが少なくありません。風致地区の条例でも、建物の所有者などに敷地の緑化に努めることが求められています(第10条)。こうした建物では、足場を組むために植栽の枝を払ったり、植え込みの上に足場の脚を立てたりする必要が出ることがあります。
足場を組まないロープアクセスなら、植栽への影響を小さく抑えながら、外壁の調査や部分補修を進めやすくなります。全面的な塗り替えは足場で行い、植栽や斜面に面した面だけロープで施工する、というハイブリッド工法も選択肢です。足場そのものは風致地区の許可が不要ですが、敷地の緑を守るという点で、工法の選び方には意味があります。
詳しい技術の解説は、ロープアクセスドットコムで、斜面地や狭い敷地での施工の考え方を紹介しています。
明誠について、数字でお伝えします
株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法での高所作業について、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業では、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを維持しています。IRATA(国際産業ロープアクセス協会)水準の技能訓練を受けた作業員が施工し、ISO9001の品質マネジメントシステムを運用しています。また、日本初のロープアクセス工事のフランチャイズ本部として、塗装・防水・タイル・電気・看板の各分野の専門職と連携しています。
現場で見てきたこと
緑に囲まれたマンションの現場で、私がよく目にするのは、北側や植栽に面した外壁だけ、コケや藻の付着、シーリングの劣化が早く進んでいるケースです。日当たりがよい面は「まだきれい」に見えるので、理事会では「次回の大規模修繕まで様子を見よう」という結論になりがちです。ところが、劣化が進んだ面から雨水が入り込むと、内部の鉄筋のさびやタイルの浮きにつながります。
私はこうした建物には、まず面ごとの劣化状況を建物診断で数字にし、傷みの早い面だけ先に手を打つことをおすすめしています。全面の足場を組まずに、ロープアクセスで傷んだ面だけを補修すれば、次の大規模修繕までの時間を稼ぎながら、修繕積立金の取り崩しを小さく抑えられます。
管理組合向けのサービス内容はマンション管理組合さま向けの大規模修繕サービスにまとめています。明誠のこれまでの施工の様子は、明誠の施工事例からご覧いただけます。
制度を使うときの共通の落とし穴
失敗しやすい3つのパターン
- 着工後に申請しようとする。 町のリフォーム補助、再エネ補助、ブロック塀撤去補助は、いずれも着工前の申請が条件です。
- 色を決めてから風致地区の確認をする。 総会で決めた色が許可の基準に合わないと、総会のやり直しや工程の遅れにつながります。
- 年度末に工事が間に合わない。 町のリフォーム補助は「申請した年度内に完了すること」が条件です。大規模修繕と専有部分の工事を同じ時期に進めると、工程が年度をまたぐことがあります。
理事会で使える質問リスト
- 当マンションの敷地は風致地区に入っているか。入っている場合、第1種か第4種か
- 外壁・屋根の色を変える予定はあるか
- 長期修繕計画は7年以内に見直されているか。計画期間は30年以上あるか
- 修繕積立金の3か月以上の滞納はどの程度あるか
- 管理計画認定を、長寿命化促進税制の期限(令和9年3月31日完了)に間に合う時期に取れるか
- 県のマンションアドバイザー派遣を、今年度すでに使ったか(年度内最大2回)
- 町内の住宅リフォーム補助について、区分所有者への案内を誰が作るか
- 植栽や斜面に面した面で、足場の設置が難しい場所はあるか
葉山町のマンションが大規模修繕に向けて動く5つのステップ
- 建物診断で現状を数字にする。 面ごとの劣化の差を把握し、工事範囲と優先順位を決めます。
- 県のマンションアドバイザーに相談する。 無料で、長期修繕計画や修繕積立金、管理計画認定の考え方を中立の立場から整理できます。
- 風致地区と色の方針を確認する。 敷地が風致地区に入っているかを確認し、色を変える場合は許可の期間を工程に入れます。
- 3工法で見積りを比べる。 足場・ロープアクセス・ハイブリッドで、総額と工期、居住者や植栽への影響を比べます。
- 認定・税制・専有部分の補助をあわせて計画する。 管理計画認定の取得時期、長寿命化促進税制の期限、区分所有者向けの町のリフォーム補助の案内を、工事の工程表と1枚にまとめます。
賃貸マンション・ビルのオーナーの方へ
葉山町の住宅リフォーム資金補助金は、要綱上「住宅の所有者または居住者」が対象で、チラシでは「自宅・アパート・貸家等」の外装塗装なども例に挙がっています。賃貸物件のオーナーさまも、町内業者の施工や工事費20万円以上などの条件を満たせば対象になり得ます。ただし、令和8年度の受付状況の確認が前提です。風致地区の色彩の許可は、分譲・賃貸を問わず同じです。賃貸ビルのオーナーさま向けのご案内はビルオーナーさま向けの大規模修繕サービスをご覧ください。
よくあるご質問
Q. 葉山町で、マンションの大規模修繕工事費に使える補助金はありますか?
A. 2026年10月9日時点で町の公開資料を確認した範囲では、共用部分の大規模修繕工事そのものを管理組合に補助する町の制度は見つかりませんでした。専有部分のリフォームには、町の住宅リフォーム資金補助金(一律5万円)が使える可能性があります。
Q. 住宅リフォーム資金補助金は、マンションでも使えますか?
A. 要綱では、区分所有住宅について「専有部分1戸につき1回」と定められているため、住戸ごとに使える余地があります。ただし、町内業者の施工、税抜20万円以上、着工前の申請などが条件で、別荘は対象外です。令和8年度の受付状況は産業振興課へ確認してください。
Q. 県のマンションアドバイザー派遣は、葉山町でも使えますか?
A. はい。令和8年度の案内では、横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市を除く県内の分譲マンションの管理組合が対象で、葉山町は対象に含まれます。派遣料は無料、1管理組合につき年度内最大2回、申込期間は令和9年2月26日までです。
Q. 大規模修繕で外壁の色を変えたいのですが、手続きは必要ですか?
A. 敷地が風致地区内にある場合、葉山町風致地区条例により、外壁や屋根の色彩の変更には町長の許可が必要です。許可を受けずに行うと罰則の対象になります。色を決める前に、都市計画課に風致地区かどうかを確認してください。
Q. 足場を組むことにも、風致地区の許可は必要ですか?
A. 条例では「工事に必要な仮設の工作物」の設置は許可不要の行為とされています。足場の設置そのものについての許可は不要ですが、外壁の色を変える場合は別に許可が必要です。
Q. 葉山町のマンションの管理計画認定は、どこに申請しますか?
A. 葉山町を含む県内14町村では、神奈川県が認定を行います。窓口は県土整備局 建築住宅部 住宅計画課です。最新の様式や手数料は県に確認してください。
Q. 足場を組まない大規模修繕は、本当に可能ですか?
A. 外壁の部分補修、シーリングの打替え、調査などは、ロープアクセス工法で足場を組まずに行えることがあります。全面的な工事では足場が適する場合も多く、部位ごとに使い分けるハイブリッド工法も選択肢です。
Q. 相談や見積りに費用はかかりますか?
A. 明誠では、建物の状況確認や概算のお見積りのご相談を承っています。風致地区での色の検討や、町の補助の使い方についても、お気軽にお問い合わせフォームからご相談ください。
この記事のポイントまとめ
- 葉山町で共用部の大規模修繕工事そのものに使える町の補助金は、公開資料では確認できず
- 町の住宅リフォーム補助は一律5万円、区分所有住宅は専有部分1戸につき1回。別荘は対象外
- 要綱PDFに有効期限の記載があるため、令和8年度の受付状況は産業振興課へ確認
- 県のマンションアドバイザー派遣は葉山町で使える。無料・年度内2回・令和9年2月26日まで
- 風致地区内では外壁・屋根の色の変更に町長の許可が必要。足場の設置そのものは許可不要
- 管理計画認定は県、固定資産税の申告は町。長寿命化促進税制は令和9年3月31日完了が期限
出典・参考資料
- 葉山町「葉山町住宅リフォーム資金補助金交付要綱(PDF)」
- 葉山町「葉山町住宅リフォーム資金補助金 案内チラシ(PDF)」
- 葉山町「葉山町再生可能エネルギーシステム等設置補助金交付要綱(令和8年6月1日施行、PDF)」
- 葉山町「葉山町ブロック塀等撤去補助金交付要綱(令和4年4月1日改正、PDF)」
- 葉山町「葉山町風致地区条例(PDF)」
- 葉山町「風致地区の手引き(PDF)」
- 葉山町「葉山町景観法施行条例施行規則(PDF)」
- 神奈川県「令和8年度 マンションアドバイザー派遣事業のご案内(PDF)」
- 神奈川県「マンションアドバイザー派遣事業」
- 神奈川県「マンション管理計画認定 申請の手引き(PDF)」
- 神奈川県「住生活基本計画 第5章 マンション管理適正化推進計画(PDF)」
- 国土交通省「マンション長寿命化促進税制(固定資産税の特例措置)」
- 国土交通省「マンション管理計画認定制度」
本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月9日時点で公表されている葉山町、神奈川県、国土交通省の公式情報をもとに執筆しています。葉山町の住宅リフォーム資金補助金の要綱PDFには「令和7年3月31日限り」の有効期限の記載があり、令和8年度の受付状況は公開資料で確認できなかったため、産業振興課への確認をお願いします。ブロック塀等撤去補助金の要綱は令和4年改正版が最新の掲載です。県の管理計画認定の手引きは令和4年4月版です。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。本記事は法的・税務上の助言ではありません。
▼ロープアクセス工法・無足場工法の詳細解説はこちら
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この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年10月9日
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ロープアクセス工法の詳細や実例については、姉妹サイト「ロープアクセスドットコム」の以下の記事もぜひご覧ください。
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『大規模修繕工事 職人だから言える本当の話 —— 見積書では見えない業界の裏側と、修繕積立金を守る発注術』(Kindle版)を出版しています。20年以上の現場経験から、管理組合・オーナーが修繕積立金を守るための発注術と、業界の内幕を書き下ろしました。
葉山町は、共用部の工事費に使える補助金が多い町ではありません。それでも、県の無料アドバイザー、管理計画認定と税制、そして風致地区の手続きを先回りして押さえれば、修繕積立金を守りながら、緑豊かな町並みにふさわしい大規模修繕ができます。総会の前段階の整理だけでも、お問い合わせフォームからお気軽にお声がけください。
横浜市中区のマンション管理計画認定制度|市独自基準なし・直接申請は不可・手数料と固定資産税の減額を整理【2026年度版】
結論:横浜市中区で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか
先に結論です。横浜市中区の分譲マンションの管理計画認定は、中区役所ではなく、横浜市(建築局住宅部住宅再生課)が窓口です。横浜市の制度ページでは認定基準は国と同じ17項目で、市のQ&Aには「市独自の基準はありません」と書かれています(出典:横浜市「管理計画認定制度に関するご質問」)。
もう一つ、横浜市ならではの大事な点があります。管理組合が市へ直接申請する窓口はありません。申請はオンラインで、公益財団法人マンション管理センターの手続支援システムを通して行います(出典:横浜市「管理計画認定制度」、最終更新2025年12月8日)。
費用の中身は次のとおりです。
- 横浜市への申請手数料:3,900円(計画が複数なら1,700円×(計画数-1)を加算)。郵送料は別途
- 手続システム利用料:1申請あたり10,000円(税込)
- 事前確認の費用:センターや管理士会連合会なら1計画あたり10,000円(税込)。管理士や管理会社なら取り決めた金額
長期修繕計画が1つで、センターに事前確認を直接頼むなら、合計でおよそ2万4千円に郵送料です。長期修繕計画の見直しや規約改正を専門家に頼む費用は別です。
認定を受けると、固定資産税の減額、【フラット35】の金利引下げ、マンションすまい・る債の利率上乗せといった優遇の入口に立てます。横浜市の固定資産税の減額割合は、国の枠で最大の「2分の1」です。ただし、認定を受けたうえで大規模修繕工事を令和9年3月31日までに終えることが前提です。
私は東京都東大和市で会社を構え、首都圏の大規模修繕に20年以上関わってきました。読んだその日に理事会で動けるよう、順に整理します。
なお、横浜市の制度ページに令和8年度の変更点の記載は見当たりませんでした。申請の前に、市の窓口で最新の内容をご確認ください。
横浜市中区のマンション事情と認定主体:認定行政庁は横浜市です
管理計画認定制度は、令和4年4月に始まった国の制度です。管理組合が作った管理計画を審査して認定する役所を「認定行政庁」(認定の事務を担う自治体)と呼びます。横浜市は政令指定都市ですので、市内の認定は横浜市が行います。中区は区ですが、区役所に認定の窓口はありません。
問合せ先は、建築局住宅部住宅再生課(電話045-671-2954、メールはkc-jutakusaisei@city.yokohama.lg.jp)です。区役所は、のちほど触れる固定資産税の減額の手続きでお世話になります。
横浜市は、管理計画認定の件数が全国でも突出しています。市の資料(令和8年5月)によれば、累計の認定は令和7年度末で326件、全国3,746件のうち1位です。市内の築40年以上のマンションは約16万戸(30.7%)とされています(出典:横浜市「第1回マンション部会 資料」(PDF))。
中区だけの棟数や戸数は、私が確認した市の公表資料には載っていませんでしたので、数字は書きません。そのうえで、現場の実感を申し上げます。中区は、関内・伊勢佐木町のあたりの駅近の中高層、元町・山手の起伏のある住宅地、本牧・根岸の海沿いと、建物の条件がまるで違う区です。条件が違えば、傷み方も、足場の組みやすさも変わります。
海沿いは潮風の影響を受けやすく、駅近は道路が狭くて足場の搬入に苦労することが多いです。立地の事情まで長期修繕計画に織り込むと、数字がずれにくくなります。
認定基準17項目を、理事会が確認しやすい順に整理する
認定の基準は、国が5つの分野に17項目で定めています。横浜市でも17項目すべてを満たす必要があります(出典:国土交通省「マンションの管理計画認定の基準」(PDF))。順に見ていきます。
管理組合の運営・管理規約・経理
管理者等と監事が定められ、総会が年1回以上開かれていることが基本です。規約には、専有部分への緊急時の立入り、修繕履歴の保管、財務・管理情報の提供の定めが要ります。経理は、管理費と修繕積立金の区分、他会計への流用なし、3か月以上の滞納が全体の1割以内であることが条件です。書面決議ばかりで議事録が薄い組合は、まず議事録の残し方から整えるのが近道だと私は考えています。
長期修繕計画の作成及び見直し等
ここがいちばん手間のかかる分野で、6項目あります。
- 標準様式に準拠した計画と修繕積立金額が、総会で決議されていること
- 計画の作成または見直しが7年以内であること
- 計画期間が30年以上で、残存期間内に大規模修繕が2回以上含まれること
- 将来の一時金の徴収を予定していないこと
- 修繕積立金の平均額が著しく低額でないこと
- 計画の最終年度に借入金の残高がないこと
その他
組合員名簿と居住者名簿を備え、年1回以上確認していること、そして「横浜市マンション管理適正化指針に照らして適切であること」です。最後の項目は国の基準の17番目として全国共通に置かれているもので、横浜市が別に上乗せした基準ではありません。
現場で見る「計画の古さ」と足場費の考え方
私が以前、理事会に呼ばれたマンションでは、築35年超なのに長期修繕計画が十数年動いていませんでした。見直しを機に工法も比べたところ、10階建てで外周80m、工期3か月ほどという条件の試算で、仮設足場が約168万円、ロープアクセス工法を併用した場合は約59万円、差額は約109万円という結果が出ました。建物の形や立地で大きく変わりますので、あくまで一つの目安です。
ロープアクセス工法の安全管理については大規模修繕工事の安全管理と進め方で、技術の詳細は姉妹サイトのロープアクセスドットコムでご紹介しています。
独自基準の有無と実務への影響:横浜市の上乗せはありません
神奈川県内や東京都内には、防災関連などで独自の基準を設けている自治体があります。では横浜市はどうかというと、市のQ&Aに、国の基準と同じで市独自の基準はないと明記されています。
実務上の意味は、国の17項目を整えれば市独自の追加書類に追われないこと、そして令和9年4月の国の基準見直しを横浜市もそのまま受けることです。
17項目目の「横浜市マンション管理適正化指針に照らして適切であること」は、制度ページに具体的な中身が書かれていません。事前確認の専門家に確かめてください。
手数料と申請ルート:市へ直接は出せず、事前確認から電子申請へ
横浜市の標準ルート
流れは次のとおりです。ここが他の自治体と大きく違うのは、市への申請の前に、専門家による事前確認が入る点です。
- 認定基準のセルフチェックを行う
- 総会で、管理計画認定の申請を決議する
- 専門家(管理会社、日本マンション管理士会連合会、マンション管理センター、管理組合で契約しているマンション管理士)に適合確認を依頼する
- 手続システムに入力し、書類を提出して申請する
- 横浜市が審査し、問題がなければ認定される
横浜市のQ&Aでは、事前確認に約1〜2か月、市への申請から認定まで約1か月が目安とされています。一方、制度ページには、申請から認定まで2〜3か月かかる場合があり、マンションすまい・る債の応募期間に間に合わないこともあると書かれています。ぎりぎりの日程は組まないでください。
事前確認の依頼先と費用
マンション管理センターの案内では、申請の経路は次のように整理されています(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。
| パターン | 依頼先 | 事前確認審査料 |
|---|---|---|
| ① | 事前確認講習を修了したマンション管理士 | 管理組合とマンション管理士が取り決める |
