大和市の12条点検|毎年報告と令和9年からの3年周期案、外壁全面打診の時期【2026年度版】

Q. 大和市のマンションやビル、ホテルは、12条点検(定期報告)の対象になるのか? 外壁の全面打診はいつ必要で、報告周期はこれからどう変わるのか?

A. 大和市は昭和61年から特定行政庁(建築確認や定期報告を自ら所管する行政機関)で、定期報告はまちづくり部建築指導課が担当しています。大和市の指定概要では、共同住宅は「サービス付き高齢者向け住宅に限る」とされており、住戸だけの一般的な分譲マンション・賃貸マンションは建築物の定期報告の対象外です。一方、ホテル・旅館、病院、物品販売店、飲食店などは規模によって対象になります。建築物の報告は現在「毎年」ですが、市は令和9年4月1日から3年ごとに見直す施行細則の改正案を示し、令和8年9月1日から10月2日まで意見募集を行いました(出典:大和市「大和市建築基準法施行細則の一部改正について ご意見をお寄せください」(PDF))。外壁の全面打診は、竣工・外壁改修・前回の全面打診からおおむね10年を超えたあとの定期調査で必要です(出典:国土交通省「定期報告制度における外壁のタイル等の調査について」)。

(最終更新:2026年10月19日/執筆時点の現行年度:令和8年度)

結論:大和市で12条点検の対象になる建物と、全面打診のタイミング

株式会社明誠は、東京都東大和市に拠点を置く大規模修繕の会社です。私は代表として20年以上、マンション・ビル・ホテルの修繕現場に立ってきました。神奈川県の12条点検シリーズは、横浜市・川崎市・相模原市から湘南エリア、県央の厚木市、県西の小田原市と巡ってきました。今回は県央の大和市を取り上げます。

大和市は、いま制度の「過渡期」にある市です。令和7年7月1日施行の国土交通省告示の改正を受けて、市は建築物の定期報告を「毎年」から「3年ごと」に見直す案を作りました。改正案の施行予定は令和9年4月1日です。つまり令和8年度(2026年度)は毎年報告のルールのままで、令和9年度からは周期が変わる可能性がある、という状態です。

大和市で「建築物」の定期報告が必要かどうかを、用途別に整理します。

建物の種類 大和市での定期報告(建築物) 対象になる規模の目安(いずれかに該当)
住戸だけの分譲マンション・賃貸マンション 対象外(共同住宅はサ高住に限る) -
サービス付き高齢者向け住宅 対象 規模要件あり(市の指定概要で確認)
ホテル・旅館 対象 床面積100㎡超の部分が地階または3階以上、または2階の床面積300㎡以上
百貨店・マーケット・物品販売店 対象 100㎡超の部分が地階または3階以上、2階500㎡以上、または3,000㎡以上
病院・有床診療所、料理・飲食店等 対象(規模要件あり) 用途ごとに指定
エレベーター・エスカレーター等の昇降機 対象(マンションのエレベーターも含む) 年1回の報告

(出典:大和市「定期報告を必要とする建築物・防火設備・建築設備の指定概要」(令和7年7月1日施行、PDF)。用途が避難階のみにあるもの、または当該床面積200㎡以下のものは除かれます。複数の用途が入る建物の判定は、個別に市へご確認ください)

全面打診の要否は、次の一文で判断できます。

「竣工、または前回の全面打診・外壁全面改修から10年を超えていれば、次の定期調査で全面打診が必要」

毎年報告の大和市では、「次の定期調査」は今のところ翌年の報告です。これが3年ごとになると読み方が変わるため、後ほど具体的に説明します。

建築基準法第12条の基本(定期調査と定期検査の違い)

建築基準法第12条は、多くの人が利用する建物の所有者・管理者に「建物の安全を有資格者に定期的に調べさせ、その結果を特定行政庁に報告する」ことを求める制度です。制度の全体像は国土交通省「建築基準法に基づく定期報告制度について」で確認できます。

12条には、建物本体を調べる「特定建築物定期調査」(1項)と、設備を調べる「建築設備・防火設備・昇降機等の定期検査」(3項)があります。外壁の打診は、1項の特定建築物定期調査のうち「建築物の外部」の項目に含まれます。調査ができるのは、一級・二級建築士か特定建築物調査員などの有資格者です。

区分 調べる対象 大和市の報告周期(令和8年度時点) 改正案(令和9年4月1日施行予定)
特定建築物定期調査(1項) 外壁・屋上・避難経路など建物本体 毎年 3年ごと
建築設備・防火設備の定期検査 換気・排煙・非常用照明・防火設備 毎年 毎年(対象を「定期報告対象建築物に設置された設備」に整理)
昇降機の定期検査 エレベーター・エスカレーターなど 毎年 改正案の資料では変更の記載なし

(出典:大和市 意見募集資料、大和市建築基準法施行細則 新旧対照表(案))

外壁の全面打診のルールは、平成20年国土交通省告示第282号で定められています。タイル・石貼り(乾式工法を除く)・モルタルなどの外壁で、落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分は、おおむね10年に一度、全面的に打診等で調べます。手の届く範囲の打診は「おおむね6か月から3年に一度」が目安です。令和4年1月18日の告示改正では、打診と同等以上の精度を持つ無人航空機(ドローン)による赤外線調査も、全面打診以外の方法として明確化されました(出典:国土交通省)。

全面打診が必要になるトリガー(竣工10年・外装改修10年・要調査判定・落下事故)

理事長さまやオーナーさまには、次の4つを「全面打診のきっかけ」としてお伝えしています。

  1. 竣工から10年を超えた:最初の全面打診の起点です。
  2. 外壁の全面改修から10年を超えた:タイル張替えや全面補修をした年から数え直します。
  3. 前回の定期調査で「要是正」の指摘を受け、改善が済んでいない:打診の範囲を広げて確認する必要があります。
  4. タイルの浮き・剥落の兆候が見つかった、または近隣で落下事故が起きた:報告の時期を待たず、全面打診で確かめます。

私の経験では、築12〜13年で初めて全面打診をした建物の多くで、地上から手の届く範囲では見えなかった浮きが、上層階の外壁から見つかります。外壁タイルは、見た目に変化がなくても、裏側の接着層が先に傷んでいるのが普通です。

大和市固有の運用:所管・提出先・報告の実態

所管はまちづくり部建築指導課、提出先は神奈川県建築安全協会

大和市は、定期報告に関する業務を民間の外部機関に委託しています。報告書の提出先は一般財団法人神奈川県建築安全協会で、様式も同協会のホームページからダウンロードできます。定期報告概要書(報告書の概要版)は、市役所4階の建築指導課で誰でも閲覧できます(出典:大和市「定期報告制度について」)。

項目 内容(公式資料掲載)
担当 大和市 まちづくり部 建築指導課 建築指導係
所在地 大和市下鶴間1-1-1 市役所本庁舎4階
提出先 一般財団法人 神奈川県建築安全協会(市から業務委託)
報告書の様式 同協会のホームページからダウンロード
報告周期(令和8年度時点) 建築物・建築設備等・昇降機:年1回
周期見直し 建築物を3年ごとにする細則改正案(令和9年4月1日施行予定)

電話番号は、市の定期報告ページでは046-260-5425、令和8年9月の意見募集資料では046-260-5426(建築指導係 直通)と記載されています。お問い合わせの際は、市のホームページで最新の番号をご確認ください。

数字で見る:建築物の報告率は8割弱

大和市が公表した「建築行政の概要」(令和5年4月)によると、令和4年度の特殊建築物(いまの特定建築物)の報告必要件数は164件、報告件数は127件で、報告率は77%でした。同じ年度の昇降機の報告率は98%です(出典:大和市「建築行政の概要」(令和5年4月))。

正直に申し上げます。エレベーターはメンテナンス会社が毎年回るので報告が漏れにくいのですが、建物本体の調査は「誰が手配するか」が曖昧になりがちです。オーナーさまが代わった、管理会社が代わった、というタイミングで抜け落ちる例を、私は何度も見てきました。

3年周期の改正案、なぜ今なのか

市の意見募集資料では、背景として「国土交通省告示の改正により、建築物の定期調査は損傷や劣化状況、不適切な改修などの確認を中心とした調査項目に変わった」ことが挙げられています。これまで建物の調査と設備の検査で重複していた確認項目が整理されたため、建築物は3年ごと、設備は毎年、という役割分担にする考え方です。

なお、意見募集の結果と最終的な改正内容は、本記事の執筆時点(令和8年10月19日)では公表を確認できていません。令和8年度中の報告は、現行どおり年1回と考えて準備を進めてください。

3年周期になったら:全面打診の「10年」をどう数えるか

ここからが本題です。報告が毎年から3年ごとに変わると、全面打診のタイミングの読み方が変わります。

毎年報告の今は、竣工から10年を超えた最初の報告が、そのまま全面打診の時期です。3年ごとになると、報告年度と「10年を超える年」がずれます。たとえば竣工から9年目に報告があった場合、次の報告は12年目です。10年を超えてから最初の定期調査は、12年目の報告になる、という読み方になります。

ここで気をつけたいのは、報告が3年ごとになっても、外壁タイルの劣化のスピードは変わらないという点です。制度上の期限が先に延びても、10年を過ぎた外壁の落下リスクが、その間ゼロになるわけではありません。私は、次の3点をお勧めしています。

  1. 令和8年度・令和9年度に竣工10年を迎える建物は、毎年報告のうちに全面打診を済ませる:周期の切り替えを待つより、今のルールで1回済ませるほうが段取りは単純です。
  2. 手の届く範囲の打診を、6か月から3年に一度行う:エントランス周り、歩道に面した低層部、庇の下などを優先します。
  3. 大規模修繕の年に合わせて全面打診を行う:外壁を全面改修すれば、その年から10年を数え直せます。足場やロープアクセスの設備を一度で使い切れるのも利点です。

全面打診の起算の扱いや、新しい周期での調査時期は、改正の確定内容と建物の条件で変わります。具体的な判断は、大和市建築指導課または調査を依頼する有資格者にご確認ください。

大和市ならではの事情:駅前の歩行者と、報告義務のないマンション

8つの駅、駅前ビルは「落ちたら誰に当たるか」が重い

大和市は市域が南北に細長く、市内に8つの駅があります。市の資料でも、市内のどこからも最寄り駅まで10分前後で行ける便利さが紹介されています(出典:大和市「建築行政の概要」)。大和駅や中央林間駅の周辺のように、歩道に面して店舗や飲食店が並ぶ建物は、道路側の外壁がまず全面打診の対象になります。

告示第282号で全面打診の対象になるのは、「落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分」です。調査会社とは「どの面が対象か」を最初にすり合わせておくと、見積の数量がぶれにくくなります。

店舗併用のマンションは、1階の用途を確かめる

大和市の駅前には、1階に店舗や飲食店、上階に住戸という建物が多くあります。住戸部分は定期報告の対象外でも、1階の物品販売店や飲食店が規模要件に当てはまれば、建物として報告が必要になる場合があります。テナントが入れ替わって用途が変わったときは、報告の要否を一度確かめておくと安心です。

報告義務がなくても、落下事故の責任は残る

住戸だけの分譲マンションは建築物の定期報告の対象外ですが、外壁タイルが落ちて通行人がけがをすれば、建物の所有者として責任を問われる可能性があります(民法第717条の工作物責任)。報告義務の有無にかかわらず、竣工から10年を目安に外壁の状態を把握しておくことが、結果的に管理組合やオーナーさまを守ります。

実務コスト感:打診の㎡単価と、足場・ロープアクセスの差

費用の目安を示します。以下は明誠の参考値で、実際の見積は建物の形状・高さ・外壁の仕上げ・敷地条件で大きく変わります。

項目 目安
全面打診調査の㎡単価(調査のみ) 250〜500円/㎡
10階建て・外周80m・打診対象約2,000㎡の調査費 約50〜100万円
同条件で仮設足場を組む場合(工期3か月想定) 約168万円
同条件でロープアクセス工法の場合 約59万円
足場とロープアクセスの差額 約109万円

