用語集
埋め戻し
埋め戻し(うめもどし)とは、建築工事・土木工事における掘削後の地盤回復作業を指し、基礎工事・地下構造物工事・地中埋設管工事などで掘削した地盤を、施工完了後に良質な土砂で埋め戻して原状回復する一連の工程概念である。基礎工事における埋め戻しの目的は、第一に「基礎周囲の地盤強度・拘束力の回復」、第二に「外周地盤面の整地・仕上工事下地確保」、第三に「埋設配管・配線の保護」、第四に「シロアリ侵入防止・断熱層形成」、第五に「景観・水平面の確保」などである。埋め戻し材料は、第一に「現場発生土の良質土再利用」(コスト最小だが品質管理難)、第二に「山砂・砕石・再生砂」(標準的)、第三に「流動化処理土・改良土」(液状化リスク低減や高品質要求現場で採用)、第四に「軽量盛土材(発泡スチロール・気泡軽量土)」(地盤沈下リスク回避)などが用途・地盤条件に応じて選定される。施工管理上の最重要ポイントは、「層厚300mm程度ごとの締固め(転圧)」と「土の含水比管理」「乾燥密度試験」「沈下試験」などの品質管理である。不十分な締固めは、後の地盤沈下を招き、土間コンクリート・玄関ポーチ・庭・外構などの沈下クラック・浮き・段差を発生させる主要原因となる。1995年阪神淡路大震災・2011年東日本大震災では、埋め戻し不良に起因する建物周辺地盤の沈下被害が多発し、その後の現場では締固め品質管理が一層厳格化された。マンション・ビル・ホテルの大規模修繕工事においては、外構・玄関アプローチ・駐車場・植栽帯などの周辺地盤の沈下・段差・水溜り・配管周りのクラックが定期的な補修課題となり、明誠フランチャイズの外構工事専門会社・防水工事専門会社が連携して、再埋戻し・配管周りの止水・舗装の打ち替えなどを一括対応している。新築時から30〜40年経過したマンションでは特に埋戻し起因の不具合が顕在化しやすく、調査診断時の重要チェック項目である。JCSAでも土工事関連の技術セミナーを開催している。