| ② | 管理会社(マンション管理適正評価制度と併せて) | 管理組合と管理会社が取り決める |
| ③ | 日本マンション管理士会連合会(診断サービスと併せて) | 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込) |
| ④ | マンション管理センターへ直接申込 | 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込) |
| ⑤ | 地方公共団体に直接申請 | 事前確認なし(横浜市は直接申請の窓口なし) |
⑤は自治体が窓口を用意している場合の道筋で、横浜市では①から④のどれかを選びます。システム利用料はどれも1申請あたり10,000円です。
複数の見積りを比べ、最新の料金は各窓口でご確認ください。
認定の有効期間は5年間です(出典:横浜市「管理計画認定制度」)。満了までに更新の申請をする形になります。
認定の3つの経済効果:税・住宅ローン・債券
1. マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)
長寿命化に役立つ大規模修繕工事を行ったマンションについて、工事の翌年度の建物部分の固定資産税を減額する制度です。国の制度では減額割合は6分の1から2分の1の範囲で市町村が定め、参酌基準(国の目安)は3分の1です(出典:国土交通省「管理計画認定のメリット」(PDF))。
横浜市は、この割合を固定資産税の2分の1としています。横浜市の制度ページ(最終更新2026年4月8日)による主な内容は次のとおりです(出典:横浜市「大規模修繕工事を行ったマンションの固定資産税の減額」)。
- 減額されるのは工事完了の翌年度分の1年度のみ。都市計画税と土地は対象外
- 1戸あたり100㎡まで。令和5年4月1日から令和9年3月31日までに工事が完了していること
- 築20年以上、総戸数10戸以上、居住用が床面積の2分の1以上。外壁塗装等・床防水・屋根防水を行い、建築士等が証明すること
- 認定マンションは、認定に加え、過去の3工事の実績などが要件。積立金を基準未満から引き上げた場合の扱いは、制度ページの表で確認すること
- 工事完了から3か月以内に、区役所の税務課家屋担当へ書類を提出すること
申告先は、中区の場合は中区役所の税務課家屋担当(電話045-224-8204、本館4階44番窓口)です。開庁時間は月曜から金曜の午前8時45分から午後5時までと案内されています(出典:横浜市中区役所「税務課」、最終更新2026年1月28日)。認定そのものは市の住宅再生課、減額の手続きは区役所の税務課と、窓口が分かれる点に注意してください。
押さえたいのは期限です。令和9年3月31日の工事完了が前提ですので、これから設計から施工へ進めるのは日程に余裕がありません。工事の計画がある組合は、完了時期を最優先で確認してください。
2. 【フラット35】の金利引下げ
管理計画認定マンションの住戸を購入する方が使える住宅ローンの優遇で、国土交通省の資料では、当初5年間、年0.25%の引下げと示されています(出典:国土交通省「管理計画認定のメリット」(PDF))。予算に達する見込みになると受付が終わりますので、利用する際は住宅金融支援機構の【フラット35】のページで最新の状況をご確認ください。
3. マンションすまい・る債と共用部リフォーム融資
マンションすまい・る債は、管理組合が修繕積立金を運用する債券で、認定マンションは利率が上乗せされます。国土交通省の資料では、認定マンションは2.1%、認定なしは2.0%と想定され、上乗せは0.1ポイント、5,000万円を満期まで保有した場合の受取利息は税引前で約50万円の差とされています。応募期間は、2026年4月13日から10月9日までで、本記事を公開する10月9日が最終日です(出典:同資料)。
マンション共用部分リフォーム融資は、国土交通省の資料で、認定マンションは全期間、年0.20%の金利引下げとされています。借入の前に、住宅金融支援機構のマンション共用部分リフォーム融資のページや窓口で、最新の条件を確認してください。
数字で見る経済効果のイメージ
仮に総額5,000万円の大規模修繕なら、仮設足場は総工費の15〜25%(750万〜1,250万円)が目安で、外壁塗装は1㎡あたり3,500〜4,500円がレンジです。物件ごとに大きく変わります。工法で足場の比率を下げ、制度で税を下げる。私はこれを「二段構え」と呼んでいます。
株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法では、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを続けています。通常足場、ロープアクセス、両者を組み合わせたハイブリッド工法の3つから、建物に合う工法をご提案できます。
費用の考え方は大規模修繕の料金の考え方に、管理組合の方向けの内容は管理組合さま向けの大規模修繕サービスにまとめています。ロープアクセス工法そのものは、明誠のロープアクセス工法のページをご覧ください。技術情報や訓練の話題は、ロープアクセスドットコムでも公開しています。
横浜市の独自の取組みも活用する
令和8年度は、横浜市版の大規模修繕工事費用シミュレーターやLINE公式アカウント「横浜市マンションお役立ち情報」が令和8年1月から始まり、よこはまマンション・団地サポーター制度も令和8年4月から全マンション・団地に広がりました(出典:横浜市「第1回マンション部会 資料」(PDF))。
令和9年4月の制度改正にも目を向けておく
国土交通省のページでは、令和9年度に管理計画認定制度の拡充や認定基準の見直しに係る規定が施行されると案内されています。省令と告示は令和8年7月31日に公布され、令和9年4月1日以降に申請する場合は、見直し後の認定基準が適用されます。経過措置も設けられています(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。
令和9年3月までに申請するか、4月以降かで基準が変わり得ます。横浜市の住宅再生課とマンション管理センターに、変更点を確認しておいてください。
逆算スケジュール(令和8年10月起点)
認定に絞った逆算です。工事まで同時に進める組合は、半年では足りないことが多いです。
| 時期の目安 | やること |
|---|---|
| 令和8年10月 | 理事会で認定の方針を共有。長期修繕計画の作成時期と、規約・名簿・会計の現状を確認 |
| 令和8年11月 | 長期修繕計画が7年以内でなければ見直しを依頼。事前確認の依頼先を決め、費用を見積もる |
| 令和8年12月 | 臨時総会で、認定申請、長期修繕計画と修繕積立金額、必要な規約改正を決議 |
| 令和9年1月 | 議事録などをそろえ、事前確認を依頼(約1〜2か月) |
| 令和9年2〜3月 | 事前確認を終え、手続システムから横浜市へ申請(審査は約1か月) |
固定資産税の減額を使いたい場合は、令和9年3月31日までに工事を終える必要があります。私はいつも理事長さまに、「期限に合わせて中身を急ぐより、建物の状態を優先しましょう」とお伝えしています。期限に間に合わなくても、認定そのものは住宅ローンや資産価値の面で意味があります。
まとめと、今週動くこと3点
横浜市中区のマンションの管理計画認定は、横浜市が認定行政庁で、市独自の上乗せ基準はありません。市への直接申請はなく、事前確認を経て、手続システムから申請する形です。費用の中心は、システム利用料10,000円、事前確認審査料、市への申請手数料3,900円です。固定資産税の減額は、横浜市では2分の1ですが、令和9年3月31日までの工事完了が条件です。
今週、理事会で動いていただきたいことは次の3点です。
- 長期修繕計画の作成日を確認する(7年以内かどうかが最初の分かれ目です)
- 管理規約、名簿、会計の整備状況を、国の17項目に照らして確認する
- 横浜市建築局住宅再生課(045-671-2954)へ、認定の流れと令和9年4月の改正の扱いを電話で確認する。固定資産税の減額は、中区役所の税務課家屋担当(045-224-8204)へ
十月のうちに理事会で数分でもこの話題を出していただければ、年内の総会決議が現実的になります。令和9年3月が一つの分かれ目です。どこから手をつければよいか迷われたら、ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。明誠へのお問合せフォームからどうぞ。これまでの明誠の施工事例もご覧いただけます。
よくあるご質問
Q. 横浜市中区の管理計画認定に、市へ払う手数料はいくらですか?
A. 横浜市へは申請手数料3,900円です。長期修繕計画が複数ある場合は、1,700円×(計画数-1)が加わります。ほかに、手続システム利用料10,000円と事前確認の費用、郵送料がかかります。
Q. 横浜市に独自の認定基準はありますか?
A. 横浜市のQ&Aに、国の基準と同じで市独自の基準はないと書かれています。ただし17項目目に「横浜市マンション管理適正化指針に照らして適切であること」があり、事前確認で確認されます。
Q. 管理組合が横浜市に直接申請することはできますか?
A. できません。横浜市の制度ページでは、市へ直接申請せず、マンション管理センターの手続システムを利用すると案内されています。まず専門家による事前確認を受ける流れです。
Q. 固定資産税はどれくらい減りますか?
A. 横浜市では固定資産税の2分の1です。工事完了の翌年度の1年度分のみで、1戸あたり100㎡までが対象です。築20年以上、総戸数10戸以上などの条件があり、令和9年3月31日までの工事完了が前提です。申告は工事完了から3か月以内に、中区役所の税務課家屋担当へ行います。
Q. 認定までにどれくらいかかりますか?
A. 事前確認に約1〜2か月、市への申請に約1か月が目安です。2〜3か月かかる場合もあります。有効期間は5年間です。
Q. 長期修繕計画が古い場合、どうすればよいですか?
A. 作成や見直しが7年以内であることが要件の一つです。専門家に見直しを依頼し、あわせてロープアクセス工法を含めた工法の比較をすると、工事費の見え方が変わる場合があります。明誠では概算のご相談を承っています。
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年10月9日
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本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月9日時点で公表されている横浜市および国土交通省・マンション管理センターの公式情報をもとに執筆しています。横浜市の制度ページの最終更新は2025年12月8日、固定資産税の減額制度は令和9年3月31日までの工事完了が対象、マンションすまい・る債の応募期間は2026年10月9日までです。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず横浜市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。
出典・参考資料
- 横浜市「管理計画認定制度」
- 横浜市「管理計画認定制度に関するご質問」
- 横浜市「大規模修繕工事を行ったマンションの固定資産税の減額」
- 横浜市「第1回マンション部会 資料(PDF)」
- 横浜市中区役所「税務課」
- 公益財団法人マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」
- 国土交通省「マンション管理計画認定制度」
- 国土交通省「マンションの管理計画認定の基準(PDF)」
- 国土交通省「管理計画認定のメリット(PDF)」
- 住宅金融支援機構「【フラット35】維持保全型」
- 住宅金融支援機構「マンション共用部分リフォーム融資」
横浜市南区のマンション管理計画認定制度|市独自基準なし・申請は電子のみ・手数料と固定資産税2分の1減額の期限【2026年度版】
結論:横浜市南区のマンションが管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか
横浜市南区の分譲マンションの管理計画認定は、南区役所ではなく、横浜市(建築局住宅部住宅再生課)が担当します。横浜市の制度ページでは、認定基準は国の17項目と同じで、市の独自基準は設けられていません(出典:横浜市「管理計画認定制度に関するご質問」)。
南区の管理組合さまがまず知っておくべきなのは、申請の入口が一つしかないことです。横浜市は管理組合からの直接申請を受け付けておらず、公益財団法人マンション管理センターの手続きシステムから電子で申請します(出典:横浜市「管理計画認定制度」、最終更新2025年12月8日)。
かかる費用は次のとおりです。
- 横浜市への申請手数料:3,900円に郵送料を加えた額(長期修繕計画が複数なら、1,700円×(計画数-1)を加算)
- 手続きシステム利用料:10,000円
- 事前確認(適合確認)の費用:依頼先により異なる
長期修繕計画が1つで、事前確認をマンション管理センターに直接頼む場合、合計は2万4千円前後に郵送料です。長期修繕計画の見直しや規約改正を専門家に頼む費用は、これとは別にかかります。
認定を受けると、固定資産税の減額、【フラット35】の金利引下げ、マンションすまい・る債の利率上乗せの対象になります。横浜市の固定資産税の減額は、国の枠で最も大きい2分の1です。ただし、令和9年3月31日までに工事を終えることが前提で、この期限が今回いちばん重要です。
私は東京都東大和市で会社を営み、首都圏のマンション大規模修繕に20年以上関わってきました。南区の理事会が読んでそのまま動けるよう、順番に整理します。なお、横浜市の制度ページに令和8年度の変更点の記載は見当たりませんでした。申請前に市の窓口で最新の内容をご確認ください。
横浜市南区と認定主体:認定行政庁は区ではなく横浜市です
管理計画認定制度は、令和4年4月に始まった国の制度です。管理組合が作った管理計画を審査して認定する役所を「認定行政庁」(認定の事務を担う自治体)といい、政令指定都市の横浜市は市内の認定を自ら行います。南区は行政区ですので、区役所に認定の窓口はありません。
問合せ先は、横浜市建築局住宅部住宅再生課(電話045-671-2954)です。一方、後ほど説明する固定資産税の減額の手続きは、南区役所の税務課が担当します。認定は市、税は区と、窓口が分かれます。
横浜市は管理計画認定の件数が全国でも突出しています。市の資料(令和8年5月)では、累計の認定は令和7年度末で326件、全国3,746件のうち1位とされています。市内の築40年以上のマンションは約16万戸(30.7%)です(出典:横浜市「第1回マンション部会 資料」(PDF))。南区だけの棟数や戸数は、私が確認できた市の公表資料に載っていないため、数字は書きません。
南区は、上大岡のような大きなターミナル周辺の中高層から、弘明寺や南太田あたりの起伏のある住宅地まで、建物の条件が幅広い区です。私の経験では、坂や狭い道に面した建物は足場の搬入や設置に手間がかかり、同じ規模でも工事費が変わります。長期修繕計画を見直すときは、立地の事情まで織り込んでおくと、あとで数字がずれにくくなります。
認定基準17項目を、理事会が確認しやすい順に整理する
認定の基準は、国が5つの分野、17項目で定めています。横浜市でも17項目すべてを満たす必要があります(出典:国土交通省「マンションの管理計画認定の基準(PDF)」)。
管理組合の運営・管理規約・経理
管理者等と監事が定められ、総会が年1回以上開かれていることが基本です。規約には、専有部分への緊急時の立入り、修繕履歴の保管、財務・管理情報の提供の定めが必要です。経理は、管理費と修繕積立金の区分、他会計への流用がないこと、3か月以上の滞納が全体の1割以内であることが条件です。議事録が薄い組合は、まず総会の記録の残し方を整えるのが近道だと、私は考えています。
長期修繕計画の作成及び見直し等
もっとも手間がかかる分野で、6項目あります。
- 標準様式に準拠した計画と修繕積立金額が、総会で決議されていること
- 計画の作成または見直しが7年以内であること
- 計画期間が30年以上で、残存期間内に大規模修繕が2回以上含まれること
- 将来の一時金の徴収を予定していないこと
- 修繕積立金の平均額が著しく低額でないこと
- 計画の最終年度に借入金の残高がないこと
その他
組合員名簿と居住者名簿を備え、年1回以上確認していること、そして「横浜市マンション管理適正化指針に照らして適切であること」です。最後の項目は、国の基準の17項目目として全国共通に置かれているもので、横浜市が別に上乗せした基準ではありません。
現場で見る「計画の古さ」と足場費
ある築30年台後半のマンションの理事会に呼ばれたとき、長期修繕計画がもう十年以上見直されていませんでした。見直しの際に工法を比べたところ、10階建て・外周80m・工期3か月という条件の試算で、仮設足場が約168万円、ロープアクセス工法を併用した場合は約59万円、差額は約109万円でした。建物の形や立地で大きく変わりますので、あくまで一例です。
ロープアクセス工法の安全管理は大規模修繕工事の安全管理と進め方に、技術の詳細は姉妹サイトのロープアクセスドットコムにまとめています。
独自基準の有無と実務への影響:横浜市の上乗せはありません
神奈川県内や東京都内には、防災関連などで独自の基準を加えている自治体もあります。横浜市については、市のQ&Aに、国の基準と同じで市独自の基準はないと明記されています。
実務上の意味は二つです。国の17項目を整えれば、市独自の追加書類に追われないこと。そして、国が令和9年4月に基準を見直した場合、横浜市もその影響を受けることです。
17項目目の「横浜市マンション管理適正化指針に照らして適切であること」は、制度ページに具体的な中身が書かれていません。事前確認を依頼する専門家に、確認の観点を聞いておくと安心です。
手数料と申請ルート:市へ直接は出せず、事前確認から電子申請へ
横浜市の標準ルート
流れは次のとおりです。市への申請の前に専門家の事前確認が入る点が、他の自治体と大きく違います。
- 公開されているチェックシートで、認定基準のセルフチェックを行う
- 総会で、管理計画認定の申請を決議する
- 管理会社、事前確認講習を修了したマンション管理士、日本マンション管理士会連合会、マンション管理センターのいずれかに適合確認を依頼する
- マンション管理センターの手続きシステムで申請する
- 横浜市が審査し、問題がなければ認定される
横浜市のQ&Aでは、事前確認に約1〜2か月、市への申請から認定まで約1か月が目安とされています。制度ページには、申請から認定まで2〜3か月かかる場合があり、マンションすまい・る債の応募期間に間に合わないこともあると書かれています。日程は余裕を持って組んでください。
事前確認の依頼先と費用
