用語集
RAキャプティブカラビナ
RAキャプティブカラビナ(Rope Access Captive Carabiner、回り止め機構付きカラビナ)とは、ロープアクセス作業時に使用する安全機構付きのカラビナの一種で、カラビナ本体の長軸方向に対してハーネスのD環・アタッチメントポイントへの取付方向を一定に保ち、誤動作・誤開放を防止する「キャプティブバー(Captive Bar)」と呼ばれる回り止め機構を備えた専門カラビナを指す。一般的なロープアクセス用カラビナは、開閉式のゲート(ロック機構)を持ち、ロープ・スリング・他のカラビナ・装備品との連結に使用されるが、ハーネスのD環に取り付ける際、カラビナがD環内で自由に回転・反転してしまうと、(1)長軸方向ではなく横軸方向に荷重がかかる「ゲート荷重」(カラビナの破壊強度が大幅に低下する危険な荷重方向)が発生する、(2)ゲート部分がD環に押し当てられた状態で意図せず開放してしまう、(3)作業中の不安全な姿勢時にカラビナがハーネスから脱落する、などの重大事故リスクが発生する。RAキャプティブカラビナは、カラビナとD環の接合部にゴム製または金属製の小さなバー・スリーブを設け、カラビナの動きをD環の長軸方向に固定する仕組みを採用することで、これらのリスクを根本的に防止する設計となっている。製品の代表例としては、フランスPETZL社のOK BARS・WILLIAM・OXAN・AM’D(一部)、米国DMM社のRHINO・CHAINBLOCK、米国CMC RESCUE社のキャプティブカラビナ、ドイツSKYLOTEC社のOKシリーズなどがあり、いずれもEN362(コネクター規格)・EN12275(マウンテニアリングコネクター規格)・UIAA(国際山岳連盟)認証など、世界的な安全基準に準拠している。素材はクロムモリブデン鋼・アルミニウム合金が主流で、強度はメジャー軸(長軸)方向で20〜30kN(約2040〜3060kgf)、ゲート閉時のマイナー軸(横軸)方向で7〜10kN、ゲート開時で6〜8kNを確保する。重量は80〜200g程度で、用途・素材により異なる。明誠グループのロープアクセス作業者にとって、RAキャプティブカラビナはハーネスの主要D環(背中・前面・腰部・サイド)に常時装着する基本装備の一つで、ロープアクセス工法ガイドライン(厚生労働省)・ロープ高所作業の作業計画書策定基準・労働安全衛生法・労働安全衛生規則などの法令と、明誠の独自安全管理基準(フランチャイズ加盟店共通基準)に完全準拠して、無事故・無災害の現場運営を実践する基本装備となっている。

