用語集
板倉構法
読み方
いたくらこうほう
板倉構法(いたくらこうほう、Itakura Construction Method)とは、柱間に厚板(30〜45mm程度)を落とし込んで壁を形成する伝統的な日本の木造構造工法で、奈良・平安時代の校倉造(あぜくらづくり)に源流を持ち、近年は現代版として再評価・標準化が進められている注目の木造構法である。基本構造は、(1)柱・梁による軸組構造、(2)柱間に厚板を上下左右に組み合わせて落とし込み、(3)板材自体が壁体・耐震壁・断熱層・蓄熱層を兼ねる、(4)木材使用量が在来軸組工法の2〜3倍と多い、(5)構造接合部は伝統的木組み(金物併用も可)、などの特徴を持つ。利点は、(A)木材使用量増加によるCO2固定量増(脱炭素貢献)、(B)厚板の蓄熱性能による快適な温熱環境、(C)木材調湿効果による室内環境改善、(D)木の香り・木目の意匠性、(E)耐震性(厚板壁による剛性)、(F)耐火性(厚板の燃え代設計)、などである。欠点は、(i)建設コストが在来工法より2〜3割高、(ii)木材調達コストの変動リスク、(iii)施工に熟練大工技能が必要、などである。代表事例は、(α)東日本大震災後の応急仮設住宅(福島県等で建設)、(β)板倉造の標準化(板倉建築協会の規格整備)、(γ)公共建築・福祉施設・住宅での採用拡大、(δ)地域材活用と組み合わせた地産地消型建築、などである。マンション・ホテル等の大規模修繕とは異なる新築木造分野の動きだが、明誠はJCSA(一般社団法人全国建設業支援協会)運営を通じ、木造を含む建設業全般の技術動向情報共有・経営支援を行っている。

