用語集
埋立地
埋立地(うめたてち)とは、海・湖・河川・沼地などの水域を、土砂・建設発生土・廃棄物(焼却灰・産業廃棄物)・浚渫土などで埋め立てて陸地化した造成地を指し、日本においては明治期以降の港湾整備・工業用地造成・住宅地開発の中核手段として活用されてきた土地造成形態である。代表的な大規模埋立地として、東京湾岸(豊洲・有明・お台場・晴海・東雲・夢の島・若洲・葛西沖・舞浜)、大阪湾岸(咲洲・夢洲・舞洲・南港)、神戸湾岸(ポートアイランド・六甲アイランド)、横浜湾岸(みなとみらい21・本牧)、名古屋港、関西国際空港、中部国際空港、東京国際空港(羽田D滑走路)などがあり、いずれも戦後の日本経済発展を支えてきた重要な経済基盤である。埋立地の不動産的特性として、第一に「平坦で広大」(大規模開発に適する)、第二に「地盤強度の不均一性」(液状化リスク、長期沈下リスク)、第三に「塩害・海風リスク」(外装材の早期劣化)、第四に「海・港・夜景の眺望価値」、第五に「都心アクセスの良さ」(湾岸高速・地下鉄延伸など)などが挙げられる。建築物の設計・施工面では、液状化対策として深層混合処理工法・サンドコンパクションパイル工法・グラベルドレーン工法などの地盤改良が必要不可欠で、また長期沈下対策として杭基礎(支持杭・摩擦杭)の採用が標準的である。2011年東日本大震災では浦安市の埋立地で大規模な液状化被害が発生し、戸建住宅の傾き・道路の陥没・上下水道管の損壊などの被害が多発した。これを契機に、埋立地の不動産価値・大規模修繕需要への影響が再認識され、長期的視点での建物維持管理計画の重要性が高まった。マンション・ビル・ホテルの大規模修繕工事においては、埋立地立地の建物は塩害・強風・液状化リスクへの配慮が必要で、外装材の選定・防水仕様・基礎修繕などで一般地と異なる対応が求められる。明誠ではロープアクセス工法による湾岸高層物件への対応力を強みとし、塩害環境下での高耐久仕様の改修提案を行っている。JCSAでも湾岸建築の維持管理セミナーを開催している。

