用語集
浮づくり
浮づくり(うづくり、浮造り)とは、木材の表面を、藁束・ワイヤーブラシ・サンドペーパーなどで擦って柔らかい部分(春材・夏材)を削り取り、硬い部分(年輪・冬材)を浮き上がらせて木目を立体的に強調する伝統的な日本の仕上技法を指す現代の和風建築・伝統工芸の技法概念である。日本古来の伝統技法で、平安時代から行われたとされる歴史を持ち、現代でも和風建築・茶室・床の間・寺社建築・家具・建具などで活用される現代の意匠性の高い表面仕上である。技法の特徴は、第一に「年輪の立体的表現」(春材の柔らかい部分を削り取り、夏材の硬い部分が浮き上がる)、第二に「自然な質感」(人工的でない、木の本来の表情を引き出す)、第三に「触感の向上」(凹凸のある手触り、温かみのある感触)、第四に「経年変化の美しさ」(年月とともに艶やかさが増し、深みが増す)などが挙げられる。製作工程は、第一に「素材選定」(杉、ヒノキ、栂、松などの針葉樹が中心、年輪のはっきりしたものを選定)、第二に「乾燥・荒削り」、第三に「藁束・ブラシ磨き」(藁束をかしら状に束ねて表面を擦る、ワイヤーブラシ・パイレックスブラシも併用)、第4に「水拭き・乾燥」(仕上前の調整)、第5に「オイル・蜜蝋・漆等の仕上塗装」(自然塗料で保護)の流れで進められる。現代では機械化された浮造り加工も普及しており、サンディングマシンとブラシマシンを組み合わせた量産品も流通している。主な用途は、第一に「和風建築の床板・天井板」(伝統的な和室、料亭、旅館)、第二に「和風家具」(茶箪笥、座卓、衝立、書院)、第三に「茶室の建具・床柱」、第4に「寺社建築の装飾部材」、第五に「現代和モダン住宅のアクセント」(モダンな空間に伝統技法を取り入れる)、第六に「ホテル・旅館の和テイスト演出」などである。代表的な施工会社・職人には、京都・奈良の伝統工務店、東京の宮大工、和風建築専門会社、伝統工芸品店などがある。マンション・ビル・ホテルの大規模修繕工事における和風意匠の共用部・専有部リニューアル提案では、浮造り仕上の床板・天井板の採用が、伝統と現代を融合させたジャパンディスタイルの差別化要素として有効。明誠フランチャイズの内装工事専門会社では、和風建築の伝統技法の知識を蓄積し、収益不動産オーナーへの差別化提案を提供している。JCSAでも伝統技法・和風建築の技術セミナーを定期開催している。

