用語集
インディゴディスチャージ
インディゴディスチャージ(Indigo Discharge)とは、19世紀イギリスの装飾デザイナーであり詩人・思想家でもあったウィリアム・モリス(William Morris、1834〜1896)が完成させた藍染プリント技法を指す建築・インテリアの専門用語である。「ディスチャージ」とは「抜染」「抜き染め」を意味し、布地全体をインディゴ(藍)で深く染め上げた後、化学薬品(酸化剤)で文様部分の藍色を抜く(抜染する)ことで、深い藍色の地に淡い文様を浮かび上がらせる伝統的染色技法である。モリスは1875〜1881年にかけて、ロンドン郊外のマートン・アビーに自社工房を設立し、機械化された大量生産品に対抗するため、中世以来の手仕事による高品質な染色・織物・壁紙の生産にこだわった。インディゴディスチャージ技法はそのなかでも最高傑作の一つで、自然の藍を使った深い色合いと、抜染による繊細な文様表現が、現代でも色褪せない美しさを放っている。代表的なパターンには「Snakeshead(蛇頭)」「Strawberry Thief(イチゴ泥棒)」「Brother Rabbit(兄弟ウサギ)」「Bird and Anemone(鳥とアネモネ)」などがあり、現在もウィリアム・モリス・アンド・カンパニーの後継であるサンダーソン社(Sanderson、英国王室御用達)から、Morris & Co.ブランドとして壁紙・ファブリック・室内装飾品が販売されている。日本ではサンゲツが「モリス&コーポレーション」シリーズとして輸入販売しており、高級住宅・ホテル・カフェ・サロンなどのインテリアで使われている。マンション・ビル・ホテルの大規模修繕工事における共用部・専有部の意匠刷新提案でも、モリス壁紙の採用は格調高い空間演出と差別化戦略の有効な手段である。明誠フランチャイズの内装工事専門会社と連携し、伝統的な意匠の現代的活用を通じて、収益不動産オーナーの資産価値向上を支援している。