全体の費用を押し上げるのは、打診そのものより足場です。駅前の狭い敷地では、足場を組むために道路占用の手続きや歩行者の誘導が必要になり、さらに費用と日数がかかる場合もあります。料金の考え方は明誠の大規模修繕の料金の考え方でも公開しています。

ロープアクセス工法が12条打診で選ばれる理由

ロープアクセス工法とは、屋上などの確実な吊元から、作業員がメインロープとバックアップロープの2本に接続して壁面に降り、足場を組まずに調査や補修を行う工法です。吊元は2点以上を確保し、二重の冗長化で安全を確保します。国際基準(IRATA)に沿った、業界標準のやり方です。技術の詳細は明誠のロープアクセス工法のページに、安全への取り組みは明誠の安全管理にまとめています。

12条打診でロープアクセスを選ぶ理由は、主に3つです。

  1. 費用:足場代を抑えられます。上の例では、足場工法より約100万円の差が出る可能性があります。
  2. 期間:足場の組立・解体がないため、足場工法の約60%の工期が目安です。毎年報告の大和市では、調査から報告までの日程を詰めやすくなります。
  3. 居ながら・営業しながら施工:窓や店舗の前に足場やメッシュシートがかからず、日当たりや防犯面の不安、看板が隠れる心配が少なく済みます。営業を止められない駅前の店舗やホテルにとっては、大きな利点です。

打診は、テストハンマーでタイルやモルタルを一枚ずつ叩き、音の違いを聞き分ける仕事です。ロープアクセスなら、見つけた浮きにその場でマーキングし、条件が合えば注入による部分補修まで続けて行えます。調べた人がそのまま直せることは、「要是正」を受けたあとの対応でも大きな意味があります。ドローンの赤外線調査で全体を把握し、気になる面だけロープアクセスで叩いて確かめる組み合わせも可能です。ただし、市街地でドローンを飛ばすには航空法上の許可・承認や周辺への配慮が必要なため、事前の確認が欠かせません。

株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕に携わってきました。ロープアクセスでの高所作業では、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを続けています。作業は、IRATA水準の訓練を受けた作業員が担当します。

ロープアクセスの訓練体制や施工の実例は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムで詳しく紹介しています。足場・ロープアクセス・ハイブリッドの3工法の比較もロープアクセスドットコムに掲載しています。塗装・防水・タイル・電気・看板などの専門工事会社さまで、フランチャイズ加盟をご検討の方もロープアクセスドットコムからご覧ください。

12条点検を大規模修繕・長期修繕計画とつなげるメリット

12条点検(または自主的な外壁調査)と大規模修繕を、別々の会社に別々のタイミングで発注している管理組合やオーナーさまは少なくありません。私はこれを、必ずワンセットで提案するようにしています。

  • 足場代の二重払いを避ける:打診のために足場を組み、数年後の大規模修繕でまた組む、という重複をなくせます。
  • 調査結果が補修数量の根拠になる:浮き・欠損の位置と数量が分かれば、見積書の数量が透明になります。
  • 長期修繕計画の精度が上がる:外壁の劣化が数字で分かり、修繕積立金の見通しが立てやすくなります。
  • ハイブリッド工法の判断材料になる:店舗のある低層部は足場、上層部はロープアクセス、と面ごとに使い分けると総額が下がる建物もあります。

大規模修繕で外壁を全面改修すれば、その年から10年を数え直せます。周期の見直しが控える大和市では、「次の報告」と「大規模修繕の時期」を同じ年表に並べておくことが、これまで以上に効いてきます。

分譲マンションの管理組合さまは管理組合様向けの大規模修繕サービスを、賃貸マンション・テナントビルのオーナーさまはビルオーナー様向けの修繕サービスを、ホテル運営者さまはホテル様向けの修繕サービスをご覧ください。

よくあるご質問

Q. 大和市の分譲マンションは、12条の定期報告が必要ですか?

A. 大和市の指定概要では、共同住宅は「サービス付き高齢者向け住宅に限る」とされており、住戸だけのマンションは建築物の定期報告の対象外です。エレベーターは昇降機として、年1回の定期検査報告の対象になります。

Q. 大和市の定期報告は何年ごとですか?

A. 令和8年度時点では、建築物・建築設備等・昇降機とも年1回です。市は建築物の報告を3年ごとにする施行細則の改正案を示しており、施行予定は令和9年4月1日です。最終的な内容は市の公表をご確認ください。

Q. 報告書はどこに出しますか?

A. 大和市から業務委託を受けている一般財団法人神奈川県建築安全協会に提出します。様式も同協会のホームページからダウンロードできます。制度のご質問は、大和市まちづくり部建築指導課建築指導係へどうぞ。

Q. 1階に店舗が入っているマンションはどうなりますか?

A. 住戸部分は対象外でも、物品販売店や飲食店などの用途が規模要件に当てはまれば、建物として報告が必要になる場合があります。用途と床面積を市の指定概要と照らし、判断に迷う場合は市に確認してください。

Q. 外壁の全面打診は何年ごとですか?

A. 竣工や外壁の全面改修、前回の全面打診から、おおむね10年を経過したあとの定期調査で必要です。根拠は平成20年国土交通省告示第282号です。手の届く範囲の打診は、おおむね6か月から3年に一度が目安です。

Q. 打診調査の費用はいくらくらいですか?

A. 調査のみで250〜500円/㎡が目安です。10階建て・外周80m・打診対象約2,000㎡の建物なら、調査費は約50〜100万円です。足場を組む場合はこれに足場費が加わります。物件ごとに大きく変わるため、概算お見積りは無料でお出しします。

Q. 足場を組まずに外壁の全面打診はできますか?

A. 屋上に2点以上の吊元を確保できれば、ロープアクセス工法でメインロープとバックアップロープの2本に接続して降り、足場なしで外壁を叩いて調べられます。現地を見て、足場との組み合わせも含めてご提案します。

まとめ+今週動くこと3点

大和市の12条点検は、大和市まちづくり部建築指導課が所管し、報告書は神奈川県建築安全協会に提出します。住戸だけのマンションは建築物の定期報告の対象外ですが、ホテル・病院・物品販売店・飲食店などが一定規模で入る建物は対象です。令和8年度は年1回の報告で、建築物を3年ごとにする改正案が令和9年4月1日の施行予定で示されています。

今週動くことを3つに絞ります。

  1. 自分の建物が対象かを確かめる:用途と床面積を、市の指定概要(令和7年7月1日施行)と照らし合わせる。1階のテナントの用途も忘れずに。
  2. 最後の全面打診の年を調べる:修繕履歴や過去の調査報告書を見て、令和8・9年度に10年を超えないかを確かめる。報告義務のない分譲マンションも、10年を目安に外壁の状態を数字で把握する。
  3. 工法と時期を決めておく:足場・ロープアクセス・ハイブリッドのどれで打診するか、大規模修繕と一体にできないかを、次の理事会・オーナー会議で共有する。

明誠の施工実績は明誠の施工事例で、私たちの考え方は明誠の理念でご覧いただけます。ご相談は大規模修繕・打診調査のお問い合わせフォームからどうぞ。大和市を含む神奈川県全域で、現地調査にも対応しています。制度が切り替わる前の今のうちに、一度建物を見ておくだけでも、次の一手はずっと選びやすくなります。

出典・参考資料

本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月19日(令和8年度)時点で公表されている国土交通省・大和市の公式情報をもとに執筆しています。対象建築物は令和7年7月1日施行の指定概要、周期の見直しは令和8年9月の意見募集資料(改正案)に基づきます。大和市「定期報告制度について」ページの更新日は2022年3月15日のため、提出先・様式以外の記載は令和7年・令和8年の資料を優先しています。報告率の数字は令和4年度の実績です。改正案は意見募集を経て内容が変わる可能性があります。調査・報告の前に、大和市まちづくり部建築指導課へ最新の内容をご確認ください。費用の数字は参考値で、個別の見積を保証するものではありません。

この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月19日


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海老名市の12条点検|神奈川県所管の毎年報告と提出先、外壁打診の時期【2026年度版】

Q. 海老名市のマンションやビル、ホテルは、12条点検(定期報告)の対象になるのか? 窓口はどこで、外壁の全面打診はいつ必要なのか?

A. 海老名市は、定期報告を神奈川県が所管する21市町村の1つです。窓口は海老名市役所ではなく、神奈川県県土整備局建築住宅部建築安全課と、業務委託先の一般財団法人神奈川県建築安全協会です(出典:神奈川県「定期報告制度について」)。報告の周期は原則として建築物も設備も毎年で、県の資料に「3年ごと」の記載はありません。ホテル・旅館は、3階以上で100㎡超、2階で300㎡以上、地階で100㎡超のいずれかに当てはまれば対象です。住戸だけのマンションは、共同住宅が「サービス付き高齢者向け住宅」に限られるため、建築物の定期報告の対象外です(出典:神奈川県「定期報告が必要な建築物・建築設備等・昇降機等」(令和8年4月1日以降、PDF))。外壁の全面打診は、竣工・外壁改修・前回の全面打診からおおむね10年を超えたあとの定期調査で必要になります。

(最終更新:2026年10月19日/執筆時点の現行年度:令和8年度)

結論:海老名市で12条点検の対象になる建物と、全面打診のタイミング

株式会社明誠は、東京都東大和市に拠点を置く大規模修繕の会社です。私は代表として20年以上、マンション・ビル・ホテルの修繕現場に立ってきました。神奈川県の12条点検シリーズは、横浜・川崎から湘南、県央の厚木市・大和市と巡ってきましたが、今回の海老名市は少し毛色が違います。海老名市には、自前の建築指導の窓口ではなく、神奈川県が窓口になるからです。

海老名市の令和8年10月1日現在の人口は142,357人、世帯数は63,259世帯で、前年から人口は769人、世帯は1,112世帯増えています(出典:海老名市公式ホームページ)。人口が伸びている街では、ホテルや商業ビル、賃貸マンションが毎年のように新しく建ち、同時に「10年を超えた外壁」も着実に増えていきます。

海老名市で「建築物」の定期報告が必要かどうかを、用途別に整理します。

建物の種類 定期報告(建築物)の対象 対象になる規模の目安(いずれかに該当)
住戸だけの分譲マンション・賃貸マンション 対象外(共同住宅はサ高住に限る) -
サービス付き高齢者向け住宅 対象 3階以上で100㎡超、2階で300㎡以上、地階で100㎡超
ホテル・旅館 対象 3階以上で100㎡超、2階で300㎡以上、地階で100㎡超
病院・診療所(2階以上に患者収容施設があるもの) 対象 同上
百貨店・マーケット・物品販売店・飲食店等 対象 3階以上で100㎡超、2階で500㎡以上、全体で3,000㎡以上、地階で100㎡超
劇場・映画館・集会場など 対象 用途ごとに規定
エレベーター・エスカレーターなどの昇降機 対象(マンションのエレベーターも含む) 毎年報告

(出典:神奈川県「定期報告が必要な建築物・建築設備等・昇降機等」。対象用途の部分が避難階のみにある場合、またはその床面積が200㎡以下の場合は対象外です。複合用途の建物の判定は、県へご確認ください)

全面打診の要否は、次の一文で判断できます。

「竣工、または前回の全面打診・外壁全面改修から10年を超えていれば、次の定期調査で全面打診が必要」

建築基準法第12条の基本(定期調査と定期検査の違い)

建築基準法第12条は、多くの人が利用する建物の所有者・管理者に「建物の安全を有資格者に定期的に調べさせ、その結果を特定行政庁(建築確認や定期報告を所管する行政機関)に報告する」ことを求める制度です。全体像は国土交通省「建築基準法に基づく定期報告制度について」で確認できます。

12条には、建物本体を調べる「特定建築物定期調査」と、設備を調べる「建築設備・防火設備・昇降機等の定期検査」があります。外壁の打診は、前者のうち「建築物の外部」の項目に含まれます。調査ができるのは、一級・二級建築士か特定建築物調査員などの有資格者です。

