用語集

蟻

読み方
あり

蟻(あり、Dovetail Joint)とは、木造建築の伝統的な仕口・継手の一つで、アリの頭部に似た台形状の凸形状を別部材の凹形状に挿入する形態の接合方式を指す建築用語である。蟻の形状は引抜き方向に対して台形が広がる構造のため、一度組合せると引抜きに対して強い抵抗力を発揮する優れた接合形式で、(1)土台と柱の仕口、(2)大引と根太の仕口、(3)床組の仕口、(4)梁と桁の継手、(5)家具の引出し前板と側板の継手、など多様な用途で活用される。蟻仕口の主な種類は、(A)蟻継ぎ(蟻つぎ):長手方向の継手、(B)蟻掛け(ありかけ):横材を縦材に掛ける仕口、(C)腰掛け蟻継ぎ:蟻継ぎに腰掛け加工を加えた強化版、(D)追掛大栓継ぎ:上下の蟻と栓で組合せる複雑な継手、(E)車知栓蟻継ぎ:車知栓を打ち込んで固定する継手、などがある。日本の伝統木造建築(社寺・茶室・古民家)では、釘・金物を使わず木組みだけで構造を組み立てる「木組み」が基本で、蟻はその中核技術の一つである。職人の経験と技術で精密な蟻加工を行うには長年の修行が必要で、(i)墨付け(正確な印付け)、(ii)鋸引き(精密な切断)、(iii)鑿(のみ)による仕上げ、(iv)組立・矯正、の各工程で熟練の技が要求される。近年は機械加工(プレカット)で蟻加工も自動化が進んでいるが、文化財・社寺・伝統建築の修復では手刻みの技術が継承されている。マンション・ビル・ホテルの大規模修繕工事で和風意匠住戸・伝統建築部分の修復が必要な場合、明誠は提携する宮大工・伝統木造職人との連携で対応可能である。

← 用語集一覧へ戻る

お気軽にご相談ください!