マンション管理センターの案内では、申請の経路が次のように整理されています(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。
| パターン | 依頼先 | 事前確認審査料 |
|---|---|---|
| ① | 事前確認講習を修了したマンション管理士 | 管理組合とマンション管理士が取り決める |
| ② | 管理会社(マンション管理適正評価制度と併せて) | 管理組合と管理会社が取り決める |
| ③ | 日本マンション管理士会連合会(診断サービスと併せて) | 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込) |
| ④ | マンション管理センターへ直接申込 | 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込) |
| ⑤ | 地方公共団体に直接申請 | 事前確認なし(横浜市は直接申請の窓口なし) |
横浜市では、⑤を除く①から④のいずれかを選びます。複数の見積りを取り、最新の料金は各窓口でご確認ください。
認定の有効期間は5年間です(出典:横浜市「管理計画認定制度」)。満了までに更新の申請をします。
認定の3つの経済効果:税・住宅ローン・債券
1. マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)
長寿命化に役立つ大規模修繕工事を行ったマンションの、工事完了の翌年度の建物部分の固定資産税を減額する制度です。国の制度では減額割合を6分の1から2分の1の範囲で市町村が定め、参酌基準(国の目安)は3分の1です(出典:国土交通省「管理計画認定のメリット(PDF)」)。
横浜市はこの割合を2分の1としています。横浜市の制度ページ(最終更新2026年4月8日)による主な内容は次のとおりです(出典:横浜市「大規模修繕工事を行ったマンションの固定資産税の減額」)。
- 減額されるのは工事完了の翌年度分の1年度のみ。都市計画税と土地は対象外
- 1戸あたり100㎡まで。令和5年4月1日から令和9年3月31日までに工事が完了していること
- 築20年以上、総戸数10戸以上、居住用が床面積の2分の1以上。外壁塗装等・床防水・屋根防水を行い、建築士等が証明すること
- 認定マンションは、認定に加え、過去の工事実績などが要件。細かな条件は制度ページの表で確認すること
- 工事完了から3か月以内に、区役所の税務課家屋担当へ書類を提出すること
南区の場合の提出先は、南区役所の税務課家屋担当(電話045-341-1163、3階31番窓口)です。開庁時間は月曜から金曜の午前8時45分から午後5時までと案内されています(出典:横浜市南区役所「税務課」、最終更新2025年6月30日)。
押さえたいのは期限です。工事の完了が令和9年3月31日までという条件なので、これから設計から施工へ進める組合は、日程に余裕がありません。工事を予定している組合は、完了時期を最優先で確認してください。
2. 【フラット35】の金利引下げ
管理計画認定マンションの住戸を購入する方が使える住宅ローンの優遇で、国土交通省の資料では、当初5年間、年0.25%の引下げと示されています(出典:同資料)。予算に達する見込みになると受付が終わりますので、利用する際は住宅金融支援機構の【フラット35】のページで最新の状況をご確認ください。
3. マンションすまい・る債と共用部リフォーム融資
マンションすまい・る債は、管理組合が修繕積立金を運用する債券で、認定マンションは利率が上乗せされます。国土交通省の資料では、認定マンションは2.1%、認定なしは2.0%と想定され、上乗せは0.1ポイント、5,000万円を満期まで保有した場合の受取利息は税引前で約50万円の差とされています。令和8年度の応募期間は2026年4月13日から10月9日までで、本記事を公開する10月9日が最終日です(出典:同資料)。
マンション共用部分リフォーム融資は、国土交通省の資料で、認定マンションは全期間、年0.20%の金利引下げとされています。借入の前に、住宅金融支援機構のマンション共用部分リフォーム融資のページや窓口で、最新の条件を確認してください。
数字で見る工事費のイメージ
仮に総額5,000万円の大規模修繕なら、仮設足場は総工費の15〜25%(750万〜1,250万円)が目安で、外壁塗装は1㎡あたり3,500〜4,500円がレンジです。物件によって大きく変わります。工法で足場の比率を下げ、制度で税を下げる。私はこれを「二段構え」と呼んでいます。
株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法では、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを続けています。通常足場、ロープアクセス、両者を併用するハイブリッド工法の3つから、建物に合う工法をご提案できます。
費用の考え方は大規模修繕の料金の考え方に、管理組合さま向けの内容は管理組合さま向けの大規模修繕サービスにまとめています。ロープアクセス工法そのものは明誠のロープアクセス工法をご覧ください。技術情報はロープアクセスドットコムでも公開しています。
横浜市の独自の取組みも活用する
横浜市は令和8年1月から、大規模修繕工事費用のシミュレーターとLINE公式アカウント「横浜市マンションお役立ち情報」を始め、よこはまマンション・団地サポーター制度も令和8年4月から全マンション・団地に広げました(出典:横浜市「第1回マンション部会 資料(PDF)」)。認定の準備と並行して使うと、理事会の検討が進めやすくなります。
令和9年4月の制度改正にも目を向けておく
国土交通省のページでは、令和9年度に管理計画認定制度の拡充や認定基準の見直しに関する規定が施行されると案内されています。省令と告示は令和8年7月31日に公布され、令和9年4月1日以降に申請する場合は、見直し後の認定基準が適用されます。経過措置も設けられています(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。
令和9年3月までに申請するか、4月以降かで基準が変わり得ます。横浜市の住宅再生課とマンション管理センターで、変更点を確認しておいてください。
逆算スケジュール(令和8年10月起点)
認定の手続きに絞った逆算です。工事まで同時に進める組合は、半年では足りないことが多いです。
| 時期の目安 | やること |
|---|---|
| 令和8年10月 | 理事会で認定の方針を共有。長期修繕計画の作成時期と、規約・名簿・会計の現状を確認 |
| 令和8年11月 | 長期修繕計画が7年以内でなければ見直しを依頼。事前確認の依頼先を決め、費用を見積もる |
| 令和8年12月 | 臨時総会で、認定申請、長期修繕計画と修繕積立金額、必要な規約改正を決議 |
| 令和9年1月 | 議事録などをそろえ、事前確認を依頼(約1〜2か月) |
| 令和9年2〜3月 | 事前確認を終え、手続きシステムから横浜市へ申請(審査は約1か月) |
固定資産税の減額を使うなら、令和9年3月31日までに工事を終える必要があります。私はいつも理事長さまに、期限に合わせて中身を急ぐより、建物の状態を優先しましょうとお伝えしています。期限に間に合わなくても、認定そのものは住宅ローンや資産価値の面で意味があります。
まとめと、今週動くこと3点
横浜市南区のマンションの管理計画認定は、横浜市が認定行政庁で、市独自の上乗せ基準はありません。市への直接申請はなく、事前確認を経て手続きシステムから申請します。費用の中心は、システム利用料10,000円、事前確認の費用、市への申請手数料3,900円です。固定資産税の減額は横浜市では2分の1ですが、令和9年3月31日までの工事完了が条件です。
今週、理事会で動いていただきたいことは次の3点です。
- 長期修繕計画の作成日を確認する(7年以内かどうかが最初の分かれ目です)
- 管理規約、名簿、会計の整備状況を、国の17項目に照らして確認する
- 横浜市建築局住宅再生課(045-671-2954)へ認定の流れと令和9年4月の改正の扱いを電話で確認する。固定資産税の減額は、南区役所の税務課家屋担当(045-341-1163)へ
十月のうちに理事会で数分でもこの話題を出していただければ、年内の総会決議が現実的になります。どこから手をつければよいか迷われたら、ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでもお力になれます。明誠へのお問合せフォームからどうぞ。これまでの明誠の施工事例もご覧いただけます。
よくあるご質問
Q. 横浜市南区の管理計画認定に、市へ払う手数料はいくらですか?
A. 横浜市への申請手数料は3,900円に郵送料を加えた額です。長期修繕計画が複数ある場合は1,700円×(計画数-1)が加わります。ほかに、手続きシステム利用料10,000円と事前確認の費用がかかります。
Q. 横浜市に独自の認定基準はありますか?
A. 市のQ&Aに、国の基準と同じで市独自の基準はないと書かれています。ただし17項目目に「横浜市マンション管理適正化指針に照らして適切であること」があり、事前確認で確かめられます。
Q. 管理組合が横浜市に直接申請することはできますか?
A. できません。横浜市の制度ページでは、市への直接申請は受け付けておらず、マンション管理センターの手続きシステムを使うと案内されています。専門家の事前確認が先に必要です。
Q. 固定資産税はどれくらい減りますか?
A. 横浜市では固定資産税の2分の1で、工事完了の翌年度の1年度分のみ、1戸あたり100㎡までが対象です。築20年以上、総戸数10戸以上などの条件があり、令和9年3月31日までの工事完了が前提です。申告は工事完了から3か月以内に、南区役所の税務課家屋担当へ行います。
Q. 認定までにどれくらいかかりますか?
A. 事前確認に約1〜2か月、市への申請に約1か月が目安ですが、2〜3か月かかる場合もあります。有効期間は5年間です。
Q. 長期修繕計画が古い場合、どうすればよいですか?
A. 作成や見直しが7年以内であることが要件の一つです。専門家に見直しを依頼し、ロープアクセス工法を含めた工法の比較もあわせて行うと、工事費の見え方が変わる場合があります。明誠では概算のご相談を承っています。
Q. 認定の申請は、管理会社に任せてもよいですか?
A. 管理会社に事前確認を依頼する経路が用意されています。ただし総会決議と書類の整備は管理組合の責任で、その後の手続きの進め方は依頼した専門家の指示に従います。
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年10月9日
関連記事(姉妹サイト)
ロープアクセス工法の詳細や実例については、姉妹サイト「ロープアクセスドットコム」の以下の記事もぜひご覧ください。
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本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月9日時点で公表されている横浜市および国土交通省・マンション管理センターの公式情報をもとに執筆しています。横浜市の制度ページの最終更新は2025年12月8日、固定資産税の減額制度は令和9年3月31日までの工事完了が対象、マンションすまい・る債の応募期間は2026年10月9日までです。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず横浜市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。
出典・参考資料
- 横浜市「管理計画認定制度」
- 横浜市「管理計画認定制度に関するご質問」
- 横浜市「大規模修繕工事を行ったマンションの固定資産税の減額」
- 横浜市「第1回マンション部会 資料(PDF)」
- 横浜市南区役所「税務課」
- 公益財団法人マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」
- 国土交通省「マンション管理計画認定制度」
- 国土交通省「マンションの管理計画認定の基準(PDF)」
- 国土交通省「管理計画認定のメリット(PDF)」
- 住宅金融支援機構「【フラット35】維持保全型」
- 住宅金融支援機構「マンション共用部分リフォーム融資」
狛江市の12条点検|外壁全面打診の時期と窓口、令和9年度報告への備え【2026年度版】
Q. 狛江市のマンションやビルは、12条点検をどこに報告し、外壁の全面打診はいつ必要になるのか?
A. 狛江市内の建物の定期報告は、市役所ではなく東京都多摩建築指導事務所の所管です。同事務所のページでは、所管区域の市町村に狛江市が含まれています(出典:東京都多摩建築指導事務所「定期報告」)。外壁の全面打診は、竣工または前回の全面改修・全面打診から「おおむね10年」を経過したあとの最初の定期調査で必要です(出典:国土交通省「定期報告制度における外壁のタイル等の調査について」)。東京都の案内では、3年ごとに報告する共同住宅の次の報告年次は令和9年度(令和9年5月1日〜10月31日)です。令和8年度の今は、調査会社の選定と予算化を進める「準備の年」にあたります。
(最終更新:2026年10月9日/執筆時点の現行年度:令和8年度)
結論:狛江市で12条点検の対象になる建物と、全面打診のタイミング
株式会社明誠は、東京都東大和市に拠点を置く大規模修繕の会社です。私は代表として20年以上、マンション・ビル・ホテルの修繕現場に立ってきました。多摩地域の現場を数多く見てきた立場から、狛江市の12条点検(外壁打診)を整理します。
狛江市は、多摩川に面した住宅都市です。戸建てと中低層のマンションが入り混じり、築年数のさまざまな建物が並びます。市の「マンション管理適正化推進計画」では、令和8年1月時点で市内に約125件・135棟のマンションがあり、築40年以上のものが40棟以上と推計されています(出典:狛江市マンション管理適正化推進計画(PDF))。築40年を超える建物が40棟以上あるということは、外壁の全面打診がすでに複数回目の周期に入っている建物が、市内に少なくないということです。
12条点検(建築基準法第12条に基づく特定建築物の定期調査)の対象になりやすいのは、次のような建物です。
- 一定規模以上の共同住宅(分譲マンション・賃貸マンション)
- 病院、福祉施設、ホテル・旅館、物販店舗、飲食店などが入る建物
- 駅前や幹線沿いの、店舗・事務所併設の複合ビル
対象かどうかの線引きは、用途・階数・床面積の組み合わせで決まります。東京都は判断用の一覧を公開しています(出典:東京都都市整備局「定期報告対象建築物・建築設備等及び報告時期一覧」)。判断がつかない場合は、建物全体の階数・面積と各階の用途を整理してから問い合わせると、話が早く進みます。
全面打診の要否は、次の一文で判断できます。
「竣工、または前回の全面打診・外壁全面改修から10年を超えていれば、次の定期調査で全面打診が必要」
建築基準法第12条の基本(定期調査と定期検査の違い)
建築基準法第12条は、建物の所有者・管理者に「建物の安全を有資格者に定期的に調べさせ、その結果を特定行政庁に報告する」ことを求める制度です。特定行政庁とは、建築確認や違反建築の指導を担う行政機関のことです。
12条には、建物本体を調べる「特定建築物定期調査」(1項)と、設備を調べる「建築設備・防火設備・昇降機等の定期検査」(3項)があります。外壁の打診は、1項の特定建築物定期調査のうち「建築物の外部」の項目に含まれます。
多摩建築指導事務所のページでは、報告の種類と時期が次のように整理されています(出典:東京都多摩建築指導事務所「定期報告」)。
| 種類 | 報告時期 |
|---|---|
| 特定建築物定期調査 | 3年ごと(毎年必要な建物もある) |
| 防火設備定期検査 | 毎年 |
| 建築設備定期検査 | 毎年 |
| 昇降機等定期検査 | 毎年(遊戯施設は6か月に1回) |
外壁の全面打診のルールは、平成20年国土交通省告示第282号で定められています。落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分は、おおむね10年に一度、全面的に打診等で調べます。令和4年1月の告示改正では、無人航空機(ドローン)による赤外線調査も、テストハンマーによる打診と同等以上の精度が確認できる場合に認められました(出典:国土交通省)。
東京都では、国の告示改正(令和6年第974号、令和7年第53号)を受けた制度改正が令和7年7月1日に施行されました。同日以降に調査・検査する物件には、新しい調査結果表を使います(出典:東京都都市整備局「定期調査・検査制度改正の内容」)。令和9年度の報告は、この新しい様式で準備することになります。
狛江市の12条点検の窓口と報告スケジュール
窓口は東京都多摩建築指導事務所
多摩地域には、八王子市・立川市・府中市・町田市など、自ら定期報告を所管している市があります。一方、狛江市は多摩建築指導事務所の所管区域です。
| 項目 | 内容(公式ページ掲載) |
|---|---|
| 担当 | 東京都多摩建築指導事務所 管理課調査担当 |
| 所在地 | 立川市錦町4-6-3 |
| 電話 | 042-548-2029 |
ここは間違えやすいポイントです。狛江市役所に問い合わせても、12条点検の報告そのものは受け付けてもらえません。狛江市役所で扱うのは、都市建設部まちづくり事業課の住宅係(03-3430-1359)が案内する、マンション管理計画認定制度などです(出典:狛江市「マンション管理計画認定制度」、2026年4月1日更新)。「12条点検は東京都の多摩建築指導事務所」「マンション管理の認定は市の住宅係」と、窓口を分けて覚えておくと迷いません。
同事務所は調査・検査者のあっせん・紹介は行っていません。調査会社は、管理組合・オーナー側で選びます。費用は建物の種類や規模で異なるため、複数の会社から見積をとることをお勧めします。
共同住宅は令和9年度が報告年次
東京都の案内では、3年ごとに報告する共同住宅の報告年次は、令和6年度・令和9年度・令和12年度です。令和9年度の報告期間は、令和9年5月1日から10月31日までとされています(出典:東京都都市整備局「定期報告対象建築物・建築設備等及び報告時期一覧」)。
| 年度 | 共同住宅(3年ごと)の位置づけ |
|---|---|
| 令和6年度 | 報告年次 |
| 令和7年度・令和8年度 | 報告年次ではない(準備期間) |
| 令和9年度 | 報告年次(令和9年5月1日〜10月31日) |
| 令和12年度 | 報告年次 |
