用語集
RAエネルギーアブソーバー
RAエネルギーアブソーバー(Rope Access Energy Absorber、ショックパック、墜落衝撃吸収器)とは、ロープアクセス作業中に万一墜落事故が発生した際、墜落時の急激な制止衝撃を吸収して、作業者の身体に加わる衝撃力を6kN(約612kgf)以下に低減することで、内臓損傷・脊椎損傷・致命傷を防止する安全装備である。RAエネルギーアブソーバーは、ヨーロッパ規格EN355(フォール・アレスト用エネルギーアブソーバー)、米国規格ANSI Z359.13、日本国内では労働安全衛生規則・墜落制止用器具の規格(厚生労働省告示第11号)、JIS T 8165などの安全規格に準拠して設計・製造される。動作原理は、(1)墜落時にエネルギーアブソーバー内部の特殊織りウェビングが段階的に裂ける・伸びる、(2)この破断・伸長過程で運動エネルギーを熱エネルギー・摩擦エネルギーに変換して吸収する、(3)結果として作業者に加わる衝撃力を緩和する、というメカニズムである。動作時に伸長する長さは0.5〜1.75m程度で、墜落距離を計算する際にはこの伸長長さも考慮した墜落安全距離(クリアランス)の確保が必須となる。代表的な製品形態としては、(A)ランヤード一体型(ランヤードの両端にカラビナ、中間部にエネルギーアブソーバー)、(B)ハーネス装着型(フルハーネスの背中側D環に直接装着)、(C)救助用エネルギーアブソーバー(救助活動時専用)、などがあり、用途に応じて使い分ける。主要メーカーには、フランスのPETZL社(ABSORBICA系列)、米国のCAPITAL SAFETY社(DBI-SALA社のSHOCK ABSORBER)、ドイツのSKYLOTEC社、米国のMSA社、英国のISC社など、世界的なロープアクセス・産業安全用品メーカーが取り扱っている。RAエネルギーアブソーバーの使用時の重要な注意点として、(i)墜落距離(フリーフォール)を最小化するため、できる限りアンカーポイントは高い位置に取る、(ii)墜落安全距離(クリアランス)を確実に確保する(一般に2.5m以上)、(iii)一度墜落動作で作動したエネルギーアブソーバーは強度が低下しているため必ず廃棄・交換、(iv)目視点検で破断・伸長の有無を確認する、(v)耐用年数(一般的に製造から10年)を超えたものは使用しない、などがある。明誠グループのロープアクセス作業者は、フルハーネス・ロープ・ディセンダー・アセンダー・ランヤード・カラビナ・ヘルメットなどと一体でエネルギーアブソーバーを必ず装着し、労働安全衛生法・ロープ高所作業のロープアクセス工法ガイドライン(厚生労働省)に完全準拠した安全管理体制で施工を行っている。

