用語集

アカンサス

読み方
あかんさす

アカンサス(Acanthus、ハアザミ、アザミバ、棘葉アザミ、キツネノマゴ科の多年草)とは、地中海沿岸地方原産の常緑多年草で、深い切れ込みのある大きく光沢のあるアザミに似た葉と、夏に咲く白〜紫色の穂状花序が特徴の植物である。古代ギリシャ・ローマ時代から愛され、葉の意匠は古典建築の装飾モチーフとして極めて重要な役割を果たしてきた。建築装飾の文脈での「アカンサス」は、植物のアカンサス(特に「アカンサス・スピノサス」「アカンサス・モリス」など)の葉をモチーフにした装飾文様・葉飾りを指し、(1)古代ギリシャ建築のコリント式柱頭、(2)古代ローマ建築のコンポジット式柱頭、(3)ルネサンス建築・バロック建築・ロココ建築の装飾彫刻、(4)ステンドグラス・モザイク・タペストリーの図案、(5)漆喰彫刻・木彫・石彫の文様、(6)家具・調度品・金属工芸品の装飾、(7)テキスタイル・壁紙・カーテンの図案、(8)ジュエリー・装飾品の文様、などで世界中に普及している装飾モチーフである。建築史的には、紀元前5世紀頃の古代ギリシャの彫刻家カリマコスが、墓地のアザミに被さった籠を見て着想したという伝説が「ウィトルウィウス建築十書」に記されており、コリント式柱頭の起源とされる。コリント式柱頭は、円柱の上端に2段または3段のアカンサスの葉を取り巻き、その上部に4つの渦巻状ヴォリュート(小渦)を配する精緻な彫刻で、優雅・繊細・装飾性の高い古典建築様式の象徴的存在となった。古代ローマでは、コリント式の上位に位置する「コンポジット式」が確立され、アカンサス葉飾りとイオニア式の渦巻ヴォリュートを組み合わせた最も装飾的な柱頭として、神殿・凱旋門・浴場・図書館などに用いられた。ルネサンス(15〜16世紀)にこの古典建築のアカンサス装飾は再評価され、その後バロック・ロココ・新古典主義・ヴィクトリア・アール・ヌーボー・アーツ・アンド・クラフツなど多様な様式で繰り返し用いられ、現代に至るまで西洋建築・装飾芸術の根幹的モチーフであり続けている。ウィリアム・モリスの代表的壁紙「アカンサス」(1875年)は、アーツ・アンド・クラフツ運動を象徴する作品として現在もサンゲツ・リリカラ等を通じて世界中で愛用されている。マンション・ビル・ホテル・歴史的建築の大規模修繕工事において、アカンサス装飾を持つ既存建築物の保全・修復・再現は明誠フランチャイズの塗装・左官・石材専門会社の技能が問われる重要な施工分野であり、伝統文化と現代施工技術を融合した質の高い修繕提案を行う。

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