外壁の全面打診のルールは、平成20年国土交通省告示第282号で定められています。タイルや石貼り、モルタルなどの外壁で、落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分は、おおむね10年に一度、全面的に打診等で調べます。手の届く範囲の打診は、おおむね6か月から3年以内に一度が目安です。令和4年1月18日の告示改正で、打診と同等以上の精度を持つ無人航空機(ドローン)による赤外線調査も、打診以外の方法として明確化されました(出典:国土交通省「定期報告制度における外壁のタイル等の調査について」)。

全面打診が必要になるトリガー(竣工10年・外装改修10年・要調査判定・落下事故)

理事長さまやオーナーさまには、次の4つを「全面打診のきっかけ」としてお伝えしています。

  1. 竣工から10年を超えた:最初の全面打診の起点です。
  2. 外壁の全面改修から10年を超えた:タイル張替えや全面補修をした年から数え直します。
  3. 前回の定期調査で「要是正」の指摘を受け、改善が済んでいない:打診の範囲を広げて確認する必要があります。
  4. タイルの浮き・剥落の兆候が見つかった、または近隣で落下事故が起きた:報告の時期を待たず、全面打診で確かめます。

私の経験では、築12〜13年で初めて全面打診をした建物の多くで、地上から手の届く範囲では見えなかった浮きが、上層階の外壁から見つかります。外壁タイルは、見た目に変化がなくても、裏側の接着層が先に傷んでいるのが普通です。

海老名市固有の運用:窓口は県、報告月の通知は来ない

所管は神奈川県建築安全課、提出先は県または神奈川県建築安全協会

神奈川県の定期報告のページによると、県が所管するのは逗子市・三浦市・伊勢原市・海老名市・座間市・南足柄市・綾瀬市と、葉山町以下の町村の計21市町村です。これ以外の市は、横浜市や厚木市、大和市のように、それぞれの市が窓口になります。隣り合う市でも窓口が違うため、建物が海老名市内にあるかどうかを最初に確かめてください(出典:神奈川県「定期報告制度について」)。

項目 内容(公式資料掲載)
所管 神奈川県 県土整備局 建築住宅部 建築安全課 建築安全グループ
県の連絡先 045-210-6257(定期報告制度のページ記載)
提出先 県建築安全課、または一般財団法人神奈川県建築安全協会(業務委託先)
提出方法 窓口持参または郵送(県)。提出部数は1部
受付時間 平日 9:00〜12:00、13:00〜16:30
避けたい時期 3月15日〜31日の提出は、なるべく避けるよう案内あり
報告済証 県は発行しないため、希望する場合は神奈川県建築安全協会に提出
概要書の閲覧 県庁新庁舎11階(建築安全課窓口)。閲覧は無料、写しは1通400円

(出典:神奈川県「定期報告書の提出について」、神奈川県建築安全協会「定期報告に関する情報」)

県庁は横浜市中区にあり、海老名市からは距離があります。提出は郵送でも受け付けていますが、不備があった場合の補正は窓口に出向く必要があると案内されています。提出前に、チェックリストで書類を確認し、担当者の在席を電話で確かめておくのがお勧めです。

「次回報告年月の通知」は、いま届いていません

実務で一番気をつけていただきたい点がここです。県の定期報告のページには、次回報告年月の通知は現在送付していないと書かれています。通知を当てにして管理してきた建物ほど、報告の時期を取り逃がしやすくなるため、注意が必要です。

報告は、調査・検査をした日から3か月以内に行います。県の資料では、建築物の初回報告は「対象になった日から1年後の月」、2回目以降は「前回報告の1年後の同じ月」とされています。つまり、前回の報告書の控えを見れば、次の報告月は自分で割り出せます。控えが見当たらない場合は、県の建築安全課(045-210-6257)にお問い合わせください。私は、管理会社が代わった年とオーナーさまが代わった年に、報告が抜けるのを何度も見てきました。

毎年報告が原則、「2年以内」の特例もある

県の資料では、報告周期は原則として毎年です。ただし、維持保全が適切に行われ、要是正の指摘がない建築物(既存不適格を除く)は、次回の建築物の定期報告が「2年以内で県が指定する月」になる特例があります。建築設備と防火設備は、特例があっても毎年の報告が必要です。

対象 初回報告 2回目以降
建築物 対象になった日から1年後の月 前回報告の1年後の同じ月(特例:2年以内で県が指定する月)
建築設備・防火設備 建築物の報告と同じ月 前回報告の1年後の同じ月
昇降機 検査済証の交付から1年後の月 前回報告の1年後の同じ月

(出典:神奈川県 定期報告対象のPDF(令和8年4月1日以降))

なお、隣の大和市では建築物を3年ごとにする改正案が出ていますが、海老名市を所管する県の資料には、3年周期の記載がありません。他市の動きと混同せず、令和8年度は毎年の報告として準備してください。

令和8年度の変更点:調査項目の見直しと設備の対象整理

県のページによると、国の告示(令和6年第974号、令和7年第53号)により、調査項目、方法、判定基準、調査結果表などが見直されました。あわせて県の施行細則も改正され(公布は令和7年11月21日、施行は令和8年4月1日)、建築設備の検査対象が見直されています。令和8年4月1日以降に調査・検査を行うものが、新しい対象に当てはまります。

また、県の概要書の写しの交付などで使っていた収入証紙の販売は、令和7年9月末で終了し、現在はキャッシュレス決済を使います。昔の手順書を使い回している管理会社さんは、念のため見直してください。

海老名市ならではの事情:駅前の商業ビルとホテル

海老名駅は、小田急線・相鉄線・JR相模線が乗り入れる市の玄関口です。駅周辺には商業施設やホテル、オフィス、高層の賃貸マンションが集まり、歩道を人が行き交います。告示第282号で全面打診の対象になるのは、「落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分」です。駅前の通路や歩道に面した外壁は、人通りが多いぶん「落ちたら誰に当たるか」が重く、優先して見る面になります。

商業ビルやホテルは、前の項の表のとおり3階以上で100㎡超などの条件に当てはまりやすく、定期報告の対象になる建物がほとんどです。一方、住戸だけの分譲マンションは対象外ですが、1階に店舗や医院が入る複合用途の建物は、その部分の規模で対象になる場合があります。テナントが入れ替わったときは、用途と床面積を一度確かめておくと安心です。

報告義務がなくても、落下事故の責任は残る

住戸だけのマンションは建築物の定期報告の対象外ですが、外壁タイルが落ちて通行人がけがをすれば、建物の所有者として責任を問われる可能性があります(民法第717条の工作物責任)。報告義務の有無にかかわらず、竣工から10年を目安に外壁の状態を把握しておくことが、結果的に管理組合やオーナーさまを守ります。

実務コスト感:打診の㎡単価と、足場・ロープアクセスの差

費用の目安を示します。以下は明誠の参考値で、実際の見積は建物の形状・高さ・外壁の仕上げ・敷地条件で大きく変わります。

項目 目安
全面打診調査の㎡単価(調査のみ) 250〜500円/㎡
10階建て・外周80m・打診対象約2,000㎡の調査費 約50〜100万円
同条件で仮設足場を組む場合(工期3か月想定) 約168万円
同条件でロープアクセス工法の場合 約59万円
足場とロープアクセスの差額 約109万円

全体の費用を押し上げるのは、打診そのものより足場です。駅前の狭い敷地では、道路占用の手続きや歩行者の誘導も必要になり、費用と日数がさらにかかる場合があります。料金の考え方は明誠の大規模修繕の料金の考え方でも公開しています。

ロープアクセス工法が12条打診で選ばれる理由

ロープアクセス工法とは、屋上などの確実な吊元から、作業員がメインロープとバックアップロープの2本に接続して壁面に降り、足場を組まずに調査や補修を行う工法です。吊元は2点以上を確保し、二重の冗長化で安全を確保します。国際基準(IRATA)に沿った、業界標準のやり方です。技術の詳細は明誠のロープアクセス工法のページに、安全への取り組みは明誠の安全管理にまとめています。

12条打診でロープアクセスを選ぶ理由は、主に3つです。

  1. 費用:足場代を抑えられます。上の例では、足場工法より約100万円の差が出る可能性があります。
  2. 期間:足場の組立・解体がないため、足場工法の約60%の工期が目安です。毎年報告の海老名市では、調査から報告までの日程を詰めやすくなります。
  3. 営業しながら施工:窓や店舗の前に足場やメッシュシートがかからず、看板や入口が隠れる心配が少なく済みます。営業を止められない駅前の店舗やホテルにとっては、大きな利点です。

打診は、テストハンマーでタイルやモルタルを一枚ずつ叩き、音の違いを聞き分ける仕事です。ロープアクセスなら、見つけた浮きにその場でマーキングし、条件が合えば注入による部分補修まで続けて行えます。調べた人がそのまま直せることは、「要是正」を受けたあとの対応でも大きな意味があります。ドローンの赤外線調査で全体を把握し、気になる面だけロープアクセスで叩いて確かめる組み合わせも可能です。ただし、市街地でドローンを飛ばすには航空法上の許可・承認や周辺への配慮が必要なため、事前の確認が欠かせません。

株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕に携わってきました。ロープアクセスでの高所作業では、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを続けています。作業は、IRATA水準の訓練を受けた作業員が担当します。

ロープアクセスの訓練体制や施工の実例は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムで詳しく紹介しています。足場・ロープアクセス・ハイブリッドの3工法の比較もロープアクセスドットコムに掲載しています。塗装・防水・タイル・電気・看板などの専門工事会社さまで、フランチャイズ加盟をご検討の方もロープアクセスドットコムからご覧ください。

12条点検を大規模修繕・長期修繕計画とつなげるメリット

12条点検(または自主的な外壁調査)と大規模修繕を、別々の会社に別々のタイミングで発注している管理組合やオーナーさまは少なくありません。私はこれを、必ずワンセットで提案するようにしています。

  • 足場代の二重払いを避ける:打診のために足場を組み、数年後の大規模修繕でまた組む、という重複をなくせます。
  • 調査結果が補修数量の根拠になる:浮き・欠損の位置と数量が分かれば、見積書の数量が透明になります。
  • 長期修繕計画の精度が上がる:外壁の劣化が数字で分かり、修繕積立金の見通しが立てやすくなります。
  • ハイブリッド工法の判断材料になる:店舗のある低層部は足場、上層部はロープアクセス、と面ごとに使い分けると総額が下がる建物もあります。

大規模修繕で外壁を全面改修すれば、その年から10年を数え直せます。毎年報告の海老名市では、「次の報告月」と「大規模修繕の時期」を同じ年表に並べておくことが、段取りを楽にします。

分譲マンションの管理組合さまは管理組合様向けの大規模修繕サービスを、賃貸マンション・テナントビルのオーナーさまはビルオーナー様向けの修繕サービスを、ホテル運営者さまはホテル様向けの修繕サービスをご覧ください。

よくあるご質問

Q. 海老名市の定期報告は、市役所に出すのですか?

A. いいえ。海老名市は神奈川県が所管する市町村なので、神奈川県建築安全課、または業務委託先の神奈川県建築安全協会に提出します。市役所の代表番号は046-231-2111ですが、制度の窓口は県です。

Q. 海老名市の分譲マンションは、12条の定期報告が必要ですか?

A. 県の資料では、共同住宅はサービス付き高齢者向け住宅に限られます。住戸だけのマンションは建築物の定期報告の対象外です。エレベーターは昇降機として、毎年の定期検査報告の対象です。

Q. 報告は何年ごとですか?

A. 令和8年度時点の県の資料では、原則として毎年です。維持保全が適切で要是正の指摘がない建築物は、次回の建築物の報告が2年以内で県が指定する月になります。3年周期の記載はありません。

Q. 次の報告月が分からなくなりました。

A. 県は次回報告年月の通知を送っていません。前回の報告書の控えから「1年後の同じ月」を確認し、分からなければ県建築安全課(045-210-6257)にお問い合わせください。

Q. 外壁の全面打診は何年ごとですか?

A. 竣工や外壁の全面改修、前回の全面打診から、おおむね10年を経過したあとの定期調査で必要です。根拠は平成20年国土交通省告示第282号です。手の届く範囲の打診は、おおむね6か月から3年以内に一度が目安です。

Q. 打診調査の費用はいくらくらいですか?

A. 調査のみで250〜500円/㎡が目安です。10階建て・外周80m・打診対象約2,000㎡の建物なら、調査費は約50〜100万円です。足場を組む場合は、これに足場費が加わります。物件ごとに大きく変わるため、概算お見積りは無料でお出しします。

