用語集

石垣勾配

読み方
いしがきこうばい

石垣勾配(いしがきこうばい、Stone Wall Slope)とは、石垣の前面が垂直からどれだけ傾いているかを示す勾配(傾き)のことで、石垣の構造耐力と意匠美の両立を決定する重要な設計パラメータである。日本の城郭石垣で見られる代表的な勾配は、(1)扇の勾配(おうぎのこうばい):最下部は緩やかで、上部に向かうほど急になる二次曲線(放物線)状の勾配。熊本城・大阪城などに見られ、武者返しとも呼ばれる、(2)寺勾配(てらこうばい):中段が最も緩く、上部にかけて再び急になるS字状の勾配、(3)反り(そり)勾配:上部が急で下部が緩いカーブ、(4)直線勾配:一定の勾配で直線的に積む(一般的擁壁)、などである。勾配の理論的根拠は、(A)背面盛土の土圧分布(下部ほど大きい)に対応した安定計算、(B)地震時の慣性力分散、(C)登攀困難性(武者返し効果)、(D)視覚的な美しさと安定感の演出、などである。一般的な数値は、(i)戦国期の野面積みで70〜80度(緩い勾配)、(ii)江戸期の切込み接ぎで75〜85度(急勾配)、(iii)現代の擁壁工で60〜70度(コンクリート擁壁)、(iv)大谷石擁壁で75〜80度、などである。マンション・ホテルの大規模修繕に伴う既設擁壁・石垣の補修・改修では、勾配維持と排水機能確保が両輪となる。明誠は3工法(足場・ロープアクセス・ハイブリッド)の中から、擁壁・石垣の高さ・勾配・周辺環境に応じた最適工法を提案でき、フランチャイズ加盟の各専門業者と連携した総合修繕を実現する。

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