新築・改築後の建物には「初回免除」の扱いがあります。東京都の説明では、検査済証の交付を受けた日の属する年度の翌年度以降の2回目の報告時期から、報告が必要になります。例として、令和5年度中に検査済証が交付された建築物は令和9年度から、令和6〜8年度に交付された建築物は令和12年度から報告が必要です。ただし、報告用途や規模で扱いが異なることがあるため、個別の建物は事務所でご確認ください。
また、初回免除と外壁全面打診の10年ルールは別の話です。竣工からの年数は、報告の有無にかかわらず進みます。なお、上記の東京都ページには更新日の表示がありません。報告期間や連絡先は変わる可能性があるため、手続きの前に最新の案内を確認してください。
狛江市ならではの事情:築古マンションの多さと、管理の見直し
築40年以上が40棟以上:全面打診は「何回目か」を確認する
先ほどの推進計画のとおり、狛江市には築40年以上のマンションが40棟以上あります。竣工から10年ごとに全面打診をしていれば、すでに3回目、4回目の周期です。ところが現場では、「前回いつ打診したのか分からない」「報告書の控えが理事長交代で行方不明」という管理組合に、よく出会います。
最初にやっていただきたいのは、過去の定期調査報告書と修繕履歴の洗い出しです。前回の全面打診の年が分かれば、次の期限が見えてきます。分からなければ、竣工年から数えて、安全側に判断するのが現実的です。
管理計画認定と、市の支援制度
狛江市は、令和8年4月に市のマンション管理適正化推進計画を改定しています。計画期間は令和8年4月から令和13年3月までです。認定行政庁は狛江市で、市独自の基準はなく、東京都マンション管理適正化指針の基準と同一と案内されています(出典:狛江市「マンション管理計画認定制度」)。
また、築年数の古いマンション向けには、耐震関連の支援もあります。市の住宅関係支援ガイドブック(令和8年度)には、昭和56年5月31日以前に建築確認を受けた一定の分譲マンション向けに、無料のアドバイザー派遣と、耐震診断・補強設計・補強改修の助成金が載っています(出典:狛江市「住宅関係支援 ガイドブック 令和8年度」(PDF))。外壁の打診と耐震の検討を、同じ時期にまとめて進める管理組合も増えています。制度の要件や申請期限は、住宅係で最新の内容をご確認ください。
私の現場感覚では、狛江市のような住宅地は、建物の間隔が狭く、前面道路も細い場所が多い印象です。足場の搬入や道路使用許可の手間が増えやすい点は、後ほど費用の項目でお伝えします(地域の統計に基づく数字ではなく、現場での所感です)。
全面打診が必要になる4つのきっかけ
理事長さまやオーナーさまには、次の4つを「全面打診のきっかけ」としてお伝えしています。
- 竣工から10年を超えた:最初の全面打診の起点です。
- 外壁の全面改修から10年を超えた:タイル張替えや全面補修をした年から数え直します。
- 前回の定期調査で「要是正」とされ、改善が済んでいない:次の報告で改善状況が問われます。
- タイルの浮き・剥落の兆候が見つかった:報告年次を待たず、自主的に調べることをお勧めします。
私が現場で何度も見てきたのは、竣工後に一度も全面打診をしないまま築20年、30年を迎えた建物です。地上から見ると問題のない外壁でも、実際に叩くと、日当たりの弱い面でまとまった浮きが見つかることがあります。浮きは見た目では分かりません。叩いて音を聞くか、赤外線で温度の差を見るまで、誰にも分からないのです。
なお、国土交通省のページには、落下防止措置付き外壁タイルの性能検証法に関する事務連絡(令和8年7月21日付)も掲載されています。今後の補修方法の選択肢に関わる話題ですので、補修を検討される際は調査会社に最新の動向を確認してください。
費用の目安:打診の㎡単価と、足場・ロープアクセスの差
費用の目安を示します。以下は参考値で、実際の見積は建物の形状・高さ・外壁の仕上げ・敷地条件で大きく変わります。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 全面打診調査の㎡単価(調査のみ) | 250〜500円/㎡ |
| 10階建て・外周80m・打診対象約2,000㎡の調査費 | 約50〜100万円 |
| 同条件で仮設足場を組む場合(工期3か月想定) | 約168万円 |
| 同条件でロープアクセス工法の場合 | 約59万円 |
| 足場とロープアクセスの差額 | 約109万円 |
全体の費用を押し上げるのは、打診そのものより足場です。打診で浮きや欠損が見つかれば、補修費が上乗せされます。
間口が狭い敷地や、隣の建物と近接したビルでは、足場の設置スペースの確保や道路使用の手続きに手間がかかります。ロープアクセスなら、屋上の吊元から壁面にアクセスできるため、足場を置く場所がなくても調査できます。料金の考え方は明誠の大規模修繕の料金の考え方でも公開しています。
ロープアクセス工法が12条打診で選ばれる理由
ロープアクセス工法とは、屋上などの確実な吊元から、作業員がメインロープとバックアップロープの2本に接続して壁面に降り、足場を組まずに調査や補修を行う工法です。吊元は2点以上を確保し、二重の冗長化で安全を確保します。国際基準(IRATA)に沿った、業界標準のやり方です。技術の詳細は明誠のロープアクセス工法のページに、安全への取り組みは明誠の安全管理にまとめています。
12条打診でロープアクセスを選ぶ理由は、主に3つです。
- 費用:足場代を抑えられます。上の例では、足場工法より約100万円の差が出る可能性があります。
- 期間:足場の組立・解体がないため、足場工法の約60%の工期が目安です。
- 居ながら施工:ベランダの前に足場やシートがかからず、日当たりや防犯面の不安が少なく済みます。店舗併設のビルでは、営業への影響も小さく抑えられます。
打診は、テストハンマーでタイルやモルタルを一枚ずつ叩き、音の違いを聞き分ける仕事です。ロープアクセスなら、見つけた浮きにその場でマーキングし、条件が合えば注入による部分補修まで続けて行えます。
株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕に携わってきました。ロープアクセスでの高所作業では、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを続けています。作業は、IRATA水準の訓練を受けた作業員が担当します。
ロープアクセスの訓練体制や施工の実例は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムで詳しく紹介しています。足場・ロープアクセス・ハイブリッドの3工法の比較や、打診調査の進め方といった技術情報もロープアクセスドットコムに掲載しています。フランチャイズ加盟をご検討の専門工事会社さまも、ロープアクセスドットコムからご覧ください。
12条点検を大規模修繕・管理計画認定とつなげる
12条点検と大規模修繕を、別々の会社に別々のタイミングで発注している管理組合は少なくありません。私はこれを、できるだけワンセットで考えるよう提案しています。
- 足場代の二重払いを避ける:打診のために足場を組み、数年後の大規模修繕でまた組む、という重複をなくせます。
- 調査結果が補修数量の根拠になる:浮き・欠損の位置と数量が分かれば、見積書の数量が透明になります。
- 長期修繕計画の精度が上がる:外壁の劣化が数字で分かり、修繕積立金の見通しが立てやすくなります。
- ハイブリッド工法の判断材料になる:低層部は足場、高層部はロープアクセスと面ごとに使い分けると、総額が下がる建物もあります。
管理計画認定では、長期修繕計画の作成または見直しが7年以内であること、計画期間が30年以上で残りの期間に大規模修繕が2回以上含まれることなどが基準になります(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。全面打診の結果は、長期修繕計画を見直す際の確かな根拠になります。
分譲マンションの管理組合さまは管理組合様向けの大規模修繕サービスを、ビルオーナーさまはビルオーナー様向けの修繕サービスをご覧ください。
よくあるご質問
Q. 狛江市の12条点検の窓口はどこですか?
A. 市役所ではなく、東京都多摩建築指導事務所 管理課調査担当(立川市錦町4-6-3、電話042-548-2029)です。
Q. 狛江市のマンションは、令和8年度に報告が必要ですか?
A. 東京都の案内では、3年ごとに報告する共同住宅の報告年次は令和6年度・令和9年度・令和12年度です。用途・規模・竣工時期で異なるため、多摩建築指導事務所でご確認ください。
Q. 外壁の全面打診は何年ごとですか?
A. 竣工や外壁の全面改修から、おおむね10年を経過したあとの最初の定期調査で必要です。根拠は平成20年国土交通省告示第282号です。
Q. 全面打診の費用はどのくらいですか?
A. 調査のみで250〜500円/㎡が目安です。打診対象2,000㎡なら約50〜100万円ですが、足場の有無で総額は大きく変わります。概算は無料でお出ししています。
Q. 足場を組まずに打診できますか?
A. ロープアクセス工法で可能です。10階建て・外周80mの例で、足場より約100万円費用を抑えられる可能性があります。
Q. ドローンの赤外線調査で代わりになりますか?
A. 打診と同等以上の精度が確認できる場合は認められています。条件があるため、調査会社と多摩建築指導事務所に事前にご確認ください。
Q. 小規模マンションや賃貸アパートでも全面打診は必要ですか?
A. 12条点検の対象かどうかは用途・規模で決まります。対象外でも、タイルの落下による事故の責任は所有者・管理者にあるため、築10年を過ぎたら自主的な打診をお勧めしています。
まとめ+今週動くこと3点
狛江市の12条点検の窓口は、東京都多摩建築指導事務所です。3年ごとに報告する共同住宅の次の報告年次は令和9年度で、令和8年度の今は準備に使える1年です。築40年以上のマンションが40棟以上ある狛江市では、外壁の健全性を見直すのにちょうどよい時期です。
今週動くことを3つに絞ります。
- 報告年度を確認する:建物の用途と検査済証の交付年度から、次の報告年度を多摩建築指導事務所(042-548-2029)に確認する。
- 最後の全面打診の年を調べる:前回の調査報告書の控えと修繕履歴を確認し、10年を超えていないかを見る。
- 理事会・オーナー会で話題に出す:令和9年度の報告と、次の大規模修繕・長期修繕計画の見直しを一体で考えることを、1分だけでも共有する。
明誠の施工実績は明誠の施工事例で、私たちの考え方は明誠の理念でご覧いただけます。ご相談は大規模修繕・打診調査のお問い合わせフォームからどうぞ。理事会前の情報整理だけでも、お力になれることがあります。遠慮なくお声がけください。
出典・参考資料
- 国土交通省「定期報告制度における外壁のタイル等の調査について」
- 東京都多摩建築指導事務所「定期報告(定期調査・検査報告制度)」
- 東京都都市整備局「定期報告対象建築物・建築設備等及び報告時期一覧」
- 東京都都市整備局「定期調査・検査制度改正の内容」
- 狛江市「マンション管理計画認定制度」/「狛江市マンション管理適正化推進計画」
- 狛江市「住宅関係支援 ガイドブック 令和8年度」
- 国土交通省「マンション管理計画認定制度」
本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月9日(令和8年度)時点で公表されている国土交通省・東京都・狛江市の公式情報をもとに執筆しています。狛江市のマンション管理計画認定のページは2026年4月1日更新、推進計画は令和8年4月の改定版です。東京都の報告時期一覧のページには更新日の表示がありません。制度は年度途中でも改正があり得ます。調査・報告の前に、必ず東京都多摩建築指導事務所および狛江市の担当窓口へ最新の内容をご確認ください。費用の数字は参考値で、個別の見積を保証するものではありません。
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年10月9日
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ロープアクセス工法の詳細や実例については、姉妹サイト「ロープアクセスドットコム」の以下の記事もぜひご覧ください。
本間社長の著書のご案内
『大規模修繕工事 職人だから言える本当の話 —— 見積書では見えない業界の裏側と、修繕積立金を守る発注術』(Kindle版)を出版しています。20年以上の現場経験から、管理組合・オーナーが修繕積立金を守るための発注術と、業界の内幕を書き下ろしました。
あきる野市の12条点検|外壁全面打診の時期と窓口、令和9年度報告への備え【2026年度版】
Q. あきる野市のマンションやビルは、12条点検をどこに報告し、外壁の全面打診はいつ必要になるのか?
A. あきる野市の建物の定期報告は、あきる野市役所ではなく東京都多摩建築指導事務所の所管です。同事務所の「定期報告」のページでは、所管区域の19市町村の中にあきる野市が明記されています(出典:東京都多摩建築指導事務所「定期報告」)。外壁の全面打診は、竣工または前回の外壁全面改修・全面打診から「おおむね10年」を経過したあとの最初の定期調査で必要です(出典:国土交通省「定期報告制度における外壁のタイル等の調査について」)。東京都の案内では、3年ごとに報告する共同住宅の次の報告年次は令和9年度(令和9年5月1日〜10月31日)です。令和8年度の今は、あきる野市の管理組合・オーナーさまにとって、調査会社の選定と予算化を進める「準備の年」にあたります。
(最終更新:2026年10月9日/執筆時点の現行年度:令和8年度)
結論:あきる野市で12条点検の対象になる建物と、全面打診のタイミング
株式会社明誠は、東京都東大和市に拠点を置く大規模修繕の会社です。私は代表として20年以上、マンション・ビル・ホテルの修繕現場に立ってきました。あきる野市は同じ多摩地域の西側にあり、私たちの拠点から車で動きやすい街です。JR五日市線の秋川駅・東秋留駅・武蔵五日市駅などの駅周辺に住宅や店舗が集まり、秋川沿いには自然豊かな景色が広がっています。
あきる野市内で12条点検(建築基準法第12条に基づく特定建築物の定期調査)の対象になりやすいのは、次のような建物です。
- 一定規模以上の共同住宅(分譲マンション・賃貸マンション)
- 病院、福祉施設、ホテル・旅館、物販店舗、飲食店などが入る建物
- 駅前や幹線道路沿いに立つ、店舗・事務所併設の複合ビル
対象かどうかの線引きは、用途・階数・床面積の組み合わせで決まります。東京都は判断用のフローチャートとケーススタディを公開しています(出典:東京都都市整備局「定期報告対象建築物・建築設備等及び報告時期一覧」)。判断がつかない場合は、建物全体の階数・延べ面積と、各階の用途を整理してから問い合わせると話が早く進みます。
全面打診の要否は、次の一文で判断できます。
「竣工、または前回の全面打診・外壁全面改修から10年を超えていれば、次の定期調査で全面打診が必要」
あきる野市は、令和5年12月に「あきる野市マンション管理適正化推進計画」(計画期間:令和5年12月〜令和14年3月)を定めています。計画の冒頭では「マンションの老朽化と区分所有者の高齢化に伴い、管理不全な状態にあるマンションの増加が見込まれる」と記され、管理組合が主体となった適正な管理を進める方針が示されています(出典:あきる野市「あきる野市マンション管理適正化推進計画」)。市としても、あきる野市内のマンションの老朽化を見過ごせない課題と考えているということです。
建築基準法第12条の基本(定期調査と定期検査の違い)
建築基準法第12条は、建物の所有者・管理者に「建物の安全を有資格者に定期的に調べさせ、その結果を特定行政庁に報告する」ことを求める制度です。特定行政庁とは、建築確認や違反建築の指導を担う行政機関のことです。
12条には、建物本体を調べる「特定建築物定期調査」(1項)と、設備を調べる「建築設備・防火設備・昇降機等の定期検査」(3項)があります。外壁の打診は、1項の特定建築物定期調査のうち「建築物の外部」の項目に含まれます。
多摩建築指導事務所のページでは、報告の種類と時期が次のように整理されています(出典:東京都多摩建築指導事務所「定期報告」)。
| 種類 | 主な調査・検査内容 | 報告時期 |
|---|---|---|
| 特定建築物定期調査 | 敷地・地盤、外壁、屋上・屋根、内部、避難施設 | 3年ごと(毎年必要な建物もある) |
| 防火設備定期検査 | 防火扉、防火シャッターなど | 毎年 |
| 建築設備定期検査 | 換気、排煙、非常用照明、給排水設備 | 毎年 |
| 昇降機等定期検査 | エレベーター、エスカレーターなど | 毎年(遊戯施設は6か月に1回) |
外壁の全面打診のルールは、平成20年国土交通省告示第282号で定められています。タイル・石貼り・モルタルなどの外壁で、落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分は、おおむね10年ごとに全面的に打診等で調べることになりました。令和4年1月の告示改正では、無人航空機(ドローン)による赤外線調査も、テストハンマーによる打診と同等以上の精度が確認できる場合は認められています(出典:国土交通省)。
東京都では、国の告示改正(令和6年第974号、令和7年第53号)を受けた定期調査・検査制度の改正が令和7年7月1日に施行され、同日以降に調査・検査する物件には新しい調査結果表を使うこととされています(出典:東京都都市整備局「定期調査・検査制度改正の内容」)。令和9年度の報告は、この新しい様式で準備することになります。
あきる野市の12条点検の窓口と報告スケジュール
窓口は東京都多摩建築指導事務所(管理課調査担当)
多摩地域では、八王子市・立川市・武蔵野市・三鷹市・府中市・調布市・町田市・日野市・国分寺市・西東京市・小平市が自ら定期報告を所管しています。一方、あきる野市は東京都多摩建築指導事務所の所管区域です(出典:東京都多摩建築指導事務所「定期報告」)。
| 項目 | 内容(公式ページ掲載) |
|---|---|
| 担当 | 東京都多摩建築指導事務所 管理課調査担当 |
| 所在地 | 立川市錦町4-6-3 |
| 電話 | 042-548-2029 |
| FAX | 042-525-8369 |
ここは、あきる野市で特に間違えやすいポイントです。東京都が公表している「多摩地区の建築指導事務・開発指導事務の分担」(令和7年9月16日現在)では、あきる野市の建築指導事務(建築確認や違反建築の指導など)の担当は、青梅市河辺町6-4-1の青梅合同庁舎3階にある「多摩建築指導事務所 建築指導第三課」(電話0428-23-3423)とされています(出典:東京都「多摩地区の建築指導事務・開発指導事務の分担(令和7年9月16日現在)」)。しかし、12条の定期報告の担当は、立川合同庁舎にある「管理課調査担当」です。同じ多摩建築指導事務所でも、建築確認は青梅、定期報告は立川と、窓口の場所が分かれています。
