用語集
イギリス積み
イギリス積み(いぎりすづみ、English Bond)とは、煉瓦(レンガ)造の伝統的な積み方の一つで、長手(れんがの長い面)の段と小口(れんがの短い面)の段を交互に積み重ねる工法で、現代の伝統的な煉瓦造建築における代表的な積み方の一つとして広く認識されている。煉瓦の積み方は、(1)イギリス積み(English Bond、長手と小口の段を交互)、(2)フランス積み(French Bond、各段で長手と小口を交互配置、フレミッシュ・ボンドとも)、(3)長手積み(Stretcher Bond、すべての段が長手のみ、現代の標準)、(4)小口積み(Header Bond、すべての段が小口のみ、特殊用途)、(5)ヘリンボーン積み(Herringbone Bond、装飾用斜め積み)、と多様である。イギリス積みの特徴は、(A)強度が高い(長手と小口の組合せで縦・横の強度バランスが優れる)、(B)伝統的な意匠(19世紀の英国建築・植民地建築で広く採用)、(C)目地パターンが規則正しく整然としている、(D)煉瓦の数量計算が容易、(E)耐震性に優れる(地震時の壁体崩壊リスクが低い)、などである。日本では、(i)明治維新後の近代化期に欧米から導入、(ii)富岡製糸場(群馬県、1872年、世界遺産)、(iii)日本銀行本店(東京、1896年、辰野金吾設計、重要文化財)、(iv)東京駅丸の内駅舎(1914年、辰野金吾設計、重要文化財)、(v)旧岩崎邸庭園(東京)、(vi)赤レンガ倉庫(横浜)、などの歴史的建築で広く採用された。現代では、歴史的建築の修繕・復元、レンガ造リノベーション、擬古的意匠の新築建築、外構工事(門柱、塀、暖炉)、などで活用される伝統技法である。マンション・ビル・ホテルの大規模修繕工事では、歴史的建築の煉瓦壁修繕、擬古的レンガ意匠のメンテナンス、などで対応する。明誠は伝統的工法から現代工法まで多彩な意匠の建物に対応する技術力を備える。

