用語集
ROA
ROA(Return On Assets、総資産利益率、総資本利益率)とは、企業が保有する全ての資産(総資産)を活用してどれだけの利益を生み出したかを示す財務指標で、企業全体の経営効率・資産運用効率を評価する代表的な収益性指標として、業種・規模を問わず広く使用される基本的な経営指標である。計算式は「ROA = 当期純利益 ÷ 総資産 × 100(%)」または「ROA = 営業利益 ÷ 総資産 × 100(%)」で、例えば総資産20億円の企業が当期純利益1億円を計上した場合、ROAは1÷20×100=5%となる。ROAの主な特徴と用途は、(1)負債を含む全ての資産活用効率の評価、(2)異なる業種・規模の企業間の比較、(3)経営者の総合的な資産運用能力の評価、(4)デュポン分析の構成要素(ROA = 売上高純利益率 × 総資本回転率)による経営要因分解、(5)資本構造(負債と自己資本のバランス)に影響を受けにくい純粋な事業収益性評価、(6)銀行・取引先からの信用評価指標、などが挙げられる。ROAとROE(自己資本利益率)の関係は、「ROE = ROA × 財務レバレッジ(総資産÷自己資本)」で表現され、ROAが高いほど(事業収益性が高いほど)、財務レバレッジを高めなくてもROEを高い水準に保てる健全な財務体質となる。一方、ROAが低い企業が高ROEを実現するには、過度な借入による財務レバレッジ拡大が必要となり、財務リスクが高まる。世界的にはROA 5%以上が「健全な企業」、10%以上が「優良企業」、15%以上が「超優良企業」とされ、業種により大きな差がある(製造業は5〜10%、IT業は15〜25%、銀行は1〜2%、不動産業は3〜5%程度が標準)。建設業・不動産業の経営においては、(A)大型重機・足場・建機の保有による総資産増加、(B)在庫資材・仕掛工事の管理、(C)不動産保有の効率化、(D)売上債権・買入債務の管理、(E)保有現金の効率運用、などがROAに大きく影響する。明誠グループおよびJCSAは、建設業向け経営支援の一環として加盟企業のROA分析・改善支援を提供し、資産運用効率の向上・財務体質改善・成長戦略立案に貢献している。