Q. 足場を組まずに外壁の全面打診はできますか?

A. 屋上に2点以上の吊元を確保できれば、ロープアクセス工法でメインロープとバックアップロープの2本に接続して降り、足場なしで外壁を叩いて調べられます。現地を見て、足場との組み合わせも含めてご提案します。

まとめ+今週動くこと3点

海老名市の12条点検は、神奈川県建築安全課が所管し、報告書は県または神奈川県建築安全協会に提出します。住戸だけのマンションは建築物の定期報告の対象外ですが、ホテル・病院・物品販売店・飲食店などが一定規模で入る建物は対象です。令和8年度は原則毎年の報告で、次回報告年月の通知は届きません。

今週動くことを3つに絞ります。

  1. 自分の建物が対象かを確かめる:用途と床面積を、県の対象一覧(令和8年4月1日以降)と照らし合わせる。1階のテナントの用途も忘れずに。
  2. 次の報告月を自分で割り出す:前回の報告書の控えから「1年後の同じ月」を確認し、管理会社の年間予定表に入れる。控えがなければ県へ問い合わせる。
  3. 最後の全面打診の年を調べ、工法と時期を決める:修繕履歴で10年を超えていないかを確かめ、足場・ロープアクセス・ハイブリッドのどれで打診するか、大規模修繕と一体にできないかを次の理事会・オーナー会議で共有する。

明誠の施工実績は明誠の施工事例で、私たちの考え方は明誠の理念でご覧いただけます。ご相談は大規模修繕・打診調査のお問い合わせフォームからどうぞ。海老名市を含む神奈川県全域で、現地調査にも対応しています。窓口が県だと知っているだけで、報告漏れの確率はぐっと下がります。

出典・参考資料

本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月19日(令和8年度)時点で公表されている国土交通省・神奈川県・神奈川県建築安全協会の公式情報をもとに執筆しています。対象建築物と報告周期は、令和8年4月1日以降に調査・検査を行うものに適用される県の資料に基づきます。県の「定期報告書の提出について」ページの更新日は2025年7月24日のため、提出方法・受付時間はそのページの記載を引用しており、窓口で変更されていないかを提出前にご確認ください。制度は年度途中でも改正があり得ます。実際に調査・報告をされる前に、必ず神奈川県建築安全課および神奈川県建築安全協会へ最新の内容をご確認ください。費用の数字は参考値で、個別の見積を保証するものではありません。

この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月19日


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ロープアクセス工法の詳細や実例については、姉妹サイト「ロープアクセスドットコム」の以下の記事もぜひご覧ください。

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大和市の管理組合が使える無料相談・支援制度8選|月1回のマンション管理相談・弁護士相談・県のアドバイザー派遣から国の電話相談まで【令和8年度版】

2026年10月18日 更新

大和市のマンションの理事長さまから、こんな声を聞くことがあります。

「修繕の時期が近いのは分かっている。でも、管理会社以外の意見を聞く先が思い浮かばない。相談料を修繕積立金から出すのも気が引ける」

大和市の管理組合には、お金をかけずに動ける入口がいくつもあります。いちばん身近なのは、大和市役所の市民相談課が開いている「マンション管理相談」です。毎月第4金曜日の午後に、NPOかながわ県央マンション管理組合ネットワークの相談員が無料で対応します(出典:大和市「マンション管理相談(予約制)」、2026年4月1日更新)。

申し遅れました。私は株式会社明誠の本間幸紘と申します。東京都東大和市を拠点に、20年近くマンション・ビル・ホテルの外壁の仕事をしてきました。名前が似ていますが、私たちの拠点は東京都の「東大和市」、この記事で扱うのは神奈川県の「大和市」です。窓口の電話番号を調べるときに取り違えやすいので、念のため最初にお伝えしておきます。

この記事では、令和8年10月18日時点で大和市の管理組合が使える窓口を、「無料」の根拠とあわせて整理します。


結論:大和市で使える窓口は8、市の窓口はすべて無料

公式ページで確認できたものを一覧にしました。

# 制度・窓口 対応する人 費用 申込先
1 大和市マンション管理相談 NPOかながわ県央マンション管理組合ネットワークの相談員(30分) 無料 市民相談課 046-260-5104
2 大和市法律相談 弁護士(30分) 無料 同上
3 大和市司法書士登記・法律相談 司法書士・認定司法書士(30分) 無料 同上
4 大和市住宅相談 大和市民住宅協力会の会員(30分) 無料 同上
5 大和市消費生活センター 消費生活相談員 市の案内で無料 046-260-5120
6 神奈川県マンションアドバイザー派遣 マンション管理士・建築士等(1回3時間以内) 無料(年度内2回まで) かながわマンション管理組合ネットワーク 045-620-6300
7 日管連の相談ダイヤル/マンション管理センターの電話相談 マンション管理士・専門相談員 ページに費用の記載なし 03-5801-0858/03-3222-1517
8 法テラス(日本司法支援センター) 弁護士等 条件により無料 0570-078374

大和市の市民相談課の専門相談は、各ページに「相談はすべて無料ですが、通話料や交通費等は相談者自身がご負担ください」と書かれています。利用できるのは、大和市に在住・在勤・在学の方です。

一方、市のマンション関連ページで、市が独自に「マンション管理士を派遣する」制度は確認できませんでした。大和市で派遣を使いたい場合は、神奈川県の派遣事業が入口になります。

なお、市には分譲マンションの耐震診断の費用を補助する制度もありますが、これは「無料」ではなく補助金です。この記事では最後に存在だけご紹介します。


大和市のマンション管理相談:月1回・30分・無料

私が大和市の管理組合に最初にお勧めするのは、この相談です。市の案内を整理すると、次のとおりです。

項目 内容
相談内容 管理費滞納問題、理事会・総会運営、防犯・防災対策、管理規約改正、修繕などマンション全般
日程 毎月第4金曜日 13時30分〜16時00分(祝日・年末年始を除く)
相談時間 1件30分
会場 大和市役所1階 市民相談課内相談室(下鶴間1-1-1)
相談員 NPOかながわ県央マンション管理組合ネットワークの相談員
費用 無料(通話料・交通費は自己負担)
対象 大和市に在住・在勤・在学の方
予約 予約制。電話(046-260-5104)または市民相談課の窓口で

直近の日程

第4金曜日を暦で数えると、直近は10月23日(金)、その次が11月27日(金)、12月25日(金)です。いずれも祝日にはあたりません。ただし、市のページに令和8年度の開催日一覧は載っていないため、予約の電話で日付を確かめてください。

予約のときに「事前聞き取り」がある

市のページには、予約の際に市民相談員が相談内容の「事前聞き取り」を行い、内容によっては別の相談機関を案内したり、受付を断ったりする場合があると書かれています。30分しかありませんから、電話の段階で「長期修繕計画の見直し時期について」「管理費の滞納が3か月の住戸がある」など、論点を一言で伝えられるようにしておくと話が早いです。

30分を活かすコツは、見積依頼の前に使うこと

私が現場で何度も見てきた遠回りは、施工会社から見積書が届いてから「そもそも工事範囲はこれで適切なのか」と迷い、総会の日程がずれ込むケースです。第三者に相談するなら、見積依頼の前のほうが効果は大きいと私は考えています。

費用感の目安も、先に頭に入れておくと相談の質が上がります。あくまで参考値ですが、30戸規模のマンションで総工費は3,500万円〜5,000万円、そのうち仮設足場が15〜25%という幅が一般的です。外壁塗装は1㎡あたり3,500円〜4,500円、打診調査は1㎡あたり250円〜500円が目安です。実際の金額は、建物の状態や仕様で大きく変わります。


マンション管理士の派遣を頼むなら:神奈川県マンションアドバイザー派遣

「30分では足りない」「理事会や修繕委員会の場で、専門家に直接話してほしい」という管理組合には、神奈川県の派遣事業が向いています。令和8年度の内容は次のとおりです(出典:神奈川県「マンションアドバイザー派遣事業」、令和8年度チラシ)。

項目 内容
対象 県内の分譲マンションの管理組合、または管理組合の承認を得た委員会(大規模修繕工事委員会など)。横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市は対象外
派遣内容 1回につきアドバイザー1〜2名、3時間以内。夜間・休日も対応
回数 年度内2回まで。申込みが多いと2回目を受け付けられないことがある
費用 無料
受付期間 令和8年6月26日〜令和9年2月26日(申込多数の場合は期間内でも早期終了)
事前相談窓口 NPO法人かながわマンション管理組合ネットワーク 045-620-6300(10時〜16時、土日祝休み)
派遣される人 マンション管理士、建築士等の資格を持ち、管理相談の経験がある人

大和市は対象外の4市に含まれていないため、大和市内の分譲マンションは県の派遣を使えます。

申込みの流れ

  1. 事前相談窓口(かながわマンション管理組合ネットワーク)へ電話する
  2. 県のホームページから派遣申請書をダウンロードし、メールかFAXで送る
  3. 事務局がアドバイザーを選び、日程を調整して派遣決定通知書が届く
  4. アドバイザーが管理組合の会合などに来て相談に応じる

派遣でやってもらえないこと

建物の精密測定、長期修繕計画や設計書の作成、見積りの比較、業者の紹介、居住者間や近隣との紛争解決、管理計画認定の申請業務などは対象外です。「3社の見積書を見比べて、どこにするか決めてほしい」という使い方はできません。進め方や考え方の助言を受ける場だと考えてください。

市の相談と県の派遣の使い分け

私なら、まず市のマンション管理相談(30分)で論点を絞ります。そのうえで、理事会や委員会に専門家を呼びたくなったら県の派遣(3時間)を申し込みます。県の受付は令和9年2月26日までですが、早期終了もあり得るので、使うなら年内に事前相談の電話を入れておくのが無難です。


建物・修繕の相談:大和市の住宅相談

建物の修理やリフォームについて聞きたいときは、市民相談課の「住宅相談」もあります(出典:大和市「住宅相談(予約制)」)。

項目 内容
相談内容 住まいの新築、増改築(リフォーム)、修理など
日程 毎月第1水曜日 13時30分〜16時00分(祝日・年末年始を除く)
相談時間 1件30分
相談員 大和市民住宅協力会の会員
予約 予約制。第1水曜の前週火曜15時まで(046-260-5104)

暦で数えると、次回は11月4日(水)で、予約の締切は前週火曜の10月27日(火)15時です。

正直に申し上げると、このページの更新日は2025年4月2日で、令和8年度の更新は確認できませんでした。また、案内の文面は戸建て住宅を想定した書き方で、マンションの共用部分の相談に対応できるかは書かれていません。予約の電話で「分譲マンションの外壁の修繕について聞きたい」と伝え、対象になるか確認してください。

建物の劣化や工事の範囲について、建築の専門家の意見を本格的に聞きたい場合は、先ほどの県の派遣(建築士等が来る)のほうが適していると私は考えます。


弁護士・司法書士・消費生活センター:滞納や区分所有のトラブルに

管理費の滞納、規約の解釈、相続で持ち主が分からなくなった住戸。工事の前段階で出てくるこうした問題は、法律の専門家に一度聞くだけで整理がつくことがあります。

大和市の法律相談(弁護士)

項目 内容
相談内容 相続・遺言、離婚、近隣問題、借地借家のトラブルなど
日程 毎週火曜日 13時30分〜16時00分/毎週金曜日 9時30分〜12時00分(祝日・年末年始を除く)
相談時間 1件30分
予約 予約制(046-260-5104)

