用語集
エアレーションタンク
エアレーションタンク(Aeration Tank、曝気槽)とは、下水処理場・浄化槽における活性汚泥法(Activated Sludge Process)の中核となる処理装置で、空気を強制的に送り込み(曝気)、活性汚泥(微生物の集合体)を活性化し、下水中の有機物・栄養塩(窒素・リン)を分解処理する、現代の下水処理・水質浄化技術における基本的な処理施設概念である。本タンクの主要機能は、第一に「酸素供給」(コンプレッサーから空気を送り、微生物が呼吸できる溶存酸素を確保)、第二に「混合撹拌」(汚泥と汚水の十分な接触)、第三に「有機物分解」(BOD・CODの除去、微生物による生物分解)、第四に「窒素除去」(硝化・脱窒反応、好気・無酸素条件の切り替え)、第5に「リン除去」(生物学的リン除去、好気・嫌気の切り替え)、第六に「処理水と汚泥の分離」(次工程の沈殿槽で分離)などである。活性汚泥法は1914年に英国で発明された生物学的処理法で、現代までに世界中で広く採用されている下水処理法のスタンダードである。処理プロセスの分類として、第一に「標準活性汚泥法」(最も標準的、滞留時間6〜8時間)、第二に「酸化溝法・オキシデーションディッチ法(OD法)」(小規模、滞留時間24時間以上)、第三に「ステップエアレーション法」(多段曝気)、第四に「A2O法(嫌気・無酸素・好気の組合せ、窒素リン除去対応)」、第五に「MBR法(メンブレンバイオリアクター、膜分離型)」、第六に「回分式活性汚泥法(SBR法、シーケンシングバッチリアクター)」など、用途・処理水質要求に応じた選定が行われる。日本の下水処理場の数は約2,200箇所、下水処理人口普及率は約81%(2023年)で、首都圏・関西圏では95%以上に達している。代表的な下水処理機器メーカーは、株式会社クボタ、月島機械、メタウォーター株式会社、栗田工業、三菱日立パワーシステムズ、新日鉄住金エンジニアリング、株式会社安川電機、株式会社荏原製作所などである。マンション・ビル・ホテルの大規模修繕工事における直接関連は限定的だが、敷地内の浄化槽・小規模下水処理設備の維持管理・改修・部品交換などで関連知識が活用される。明誠フランチャイズの設備工事専門会社が対応し、JCSAでも環境設備関連のセミナーを定期開催している。