また、あきる野市役所(二宮350)の都市整備部 住宅政策課は、マンション管理計画認定などの窓口です。「12条点検は立川の多摩建築指導事務所」「建築確認・違反相談は青梅の建築指導第三課」「マンション管理の支援は市の住宅政策課」と、3つに分けて覚えておくと迷いません。
多摩建築指導事務所は「調査・検査者のあっせん、紹介は行っていない」と明記しています。調査会社は、提出先団体の登録者名簿などを参考に、管理組合・オーナー側で選びます。費用は建物の種類や規模で異なるため、複数の資格者から見積をとることも勧められています。
共同住宅は令和9年度が報告年次
東京都の案内では、3年ごとに報告が必要な共同住宅の例として、令和6年度・令和9年度・令和12年度が報告年次とされています。令和9年度の報告期間は、令和9年5月1日から10月31日までです(出典:東京都都市整備局「定期報告対象建築物・建築設備等及び報告時期一覧」)。
| 年度 | 共同住宅(3年ごと)の位置づけ |
|---|---|
| 令和6年度 | 報告年次 |
| 令和7年度・令和8年度 | 報告年次ではない(準備期間) |
| 令和9年度 | 報告年次(令和9年5月1日〜10月31日) |
| 令和12年度 | 報告年次 |
ただし、報告年度は「用途」と「規模」で決まります。店舗併設の複合ビルや、共同住宅以外の用途では別の年度になることがあります。ご自身の建物の年度は、多摩建築指導事務所でご確認ください。
新築の建物には「初回免除」の扱いもあります。検査済証の交付を受けた年度の翌年度以降の2回目の報告時期から、報告が必要になります。ただし、初回免除と外壁全面打診の10年ルールは別の話です。竣工からの年数は、報告の有無にかかわらず進みます。
なお、多摩建築指導事務所の定期報告ページの記事IDに含まれる日付は令和6年(2024年)10月22日です。報告期間や連絡先は変わる可能性がありますので、手続きの前に最新の案内をご確認ください。
あきる野市ならではの事情:推進計画と、市の相談の場
推進計画は「アンケートで管理状況を把握する」と明記
あきる野市マンション管理適正化推進計画では、市内のマンションの管理状況を把握するため、計画期間内に管理組合等へのアンケート調査等を実施するとしています。また、東京都の条例に基づく「管理状況届出制度」を活用しつつ、把握した管理状況を踏まえて施策の充実を検討する、とも記されています(出典:あきる野市マンション管理適正化推進計画)。
管理状況届出制度は、昭和58年以前に新築された6戸以上の分譲マンションが対象です。対象になる建物は、竣工から40年以上が経っています。10年ルールで数えると、全面打診の節目をすでに3〜4回迎えている計算です。アンケートや届出の書類をまとめる機会に、「最後に外壁を全面打診したのはいつか」「前回の大規模修繕は何年か」を一緒に確認しておくと、12条点検の準備が一気に進みます。
令和8年10月30日に、建築士による無料相談会
あきる野市は、東京都建築士事務所協会西多摩支部の協力で「建築士による耐震・建築無料相談会」を開きます。日時は令和8年10月30日(金)の午前9時〜正午・午後1時〜4時、会場は市役所1階コミュニティホールです。定員は6組(1組45分、申込み順)で、10月29日(木)正午までに電話(住宅政策課 042-558-1111 内線2721)で申し込む方式です(出典:あきる野市「建築士による耐震・建築無料相談会のご案内」)。
相談会のテーマは住宅の耐震化・設計・リフォームが中心ですが、図面や写真を持参して建物の状態を専門家に見てもらえる機会です。外壁の浮きやひび割れが気になる方は、写真を撮って持っていくと話が具体的になります。
私の現場感覚では、あきる野市のような多摩西部の街には、駅周辺の小規模な店舗併設ビルや、敷地に余裕の少ない中低層マンションがあります。こうした建物は足場の設置スペースが限られることがあり、打診調査の工法選びが費用を大きく左右します(地域別の統計に基づく数字ではなく、現場での所感です)。
全面打診が必要になる4つのきっかけ
理事長さまやオーナーさまには、次の4つを「全面打診のきっかけ」としてお伝えしています。
- 竣工から10年を超えた:最初の全面打診の起点です。
- 外壁の全面改修から10年を超えた:タイル張替えや全面補修をした年から数え直します。
- 前回の定期調査で「要是正」とされ、改善が済んでいない:次の報告で改善状況が問われます。
- タイルの浮き・剥落の兆候が見つかった:報告年次を待たず、自主的に調べることをお勧めしています。
私が現場で何度も見てきたのは、竣工後に一度も全面打診をしないまま築20年、30年を迎えた建物です。地上から見ると問題のない外壁でも、実際に叩くと北面や日当たりの弱い面で、まとまった浮きが見つかることがあります。理事長さまから「見た目ではまったく分からなかった」と言われることも珍しくありません。浮きは、叩いて音を聞くか、赤外線で温度の差を見るまで、誰にも分からないものです。
まずは前回の調査報告書の控えと修繕履歴を出して、最後に全面打診をした年を確認してみてください。
費用の目安:打診の㎡単価と、足場・ロープアクセスの差
費用の目安を示します。以下は参考値で、実際の見積は建物の形状・高さ・外壁の仕上げ・敷地条件で大きく変わります。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 全面打診調査の㎡単価(調査のみ) | 250〜500円/㎡ |
| 10階建て・外周80m・打診対象約2,000㎡の調査費 | 約50〜100万円 |
| 同条件で仮設足場を組む場合(工期3か月想定) | 約168万円 |
| 同条件でロープアクセス工法の場合 | 約59万円 |
| 足場とロープアクセスの差額 | 約109万円 |
全体の費用を押し上げるのは、打診そのものより足場です。打診で浮きや欠損が見つかれば、補修費が上乗せされます。
駅前や幹線道路沿いの、間口が狭く隣の建物と近接したビルでは、足場の設置スペースを確保しにくく、歩道や道路の使用許可の手間もかかります。ロープアクセスなら、足場を置く場所がなくても、屋上の吊元から壁面にアクセスできます。料金の考え方は明誠の大規模修繕の料金の考え方でも公開しています。
ロープアクセス工法が12条打診で選ばれる理由
ロープアクセス工法とは、屋上などの確実な吊元から、作業員がメインロープとバックアップロープの2本に接続して壁面に降り、足場を組まずに調査や補修を行う工法です。吊元は2点以上を確保し、二重の冗長化で安全を確保します。国際基準(IRATA)に沿った、業界標準のやり方です。技術の詳細は明誠のロープアクセス工法のページに、安全への取り組みは明誠の安全管理にまとめています。
12条打診でロープアクセスを選ぶ理由は、主に3つです。
- 費用:足場代を抑えられます。上の例では、足場工法より約100万円の差が出る可能性があります。
- 期間:足場の組立・解体がないため、足場工法の約60%の工期が目安です。
- 居ながら施工:ベランダの前に足場やシートがかからず、日当たりや防犯面の不安が少なく済みます。店舗併設のビルでは、営業への影響も小さく抑えられます。
打診は、テストハンマーでタイルやモルタルを一枚ずつ叩き、音の違いを聞き分ける仕事です。職人の耳と手の感覚が品質を左右します。ロープアクセスなら、見つけた浮きにその場でマーキングし、条件が合えば注入による部分補修まで続けて行えます。
株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕に携わってきました。ロープアクセスでの高所作業では、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを続けています。作業は、IRATA水準の訓練を受けた作業員が担当します。
ロープアクセスの訓練体制や施工の実例は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムで詳しく紹介しています。足場・ロープアクセス・ハイブリッドの3工法の比較や、打診調査の進め方の技術情報もロープアクセスドットコムに掲載しています。フランチャイズ加盟をご検討の専門工事会社さまも、ロープアクセスドットコムからご覧ください。
12条点検を大規模修繕・管理計画認定とつなげる
12条点検と大規模修繕を、別々の会社に別々のタイミングで発注している管理組合は少なくありません。私はこれを、できるだけワンセットで考えるよう提案しています。
- 足場代の二重払いを避ける:打診のために足場を組み、数年後の大規模修繕でまた組む、という重複をなくせます。
- 調査結果が補修数量の根拠になる:浮き・欠損の位置と数量が分かれば、見積書の数量が透明になります。
- 長期修繕計画の精度が上がる:外壁の劣化が数字で分かり、修繕積立金の見通しが立てやすくなります。
- ハイブリッド工法の判断材料になる:低層部は足場、高層部はロープアクセス、と面ごとに使い分けると総額が下がる建物もあります。
あきる野市はマンション管理計画認定制度を実施しています。市のページ(令和8年8月7日更新)によると、申請はマンション管理センターの事前確認を受けたうえで、インターネットの「管理計画認定手続支援システム」を通じて行い、市の窓口へ直接申請することはできません。市への申請手数料はかからず、認定の有効期間は5年です。認定基準は17項目で、認定を受けると住宅金融支援機構の「フラット35」やマンション共用部分リフォーム融資の金利引下げ、マンション長寿命化促進税制(固定資産税の特例措置)の適用を受けられる場合があります(出典:あきる野市「マンション管理計画認定制度について」)。マンション管理センター側の事前確認の費用は別途かかりますので、最新の金額は同センターでご確認ください。
全面打診の結果は、長期修繕計画を見直すときの確かな根拠になります。「令和9年度の12条報告」と「長期修繕計画の見直し」と「管理計画認定の申請」を一本の線でつなぐと、管理組合の手間を大きく減らせます。
分譲マンションの管理組合さまは管理組合様向けの大規模修繕サービスを、ビルオーナーさまはビルオーナー様向けの修繕サービスをご覧ください。
よくあるご質問
Q. あきる野市の12条点検の窓口はどこですか?
A. あきる野市役所ではなく、東京都多摩建築指導事務所 管理課調査担当(立川市錦町4-6-3、電話042-548-2029)です。青梅合同庁舎の建築指導第三課は建築確認や違反相談の窓口で、定期報告の担当ではありません。
Q. あきる野市のマンションは、令和8年度に報告が必要ですか?
A. 東京都の案内では、3年ごとに報告する共同住宅の報告年次は令和6年度・令和9年度・令和12年度です。用途・規模・竣工時期で異なるため、多摩建築指導事務所でご確認ください。
Q. 外壁の全面打診は何年ごとですか?
A. 竣工や外壁の全面改修から、おおむね10年を経過したあとの最初の定期調査で必要です。根拠は平成20年国土交通省告示第282号です。
Q. 全面打診の費用はどのくらいですか?
A. 調査のみで250〜500円/㎡が目安です。打診対象2,000㎡なら約50〜100万円ですが、足場の有無で総額は大きく変わります。概算は無料でお出ししています。
Q. 足場を組まずに打診できますか?
A. ロープアクセス工法で可能です。10階建て・外周80mの例で、足場より約100万円費用を抑えられる可能性があります。
Q. ドローンの赤外線調査で代わりになりますか?
A. 打診と同等以上の精度が確認できる場合は認められています。条件があるため、調査会社と多摩建築指導事務所に事前にご確認ください。
Q. あきる野市の管理計画認定に、市への手数料はかかりますか?
A. 市のページでは、市への申請に関して手数料はかからないと案内されています。マンション管理センターの事前確認などの費用は別途かかります。
まとめ+今週動くこと3点
あきる野市の12条点検の窓口は、立川市にある東京都多摩建築指導事務所の管理課調査担当です。3年ごとに報告する共同住宅の次の報告年次は令和9年度で、令和8年度の今は準備に使える1年です。市はマンション管理適正化推進計画で老朽化と管理不全への対策を掲げており、外壁の健全性を見直すにはちょうどよい時期です。
今週動くことを3つに絞ります。
- 報告年度を確認する:建物の用途と検査済証の交付年度から、次の報告年度を多摩建築指導事務所(042-548-2029)に確認する。
- 最後の全面打診の年を調べる:前回の調査報告書の控えと修繕履歴を確認し、10年を超えていないかを見る。
- 理事会で話題に出す:令和9年度の報告と、次の大規模修繕・長期修繕計画の見直し・管理計画認定を一体で考えることを、次の理事会で1分だけでも共有する。気になる箇所があれば、10月30日の市の無料相談会に写真を持って行くのも一つの手です。
明誠の施工実績は明誠の施工事例で、私たちの考え方は明誠の理念でご覧いただけます。ご相談は大規模修繕・打診調査のお問い合わせフォームからどうぞ。あきる野市は東大和市の拠点から伺いやすいエリアで、現地調査にも対応しています。理事会前の情報整理だけでも、お力になれることがあります。
出典・参考資料
- 国土交通省「定期報告制度における外壁のタイル等の調査について」
- 東京都多摩建築指導事務所「定期報告(定期調査・検査報告制度)」
- 東京都「多摩地区の建築指導事務・開発指導事務の分担(令和7年9月16日現在)」
- 東京都都市整備局「定期報告対象建築物・建築設備等及び報告時期一覧」
- 東京都都市整備局「定期調査・検査制度改正の内容」
- あきる野市「マンション管理計画認定制度について」
- あきる野市「あきる野市マンション管理適正化推進計画(令和5年12月)」
- あきる野市「建築士による耐震・建築無料相談会のご案内」
本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月9日(令和8年度)時点で公表されている国土交通省・東京都・あきる野市の公式情報をもとに執筆しています。あきる野市の管理計画認定制度のページは令和8年8月7日更新、無料相談会のページは令和8年10月1日公開の掲載です。多摩建築指導事務所の定期報告ページ(記事ID上の日付:令和6年10月22日)と推進計画(令和5年12月策定)は前年度以前の掲載のため、手続きや連絡先は変わっている可能性があります。制度は年度途中でも改正があり得ます。調査・報告・申請の前に、東京都多摩建築指導事務所およびあきる野市都市整備部 住宅政策課(042-558-1111 内線2721〜2724)へ最新の内容をご確認ください。費用の数字は参考値で、個別の見積を保証するものではありません。
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年10月9日
関連記事(姉妹サイト)
ロープアクセス工法の詳細や実例については、姉妹サイト「ロープアクセスドットコム」の以下の記事もぜひご覧ください。
本間社長の著書のご案内
『大規模修繕工事 職人だから言える本当の話 —— 見積書では見えない業界の裏側と、修繕積立金を守る発注術』(Kindle版)を出版しています。20年以上の現場経験から、管理組合・オーナーが修繕積立金を守るための発注術と、業界の内幕を書き下ろしました。
湯河原町のマンション補助金|大規模修繕2026年度版
2026年10月9日 更新
「湯河原町のマンションで、大規模修繕に使える補助金はありますか?」
先に結論をお伝えします。令和8年度(2026年度)の湯河原町公式サイトを確認した範囲では、外壁塗装や屋上防水といった共用部分の大規模修繕の工事費そのものを、管理組合に補助する制度は見つかりませんでした。
ただし、使える制度がまったくないわけではありません。湯河原町の「住宅リフォーム等補助事業」は、マンションなど共同住宅の「専有部分」のリフォームを対象にしており、工事費の10%(上限10万円)、町外から移住する方は20%(上限20万円)が補助されます。申請受付は2028年(令和10年)3月31日までです。また、ブロック塀などの撤去(共同住宅を含む)にも補助があります。
こんにちは、株式会社明誠の本間です。マンション・ビル・ホテルの大規模修繕に20年以上携わってきました。この記事では、湯河原町のマンション管理組合の理事長さま・理事の皆さまに向けて、補助制度を「共用部に使えるか、使えないか」で仕分けし、リゾートマンションが多い湯河原町ならではの注意点、神奈川県が窓口になる管理計画認定、そして工事費そのものを抑える工法の選び方までお伝えします。
最初に、大事な注意点が2つあります。1つ目は、町の住宅リフォーム補助は「町内の業者を利用すること」が条件だということです。2つ目は、申請できるのは「その住宅に自ら住んでいる方」で、別荘として使っている住戸は対象になりにくいということです。どちらも、大規模修繕と組み合わせる計画を立てる前に押さえておきたいポイントです。
早見表:湯河原町のマンションで使える制度・使えない制度
まず全体像です。令和8年度の湯河原町公式サイトと、神奈川県・国土交通省の公表資料をもとに整理しました。
| 制度 | 主な対象 | 管理組合(共用部)で使えるか | 補助・効果 | 窓口 |
|---|---|---|---|---|
| 住宅リフォーム補助 | 自ら住む住宅、マンションの専有部分 | ×(各住戸の居住者が申請) | 工事費の10%・上限10万円(移住予定者は20%・上限20万円) | 地域政策課 |
| 組積造(ブロック塀など)撤去等補助 | 住宅(共同住宅を含む)に付随する道路等に面した塀 | △(申請者は居住者または所有者。管理組合で申請できるかは要確認) | 工事費の10%・上限5万円(通学路に面する場合は10万円) | 地域政策課 |
| 住宅用スマートエネルギー設備設置費補助 | 自ら住む住宅の太陽光・蓄電池など | ×(個人の自宅向け) | 太陽光1kWあたり1万5千円・上限5万2千円 ほか | 環境課 |
| 木造住宅耐震改修工事費等補助 | 在来工法の木造の自己用住宅 | ×(マンションは対象外) | 改修工事費の1/2・上限35万円 ほか | まちづくり課 |
| マンション管理計画認定 | 町村部の分譲マンション | ○(管理組合の管理者等が申請) | 長寿命化促進税制の前提、融資金利の引下げ等 | 神奈川県 住宅計画課 |
| マンション長寿命化促進税制(国) | 築20年以上・10戸以上で認定等を受けたマンション | ○(工事後に各住戸の固定資産税を減額) | 翌年度の固定資産税を減額 | 町の税務担当・国交省 |
ポイントは、共用部の大規模修繕費に直接使える町の補助は見当たらない一方で、「各住戸の専有部分リフォーム」と「県の管理計画認定」をうまく組み合わせる余地があることです。
湯河原町のマンションの特徴-半数以上がリゾートマンションの「町村部」
湯河原町は神奈川県の西端、相模湾に面した温泉の町で、静岡県熱海市と隣り合っています。マンション管理の面では、大きな特徴が2つあります。
