用語集
内ダイアフラム
内ダイアフラム(うちダイアフラム、Internal Diaphragm、Inner Diaphragm)とは、鉄骨造の柱内部に設けるダイアフラム(板状の補強材)を指し、柱と梁の接合部の応力伝達・剛性確保を担う鉄骨造の重要構造部材概念である。鉄骨造の柱と梁の接合部では、梁から柱への応力(曲げ・せん断・軸力)を確実に伝達する必要があり、そのためにダイアフラムが設けられる。設置位置による分類として、第一に「通しダイアフラム」(柱を切断して板を貫通させる方式、最も標準的)、第二に「内ダイアフラム」(柱を切断せず内部に板を設置)、第三に「外ダイアフラム」(柱外周に板を設置)の3形式がある。本部材の特徴は、第一に「柱を切断不要」(柱の連続性を保てる)、第二に「外観がすっきり」(柱断面が変化しない)、第三に「施工性で劣る」(柱内部への溶接が困難で、特殊溶接技術が必要)、第四に「品質管理が難しい」(内部溶接の検査が困難)などである。これらの理由から、内ダイアフラムは、特殊な部位(柱継手部、特定の意匠要求、構造上の必要性等)で限定的に使われ、現代鉄骨造では一般に通しダイアフラム形式が標準採用される。設計上の検討事項は、第一に「板厚」(梁フランジ厚と同等以上)、第二に「材質」(柱と同等の鋼種、SS400、SM490等)、第三に「溶接方式」(完全溶け込み溶接、エレクトロスラグ溶接)、第四に「品質検査」(超音波探傷検査、放射線検査)、第五に「降伏荷重の確保」(梁先行降伏の確保、保有耐力接合の実現)などである。代表的な鉄骨造構法・関連設計基準は、第一に「日本建築学会鉄骨構造設計規準」、第二に「建築基準法・施行令」、第三に「日本鋼構造協会基準」、第四に「鉄骨技術指針(日本建築センター)」など。代表的な鉄骨製作会社(ファブ)には、巴コーポレーション、駒井ハルテック、日鉄建材、住友重機械工業、JFEシステムズ、東京鐵骨橋梁、丸藤シートパイル、日本鉄塔工業など。マンション・ビル・ホテルの大規模修繕工事における鉄骨造の補強・改修工事において、ダイアフラムの追加設置・補強が必要となる場合がある。耐震補強工事・増築工事・用途変更工事などで、既存鉄骨造の応力評価と必要な補強設計が行われ、内ダイアフラム・通しダイアフラム・外ダイアフラムの最適選定が判断される。明誠フランチャイズの構造補強工事専門会社では、鉄骨造の知識を有する一級建築士・構造設計者と連携した提案が可能。JCSAでも鉄骨造・耐震補強の技術セミナーを定期開催している。