週に2回開かれているので、日程は取りやすい窓口です(出典:大和市「法律相談(予約制)」)。ただし、このページの更新日は2023年7月3日です。曜日や時間は、予約の電話で必ず確認してください。また、市の案内では、問題の解決は相談結果を参考に相談者自身が行うこと、個別の弁護士の紹介は受けられないことが明記されています。

司法書士登記・法律相談

不動産登記(相続による所有権移転など)の相談は毎月第1木曜日、140万円以下の民事紛争や多重債務の相談は毎月第4水曜日に、いずれも13時〜16時で開かれています(出典:大和市「司法書士登記・法律相談(予約制)」、2024年7月1日更新)。少額の管理費滞納の回収を考えるときに、選択肢の一つになります。直近は、第4水曜の10月28日(水)、第1木曜の11月5日(木)です。

管理組合として使えるかは、予約時に確認を

これらの相談の対象は「大和市に在住・在勤・在学の方」です。管理組合の案件として理事長が相談できるかどうかは、ページに書かれていません。大和市内のマンションにお住まいの理事長さまであれば対象になると考えられますが、念のため予約の電話で確認してください。

大和市消費生活センター

訪問営業や点検商法など、工事の勧誘で困ったときに頼れる窓口です。市の案内では、相談時間は月曜〜金曜の9時30分〜12時、13時〜16時(祝日・年末年始を除く)、場所は市役所1階の市民相談課内です。それ以外の時間は、消費者ホットライン188が案内されています(出典:大和市「消費生活相談」)。電話番号は046-260-5120と案内されているページがありますので、かける前に市の最新ページで確認してください。


国・全国団体の相談窓口

市の窓口が開いていない日でも、全国規模の電話相談があります。

日管連(日本マンション管理士会連合会)の相談ダイヤル:03-5801-0858

国土交通省の管理計画認定制度の案内には、相談ダイヤルとして03-5801-0858(日管連)が載っています。受付は月曜〜金曜の10時〜17時、祝日・年末年始は休みで、管理組合の役員や組合員、管理会社など誰でも利用できると書かれています。費用の記載は確認できませんでした(出典:国土交通省 管理計画認定制度の案内資料)。

公益財団法人マンション管理センターの電話相談

管理組合運営や管理規約の相談は03-3222-1517、建物・設備の維持管理の相談は03-3222-1519です。平日9時30分〜17時で、1件あたり15分前後が目安とされています。専門家レベルの法律相談や、個別具体的な修繕アドバイス、回答の書面化は対応外です(出典:マンション管理センター「電話相談」)。

法テラス

収入や資産が一定の基準以下であれば、無料の法律相談が利用できる国の機関です。サポートダイヤルは0570-078374、平日9時〜21時、土曜9時〜17時です。資力の基準は、サポートダイヤルでご確認ください(出典:法テラス)。


参考:旧耐震マンションは「耐震診断費補助」も(無料ではありません)

昭和56年5月31日以前に建築確認を得たマンションの管理組合には、大和市の「マンション耐震診断費補助金制度」があります。市の案内では、予備診断は費用を1棟あたり上限20万円まで補助、本診断は緊急輸送路を塞ぐおそれのある建物で2/3(上限200万円)、その他は1/2(上限150万円)です。受付は当該年度の4月頃〜12月末頃までで、診断の前に建築指導課(046-260-5422)での事前相談が必要です(出典:大和市「マンション耐震診断費補助金制度」、2026年4月1日更新)。

補助金のため自己負担が出る場合がありますが、受付が12月末頃までと残り2か月余りですので、旧耐震のマンションの方は事前相談だけでも早めに入れておくことをお勧めします。


何を用意していけばいいか:3点セット

どの窓口でも、相談の質は持っていく資料で決まります。私が現場で理事長さまにお願いしているのは、次の3点です。

  1. 総会議事録(直近2〜3年分):いつ、どんな修繕を決議したかが分かります。
  2. 長期修繕計画:次回の大規模修繕の時期と、費用の根拠です。
  3. 管理規約:理事会の権限、議決の要件、滞納対応の定めが分かります。

これに、修繕積立金の残高が分かる直近の決算書を加えると、話が一気に具体的になります。

私が相談会の場でよく目にするのは、資料なしで来られて、相談員の方が「規約を見ないとお答えできません」と困ってしまう場面です。大和市の相談は30分ですから、資料の有無で中身がまるで変わります。無料の窓口ほど、準備の差が出ると私は感じています。


よくあるご質問

Q. 大和市のマンション管理相談は本当に無料ですか?

A. 市のページに「相談はすべて無料ですが、通話料や交通費等は相談者自身がご負担ください」と書かれています。対象は大和市に在住・在勤・在学の方です。

Q. 次のマンション管理相談はいつですか?

A. 毎月第4金曜日の13時30分〜16時です。暦で数えると、直近は10月23日(金)、次が11月27日(金)です。予約制なので、市民相談課(046-260-5104)へ電話してください。

Q. 大和市にはマンション管理士の派遣制度がありますか?

A. 市独自の派遣制度は確認できませんでした。神奈川県のマンションアドバイザー派遣を利用できます。年度内2回まで無料で、受付は令和9年2月26日までです(早期終了の場合あり)。

Q. 賃貸マンションのオーナーも相談できますか?

A. 市の専門相談の対象は「在住・在勤・在学の方」です。賃貸物件のオーナーが相談できるかは、内容によって異なる可能性があるため、予約時の事前聞き取りで確認してください。県の派遣は分譲マンションの管理組合が対象です。

Q. 相談すると、施工会社から営業を受けませんか?

A. 市・県・国の相談は公的な窓口か、公平・中立を掲げる団体が運営しています。県の派遣では業者の紹介は対象外と明記されています。

Q. 大規模修繕の費用は、相談でどこまで分かりますか?

A. 一般的な考え方は聞けますが、個別の見積りの比較は県の派遣では対象外です。参考値として、30戸規模で総工費3,500万円〜5,000万円、外壁塗装は1㎡あたり3,500円〜4,500円が目安です。


足場の費用が気になったら:ロープアクセスという選択肢

相談を重ねるなかで、多くの管理組合が気にされるのが仮設足場の費用です。大規模修繕では総工費の15〜25%を占めることがあります。株式会社明誠は、通常の足場工法、ロープアクセス工法(無足場)、両者を組み合わせるハイブリッド工法の3つから、建物に合う方法をご提案しています。

ロープアクセスは、メインロープとバックアップロープの2本に接続し、2点以上の吊元を確保して作業します。明誠および全国のフランチャイズ加盟企業では、ロープアクセスでの高所作業で、過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。これまでに約6,000棟の大規模修繕を手がけてきました。

技術的な詳細は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムにまとめています。工法の特徴は明誠のロープアクセス工法のページ、私たちの考え方は明誠の理念のページ、管理組合さま向けのご案内は管理組合向けサービスのページをご覧ください。

たとえば10階建て・外周80m・工期3か月の目安では、足場が168万円、ロープアクセスが59万円(差額109万円)という試算もあります。ただし、あくまで目安で、実際の金額は建物の形状や仕様で変わります。

申し上げたいのは、「無足場がいちばん」ということではありません。足場のほうが合う建物もあります。だからこそ私は、3つの工法を並べて比べることをお勧めしています。これまでの明誠の施工事例もご覧いただけます。ロープアクセスでの補修の実例は、ロープアクセスドットコムの記事一覧でも紹介しています。


まとめ:今週動くこと3点

大和市の管理組合が、お金をかけずに動けるポイントを整理します。

  1. 市のマンション管理相談を予約する:毎月第4金曜。直近は10月23日(金)、次は11月27日(金)。市民相談課 046-260-5104へ。
  2. 総会議事録・長期修繕計画・管理規約の3点セットをコピーしておく:30分の相談を活かせるかどうかは、ここで決まります。
  3. 理事会で、県のアドバイザー派遣の利用を議題に出す:受付は令和9年2月26日までですが、早期終了もあります。事前相談は045-620-6300(平日10時〜16時)です。

相談するだけで何かが決まるわけではありません。それでも、無料の窓口で一度論点を整理しておくと、その後の総会の議論がずっと落ち着いたものになります。そのうえで工法や費用の比較が必要になったら、ご相談だけでも遠慮なく明誠へのお問合せフォームからお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。


出典・参考資料


この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月18日


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本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月18日時点で公表されている大和市、神奈川県、国土交通省などの公式情報をもとに執筆しています。大和市の法律相談・司法書士相談・住宅相談のページは更新日が令和7年度以前のため、日程や時間は変更されている可能性があります。実際に利用される前に、必ず各窓口へ最新の内容をご確認ください。

海老名市の管理組合が使える無料相談・支援制度7選|毎月の無料相談会・弁護士相談・県のアドバイザー派遣から国の電話相談まで【令和8年度版】

2026年10月18日 更新

海老名市のマンションの理事長さまから、こんな声を聞くことがあります。

「大規模修繕の時期が近づいてきた。でも管理会社の提案が妥当なのか、判断する材料がない。かといって、相談にお金をかけるのも気が引ける」

海老名市の管理組合には、費用をかけずに第三者の意見を聞ける入口がいくつもあります。いちばん使いやすいのは、海老名市役所の住宅まちづくり課が毎月開いている「分譲マンション管理無料相談会」です。マンション管理士が、1組1時間かけて無料で相談に乗ります(出典:海老名市「分譲マンション管理無料相談会について」、令和8年4月1日更新)。

申し遅れました。私は株式会社明誠の本間幸紘と申します。東京都東大和市を拠点に、20年近くマンション・ビル・ホテルの外壁の仕事をしてきました。現場で足場に上がり、ロープで外壁に降りてきた人間として、「相談先を知っているかどうか」で管理組合の結果が大きく変わる場面を何度も見ています。

この記事では、令和8年10月18日時点で海老名市の管理組合が使える窓口を、「本当に無料なのか」の根拠とあわせて整理します。


結論:海老名市で使える窓口は7、市と県の窓口は無料

公式ページで確認できたものを一覧にしました。

# 制度・窓口 対応する人 費用 申込先
1 海老名市 分譲マンション管理無料相談会 マンション管理士(1組1時間) 無料 住宅まちづくり課(電子申込・持参・郵送・FAX)
2 海老名市 マンションアドバイザー派遣事業(令和8年度) マンション管理士・建築士等 無料 かながわマンション管理組合ネットワーク 045-620-6300
3 海老名市 市民相談(法律相談) 弁護士 市のページに費用の記載なし(予約制) 市民相談課 046-292-0880
4 海老名市 市民相談(建築・住宅・不動産・登記など) 建築士、宅建業協会会員、司法書士など 市のページに費用の記載なし(予約制) 同上
5 海老名市 消費生活相談 消費生活相談員 市のページに費用の記載なし 046-292-1000
6 マンション管理センター 電話相談 専門相談員 ページに費用の記載なし 03-3222-1517(運営・規約)/03-3222-1519(維持管理)
7 法テラス(日本司法支援センター) 弁護士等 条件により無料 サポートダイヤル 0570-078374

ここで正直にお伝えしておくことがあります。市民相談の各ページには、相談料の有無や定員が書かれていませんでした。「無料」と明記されているのは、1の無料相談会と2のアドバイザー派遣です。3〜5は利用前に、電話で費用を確かめてください。

なお、海老名市には分譲マンションの耐震化を支援する補助制度もありますが、これは「無料」ではなく費用の一部を補助する制度です。この記事の最後に、存在だけご紹介します。