1つ目は、リゾートマンションの比率が高いことです。神奈川県の「マンション管理適正化推進計画」(神奈川県住生活基本計画 第5章)によると、県が2020(令和2)年度に行った町村部のマンション実態調査では、町村部のマンション153件のうち87件が、別荘的な居住を目的としたリゾートマンションでした。同じ資料のグラフでは、湯河原町はリゾートマンション21件、それ以外11件で、箱根町に次いでリゾートマンションの多い町になっています。
2つ目は、長期修繕計画の整備が全国平均より遅れていることです。同じ計画では、町村部で「25年以上の長期修繕計画に基づき修繕積立金を設定している管理組合」の割合が47%と、全国平均(54%)を下回っていると書かれています。県は、この割合を2030(令和12)年度までに65%以上に引き上げる目標を掲げています。
リゾートマンションでは、区分所有者の多くが町外に住んでいて、総会への出席や合意形成に時間がかかることがよくあります。補助金を探す前に、まず長期修繕計画と修繕積立金の見直しから始めるべき建物が少なくない、というのが湯河原町の実情だと私は考えています。
本命の制度①:住宅リフォーム補助-専有部分の工事に使える
制度の概要
湯河原町の「住宅リフォーム等補助事業」は、住環境の向上や町内経済の活性化などを目的とした制度です。町の公式ページ(2026年5月22日更新)の内容を整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 町内で自ら居住する住宅、またはマンション等の共同住宅の専有部分のリフォーム |
| 申請できる方 | リフォーム工事を行う住宅の居住者 |
| 対象工事費 | 20万円以上(消費税を除く) |
| 補助額 | 工事費の10%(上限10万円) |
| 移住予定者 | 工事費の20%(上限20万円)※申請時に町外に住民登録があり、工事完了日までに湯河原町へ住所を移す方 |
| 回数 | 対象物件につき1回限り |
| 申請のタイミング | 工事前の申請が必要 |
| 業者の条件 | 町内の業者を利用すること |
| 受付期間 | 2028年(令和10年)3月31日まで |
町のページには、この事業が「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」の一部を活用していることも書かれています。受付期間は長めですが、予算の状況は町に確認しておくと安心です。
管理組合として、どう活かすか
この補助は管理組合ではなく、各住戸の居住者が申請する制度です。ですから、共用部の外壁や屋上防水の費用には使えません。それでも、大規模修繕と同じ時期に各住戸の専有部分のリフォーム(浴室・キッチン・内装など)をまとめて案内することで、区分所有者の負担感を和らげる材料にはなります。
ここで注意したいのが、窓や玄関ドアの扱いです。国のマンション標準管理規約では、窓枠・窓ガラス・玄関扉などは共用部分とされるのが一般的です。各住戸で窓を断熱化したいという声があっても、規約上は共用部分なので、専有部分のリフォームとして補助の対象になるかどうかは、町の地域政策課に事前に確認してください。管理規約で住戸ごとの窓改修をどう扱っているかも、理事会で確認しておきましょう。
別荘利用の住戸は対象になりにくい
申請できるのは「その住宅に自ら居住する方」です。週末や季節ごとに使う別荘としての住戸は、自ら居住している住宅とは言いにくく、対象にならない可能性が高いと考えられます。一方、町外から湯河原町に住所を移して定住する方は、補助率が20%(上限20万円)に上がります。リゾートマンションで「これを機に定住する」という区分所有者がいる場合は、この上乗せを案内できます。
「町内業者の利用」という条件
この補助は、請負業者が町内の業者であることが条件です。明誠は東京都東大和市に本社がある会社ですので、明誠が施工する工事には、この補助は使えません。専有部分のリフォームは町内の業者に、共用部の大規模修繕は管理組合が選んだ業者に、というように切り分けて考えるのが現実的です。正直にお伝えしたほうが、理事会の判断に役立つと考えて書いています。
現場目線のひとこと:専有部分の工事は「足場がある期間」に
大規模修繕で足場を組む期間中は、バルコニー側の作業がしやすくなります。専有部分のリフォームのうち、エアコン配管の更新やバルコニー側の工事がある住戸は、足場の期間に合わせて工事日を調整すると、別途の作業費を抑えられることがあります。理事会から各住戸へ、早めに工事予定を共有しておくのがおすすめです。
本命の制度②:ブロック塀などの撤去等補助-共同住宅も対象
町の「組積造(ブロック塀など)撤去等補助」は、住宅(共同住宅を含む)に付随する、道路などに面した組積造の塀の撤去と、安全な工作物への設置の費用を補助する制度です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | コンクリートブロック塀、鉄筋コンクリート組立塀、レンガ積塀、石積塀など |
| 申請できる方 | 組積造撤去等工事を行う住宅の居住者または所有者 |
| 対象工事費 | 10万円以上(消費税を除く) |
| 補助額 | 工事費の10%(上限5万円。通学路に面する場合は10万円) |
| 申請のタイミング | 工事前の申請が必要 |
| 業者の条件 | 町内の業者を利用すること |
マンションの敷地を囲むブロック塀が古くなっている場合、大規模修繕と同じ時期に撤去・フェンス化を検討する価値があります。ただし、共用部分である塀について、管理組合として申請できるのか、区分所有者の代表として申請するのかは、ページからは読み取れませんでした。申請前に地域政策課へ確認してください。
使えない制度を、先に見極めましょう
木造住宅耐震改修工事費等補助:木造の自己用住宅が対象
町の耐震補助は、在来工法の木造住宅で、平成12年5月31日以前に着工した自己用住宅が対象です。令和7年度から対象が「昭和56年5月31日以前」から「平成12年5月31日以前」に広がりました。補助は、耐震診断が1/2・上限5万円、補強設計が1/2・上限10万円、改修工事が1/2・上限35万円です。年度内の申請受付は12月末までとされています。アパートや長屋形式の建物は除くとされており、鉄筋コンクリート造のマンションは対象外です。
住宅用スマートエネルギー設備設置費補助:個人の自宅向け
太陽光発電は1kWあたり1万5千円・上限5万2千円、HEMSは1/2・上限1万円、定置用蓄電池とV2Hは1/2・上限5万円です。設置前に環境課へ「補助金交付申請予定届出書」を出す必要があります。ただし対象は「自ら居住するための住宅に新たに設置する方」で、住民登録も要件です。マンション共用部の屋上に管理組合が太陽光を設置するケースは想定されていないと読めます。なお、このページの更新日は2025年6月25日で、令和8年度の予算の状況はページからは確認できませんでした。
マンション管理計画認定制度-湯河原町は「神奈川県」が認定します
マンション管理計画認定制度は、管理組合の管理計画が一定の基準を満たしていることを、自治体が認定する制度です。認定を受けると、マンション長寿命化促進税制を使う前提になるほか、住宅金融支援機構の「フラット35」や「マンション共用部分リフォーム融資」の金利引下げの対象になります。
湯河原町を含む県内の14町村(葉山町、寒川町、大磯町、二宮町、中井町、大井町、松田町、山北町、開成町、箱根町、真鶴町、湯河原町、愛川町、清川村)では、神奈川県が認定を行います。県は2022(令和4)年4月から町村部で運用を始めています。
県が作成した「マンション管理計画認定 申請の手引き」によると、主な認定基準は次のとおりです。
- 管理者等と監事が置かれ、集会(総会)が年1回以上開かれていること
- 管理規約に、緊急時の専有部分への立入り、修繕履歴などの記録の保存、情報提供への対応が定められていること
- 管理費と修繕積立金を区分して経理し、修繕積立金を他の会計に充てていないこと
- 修繕積立金の3か月以上の滞納額が全体の1割以内であること
- 長期修繕計画が標準様式に準拠し、7年以内に作成・見直しされ、計画期間30年以上・残りの期間に大規模修繕工事を2回以上含むこと
- 将来の一時金の徴収を予定しておらず、計画の最終年度に借入金の残高がないこと
申請方法は、マンション管理センターの「管理計画認定手続支援サービス」で事前確認を受ける方法と、県の窓口へ直接申請する方法の2つです。手引きでは、県の窓口は県土整備局建築住宅部住宅計画課(民間住宅グループ)で、申請前に事前相談を求めています。手引きは令和4年4月版のため、最新の様式や手数料は県に確認してください。
リゾートマンションこそ、認定の準備が「管理の点検」になる
リゾートマンションでは、区分所有者が遠方に住んでいて、総会の定足数を満たすのに苦労する、滞納の督促が届きにくい、長期修繕計画が古いまま、といった課題がよく見られます。認定基準は、こうした弱点をそのまま点検する項目になっています。すぐに認定を取らない場合でも、基準に沿って管理状況を見直すことが、次の大規模修繕の資金計画を確かなものにします。
また、県の計画では、政令市・中核市を除く区域の管理組合に、マンション管理士や建築士などの専門家をアドバイザーとして派遣すると定めています。湯河原町はこの対象区域に入ります。長期修繕計画の見直しを始めたい管理組合は、県住宅計画課に派遣の受付状況を問い合わせてみてください。
マンション長寿命化促進税制
国の「マンション長寿命化促進税制」は、築20年以上・10戸以上のマンションで、管理計画の認定などを受けたうえで、長寿命化に資する大規模修繕工事(外壁塗装等、床防水、屋根防水)を行った場合に、各住戸の翌年度の固定資産税を減額する制度です。対象となるのは令和9年3月31日までに完了した工事で、完了後3か月以内の申告が必要です。ほかの固定資産税の減額措置との併用には制限があるため、詳細な要件は国土交通省のページと町の税務担当で確認してください。
湯河原町の場合、認定を出すのは神奈川県、固定資産税の申告先は湯河原町、と窓口が分かれます。工事の完了時期から逆算して、認定の取得を先に済ませておくことが大切です。
景観条例にも注意-外壁の色を変えるとき
町の住宅リフォーム補助のページには、「外壁や屋根などをリフォームする場合、湯河原町景観条例の規制を受ける可能性がある」と書かれています。大規模修繕で外壁の色を大きく変える計画がある場合は、色の検討の段階で湯河原町の景観計画・景観条例を確認し、まちづくり課に相談してください。総会で色を決めた後に届出が必要とわかると、工程が遅れる原因になります。
湯河原町のマンションの大規模修繕-足場か、ロープアクセスか、公平に比べます
町の補助が共用部に使えない以上、工事費そのものを適正に抑えることが、修繕積立金を守る最大の手段になります。
費用の目安
金額は物件によって大きく変わるため、あくまで参考値です。私たちが見積りの入口でお伝えしている目安は次のとおりです。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 30戸規模マンションの大規模修繕 総工費 | 約3,500万〜5,000万円 |
| うち仮設足場の割合 | 総工費の約15〜25% |
| 外壁塗装 | 1㎡あたり約3,500〜4,500円 |
| 外壁の打診調査 | 1㎡あたり約250〜500円 |
| 防水工事 | 1㎡あたり約5,000〜8,000円 |
10階建て・外周80m・工期3か月の建物を例にとると、足場の費用が約168万円かかるところ、ロープアクセスでは約59万円、差額は約109万円という試算になります。実際の見積りは、建物の形状・劣化状況・工事範囲によって変わります。料金の考え方は大規模修繕の料金の考え方(明誠)でもご紹介しています。
3つの工法を、公平に比べる
明誠は、次の3つの工法から建物に合う方法を提案しています。
| 工法 | 向いている建物・工事 | 強み | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 通常の足場仮設工法 | 外壁の全面補修、塗装・防水・タイル・サッシ交換を一括で行う大規模修繕 | 作業の安全性と品質を確保しやすく、全面的な工事に適する | 設置・解体の費用と工期がかかる。足場期間中は防犯・採光・ベランダ使用に配慮が必要 |
| ロープアクセス工法(無足場工法) | 外壁の部分補修、シーリングの打替え、調査・点検、部分塗装 | 足場が不要なため、工期と費用を抑えやすい。居住者の生活への影響が少ない | 作業内容によっては向かない。専門技能を持つ職人が必要 |
| ハイブリッド工法 | 面ごと・部位ごとに足場とロープを使い分けたい建物 | 部位ごとに最適な方法を選べ、総額を最適化しやすい | 計画と工程管理に専門性が必要 |
ロープアクセス工法では、作業者がメインロープとバックアップロープの2本に接続し、屋上などに2点以上の吊元(ロープを固定する支点)を確保して作業します。明誠の工法の詳細は明誠のロープアクセス工法の技術と実績で、業界全体の安全基準や施工例は姉妹サイトのロープアクセスドットコム(無足場工法の専門メディア)で詳しく紹介しています。安全管理の考え方は明誠の高所作業の安全管理にまとめています。
ここは正直に申し上げます。 私たちは3つの工法をすべて扱うので、足場が最適なら足場を、ロープが向くならロープを提案します。どれか1つに誘導するための記事ではありません。
斜面地のマンションで、ロープアクセスが役立つ場面
湯河原町のマンションは、海を望む斜面や山あいの敷地に建つものが少なくありません。こうした建物では、谷側の面に足場を組むための地盤や作業スペースが確保しにくい、資材の搬入路が狭いといった理由で、足場の費用がかさむことがあります。
このような場合、谷側や道路に面した面だけロープアクセスで施工し、平坦な面は足場で施工するというハイブリッド工法が選択肢になります。また、リゾートマンションでは、観光シーズンや週末の利用が多い時期に足場で建物を覆いたくないという声もよく伺います。足場を組まないロープアクセスなら、外観への影響や工期を抑えやすくなります。
明誠について、数字でお伝えします
株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法での高所作業について、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業では、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを維持しています。IRATA(国際産業ロープアクセス協会)水準の技能訓練を受けた作業員が施工し、ISO9001の品質マネジメントシステムを運用しています。また、日本初のロープアクセス工事のフランチャイズ本部として、塗装・防水・タイル・電気・看板の各分野の専門職と連携しています。湯河原町には温泉旅館・ホテルも多くありますが、明誠はホテルの大規模修繕を全国でお受けしています。
湯河原町のマンションで、理事会が確認したいこと
- 区分所有者のうち、定住している方と別荘として使っている方の割合
- 長期修繕計画が7年以内に見直されているか、計画期間が30年以上あるか
- 修繕積立金の3か月以上の滞納がどの程度あるか
- 斜面側・谷側の面に足場を組む地盤と作業スペースがあるか、資材の搬入路の幅は十分か
- 海に面した面と山側の面で、外壁やシーリング、鉄部の劣化に差があるか
- 外壁の色を変える予定があるか(景観条例の確認が必要か)
- 敷地のブロック塀が道路や通学路に面しているか
現場で見てきたこと
リゾートマンションの現場でよく出会うのが、「前回の大規模修繕から20年近く経っているのに、長期修繕計画が当初のまま」というケースです。区分所有者が集まりにくいため、理事会が「次の総会で」と先送りを重ねているうちに、外壁のひび割れやシーリングの劣化が進み、雨水が入り込んでしまう。私はこうした建物には、まず建物診断で劣化の実態を数字で示し、それを元に長期修繕計画を見直すことをおすすめしています。数字があると、遠方の区分所有者にも状況が伝わりやすく、合意形成が進みます。
管理組合向けのサービス内容はマンション管理組合さま向けの大規模修繕サービスにまとめています。明誠のこれまでの施工の様子は、明誠の施工事例からご覧いただけます。
制度を使うときの共通の落とし穴
失敗しやすい3つのパターン
- 着工してから申請しようとする:住宅リフォーム補助とブロック塀の撤去等補助は、どちらも工事前の申請が必要です(庭木の伐採等補助は作業後の申請ですが、共同住宅は対象外です)
- 町内業者の条件を見落とす:請負業者が町外の会社だと、補助の対象になりません。下請けへの全部委託も認められていません
- 共用部分と専有部分を混同する:窓や玄関ドアなど、規約上は共用部分になる部位を各住戸の補助で工事しようとして、対象外になることがあります
理事会で使える質問リスト
町や県の窓口へ問い合わせるとき、次の質問をそのまま使えます。
- 住宅リフォーム補助は、マンションの窓(規約上の共用部分)の断熱改修にも使えますか(地域政策課 0465-63-2111 内線231)
- 敷地のブロック塀の撤去等補助は、管理組合として申請できますか
- 別荘として使っている住戸の所有者は、住宅リフォーム補助の対象になりますか
- 外壁の色を変える場合、景観条例の届出は必要ですか(まちづくり課)
- 町内のマンションの管理計画認定の申請は、どこへ相談すればよいですか(神奈川県 住宅計画課)
- 県のマンション管理アドバイザー派遣は、現在受け付けていますか
湯河原町のマンションが大規模修繕に向けて動く5つのステップ
- 長期修繕計画と修繕積立金の残高を確認する:工事の時期と予算の上限を把握します。計画が古ければ、見直しから始めます
- 町と県の制度を確認する:専有部分のリフォーム補助、ブロック塀の撤去等補助、景観条例、管理計画認定の要件を問い合わせます
- 建物診断(劣化調査)を行う:海側・山側・谷側の劣化の差を含めて調べます。ロープアクセスでの外壁調査の方法も選択肢の一つです
- 工法を比べて見積りを取る:足場・ロープアクセス・ハイブリッドの3つで比べ、斜面側の仮設費を分けて記載してもらいます
- 総会で決議し、各住戸へ専有部分の工事予定を案内する:遠方の区分所有者には、書面やオンラインでの議決権行使も含めて早めに案内します
賃貸マンション・ビルのオーナーの方へ
湯河原町の住宅リフォーム補助は、居住者が申請し、居住者と所有者が異なる場合は所有者の同意書を出す仕組みです。町のQ&Aでは、アパートなどの借家も、所有者の同意が確認できれば対象とされています。賃貸物件の入居者が専有部分を改修する場合に活用できる可能性があります。賃貸物件の修繕では、空室期間を短くし、入居者の生活への影響を抑えることが収益に直結します。足場を組まないロープアクセスは、こうした点でもメリットがあります。ビルオーナーさま向けのサービスはビルオーナーさま向け大規模修繕サービスをご覧ください。
