用語集
アルハンブラ宮殿
アルハンブラ宮殿(Palacio de la Alhambra)とは、スペイン南部・アンダルシア州グラナダ市のサビカの丘に建つイスラム建築の最高傑作で、13〜15世紀のナスル朝(イベリア半島最後のイスラム王朝)が築いた宮殿・要塞・庭園の複合建築群である。1984年にユネスコ世界遺産に登録され、現在は年間約270万人の観光客が訪れるスペイン最大の観光名所の一つとなっている。「アルハンブラ」はアラビア語のal-Hamra(赤い城)に由来し、夕陽に映える赤褐色の城壁が特徴である。建築群は、(1)アルカサバ(要塞地区、最も古い9世紀部分)、(2)ナスリエス宮殿群(宮殿地区、ナスル朝の王宮、メスアールの間・コマレスの間・ライオンの中庭が代表)、(3)カルロス5世宮殿(16世紀ルネサンス建築、後世の増築)、(4)ヘネラリーフェ庭園(離宮の夏の別荘・庭園、水の利用が見事)、(5)パルタル宮殿、(6)リンダラハの中庭、などで構成される。アルハンブラ宮殿の建築的特徴は、(A)アラベスク装飾(植物文様・幾何学文様・カリグラフィー)の絢爛さ、(B)ムカルナス(鍾乳石装飾、複雑な3次元的装飾天井)、(C)スタッコ装飾(漆喰彫刻)、(D)色彩タイル装飾(ジリージ、幾何学多角形タイル)、(E)水の利用(噴水・流水・池での音響・冷却・神秘的雰囲気)、(F)光と影の演出(精密な格子窓からの光の差し込み)、(G)庭園・建築・自然の一体的設計、などである。マンション・ビル・ホテルの大規模修繕工事との直接関連は薄いが、ホテル・商業施設のイスラム風意匠提案で、アルハンブラを参考とした装飾タイル・スクリーン・水景の採用例があり、明誠は文化的価値を理解した修繕を強みとする。

