用語集
アールデコ
アール・デコ(Art Déco)とは、第一次世界大戦後の1920年代から1930年代にかけて欧米を中心に世界的に流行した装飾芸術・建築・工芸の様式で、幾何学的なモチーフ、対称性、直線と弧の対比、金属や貴石・象牙などの高級素材、放射状や階段状の装飾を特徴とする。1925年にパリで開催された「現代装飾美術・産業美術国際博覧会(Exposition Internationale des Arts Décoratifs et Industriels Modernes)」がその名称の語源であり、それ以前のアール・ヌーヴォーの有機的曲線とは対照的に、機械時代を象徴する直線的・幾何学的造形と、エジプト発掘ブーム・キュビスム・東洋趣味などの影響を受けた折衷的様式として展開した。建築分野ではニューヨークのクライスラー・ビル(1930年)やエンパイア・ステート・ビル(1931年)、ロンドンの一部地下鉄駅、上海の外灘の歴史建築群、日本では東京都庭園美術館の旧朝香宮邸(1933年)、横浜のホテルニューグランド、神戸の旧居留地建築群が代表例として挙げられる。家具・グラフィック・ジュエリー・自動車にも広く波及し、戦間期のモダニズムを象徴する装飾文化を形成した。アール・デコ建築の外装は、テラコッタタイル、ステンレスや真鍮の金物、装飾彫刻、ステンドグラスといった意匠的素材が多用されており、補修・改修にあたっては素材ごとの専門知識と熟練の手仕事が要求される。マンション大規模修繕においても、戦前・戦後初期に建てられた歴史的建造物の改修や、近年のレトロ志向のリノベーションマンションでアール・デコ意匠の再現が求められる場面があり、ロープアクセス工法でレリーフや装飾モールディングを丁寧に補修・再塗装する技術が活きる。足場仮設では細やかな意匠保存作業に手が回りにくい場合でも、ロープアクセスなら職人がピンポイントで近接施工でき、意匠の繊細な凹凸を尊重した補修が可能となる。明誠は加盟する塗装・タイル・看板工事の専門職と連携し、歴史的価値を尊重した意匠保存型改修にも対応している。