よくあるご質問
Q. 湯河原町で、マンションの大規模修繕工事費に使える補助金はありますか?
A. 令和8年度の湯河原町公式サイトを確認した範囲では、共用部分の外壁塗装や屋上防水などの工事費を管理組合に補助する制度は見つかりませんでした。専有部分のリフォーム補助や、ブロック塀の撤去等補助は使える可能性があります。
Q. 住宅リフォーム補助はいくらもらえますか?
A. 工事費(消費税を除く)20万円以上の工事が対象で、工事費の10%、上限10万円です。申請時に町外に住民登録があり、工事完了日までに湯河原町へ住所を移す方は、工事費の20%、上限20万円になります。対象物件につき1回限りです。
Q. 別荘として使っている住戸でも申請できますか?
A. 申請できるのは「自ら居住する住宅」の居住者とされているため、別荘としての利用では対象にならない可能性が高いと考えられます。個別の状況は地域政策課に確認してください。
Q. 申請の締め切りはいつですか?
A. 町のページでは、住宅リフォーム等補助の申請受付期間は2028年(令和10年)3月31日までとされています。ただし工事前の申請が必要で、予算の状況によって変わる可能性もあるため、早めの相談をおすすめします。
Q. 湯河原町のマンションの管理計画認定は、どこに申請しますか?
A. 湯河原町を含む県内の町村部では、神奈川県が認定を行います。窓口は県土整備局建築住宅部住宅計画課です。マンション管理センターの「管理計画認定手続支援サービス」で事前確認を受けてから申請する方法もあります。
Q. 足場を組まない大規模修繕は、本当に可能ですか?
A. 外壁の部分補修、シーリングの打替え、調査・点検、部分塗装などでは、ロープアクセス工法で足場を組まずに施工できます。外壁全面の改修やサッシのカバー工法では足場が向く場合もあり、明誠では3つの工法から建物に合う方法をご提案しています。
Q. 相談や見積りに費用はかかりますか?
A. 明誠では、建物の状況確認と概算のお見積りを無料で承っています。補助金・税制の情報整理だけのご相談でもかまいません。大規模修繕の無料相談・お問い合わせからお声がけください。
この記事のポイントまとめ
- 湯河原町の令和8年度の補助で、共用部の外壁・防水などの大規模修繕工事費に使える制度は確認できず
- 住宅リフォーム補助はマンションの専有部分が対象。工事費の10%・上限10万円(移住予定者は20%・上限20万円)、工事前申請・町内業者の利用が条件、受付は2028年3月31日まで
- ブロック塀などの撤去等補助は共同住宅も対象。工事費の10%・上限5万円(通学路に面する場合は10万円)
- 湯河原町は町村部のため、管理計画認定は神奈川県が行う。県の資料では湯河原町のマンションの多くがリゾートマンション
- 外壁の色を変える場合は景観条例を確認。斜面地ではハイブリッド工法が選択肢になる
出典・参考資料
- 湯河原町「住宅リフォーム・庭木伐採等・組積造撤去等の補助」(2026年5月22日更新)
- 湯河原町「住宅リフォーム費用補助制度リーフレット(2026年4月1日)(PDF)」
- 湯河原町「住宅支援・マイホーム」
- 湯河原町「住宅用スマートエネルギー設備設置費補助金」(2025年6月25日更新)
- 湯河原町「木造住宅耐震改修工事費等補助金交付制度」
- 湯河原町「景観計画・景観条例」
- 神奈川県「神奈川県住生活基本計画 第5章 マンション管理適正化推進計画(PDF)」
- 神奈川県「マンション管理計画認定 申請の手引き(令和4年4月)(PDF)」
- 国土交通省「マンション長寿命化促進税制(固定資産税の特例措置)」
- 国土交通省「マンション管理計画認定制度」
本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月9日時点で公表されている湯河原町および神奈川県、国土交通省の公式情報をもとに執筆しています。更新日が前年度以前のページ(スマートエネルギー設備補助など)は、令和8年度の予算状況をページから確認できなかったことを本文に明記しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、湯河原町および神奈川県の該当窓口へ最新の内容をご確認ください。本記事は法的・税務上の助言ではありません。
湯河原町は、大規模修繕の工事費に直接使える補助金が多い町ではありません。それでも、長期修繕計画の見直しと県の管理計画認定、そして工法の比較によって、修繕積立金を守る手立てはあります。遠方に住む区分所有者への説明資料づくりも含め、総会の前段階の整理だけでもお力になれることがあります。ご相談だけでも遠慮なくお問い合わせフォームからお声がけください。
▼ロープアクセス工法・無足場工法の詳細解説はこちら
ロープアクセスドットコム|無足場工法専門メディア
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年10月9日
関連記事(姉妹サイト)
ロープアクセス工法の詳細や実例については、姉妹サイト「ロープアクセスドットコム」の以下の記事もぜひご覧ください。
本間社長の著書のご案内
『大規模修繕工事 職人だから言える本当の話 —— 見積書では見えない業界の裏側と、修繕積立金を守る発注術』(Kindle版)を出版しています。20年以上の現場経験から、管理組合・オーナーが修繕積立金を守るための発注術と、業界の内幕を書き下ろしました。
箱根町のマンション補助金|大規模修繕に使える制度【2026】
2026年10月9日 更新
「箱根町で、マンションの大規模修繕に使える補助金はあるのか?」
結論から申し上げます。令和8年度(2026年度)の箱根町公式サイトを確認した範囲では、マンション管理組合が共用部の大規模修繕工事費そのものに使える補助金は見つかりませんでした。 一方で、見落としたくない道が3つあります。1つめは、町村部のマンションの管理計画は、町ではなく神奈川県が認定すること。2つめは、その認定を受けると使える可能性のある国のマンション長寿命化促進税制(大規模修繕後の固定資産税の減額)。3つめは、条件が合えば検討できる町の再生可能エネルギー設備導入費補助金や緊急輸送道路沿道建築物の耐震化補助です。ただし税制には工事の完了日が2027年3月31日までという期限があり、箱根町の公式サイトでは、この税の減額の案内ページを私は確認できませんでした。
こんにちは、株式会社明誠の本間です。マンション・ビル・大手ホテルチェーンの大規模修繕に20年以上携わってきました。この記事では、箱根町のマンションの理事長さま・理事の皆さまに向けて、町と県と国の制度を「共用部に使えるか、使えないか」で仕分けし、そのうえで、補助が少ない町だからこそ大切になる「工事費そのものを適正に抑える考え方」までお伝えします。
なお、神奈川県の資料には、町村部のマンションは「その半数以上が、別荘的な居住を目的としたリゾートマンション」と書かれています。箱根町は、その町村部にあたります。区分所有者の多くが普段は町外にお住まいで、理事会の開催や合意形成に時間がかかる。そうした事情を前提に、制度と進め方をまとめました。
早見表:箱根町のマンション共用部で使える制度・使えない制度
| 制度 | 共用部の大規模修繕に使えるか | 補足 |
|---|---|---|
| 工事費そのものへの補助(町) | 公式ページでは確認できず | 令和8年度の町の住宅補助制度は、家賃補助・若者世帯の住宅取得・空き家リフォームの3つ |
| 管理計画認定制度(県が認定) | 補助ではないが、税の減額と融資の入口になる | 町村部のマンションは県が認定。窓口は住宅計画課民間住宅グループ |
| マンション長寿命化促進税制(国) | 条件つき | 管理計画認定などが前提。外壁塗装等・床防水・屋根防水の3つをすべて実施し、2027年3月31日までに完了 |
| 再生可能エネルギー設備導入費補助金(町) | 共用部は不可と読める | 集合住宅は居室部分で使う設備が対象。管理組合の申請可否は明記なし |
| 緊急輸送道路沿道建築物耐震化補助(町) | 条件に合えば検討可 | 昭和56年5月31日以前の着工など。区分所有の扱いは窓口で確認 |
| ブロック塀等撤去改修補助(町) | 条件に合えば検討可 | 管理組合が「管理者」にあたるかは窓口で確認 |
| 木造住宅耐震化補助(町) | 使えない可能性が高い | 対象は木造2階建て以下の一戸建て・併用住宅 |
箱根町はこんな町です-人口約1万人、リゾートマンションが多い県西の観光地
箱根町の公式サイトによると、2026年9月1日現在の人口は10,224人(男4,828人・女5,396人)、世帯数は6,150世帯です。観光の町として知られる一方、神奈川県の資料では、町村部のマンションの半数以上がリゾートマンションと整理されています。
この特徴は、大規模修繕の進め方に直結します。居住者が少なく、区分所有者の多くが遠方にいるマンションでは、総会の定足数が集まりにくい、修繕積立金の滞納や連絡不能の区分所有者への対応に手間がかかる、といった課題が出やすいからです。また、標高が高く寒暖差の大きい山間部や、温泉地では、一般に外壁やシーリング、金属部の傷み方が平地と違うと言われます。ただし、これは建物ごとに差が大きいので、診断で確かめることをおすすめします。
私がこれまで見てきた現場でも、「使っていない部屋が多いから、傷みも少ないだろう」と思われていた建物が、実は共用部の防水や外壁から先に傷んでいた、という話は珍しくありません。人が住んでいなくても、雨風と寒暖差は毎日、建物にあたっています。
町村部のマンションは、神奈川県が管理計画を認定します
ここが、箱根町のマンションで一番大切な点です。神奈川県の「マンション管理計画認定制度の手引き」によると、神奈川県の町村部にあるマンションは、県が認定します。箱根町は町村部に含まれます。市部のマンションは各市が窓口になるため、同じ神奈川県内でも窓口が違います。
窓口と申請の流れ
県の手引きに書かれている主な点は次のとおりです。
- 窓口:神奈川県 県土整備局 建築住宅部 住宅計画課 民間住宅グループ(電話:045-210-6557)
- 提出部数:正本1部、副本1部
- 申請前に電話で相談することが求められています。書類がすべてそろっていなくても相談できるとされています
- 認定基準は、マンション管理適正化法などに基づくもので、県独自の基準は設けていないとされています
- 申請手数料:手引きには記載がありませんでした。窓口でご確認ください
認定基準のおもな中身
県の手引きから、理事会で最初に確認したい項目を抜き出します。
| 分野 | 主な基準 |
|---|---|
| 管理組合の運営 | 管理者等と監事が選任されていること。集会が年1回以上開かれていること |
| 管理規約 | 専有部分への立入り、維持管理記録の作成・保存、情報提供への対応が定められていること |
| 経理 | 管理費と修繕積立金が区分経理されていること。修繕積立金を他会計へ充当していないこと。3か月以上の滞納額が全体の1割以内であること |
| 長期修繕計画 | 標準様式に準拠し、集会で決議されていること。作成・見直しが7年以内であること。計画期間が30年以上で、大規模修繕工事を2回以上含むこと。一時金の徴収を予定していないこと。最終年度に借入金残高がないこと |
| 名簿 | 組合員名簿と居住者名簿が作成され、年1回以上更新されていること |
リゾートマンションで引っかかりやすいのは、「集会が年1回以上開かれていること」と「名簿が年1回以上更新されていること」だと私は考えています。区分所有者の連絡先が古いままだと、名簿の更新に時間がかかります。認定を考えるなら、大規模修繕の準備と並行して、早めに名簿の整備から始めてください。
条件つきで検討できる制度①:大規模修繕後の固定資産税の減額(長寿命化促進税制)
国土交通省の資料によると、「マンション長寿命化促進税制」は、一定の要件を満たすマンションが長寿命化工事を行った場合に、翌年度分の建物の固定資産税を減額する制度です。
制度の中身
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象マンション | 居住用専有部分があり、新築から20年以上が経過した、総戸数10戸以上のマンション |
| 前提となる条件 | 管理計画認定マンションであること、またはマンション管理適正化法に基づく助言・指導を受けた管理組合のマンションであること |
| 対象工事 | 外壁塗装等工事・床防水工事・屋根防水工事の3つすべて。同一の工事請負契約など、一体として扱われること |
| 減額の内容 | 翌年度分の固定資産税額を、6分の1から2分の1以下の範囲で市町村等の条例で定める割合で減額(参酌基準は3分の1) |
| 上限 | 工事が行われた棟の建物部分が対象で、1戸あたり100㎡相当分まで |
| 期限 | 令和5年4月1日から令和9年3月31日までの間に工事が行われること。工事完了日から3か月以内に市町村等へ申告 |
箱根町での扱いは、窓口で確認が必要です
減額の割合は、国の枠の中で市町村の条例で決まります。私が箱根町の公式サイトを確認した範囲では、この制度の専用の案内ページは見つかりませんでした。したがって、箱根町での減額割合や申告の手順は、町の税務担当の窓口に直接ご確認ください。
期限は、思っているより近い
2026年10月9日現在、期限の2027年3月31日までは、約5か月半です。総会での決議、見積り比較、契約、着工、完了までの日程を考えると、これから新しく計画する工事を期限内に完了させるのは、かなり厳しい場合があります。すでに計画が進んでいるマンションは、完了日の見通しを工程表で確認してください。間に合わない場合は、延長などの動向を確認しつつ、先に管理計画の認定と長期修繕計画の見直しを進めておくのが現実的です。
併用できない制度もあります。国土交通省の資料では、既存住宅の耐震改修・居住安全改修・熱損失防止改修などの固定資産税の減額措置や、認定長期優良住宅の減額措置とは併用できないとされています。
条件つきで検討できる制度②:箱根町の再生可能エネルギー設備導入費補助金
箱根町の環境のページに掲載されている補助金は、「再生可能エネルギー設備導入費補助金」です。町の案内では、対象設備は次の5種類です。
- 住宅用太陽光発電システム(合計出力10kW未満):補助額は上限5万円
- 定置用リチウムイオン蓄電池:上限5万円
- 家庭用燃料電池システム:上限5万円
- V2H充放電設備(電気自動車を所有する方に限る):上限5万円
- HEMS:上限1万円
補助額は、事業費(設備費+設置工事費)から国・県の補助金を引いた額と上限額を比べて決まります。受付期間はページに記載がなく、「予算の範囲内」で交付されます。申請書類は、設備の設置工事に着手する前に環境課へ提出します。
管理組合が共用部で使えるかは、読み取れません
ここが注意点です。町の案内では、集合住宅は対象になり得るものの、設備は居室部分で使用し、共用部分では使用しないことが条件とされています。つまり、エントランスや廊下の照明、共用部の電気をまかなうための太陽光発電などは、対象外と読めます。また、管理組合が申請者になれるかどうかは、ページに記載がありません。この補助金は、大規模修繕の費用を軽くするものではなく、区分所有者が自分の住戸で使う設備向けの制度と考えてください。
条件つきで検討できる制度③:緊急輸送道路沿道建築物の耐震化補助
箱根町には、「緊急輸送道路沿道建築物耐震化補助事業」があります。町の案内によると、対象の道路は国道1号(箱根新道・小田原箱根道路を除く)、国道138号、県道75号です。
| 区分 | 補助率 | 上限(1棟あたり) |
|---|---|---|
| 耐震診断費 | 経費の3分の2以内 | 240万円 |
| 耐震設計費 | 経費の3分の2以内 | 240万円 |
| 耐震改修費 | 経費の2分の1以内 | 1,000万円 |
対象は、昭和56年5月31日以前に着工された建築物で、緊急輸送道路沿いにあり、一定の高さ以上のものなどです。耐震改修の場合は、耐震診断で倒壊の危険性があると判断されていることも条件です。補助金の交付は、年度予算の範囲内とされています。
私が確認した範囲では、町のページにマンションへの言及はなく、区分所有の建物での申請手続きや、高さの基準は読み取れませんでした。旧耐震のマンションで、国道1号・138号・県道75号に面している場合は、都市整備課(電話:0460-85-9566)に一度、問い合わせる価値があります。
条件つきで検討できる制度④:ブロック塀等の撤去・改修補助
敷地の道路側にブロック塀がある場合は、「ブロック塀等撤去改修補助事業」も選択肢です。町の案内では、対象は「町内にある道路等に面したブロック塀等の所有者または管理者」で、補助額は次のとおりです。
- 撤去:工事費(税抜)と、延長1メートルあたり1万円を乗じた額のいずれか少ない方の2分の1(上限10万円)。通学路沿いは10分の9(上限20万円)
- 改修(安全な工作物の設置):工事費(税抜)と、延長1メートルあたり2万円を乗じた額のいずれか少ない方の2分の1(上限20万円)。通学路沿いは10分の9(上限40万円)
交付決定の前に撤去や改修を始めると、対象から外れます。分譲マンションの管理組合が「管理者」にあたるかは、ページに記載がないため、都市整備課に確認してください。
使えない制度を、先に見極めましょう
木造住宅の耐震化補助:RC造のマンションは対象外と読めます
