用語集
浮き床構造
浮き床構造(うきゆかこうぞう、Floating Floor Structure)とは、建物の構造躯体(コンクリートスラブ・木造梁)から弾性支持材を介して支持された浮き状の床構造を指し、上下階・隣室間の固体伝搬音・振動の遮断を実現する現代の遮音・防振技術の中核構造概念である。前項「浮き床」とほぼ同義であるが、特に「構造」としての観点から、躯体・支持材・上層床材の組合せ全体を一体的に表現する用語である。設計上の主要パラメータは、第一に「弾性支持材の固有振動数(共振周波数)」(10〜30Hz程度に設定、これより高い周波数の振動を効果的に遮断)、第二に「上層床の質量」(重量が大きいほど慣性質量による遮音効果が高い)、第三に「弾性材の配置密度」(均等分散配置)、第四に「立上り部の縁切り処理」(弾性材から壁・梁への直接接触を回避)、第五に「設備配管の振動絶縁」(給排水管・電気配線も弾性支持)などが挙げられる。具体的な構成例として、第一に「マンション標準浮き床」(既存スラブ→グラスウール緩衝材30〜50mm→パーティクルボード15〜20mm→フローリング12〜15mm、LL-45等級程度)、第二に「ハイグレード浮き床」(既存スラブ→ゴム製防振パッド→コンクリート薄打50〜80mm→フローリング、LL-40等級以下)、第三に「スタジオ用浮き床」(既存スラブ→スプリング防振→コンクリート150〜200mm→仕上、極めて高い遮音性能)などがある。建築基準法・住宅性能表示制度における床衝撃音遮断等級(LL/LH等級)の達成手段としても活用される。代表的なメーカー・施工会社には、東京防音、大同防音、Yamaha音響、ニッタイ工業、ベル工業、株式会社サウンドユー、サウンドプロなど。マンション・ビル・ホテルの大規模修繕工事における専有部リフォーム提案では、上下階の遮音性能向上を目的とした浮き床構造への改修が、住民満足度向上・賃料水準維持・売却価格向上の差別化戦略として有効である。特にホテルの客室・サービスアパートメントでは、宿泊客のクオリティオブステイ確保の観点から遮音性能が重要視される。明誠フランチャイズの内装・設備工事専門会社では、防音・遮音工事の総合対応が可能で、収益不動産オーナーへの長期的な資産価値維持提案を行っている。JCSAでも遮音・防振技術の最新トレンドを加盟会社に発信している。