海老名市の分譲マンション管理無料相談会:毎月1回・1組1時間・無料

私が海老名市の管理組合に最初にお勧めするのは、この相談会です。市の案内を整理すると、次のとおりです。

項目 内容
日程 令和8年度は毎月1回(原則火曜日)。下の表を参照
時間 1組1時間。13時〜14時、14時〜15時、15時〜16時の3枠(各枠の定員は1組)
会場 海老名市役所の会議室
相談員 マンション管理士。一般社団法人神奈川県マンション管理士会、NPO法人かながわ県央マンション管理組合ネットワークの担当者
費用 無料
対象 市内の分譲マンションの管理組合の役員、または区分所有者など
申込み 事前申込制。電子申込、または「相談申込票」を持参・郵送・FAX(046-233-9118)
申込先 市役所庁舎4階 住宅まちづくり課(海老名市勝瀬175番地の1)

直近の日程と申込締切

市のページに載っている令和8年度の残りの日程は、次のとおりです。

相談日 申込締切
令和8年10月27日(火) 令和8年10月22日(木)17時
令和8年11月24日(火) 令和8年11月19日(木)17時
令和8年12月22日(火) 令和8年12月17日(木)17時
令和9年1月26日(火) 令和9年1月21日(木)17時
令和9年2月22日(月) 令和9年2月18日(木)17時
令和9年3月23日(火) 令和9年3月18日(木)17時

次の10月27日の締切は、今週の木曜日、10月22日の17時です。この記事をお読みの時点であと4日ほどですから、間に合わせたい場合は早めに動いてください。枠は各時間帯に1組だけで、1日に最大3組しか入れません。間に合わなければ、11月24日(締切11月19日)を目標にするのが現実的です。なお、2月だけは月曜日開催(2月22日)なので、曜日を間違えないようにしてください。

1時間を活かすコツは、見積依頼の前に使うこと

私が現場で何度も見てきた遠回りは、施工会社から見積書が届いてから「そもそも工事範囲はこれで適切なのか」と迷い、総会の日程がずれ込むケースです。第三者に相談するなら、見積依頼の前のほうが効果は大きいと私は考えています。

1組1時間は、30分の相談より余裕があります。それでも、何も準備せずに行くと時間が足りなくなります。次の3点を持っていくと、話が早く進みます。

  • 直近の長期修繕計画書(最終改定の年月が分かるもの)
  • 修繕積立金の残高と、毎月の積立額が分かる資料
  • 前回の大規模修繕工事の実施年と、そのときの総額

費用感の目安も、先に頭に入れておくと相談の質が上がります。あくまで参考値ですが、30戸規模のマンションで総工費は3,500万円〜5,000万円、そのうち仮設足場が15〜25%という幅が一般的です。外壁塗装は1㎡あたり3,500円〜4,500円、打診調査は1㎡あたり250円〜500円が目安です。実際の金額は、建物の状態や仕様で大きく変わります。


マンション管理士を自分たちの理事会に呼ぶなら:マンションアドバイザー派遣事業

「1時間では足りない」「理事会や修繕委員会の場に専門家に来てほしい」という管理組合には、アドバイザー派遣が向いています。この事業は海老名市のページにも「令和8年度マンションアドバイザー派遣事業」として載っています(出典:海老名市「令和8年度マンションアドバイザー派遣事業」、令和8年7月9日更新)。内容は、神奈川県の派遣事業のページと合わせて確認しました(出典:神奈川県「マンションアドバイザー派遣事業」)。

項目 内容
対象 県内の分譲マンションの管理組合、または管理組合の承認を得た委員会(大規模修繕工事委員会など)。横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市は県の事業の対象外
派遣される人 マンション管理士、建築士等の資格を持ち、管理相談の経験がある人
回数 年度内2回まで(県のページ。申込みが多いと2回目を受け付けられないことがある)
費用 無料
受付期間 令和8年6月26日〜令和9年2月26日(申込多数の場合は期間内でも早期終了)
窓口 NPO法人かながわマンション管理組合ネットワーク 045-620-6300(受付は10時〜16時、土日祝は休み)
市の問合せ先 海老名市 住宅まちづくり課 046-235-9606(住宅政策係)、046-235-9392(まちづくり支援係)

海老名市は県の対象外の4市に含まれていないため、市内の分譲マンションは利用できます。なお、海老名市のページには回数などの詳しい条件が書かれていないので、回数や1回の時間は県のページと窓口で確認してください。

申込みの流れ

  1. 事務局のかながわマンション管理組合ネットワーク(045-620-6300)に、電話で事前相談する
  2. 申請書をダウンロードして記入する
  3. メール(info@jinkan-net.com)またはFAX(045-620-6299)で送る

県のページでは、この順番で案内されています。申請書の様式は、県のページからダウンロードできます。

市の相談会と県の派遣は、使い分けると効果が出る

私なら、次のように使い分けを提案します。

場面 向いている窓口 理由
まず論点を整理したい 市の無料相談会(1時間) 理事1〜2名で気軽に行ける
修繕委員会で専門家の意見がほしい 県のアドバイザー派遣 理事会・委員会の場に来てもらえ、夜間・休日の対応もある
見積書の中身を専門家に見てほしい 派遣 資料を事前に共有し、委員会の場で質疑できる
管理費の滞納や規約の相談 市の無料相談会、または弁護士相談 相談内容によって専門家が異なる

協定が示す、海老名市の姿勢

海老名市は令和6年10月、一般社団法人神奈川県マンション管理士会と「マンションの適正管理の促進に関する協定」を結んでいます。プレスリリースによると、マンションの適正な管理を促すため、相談会の開催や、令和6年10月1日に始まった管理計画認定制度の認定手続の支援などで協力するとされています(出典:海老名市「マンションの適正管理の促進に関する協定を締結」、令和6年10月2日掲載)。

ただし、このリリースは締結の「予定」を知らせるものです。調印後の内容まで確認できたわけではないので、協定の具体的な運用は市の窓口で確かめてください。市がこうした協定を結んでいること自体、管理組合にとっては相談しやすい環境が整っていると読めます。


市民相談(法律・建築・不動産・登記など):予約の仕方を押さえる

海老名市の市民相談課には、法律をはじめ多くの専門相談があります。令和8年9月8日更新のページに載っている、管理組合に関係しそうな相談を抜き出しました(出典:海老名市「市民相談のご案内」)。

相談の種類 担当 日程・時間 予約
法律 弁護士 毎週水曜、第2・第4金曜 10:30〜15:30(12:00〜13:30を除く) 予約制(電話・LINE)
登記 司法書士 毎月第3金曜 13:00〜16:00 電話予約のみ
建築 建築士事務所協会会員 毎月第3木曜 9:30〜12:00 予約制(電話・LINE)
住宅 建築職組合員 奇数月の第2火曜 9:00〜11:30 予約制(電話・LINE)
不動産 宅地建物取引業協会会員 毎月第2火曜 13:00〜16:00 予約制(電話・LINE)
税務 税理士 毎月第3木曜 13:00〜16:00 電話予約のみ

問合せ先はいずれも市民相談課(046-292-0880)です。ページには、次の注意が書かれています。

  • 予約制の相談は、30日前の8時30分から予約を受け付ける
  • 相談は1案件につき1回まで

暦で数えた直近の日程は、次のとおりです(祝日は考慮していないため、予約の際にご確認ください)。

相談の種類 直近の日程
法律 10月21日(水)、10月23日(金)、10月28日(水)
建築 11月19日(木)
住宅 11月10日(火)
不動産 11月10日(火)
登記 11月20日(金)

法律相談は、管理費の滞納、規約と実態のずれ、近隣トラブルなど、管理組合が抱えがちな問題に役立ちます。相談は1案件につき1回までですから、聞きたいことを紙に整理して行きましょう。

なお、市民相談のページには、定員や費用の記載がありませんでした。利用前に、電話で「無料かどうか」「管理組合として相談してよいか」を確認することをお勧めします。


消費生活相談:訪問販売の「無料点検」に注意

マンションの管理組合には、ときどき「外壁の無料診断をします」「屋上の防水が危ないので点検に来ました」という営業が来ます。私は、こうした訪問や電話があったときは、その場で契約せず、理事会で共有することをお勧めします。

海老名市の消費生活相談は、月曜から金曜の9:30〜16:00で、電話は046-292-1000です。消費者ホットライン188(局番なし)や、かながわ中央消費生活センター(045-311-0999)も市のページに案内されています。

「無料」をうたう点検には、後から高額な工事の契約を求められるものもあります。無料の点検そのものが悪いわけではありませんが、誰が、何のために、どんな条件でやるのかが分からないまま受けるのは避けたいところです。


国の窓口:マンション管理センターの電話相談と法テラス

市や県の窓口に加えて、全国どこからでも使える窓口もあります。

マンション管理センターの電話相談

公益財団法人マンション管理センターの電話相談は、管理組合の運営や管理規約に関する相談、建物・設備の維持管理に関する相談を受け付けています。受付は月曜から金曜の9時30分〜17時(祝日・年末年始を除く)です。電話番号は、管理組合運営・規約が03-3222-1517、維持管理が03-3222-1519です(出典:マンション管理センター「電話相談」)。ページに費用の記載はなかったので、電話の際に確認してください。

法テラス

法テラス(日本司法支援センター)のサポートダイヤルは0570-078374で、平日9時〜21時、土曜9時〜17時に受け付けています。無料の法律相談には収入などの条件があり、トップページにその詳細はありません。利用の流れのページで確認してください(出典:法テラス)。


海老名市の管理計画認定制度:手数料は2,000円から

無料の相談窓口とは少し違いますが、管理計画認定制度についても触れておきます。海老名市の認定申請の手数料は、基礎額が2,000円で、追加の長期修繕計画1本につき1,000円が加算されます。このほか、マンション管理センターへの審査手数料やシステム利用料が別にかかります(出典:海老名市「マンション管理計画認定制度について」、令和8年7月7日更新)。

申請には、あらかじめ「事前確認適合証」を取る必要があります。事前確認の依頼先は、マンション管理センター、マンション管理士、管理委託先の業協会、日本マンション管理士会連合会の4パターンがあります。国土交通省の案内資料もあわせてご覧ください(出典:国土交通省「管理計画認定制度の案内資料」)。

先ほどの無料相談会は、この認定を目指す第一歩としても使えます。「うちの管理組合は認定の基準を満たしているか」という論点を持ち込めば、マンション管理士が現状をふまえて答えてくれるはずです。


費用がかかる制度の紹介:分譲マンションの耐震化補助

最後に、無料ではありませんが、知っておくと役立つ制度です。海老名市には「分譲マンションの耐震化促進関係補助事業」があります(令和8年4月1日更新)。昭和56年5月31日以前に建築確認を得て工事に着手した分譲マンションが対象で、補助率と上限額は次のとおりです(出典:海老名市「分譲マンションの耐震化促進関係補助事業」)。

区分 補助率 上限額
予備診断 費用の3分の2 1棟あたり20万円
耐震診断 費用の2分の1 1棟あたり150万円(延床面積1,000㎡未満は1㎡あたり1,500円が上限)
耐震改修計画書作成 費用の2分の1 1住戸あたり5万円
耐震改修工事等(現場立会を含む) 費用の2分の1 1住戸あたり50万円

耐震診断を行う前に、事前相談と申請が必要です。ページに受付期間の記載はありませんでした。住宅まちづくり課(046-235-9606、046-235-9392)で、令和8年度の受付状況を確認してください。


無料相談のあとに、現場の話を聞きたくなったら

無料相談会や派遣で論点が整理できたら、次は「実際に工事をするなら、どんな工法がありうるのか」という話になります。ここで、私たち施工側の知見がお役に立てるかもしれません。

大規模修繕の工法は、大きく分けて3つあります。

  • 通常の仮設足場を組む工法
  • 足場を組まず、産業用ロープで外壁に降りて作業するロープアクセス工法(無足場)
  • 足場とロープアクセスを部位ごとに使い分けるハイブリッド工法

明誠は、この3つを建物ごとに比べて提案できます。私たちはロープアクセス工事のフランチャイズも展開しており、塗装・防水・タイル・電気・看板など、各分野の専門職が加盟しています。ロープアクセスの基礎知識は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムにまとめています。足場費の比率が大きい建物ほど、工法の比較で差が出やすくなります。

