用語集

稲妻釘

読み方
いなずまくぎ

稲妻釘(いなずまくぎ、英:Zigzag Nail、Bent Nail)とは、釘の形状が直線ではなく稲妻(雷光)状にジグザグに屈曲した特殊形状の釘を指す建築金物用語である。一般的な釘は頭部・胴部・先端部からなる直線形状を呈するのに対し、稲妻釘は胴部がジグザグ状に屈曲しており、引抜き抵抗を大幅に高める設計となっている。主な用途は、第一に古い木造建築の伝統工法における仕口・継手の補強(特に和小屋・寄棟・入母屋などの屋根架構接合部)、第二に薄板・合板など割れやすい材料の留め付け(普通釘で割れる材料への対応)、第三に振動・引抜き荷重がかかる部位の補強(地震・台風時の建物変形への対応)などである。稲妻釘の屈曲形状により、釘を打ち込んだ際に木材繊維を絡め込むように貫入し、引抜きに対し直線釘の数倍の抵抗力を発揮する。日本の伝統的木造建築では古くから多用されてきた金物で、社寺建築・神社仏閣の修復現場、伝統民家・古民家の改修現場、文化財建築の保存修理などで現在も使用されている。現代建築では、伝統工法の応用として、棟梁・大工・宮大工が独自に手作りで稲妻釘を製作するケースもあり、職人の腕の見せ所となっている。一方、現代の工業生産製品としては、ステンレス製・特殊鋼製の稲妻釘も流通しており、特殊用途向けの専門金物として位置付けられる。マンション・ビル・ホテルの大規模修繕工事は鉄筋コンクリート造・鉄骨造の比率が高く、稲妻釘の使用機会は限定的だが、和風建築要素を取り入れた共用部(ラウンジ・茶室・和室)の補修や、伝統工法の戸建賃貸住宅の改修などで活躍する。明誠フランチャイズの大工・建具工事専門会社が、伝統工法の知見を活かした繊細な木工事リニューアルに対応している。

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