町の「木造住宅耐震化補助事業」の対象は、昭和56年5月31日以前に建築された木造2階建て以下の一戸建て住宅または併用住宅です。鉄筋コンクリート造のマンションは、この条件に当てはまりません。耐震診断(上限8万円)、耐震改修(上限100万円)などの金額が目につきますが、管理組合が使える制度ではありません。
町の住宅補助制度:マンション共用部の修繕は対象ではありません
町の「住宅補助制度」のページには、3つの制度が載っています。
- 民間賃貸住宅家賃補助制度:新婚世帯または転入若者世帯向け。家賃の2分の1、月額上限2万円、24か月
- 若者世帯住宅取得補助制度:40歳未満の夫婦などが町内に住宅を取得した場合。取得費用の10分の1、上限100万円
- 空き家リフォーム事業補助制度:空き家バンクに登録された空き家を定住目的でリフォームする場合。費用の2分の1、上限50万円
いずれも、マンションの共用部の大規模修繕とは別の目的の制度です。
工事費そのものへの補助:令和8年度の公式ページでは確認できず
以上を見渡したうえで、私が箱根町の公式サイトで確認できた範囲では、「分譲マンションの共用部の大規模修繕工事費に補助する制度」は見つかりませんでした。年度の途中で新設されることもあり得ますので、実際に動き出す前に、窓口に「管理組合が使える補助制度はありますか」と一度お尋ねください。
補助が少ない町だからこそ:融資と工法の選び方で、総額を見直す
補助金が見当たらない場合、修繕積立金を守る手段は大きく2つです。資金の借り方を見直すことと、工事費そのものを適正に抑えることです。
修繕積立金が足りないときの選択肢:管理組合向けの融資
住宅金融支援機構の「マンションすまい・る融資(管理組合申込みの場合)」は、マンションの共用部分リフォーム工事が対象です。公式ページによると、公益財団法人マンション管理センターなどの保証を利用すれば担保は必要ありません。また、耐震・浸水対策・省エネの工事、「マンションすまい・る債」の残高があること、管理計画の認定を受けていることのそれぞれで、金利が年0.2%引き下げられる場合があります(出典:住宅金融支援機構「マンションすまい・る融資(管理組合申込みの場合)」)。融資限度額・返済期間・金利は、機構のページや窓口で最新のものをご確認ください。県の認定を受けることは、税の減額だけでなく、この融資の金利優遇にもつながります。
費用の目安
金額は物件によって大きく変わるため、あくまで参考値です。私たちが見積りの入口でお伝えしている目安は、次のとおりです。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 30戸規模マンションの大規模修繕 総工費 | 約3,500万〜5,000万円 |
| うち仮設足場の割合 | 総工費の約15〜25% |
| 外壁塗装 | 1㎡あたり約3,500〜4,500円 |
| 外壁の打診調査 | 1㎡あたり約250〜500円 |
| 防水工事 | 1㎡あたり約5,000〜8,000円 |
たとえば、10階建て・外周80m・工期3か月の建物を例にとると、足場の費用が約168万円かかるところ、ロープアクセスでは約59万円、差額は約109万円という試算になります。もちろん、工事内容によってはロープアクセスが向かないこともあります。実際の見積りは、建物の形状・劣化状況・工事範囲によって変わります。料金の考え方は大規模修繕の料金の考え方(明誠)でもご紹介しています。
3つの工法を、公平に比べる
明誠は、次の3つから建物に合う工法を提案しています。
| 工法 | 向いている建物・工事 | 強み | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 通常の足場仮設工法 | 外壁の全面補修、塗装・防水・タイルを一括で行う大規模修繕 | 作業の安全性と品質を確保しやすく、全面的な工事に適する | 足場の設置・解体の費用と工期がかかる。山間部では材料搬入の道が狭い場合がある |
| ロープアクセス工法(無足場工法) | 外壁の部分補修、シーリングの打替え、調査・点検、部分塗装 | 足場が不要なため、工期と費用を抑えやすい。居住者・宿泊者への影響が少ない | 作業内容によっては向かない。専門の技能を持つ職人が必要 |
| ハイブリッド工法 | 面ごと・部位ごとに足場とロープを使い分ける建物 | 部位ごとに最適な方法を選べ、総額を最適化しやすい | 計画と工程管理に専門性が必要 |
ロープアクセス工法は、作業者がメインロープとバックアップロープの2本に接続し、屋上などに2点以上の吊元(ロープを固定する支点)を確保して作業する方法です。明誠の工法の詳細は明誠のロープアクセス工法の技術と実績、業界全体の安全基準や事例は姉妹サイトのロープアクセスドットコム(無足場工法の専門メディア)で詳しく解説しています。
ここは利益相反になるので、正直に申し上げます。 私たちは3つの工法をすべて扱うので、足場が最適なら足場を、ロープが向くならロープを提案します。税の減額を使う外壁・床・屋根の全面改修なら、足場を中心に、屋上まわりや調査だけロープアクセスを使う、という組み合わせを提案することもあります。リゾートマンションのように普段の居住者が少ない建物は、足場の防犯や、工事中の宿泊・滞在への影響を考える必要があります。そのため、部分補修を早めにロープで行い、全面改修の時期を見極める、という考え方もあります。どれか1つに誘導するための記事ではありません。
明誠について、数字でお伝えします
株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・大手ホテルチェーンの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法での高所作業について、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業では、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを維持しています。IRATA(国際産業ロープアクセス協会)水準の技能訓練を受けた作業員が施工し、ISO9001の品質マネジメントシステムを運用しています。また、日本初のロープアクセス工事のフランチャイズ本部として、塗装・防水・タイル・電気・看板の各分野の専門職と連携しています。
箱根町のマンションで、理事会が確認したいこと
- 県の管理計画認定を受けているか、受ける準備ができているか(税の減額と融資の金利優遇に関わります)
- 前回の大規模修繕で、外壁塗装・床防水・屋根防水を行ったか、書類は残っているか
- 修繕積立金の残高と、長期修繕計画の見直し時期(30年以上の計画で、大規模修繕が2回以上含まれているか)
- 区分所有者の名簿と連絡先が最新か。総会の出席・議決権行使書の回収が、現実にできる状態か
- 外壁・シーリング・屋上防水・鉄部の状態(寒暖差や湿気、温泉地特有の腐食の影響が出ていないか)
- 敷地への車両の搬入経路、足場材料の置場の余裕(山間部では道幅や勾配が制約になる場合があります)
- 町の景観計画や届出が必要な工事にあたらないか(箱根町には景観計画・景観条例のページがあります)
現場で見てきたこと
現場で20年以上やってきて、私が一番悔しい思いをするのは、「使えたはずの制度を、期限や手順を知らずに逃した」という話を、工事が終わってから聞く場面です。補助金も税の減額も、工事の前や契約の前に動かなければ、後からは取り戻せないものがほとんどです。この税制も、屋根防水を外した仕様で契約してしまってから気づいた、というのでは手遅れになります。
特にリゾートマンションでは、総会を一度開き直すだけで数か月かかることがあります。管理組合向けのサービス内容はマンション管理組合さま向けの大規模修繕サービスにまとめています。明誠のこれまでの施工の様子は、明誠の施工事例からご覧いただけます。
制度を使うときの共通の落とし穴
失敗しやすい3つのパターン
- 3つの工事の一部を外してしまう:税の減額は、外壁塗装等・床防水・屋根防水のすべてを実施することが条件です。予算を理由に一部を次回送りにすると、対象から外れる可能性があります
- 工事の完了期限を、着工の時期で考えてしまう:期限は「完了」が2027年3月31日です。天候による遅れも見込んだ余裕のある工程にしなければなりません。山間部は冬に気温が下がり、塗装・防水に適さない日が増えることもあります
- 窓口を間違える:管理計画の認定は県、税の減額は町、耐震やブロック塀は町の都市整備課と、窓口が分かれます。最初に一覧にして、担当を決めておくと混乱しません
理事会で使える質問リスト
窓口へ問い合わせるとき、次の質問をそのまま使えます。
- 県の管理計画認定について、申請手数料・必要書類・所要日数を教えてください(県 住宅計画課 民間住宅グループ:045-210-6557)
- 大規模修繕後の固定資産税の減額は、箱根町では減額割合と申告の期限をどう定めていますか(町の税務担当)
- 再生可能エネルギー設備導入費補助金は、管理組合が申請者になれますか。共用部は対象外と考えてよいですか(環境課)
- 緊急輸送道路沿道建築物耐震化補助は、区分所有のマンションでも申請できますか。対象になる高さの基準を教えてください(都市整備課:0460-85-9566)
- 管理組合が使える補助制度で、公式サイトに載っていないものはありますか
箱根町のマンションが大規模修繕に向けて動く5つのステップ
- 長期修繕計画と過去の修繕履歴を確認する:特に、前回の工事の内容と書類、修繕積立金の残高、区分所有者名簿の状態を確かめます
- 県と町の窓口へ質問リストで確認する:県の住宅計画課民間住宅グループ(045-210-6557)、町の都市整備課(0460-85-9566)、環境課、税務の担当へ、前章の質問を投げます
- 建物診断(劣化調査)を行う:工法を選ぶ前に、劣化の程度を調べます。ロープアクセスでの外壁調査の方法という選択肢もあります
- 3つの工法で相見積りを取る:足場・ロープ・ハイブリッドのそれぞれで、工事の範囲と見積りを比べます。税の減額を狙うなら、仕様書に外壁塗装等・床防水・屋根防水の3つが入っているかも比べてください
- 完了期限から逆算して工程を組む:総会の決議、契約、着工、完了までの日付を工程表に書き込みます。2027年3月31日に間に合わない場合は、延長の動向を見ながら、認定と計画づくりを先に進めます
賃貸マンション・ビル・大手ホテルチェーンのオーナーの方へ
収益不動産をお持ちのオーナーの方にとって、箱根町の制度は限られています。木造住宅の耐震補助は一戸建てが対象で、税の減額制度も管理計画認定を受けた分譲マンションが前提です。ワンオーナーの賃貸マンションが使えるかは、窓口に確認が必要です。
ここで私がお勧めするのは、補助金に頼らない収支計画です。外壁の塗装やシーリングの傷み、屋上防水の劣化を放置すると、雨漏りや入居者の退去、宿泊施設であれば客室の稼働停止につながります。足場を組まないロープアクセス工法で部分的に早めに手当てすれば、工事費を抑えながら営業を続けられる場合があります。オーナーさま向けの考え方はビルオーナーさま向けの大規模修繕でご紹介しています。大手ホテルチェーンや旅館の施設をお持ちの方は、大手ホテルチェーンさま向けの大規模修繕もご覧ください。
よくあるご質問
Q. 箱根町で、マンションの大規模修繕工事費に使える補助金はありますか?
私が箱根町の公式サイトで確認した範囲(2026年10月9日時点)では、分譲マンションの共用部の大規模修繕工事費そのものに補助する制度は見つかりませんでした。町の住宅補助制度は、家賃補助・若者世帯の住宅取得・空き家リフォームの3つです。年度途中の新設もあり得るため、窓口でご確認ください。
Q. 箱根町のマンションの管理計画認定は、どこに申請しますか?
神奈川県の手引きによると、町村部のマンションは県が認定します。箱根町は町村部に含まれ、窓口は神奈川県 県土整備局 建築住宅部 住宅計画課 民間住宅グループ(電話:045-210-6557)です。申請前に電話相談が求められています。
Q. 大規模修繕のあとに、固定資産税が安くなる制度はありますか?
国のマンション長寿命化促進税制があります。管理計画認定などの要件を満たし、外壁塗装等・床防水・屋根防水の3つをすべて実施して、2027年3月31日までに工事を完了すると、翌年度分の建物の固定資産税が減額されます。減額の割合は市町村の条例で決まるため、箱根町の窓口でご確認ください。
Q. 再生可能エネルギー設備導入費補助金を、管理組合は申請できますか?
町のページに、管理組合が申請者になれるかの記載はありません。集合住宅は対象になり得るものの、設備は居室部分で使い、共用部分では使わないことが条件です。共用部の設備は対象外と読めますので、環境課にご確認ください。
Q. 旧耐震のマンションで、耐震化の補助は使えますか?
町には、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化補助があります。対象は、昭和56年5月31日以前に着工され、国道1号・138号・県道75号に面するなどの建築物です。マンションへの言及はページになく、区分所有の扱いは読み取れません。都市整備課(電話:0460-85-9566)にご相談ください。木造住宅の耐震補助は、RC造のマンションは対象外と読めます。
Q. リゾートマンションでも、大規模修繕を進められますか?
進められます。ただし、居住者が少なく区分所有者が遠方にいるため、総会の成立や名簿の整備に時間がかかる傾向があります。書面や電磁的方法による議決権行使など、運営面の準備を早めに始めることをおすすめします。
Q. 足場を組まない大規模修繕は、可能ですか?
外壁の部分補修、シーリングの打替え、調査・点検、部分塗装などは、ロープアクセス工法で可能な場合があります。一方、全面改修では足場が適することもあります。明誠は、通常の足場・ロープアクセス・ハイブリッドの3つから、建物に合う工法をご提案しています。
Q. 相談や見積りに費用はかかりますか?
ご相談や、お見積りのご依頼に費用はかかりません。お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。
この記事のポイントまとめ
- 箱根町の令和8年度の制度で、管理組合が共用部の大規模修繕工事費に使える補助金は、公式サイトでは確認できなかった
- 町村部のマンションの管理計画は県が認定する。窓口は県の住宅計画課民間住宅グループ(045-210-6557)
- 国の固定資産税の減額は、管理計画認定などが前提で、外壁塗装等・床防水・屋根防水をすべて実施し、2027年3月31日までに完了することが条件。箱根町の案内ページは確認できず、町の窓口に確認
- 緊急輸送道路沿道建築物の耐震化補助とブロック塀の補助は、条件に合えば検討できる。区分所有の扱いは都市整備課(0460-85-9566)に確認
- 木造住宅の耐震補助と町の住宅補助3制度は、マンション共用部の修繕には使えない可能性が高い
- 神奈川県の町村部のマンションは、半数以上がリゾートマンション。名簿の整備と総会の成立を早めに準備する
出典・参考資料
- 箱根町「箱根町ホームページ(人口・世帯数)」
- 箱根町「箱根町の住宅補助制度」
- 箱根町「環境先進観光地(補助金・助成制度)」
- 箱根町「再生可能エネルギー設備導入費補助金」
- 箱根町「木造住宅耐震化補助事業について」
- 箱根町「緊急輸送道路沿道建築物耐震化補助事業について」
- 箱根町「ブロック塀等撤去改修補助事業について」
- 神奈川県「マンション管理計画認定制度の手引き」
- 神奈川県「神奈川県マンション管理適正化推進計画(第5章)」
- 国土交通省「マンション長寿命化促進税制について」
- 国土交通省「マンション管理計画認定制度」
- 住宅金融支援機構「マンションすまい・る融資(管理組合申込みの場合)」
本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月9日時点で公表されている箱根町、神奈川県、国土交通省、住宅金融支援機構の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請・申告される前に、箱根町および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。本記事は法的・税務上の助言ではありません。
箱根町は、工事費に補助金を出す町ではありません。それでも、県の管理計画認定という入口と、期限つきの税の減額、条件が合えば使える耐震やブロック塀の補助という、確かめる価値のある道があります。まずは使える制度と使えない制度を仕分けして、期限から逆算する。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。ご相談だけでも遠慮なくお問い合わせフォームからお声がけください。
▼ロープアクセス工法・無足場工法の詳細解説はこちら
ロープアクセスドットコム|無足場工法専門メディア
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・大手ホテルチェーンの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年10月9日
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ロープアクセス工法の詳細や実例については、姉妹サイト「ロープアクセスドットコム」の以下の記事もぜひご覧ください。
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