用語集

アームレスチェア

読み方
あーむれすちぇあ

アームレスチェア(Armless Chair)とは、肘掛け(アーム、Arm)が付いていない椅子の総称で、日本語では「肘なし椅子」「腕なし椅子」とも呼ばれる、椅子の基本形態の一つである。一般的な木製ダイニングチェア・スタッキングチェア・スツールなど、座面と背もたれだけのシンプルな構造の椅子はすべてアームレスチェアに分類されるが、専門用語としてはとくに「アームチェア(肘掛け椅子)」と意図的に対比する文脈で用いられるケースが多い。アームレスチェアの主な特徴とメリットは、(1)アームがないため出入りが容易で、頻繁に立ち座りを繰り返すダイニング・カフェ・会議室・受付などに最適、(2)アームによるスペース占有がないため、複数台を並べて配置する際に省スペース化が可能、(3)テーブル下に椅子を完全に収納できるため、空間利用効率が高い、(4)アームがない分、製造コストを抑えられ、価格帯がアームチェアより低い、(5)スタッキング(積み重ね)・ネスティング(入れ子)が容易で、ホールイベント・式典・教育施設などの大量設置に便利、などである。デメリットとしては、(a)アームに肘を載せられないため長時間着座時の疲労が大きい、(b)立ち上がり時にアームを支えにできない、(c)視覚的にカジュアル・シンプルな印象になり、エグゼクティブ用途には不向き、などが挙げられる。歴史的にはアームチェアが権威・地位の象徴として位置付けられたのに対し、アームレスチェアは庶民・一般市民が日常的に使う椅子として広く普及した。中世ヨーロッパでは下級貴族・市民・庶民にはアームレスチェアが主に使われ、貴族・聖職者にはアームチェアが用意されるという階級的な使い分けがあった。20世紀以降のモダンデザインでは、アームレスチェアの代表作として、ハンス・J・ウェグナーのCH33・Yチェア(CH24)、フリッツ・ハンセン社のセブンチェア(アルネ・ヤコブセン、1955年)、ヴェルナー・パントンのパントンチェア(1967年)、エーロ・サーリネンのチューリップチェア・ペデスタルチェア(1956年)、トーマス・ヘザウィックのデザインチェアなど、世界的な名作が多数生まれている。日本でもセブンチェアのインスパイアモデル・パントンチェアのレプリカなどが住宅・カフェ・店舗で広く普及している。マンション・戸建住宅・ホテル・店舗の大規模修繕およびインテリアリニューアル工事において、ダイニング・カフェスペース・会議室・受付・ロビーなどの椅子選定でアームレスチェアの活用は重要なテーマであり、明誠グループはインテリア提案を含む総合的な空間リニューアル提案を行える体制を整えている。

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