用語集
入母屋造
入母屋造(いりもやづくり、英:Irimoya-zukuri Architectural Style)とは、日本の伝統的建築様式の一つで、入母屋形式の屋根を採用した建物の建築様式の総称を指す。前述の通り、入母屋屋根は切妻屋根と寄棟屋根を組み合わせた最高格式の屋根形式で、入母屋造はこの屋根を載せた建物全体の建築様式・構造形式・意匠形式を表す。日本建築史における入母屋造の沿革は、第一に飛鳥時代・奈良時代以前の社寺建築への導入、第二に平安時代の貴族住宅(寝殿造)への展開、第三に鎌倉時代・室町時代の武家屋敷・禅宗建築への普及、第四に安土桃山時代・江戸時代の城郭建築・武家屋敷・大型民家への発展、第五に明治・大正・昭和の歴史的建造物への継承、第六に現代の伝統建築・近代和風建築への再現、と長い歴史を持つ。入母屋造の構造的特徴は、第一に上部切妻と下部寄棟の組合せによる重層的屋根構造、第二に深い軒の出(軒先が建物外壁から1〜2m以上突き出る)、第三に複雑な小屋組(梁・桁・母屋・棟木・垂木・小屋束の精密な組み合わせ)、第四に妻部の意匠的造作(破風・懸魚・鬼瓦・妻壁・蟇股など)、第五に大壁造または真壁造の壁構造、などである。意匠的特徴は、第一に外観の格調と威厳、第二に伝統的な日本建築美の象徴、第三に四季の自然との調和、第四に風雨に強い屋根性能と日射制御性能、第五に内部の小屋裏空間の活用、などである。代表的な入母屋造建築は、姫路城・松本城・伊勢神宮内宮御正殿(神明造の発展)・東大寺大仏殿(変形入母屋)・京都御所・各地の大型民家・現代の高級和風住宅・伝統旅館・観光ホテルなどである。マンション・ビル・ホテルの大規模修繕工事で入母屋造の建物に対応する場合、伝統工法の知識・技能を持つ職人による精密な修繕が必須となる。明誠フランチャイズの伝統建築対応専門会社が、文化財建築や和風建築の修繕にも対応できる体制を整えている。