ロープアクセスは、どんな建物にも向くわけではありません。複雑な形状の建物、広いバルコニーが多い建物など、足場のほうが安全で有利な建物もあります。だからこそ「3つの工法から比べる」ことに意味があります。ロープアクセスの特徴や向き不向きは、ロープアクセスドットコムで、当社の考え方はロープアクセス工法のご案内、明誠のコンセプト、安心の理由でご覧いただけます。これまでの明誠の施工事例もあわせてご覧ください。

実際の見積りや現地調査のご相談は、お問い合わせフォームからいつでもどうぞ。管理組合向けのサービス内容は、管理組合さま向けサービスのページにまとめています。


利益相反の開示

私は施工会社の代表です。この記事の末尾で自社のサービスをご紹介していますが、無料相談会や派遣事業は、特定の施工会社を勧めるための制度ではありません。むしろ、複数の見積りを比べるための知識を得る場として使っていただくのが、制度の趣旨に合っていると私は考えています。

相談会で聞いたことを、そのまま鵜呑みにする必要もありません。マンション管理士さんにも得意分野があります。1回の相談で結論を出さず、必要なら派遣も使い、複数の目で確かめてください。


今週できること

最後に、この記事をお読みの理事長・理事のみなさまが、今週中にできることをまとめます。

  1. 10月27日の無料相談会に申し込むか決める:申込締切は10月22日(木)17時。間に合わなければ11月24日(締切11月19日)を目標にする
  2. 相談の論点を1枚にまとめる:長期修繕計画の最終改定年、積立金残高、前回工事の時期と金額
  3. 県のアドバイザー派遣の事前相談の電話をかける:045-620-6300(10時〜16時、土日祝は休み)。受付は令和9年2月26日までだが、早期終了もある
  4. 管理組合に来る「無料点検」の営業を理事会で共有する:契約前に必ず相談する
  5. 管理計画認定を視野に入れるなら、無料相談会で基準を確認する

「相談する先がある」と分かるだけで、理事会の空気は変わります。費用をかけずに動ける入口が、海老名市にはあります。まずは電話一本から始めてみてください。


FAQ(よくある質問)

Q1. 海老名市の無料相談会は、どんなマンションでも受けられますか?

A. 対象は、市内の分譲マンションの管理組合の役員、または区分所有者などです。賃貸マンションの入居者の方は対象外と考えられるため、不明な場合は住宅まちづくり課(046-235-9606)に確認してください。

Q2. 相談会に申し込むには、何が必要ですか?

A. 事前申込制で、電子申込、または「相談申込票」を持参・郵送・FAX(046-233-9118)で提出します。締切は各相談日の前の週の木曜日の17時です。

Q3. 県のアドバイザー派遣は何回まで使えますか?

A. 神奈川県のページでは、年度内2回までです。申込みが多いと、2回目を受け付けられないことがあります。海老名市のページには回数の記載がないので、県のページと窓口でご確認ください。

Q4. 市の法律相談は無料ですか?

A. 市の市民相談のページには、費用の記載がありませんでした。予約の際に市民相談課(046-292-0880)で確認してください。

Q5. 無料相談を受けたら、その会社に工事を頼む義務はありますか?

A. 相談会や派遣事業は、特定の施工会社を紹介する制度ではありません。依頼の義務はありません。

Q6. 管理計画認定の手数料はいくらですか?

A. 海老名市への認定申請(初回)は、基礎額2,000円、追加の長期修繕計画1本につき1,000円です。マンション管理センターへの審査手数料などは別にかかります。


出典一覧


この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月18日


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本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月18日時点で公表されている海老名市、神奈川県、国土交通省などの公式情報をもとに執筆しています。海老名市の協定のプレスリリースは令和6年10月の掲載で、締結の予定を伝える内容です。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず海老名市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。

厚木市の12条点検|毎年報告・7月と11月の報告月、外壁打診の時期【2026年度版】

Q. 厚木市のマンションやビル、ホテルは、12条点検(定期報告)の対象になるのか?外壁の全面打診はいつ必要か?

A. 厚木市は自前の特定行政庁として定期報告を運用しており、担当は市の建築指導課です。共同住宅、ホテル・旅館、店舗、飲食店、病院などが対象用途で、用途ごとに階数や床面積の基準があります。報告の周期は毎年で、報告月は物件により7月と11月に分かれます(出典:神奈川県建築安全協会「提出周期と時期」)。外壁の全面打診は、おおむね10年に一度が目安です(出典:国土交通省「定期報告制度における外壁のタイル等の調査について」)。

(最終更新:2026年10月18日/執筆時点の現行年度:令和8年度)

結論:厚木市で12条点検の対象になる建物と、全面打診のタイミング

株式会社明誠は、東京都東大和市に拠点を置く大規模修繕の会社です。私は代表として20年以上、マンション・ビル・ホテルの修繕現場に立ってきました。神奈川県の12条点検シリーズは、横浜・川崎・相模原、湘南の各市と続き、小田原市の次に、今回は県央の厚木市を取り上げます。

厚木市は、令和7年10月1日現在の推計で人口222,797人、107,231世帯、面積93.83平方キロメートルのまちです(出典:厚木市「統計資料(令和7年)」)。市内は厚木、依知、睦合、荻野、小鮎、南毛利、玉川、相川、緑ケ丘、森の里の10地区に分かれ、人口は南毛利、睦合、厚木の各地区に多く集まっています。駅前の商業ビルから、住宅団地、郊外の分譲マンションまで、建物の種類が幅広い市です。

結論を先に3つ申し上げます。

  1. 周期は毎年です。厚木市の公式資料では、病院、共同住宅、ホテル、店舗、飲食店などの区分が、いずれも毎年の報告になっています。
  2. 報告月は物件により7月と11月です。どちらに当たるかは、前回の報告書や市への問い合わせで確かめます。11月の報告月のオーナーさまは、本記事の公開日(10月18日)からおよそ1か月しかありません。調査会社の予約を、今週中に確認してください。
  3. 全面打診は、竣工・外壁改修・前回の全面打診から10年を超えたときが目安です。毎年の調査と切り分けて計画します。

なお、小田原市は令和8年度に報告周期を3年ごとへ見直す動きがありましたが、厚木市については、令和8年10月時点で周期を変更したという公式情報を確認できていません。厚木市が公表する最新の資料に沿って動いてください。

12条点検とは:厚木市の対象建築物と規模の目安

制度の骨格

12条点検とは、建築基準法第12条に基づく定期報告制度の通称です。所有者または管理者が、有資格者に建物や設備の調査・検査をさせ、結果を特定行政庁に報告します。厚木市の公式ページでも、この制度は建築基準法第12条第1項・第3項に基づくもので、消防法の消防用設備等点検とは別に、調査と報告が必要だと説明されています(出典:厚木市「定期報告制度及び対象建築物・建築設備等・昇降機等について」)。

消防設備の点検を済ませていても、12条の報告は別に必要です。「消防はやっているから大丈夫」と思われているオーナーさまが多いので、ここは最初に確認してください。

対象用途と規模の目安

厚木市の資料「定期報告対象建築物・建築設備等と報告の周期」には、用途ごとの対象規模が載っています(出典:厚木市「厚木市の定期報告対象建築物・建築設備等と報告の周期」)。主なものを整理します。

用途 対象規模の目安(市の資料より) 周期
共同住宅(分譲・賃貸マンション) 3階以上で100㎡超 など 毎年
ホテル・旅館 3階以上で100㎡超、2階で500㎡以上、床面積3,000㎡以上 など 毎年
百貨店・物品販売店舗 3階以上で100㎡超、2階で500㎡以上、床面積3,000㎡以上 など 毎年
飲食店・集会場・劇場など 3階以上で100㎡超、客席200㎡以上 など 毎年
病院・診療所・寄宿舎・児童福祉施設等 3階以上で100㎡超 など 毎年

資料には、当該用途の床面積が200㎡以下のもの、または当該用途が避難階のみにあるものは対象外、という備考もあります。つまり、1階だけに入る小さな店舗のビルは、原則として対象になりません。一方で、同じビルに3階以上の事務所や共同住宅が入ると、対象になることがあります。

ただし、この資料は表の崩れがあり、用途と規模の対応が読み取りにくい部分があります。分譲マンションの管理組合さまやホテルのオーナーさまは、ご所有の建物が対象かどうか、必ず建築指導課に確認してください。階数の数え方(地階の扱い、塔屋の扱い)で結論が変わることがあるためです。

防火設備や建築設備も、同じ年に報告が必要な場合がある

厚木市の資料では、対象建築物に設置された防火扉(避難経路などの主要な防火設備)や、機械換気・機械排煙・非常用照明も報告の対象です。建築物の調査と同じ年にまとめて手配すると、調査会社への費用と手間をまとめられます。給排水設備は対象外です。

外壁の全面打診は「10年」が目安

定期報告の対象建築物では、外壁のタイルや石張りなどの仕上げについて、落下により歩行者などに危害を加えるおそれのある部分を調べます。調査の方法は、平成20年国土交通省告示第282号で定められています。国土交通省の整理では、手の届く範囲の打診等はおおむね6か月から3年以内に一度、全面的な打診等はおおむね10年に一度です。

令和4年1月18日の告示の一部改正で、無人航空機(ドローン)による赤外線調査が、打診以外の調査方法として明確になりました。ただし条件は、テストハンマーによる打診と同等以上の精度があることです(出典:国土交通省)。

厚木市の公式ページには、外壁の全面打診についての独自の記載は見当たりません。国の告示に沿った運用になると考えてよいと思いますが、直近の全面打診をいつ、どの報告年度に反映させるかは、建築指導課や調査会社と事前にすり合わせておくと確実です。

厚木市の12条点検:窓口・提出先・報告月

窓口は建築指導課、提出は建築安全協会

項目 内容(公式ページ掲載)
市の担当 厚木市 都市みらい部 建築指導課 建築指導係
所在地 〒243-8511 厚木市中町3丁目17番17号
電話・FAX 046-225-2430/046-223-0166
報告書の提出先 一般財団法人 神奈川県建築安全協会(市が業務を委託)

(出典:厚木市「定期報告制度及び対象建築物・建築設備等・昇降機等について」)

厚木市では、定期報告の受付業務が民間機関に委託されており、報告書の提出先は神奈川県建築安全協会です。市役所の窓口に直接持ち込むのではなく、協会に出す点が、茅ヶ崎市のように市の窓口に出す自治体との違いです。協会は報告書のオンライン提出にも対応しており、提出フォームは令和8年6月29日にリニューアルされています(出典:神奈川県建築安全協会「定期報告(建築物等)」)。

報告月は7月と11月

神奈川県建築安全協会の一覧では、厚木市の周期は毎年、報告月は物件により7月と11月に分かれる、と整理されています。どちらに当たるかの基準は、公開資料では確認できません。前回の報告書の控えや、協会・市への問い合わせで確認してください。

「報告の月」と「調査をする時期」は別物です。11月が報告月なら、遅くとも9〜10月に調査を終え、報告書をまとめて提出する流れになります。外壁の打診は、雨の日や強風の日はできませんし、ロープアクセスなら風の強い日は作業を見合わせます。天候の予備日を2〜3日は見込んでください。

手数料の目安(神奈川県建築安全協会)

協会の受付審査手数料は、令和7年4月1日からの表で、建築物の対象用途部分の床面積に応じて決まります(税込・建物1棟につき)。

対象用途部分の床面積 受付審査手数料
500㎡未満 3,300円
500〜1,000㎡未満 4,400円
1,000〜3,000㎡未満 6,600円
3,000〜5,000㎡未満 7,700円
5,000〜10,000㎡未満 9,900円

(出典:神奈川県建築安全協会「手数料」)

このほかに、防火設備や建築設備の手数料、報告書の控えの返送やオンライン受付の事務手数料がかかります。これは「提出する側の手数料」で、調査会社に支払う調査費とは別です。令和8年度の改定の有無は、提出前に協会のページでご確認ください。

