用語集
アクロポリス
アクロポリス(Acropolis、希:Ἀκρόπολις)とは、古代ギリシャの都市国家(ポリス)における城塞・聖域として機能した「丘上の城」(語源は古代ギリシャ語のakros「高い」とpolis「都市」)を指す建築・歴史用語で、特にアテネのアクロポリス(ギリシャ・アテネ市中心部の小高い丘の上に位置する古代の聖域・城塞)が世界的に有名である。アテネのアクロポリス(Acropolis of Athens)は、紀元前5世紀のギリシャ古典期に最盛期を迎え、世界最高峰の古代建築群を擁する人類文明の至宝で、1987年にユネスコ世界文化遺産に登録された。主な建造物は、(1)パルテノン神殿(Parthenon、紀元前447〜432年):女神アテーナーに捧げられたドーリス式神殿、世界最古の完璧なバランスを持つ建築傑作、(2)プロピレア(Propylaea、紀元前437〜432年):聖域の入口門、(3)エレクテイオン(Erechtheion、紀元前421〜406年):アテーナとポセイドンに捧げられた神殿、有名な「カリアティード」(柱代わりの女性像)、(4)アテーナ・ニケ神殿(紀元前427〜424年):勝利の女神を祀る小神殿、(5)パルテノン・ミュージアム(2009年開館):出土品を展示する近代博物館、などである。建築様式・技術は、(A)ドーリス式・イオニア式・コリント式の3大古典オーダー、(B)ペンテリコン産白大理石(純白〜淡桃色)、(C)エンタシス(柱の中ほどの膨らみ)、(D)視覚補正(曲線・微妙な傾斜)、(E)精緻な彫刻装飾(フリーズ、メトープ、ペディメント)、(F)金属クランプ・ダボによる石材接合、(G)地震・耐候・腐食対策、などが世界の建築技術の原点となった。長い年月の風化・人為的破壊(オスマン帝国時代の火薬庫爆発、19世紀の英国大使エルギン卿による彫刻持ち出し)・大気汚染・酸性雨・観光客圧などで深刻な劣化を被ったため、1975年から大規模な保全・修復プロジェクトが継続実施されており、世界中の建築・考古学・保全技術の最先端が結集している。マンション・ビル大規模修繕工事の文脈とは異なるが、(i)建築物の長寿命化、(ii)文化財・歴史的建造物の保全、(iii)伝統と現代の調和、(iv)持続可能な建築の理念、(v)建築遺産の社会的価値、などの観点でアクロポリスの保全プロジェクトは現代建築・修繕業界に多くの示唆を与える。明誠グループは、JCSA(一般社団法人全国建設業支援協会)を通じて、文化財保全・伝統建築修繕の最新動向を建設業界経営者向けに情報発信し、業界全体の文化的価値創出への意識醸成に貢献している。

