用語集

漆塗り

読み方
うるしぬり

漆塗り(うるしぬり、Lacquer Coating)とは、天然漆を建具・家具・器物・建築部材の表面に塗り重ねて、耐水性・耐久性・装飾性を付与する日本の伝統的な仕上技法を指し、最低でも10〜20回以上の塗り重ねを経て深い光沢と耐久性を実現する高度な工芸技術概念である。標準的な漆塗りの工程は、第一に「素地作り(木地の整形・研磨・節埋め・布張り)」、第二に「下地塗り(地の粉・砥の粉・漆混合物を10〜15回以上塗り重ねて研ぐ)」、第三に「中塗り(中漆を3〜5回塗り重ねて研ぐ)」、第四に「上塗り(精製済みの上漆を2〜3回塗り重ねる、極めて慎重な作業)」、第五に「呂色仕上げ(ロイロ研ぎ、磨き、最高級の鏡面仕上)」と多段階で進行し、各工程ごとに乾燥(漆風呂、温湿度管理)と研磨を繰り返す。仕上の分類として、第一に「呂色塗り(ろいろぬり、漆器の最高級仕上、鏡面光沢)」、第二に「塗立て(ぬりたて、光沢ある均一な平滑仕上)」、第三に「拭き漆(生漆を木地に擦り込み拭き取りを繰り返す素地強調仕上)」、第四に「春慶塗り(透明漆で木目を活かす仕上、岐阜・能代・秋田が産地)」、第五に「朱塗り・黒塗り・蒔絵地(金粉・銀粉装飾の基礎仕上)」などがあり、用途・産地・工房により多彩なバリエーションを持つ。代表的な漆塗り産地は、輪島塗(石川県、加飾・堅牢で最高級)、会津塗(福島県、量産・実用品)、木曽漆器(長野県、和家具)、京漆器(京都府、宮中・寺社御用達)、津軽塗(青森県、唐塗・七々子塗の独特技法)、香川漆器(蒟醤・存清の独自技法)、琉球漆器(沖縄、堆錦の華麗装飾)など全国に存在する。社寺建築の朱塗り・黒塗り柱、住宅建具の漆塗り扉、和家具・茶道具・神饌器・楽器などで用いられる。マンション・ビル・ホテルの大規模修繕工事との関連は、高級和風ホテル・伝統旅館・社寺建築・茶室併設施設の維持管理・補修にあり、明誠フランチャイズの伝統建築対応の建具・塗装専門会社が対応する。JCSAでも伝統建築技能・文化財関連のセミナーを開催し、加盟会社の対応力強化を支援している。

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