用語集
RAクライミングロープ
RAクライミングロープ(Rope Access Climbing Rope、ロープアクセス用クライミングロープ)とは、ロープアクセス工法による建築物の外壁修繕・点検・救助・荷揚げ作業において、作業者の体重・墜落衝撃・救助時荷重などを支える主要な動力ロープを指し、ヨーロッパ規格EN1891(ロープアクセス用低伸度静的ロープ規格)に準拠した、低伸度・高強度・耐摩耗性に優れた専用ロープを意味する。EN1891はロープアクセス装備の安全性能を国際的に統一するための規格で、ロープの最小破断強度(22kN以上)、低伸度特性(5%以下の伸び)、耐熱性(80℃以上で形態保持)、耐摩耗性(規定の摩耗試験を通過)、耐紫外線性(紫外線曝露後の強度維持)などの厳格な性能要求が定められている。EN1891にはタイプA(標準タイプ、外壁修繕・救助用)とタイプB(軽量タイプ、レスキュー専用)の2種類があり、ロープアクセス建築作業では主にタイプA(ロープ径10〜13mm)が使用される。代表的なメーカーには、ベルギーのBEAL社(INTERVENTION・ANTIPODES・INDUSTRIE・INTERVENTION)、フランスのPETZL社(PARALLEL・AXIS・STRATO)、英国のEDELRID社、米国のSTERLING社、米国のNEW ENGLAND ROPES社(旧BlueWater)、米国のCMC RESCUE社、日本のESM社などがあり、ロープアクセス・救助・産業安全分野で世界的に使用されている。ロープの主要構造は、(1)芯材(コア、ナイロン繊維またはポリエステル繊維の編み糸)、(2)外被材(シース、ナイロン繊維またはポリエステル繊維の編み糸)、(3)色彩・識別マーカー、(4)端末処理(フライング・スプライス・端末固定)、で構成され、芯材が主な強度を担い、外被材が摩耗・紫外線・汚れから芯材を保護する役割を果たす。使用時の重要な注意点として、(i)製造から10年または使用開始から10年(いずれか短い方)を耐用年数の目安とする、(ii)使用後は必ず目視点検・触診点検を実施し、損傷・摩耗・硬化・退色・潰れ・断糸がないか確認する、(iii)汚れたロープは中性洗剤と水で洗浄し、直射日光を避けて陰干しする、(iv)酸・アルカリ・有機溶剤・高温熱源との接触を避ける、(v)墜落時の衝撃を受けたロープは廃棄する、(vi)使用記録(使用日数・荷重歴・点検結果)を装備管理簿に記録する、などがある。明誠グループのロープアクセス作業者は、EN1891準拠のRAクライミングロープを基本装備として常時携行し、安全性能の高い欧米製品を中心に運用することで、無事故・無災害の現場運営を実践している。

