用語集
飛鳥建築
飛鳥建築(あすかけんちく)とは、飛鳥時代(6世紀末から8世紀初頭、592年〜710年)に日本で展開された仏教伝来直後の初期仏教建築様式の総称で、朝鮮半島・中国大陸からの仏教文化伝来とともに、それまで日本の主流であった原始神道に基づく素朴な木造建築(縄文・弥生・古墳時代の建築)から、初めて本格的な仏教伽藍建築への大きな転換が起こった日本建築史の画期となる時代である。仏教は538年(一説に552年)に百済の聖明王から欽明天皇に伝来したとされ、その後、蘇我馬子・聖徳太子らによる仏教興隆策のもとで、飛鳥寺(596年完成)、四天王寺(593年創建)、法隆寺(607年創建、現存西院伽藍は再建後の遺構)などの大規模仏教寺院が建立された。飛鳥建築の特徴は、(1)朝鮮半島・中国大陸の影響を強く受けた瓦葺き・礎石建物・塔・金堂・回廊などの伽藍配置、(2)エンタシス柱(中央部がやや膨らんだ柱、ギリシャ・ローマ建築からインド・西域・中国・朝鮮を経由して伝来)、(3)卍崩しの高欄・人字割束・雲斗雲肘木などの独特の意匠装飾、(4)柱間装飾の連子窓・蓮華文の鬼瓦・八葉複弁蓮華文の軒丸瓦、(5)一塔三金堂式・一塔一金堂式などの伽藍配置、などが挙げられる。世界最古の木造建築物である法隆寺金堂・五重塔・中門・回廊(西院伽藍)は、現存する飛鳥建築の代表例として国宝・世界文化遺産に指定されている。マンション・ビル・ホテルの大規模修繕工事の直接対象とはならないが、社寺建築・文化財建造物の修復・保存工事・伝統建築の再現工事において、飛鳥建築の様式・技法・素材の知見は極めて重要で、明誠ではフランチャイズ加盟の伝統建築・宮大工・左官・瓦工事の専門家と連携することで、文化財から最新マンションまでフルカバーする総合修繕プロバイダーとしての地位を確立している。