令和8年度の注意点:神奈川県の改正は、厚木市には直接及ばない

神奈川県は、建築基準法施行細則を改正しました(公布は令和7年11月21日、施行は令和8年4月1日)。換気設備、可動式防煙壁、非常用の照明装置の調査項目が、建築設備等の定期調査・検査に移る内容です。ただし、この改正は神奈川県が直接所管する21市町村の区域に限られ、厚木市はその中に含まれていません(出典:神奈川県建築安全協会、神奈川県「定期報告制度について」)。

一方、国の告示(令和6年第974号、令和7年第53号)による定期調査・検査の項目、方法、判定基準、調査結果表の見直しは、全国の特定行政庁に関わります。調査会社に依頼するときは、改正後の様式と基準に対応しているかを確認してください。

厚木市ならではの事情:駅前ビルと郊外団地

商業ビル・ホテルは「歩行者の真上」から考える

厚木市の中心は厚木地区で、本厚木駅周辺には、店舗や事務所、宿泊施設の入る中高層ビルが並びます。駅前の歩道や出入口の上にある外壁は、タイルが落ちたときの被害が大きい面です。全面打診の計画では、まず歩行者の多い面と、出入口の真上を優先して決めます。

足場を組むと、駅前では歩道の占用や夜間の資材搬入が難しく、営業中のホテルや店舗の看板、眺望も隠れます。こうした条件の建物ほど、足場を使わないロープアクセスの利点が出ます。

郊外の団地・マンションは、一斉に10年を迎える

人口の多い南毛利、睦合などの地区や、森の里、緑ケ丘といった住宅地には、同じ時期にまとまって建てられた分譲マンションが多くあります。同じ時期に竣工した建物は、外壁の10年、大規模修繕の12年周期が、同じ年に重なりがちです。調査会社や施工会社の予約が混み合うため、早めの手配をお勧めします。

毎年の報告を、外壁の記録として残す

毎年の報告は手間に感じられますが、記録を積み上げれば「外壁の健康診断の履歴」になります。浮きやひび割れの位置を毎年同じ図面に書き込んでおけば、劣化がどの面で、どの速さで進むかが分かります。この記録は、次の大規模修繕の補修数量や長期修繕計画の見直しの根拠になります。

全面打診が必要になる4つのきっかけ

理事長さまやオーナーさまには、次の4つを「全面打診のきっかけ」としてお伝えしています。

  1. 竣工から10年を超えた:最初の全面打診の起点です。
  2. 外壁の全面改修から10年を超えた:タイル張替えや全面補修をした年から数え直します。
  3. 前回の調査で指摘を受け、是正が済んでいない:毎年報告の厚木市では、翌年の報告で改善状況を問われます。
  4. タイルの浮き・剥落の兆候が見つかった:手の届く範囲の打診で異常があれば、全面打診で確かめます。

まず、修繕履歴で「竣工年」と「最後の外壁改修・全面打診の年」を確かめてください。たとえば平成28年(2016年)に外壁を全面改修した建物なら、令和8年(2026年)以降の調査で全面打診を求められる時期に入っています。

費用の目安:打診の㎡単価と、足場・ロープアクセスの差

費用の目安を示します。以下は参考値で、実際の見積は建物の形状・高さ・外壁の仕上げ・敷地条件で大きく変わります。

項目 目安
全面打診調査の㎡単価(調査のみ) 250〜500円/㎡
10階建て・外周80m・打診対象約2,000㎡の調査費 約50〜100万円
同条件で仮設足場を組む場合(工期3か月想定) 約168万円
同条件でロープアクセス工法の場合 約59万円
足場とロープアクセスの差額 約109万円

全体の費用を押し上げるのは、打診そのものより足場です。駅前で道路の占用が難しい建物、営業を止められないホテルや店舗では、足場の計画がさらに難しくなります。料金の考え方は明誠の大規模修繕の料金の考え方でも公開しています。

ロープアクセス工法が12条打診で選ばれる理由

ロープアクセス工法とは、屋上などの確実な吊元から、作業員がメインロープとバックアップロープの2本に接続して壁面に降り、足場を組まずに調査や補修を行う工法です。吊元は2点以上を確保し、二重の冗長化で安全を確保します。国際基準(IRATA)に沿った、業界標準のやり方です。技術の詳細は明誠のロープアクセス工法のページに、安全への取り組みは明誠の安全管理にまとめています。

12条打診でロープアクセスを選ぶ理由は、主に3つです。

  1. 費用:足場代を抑えられます。上の例では、足場工法より約100万円の差が出る可能性があります。
  2. 期間:足場の組立・解体がないため、足場工法の約60%の工期が目安です。報告月が決まっている厚木市では、短い期間で調査を終えられることが大きな利点です。
  3. 営業しながら・住みながら施工:窓や店舗の前に足場やメッシュシートがかからず、ホテルの客室の日当たりや店舗の看板が隠れる心配が少なく済みます。

打診は、テストハンマーでタイルやモルタルを一枚ずつ叩き、音の違いを聞き分ける仕事です。ロープアクセスなら、見つけた浮きにその場でマーキングし、条件が合えば注入による部分補修まで続けて行えます。ドローンの赤外線調査で全体を把握し、気になる面だけロープアクセスで叩いて確かめる組み合わせも可能です。ただし、ドローンを飛ばすには、航空法上の許可・承認や周辺への配慮が必要で、事前の確認が欠かせません。

株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕に携わってきました。ロープアクセスでの高所作業では、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを続けています。作業は、IRATA水準の訓練を受けた作業員が担当します。

ロープアクセスの訓練体制や施工の実例は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムで詳しく紹介しています。足場・ロープアクセス・ハイブリッドの3工法の比較もロープアクセスドットコムに掲載しています。塗装・防水・タイル・電気・看板などの専門工事会社さまで、フランチャイズ加盟をご検討の方もロープアクセスドットコムからご覧ください。

12条点検を大規模修繕・長期修繕計画とつなげる

12条点検(または自主的な外壁調査)と大規模修繕を、別々の会社に別々のタイミングで発注しているオーナーさまは少なくありません。私はこれを、できるだけワンセットで考えるよう提案しています。

  • 足場代の二重払いを避ける:打診のために足場を組み、数年後の大規模修繕でまた組む、という重複をなくせます。
  • 調査結果が補修数量の根拠になる:浮き・欠損の位置と数量が分かれば、見積書の数量が透明になります。
  • 長期修繕計画の精度が上がる:外壁の劣化が数字で分かり、修繕積立金の見通しが立てやすくなります。
  • ハイブリッド工法の判断材料になる:低層部は足場、高層部の高い面はロープアクセス、と面ごとに使い分けると総額が下がる建物もあります。

分譲マンションの管理組合さまは管理組合様向けの大規模修繕サービスを、賃貸マンション・テナントビル・ホテルのオーナーさまはビルオーナー様向けの修繕サービスをご覧ください。

よくあるご質問

Q. 厚木市の分譲マンションは、12条の定期報告が必要ですか?

A. 厚木市の資料では、共同住宅が対象用途に挙げられ、3階以上で100㎡超などの規模基準があります。ご所有のマンションが対象かどうかは、厚木市建築指導課(046-225-2430)にご確認ください。

Q. 1階だけに店舗が入るビルは対象ですか?

A. 市の資料では、当該用途が避難階のみにある場合や、当該用途の床面積が200㎡以下の場合は対象外とされています。1階(避難階)だけに店舗がある場合は、原則として対象外です。

Q. 厚木市の12条点検の報告は何年ごとですか?

A. 市の公式資料と神奈川県建築安全協会の一覧では、毎年です。小田原市のような3年ごとの自治体とは異なります。

Q. 報告はいつ出せばよいですか?

A. 神奈川県建築安全協会の一覧では、物件により7月と11月に分かれます。どちらかは前回の報告書や市への問い合わせで確認してください。

Q. 報告書の提出先はどこですか?

A. 厚木市では、報告書の提出先は一般財団法人神奈川県建築安全協会です。オンライン提出にも対応しています。制度全般のお問い合わせ先は厚木市建築指導課です。

Q. 外壁の全面打診は何年ごとですか?

A. 国土交通省の整理では、全面的な打診等はおおむね10年に一度です。根拠は平成20年国土交通省告示第282号です。

Q. 駅前のビルでも、足場なしで外壁を調べられますか?

A. 屋上に2点以上の吊元を確保できれば、ロープアクセス工法でメインロープとバックアップロープの2本に接続して降り、足場なしで叩いて調べられます。営業を続けながらの調査にも対応します。現地を見て、足場との組み合わせも含めてご提案します。

まとめ+今週動くこと3点

厚木市の12条点検は、毎年の報告で、報告月は物件により7月と11月です。窓口は建築指導課、報告書の提出先は神奈川県建築安全協会です。共同住宅やホテル、店舗・飲食店などが対象用途に挙がっていますが、規模の基準があるため、ご所有の建物が対象かどうかの確認が最初の一歩です。

今週動くことを3つに絞ります。

  1. 報告月と対象かどうかを確かめる:前回の報告書で報告月(7月か11月)を確認し、対象かどうか分からない建物は建築指導課に相談する。11月報告の建物は、調査会社の予約を今週確認する。
  2. 最後の全面打診の年を調べる:修繕履歴や過去の調査報告書を見て、10年を超える年がいつかを確かめる。報告義務のない建物も、10年を目安に外壁の状態を数字で把握する。
  3. 次の大規模修繕とセットで考える:全面打診の年と大規模修繕の年、報告月を並べ、足場を一度で済ませられないか、ロープアクセスで前倒しできないかを、次の理事会・オーナー会議で共有する。

明誠の施工実績は明誠の施工事例で、私たちの考え方は明誠の理念でご覧いただけます。ご相談は大規模修繕・打診調査のお問い合わせフォームからどうぞ。厚木市を含む神奈川県全域で、現地調査にも対応しています。報告月の前に一度建物を見ておくだけでも、次の一手はずっと選びやすくなります。

出典・参考資料

本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月18日(令和8年度)時点で公表されている国土交通省・神奈川県・神奈川県建築安全協会・厚木市の公式情報をもとに執筆しています。厚木市の「定期報告制度及び対象建築物・建築設備等・昇降機等について」は令和7年7月1日(令和7年度)の更新で、令和8年度に入ってからの改定は確認できませんでした。対象建築物の資料は更新日の記載がなく、表に読み取りにくい部分があるため、用途ごとの規模基準は目安として掲載しています。令和7年度掲載の情報であるため、調査・報告の前に必ず市へ現行の内容をご確認ください。協会の手数料表は令和7年4月1日からの金額で、令和8年度の改定の有無は確認できていません。人口は令和7年10月1日現在の推計値です。費用の数字は参考値で、個別の見積を保証するものではありません。制度は年度途中でも改正があり得ます。

この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月18日


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海老名市のマンション漏水・防災対策|相模川・目久尻川の洪水と内水のハザードマップから考える大規模修繕の優先順位【2026年度版】

2026年10月17日 更新

海老名市で分譲マンションやビルをお持ちの方に、まず知っていただきたい数字があります。海老名市の雨水の排水能力は時間雨量50mmです。ところが市の内水ハザードマップは、1時間に153mmの雨が降った場合を想定して作られています(出典:海老名市防災ガイドブック 風水害編(知識))。50mmを超える雨では、海老名市内のどこでも、排水が追いつかない前提で建物を見ておく必要があります。

私は株式会社明誠の本間幸紘と申します。拠点は東京都東大和市ですが、神奈川県内のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕も手がけています。20年以上、外壁と防水の現場に立ってきました。仮設足場を組む工事も、メインロープとバックアップロープの2本に接続して壁面に降りる無足場の工事も、どちらも自分の手でやってきた人間です。

今日は、海老名市・気象庁・国土交通省の公式情報をもとに、海老名市の分譲・賃貸マンション、そしてオーナーさまのビルやホテルが、大規模修繕で先に手を打つべき漏水・防災の場所を整理します。

なお、この記事では海老名市の公式ページ・防災ガイドブックに載っている河川と区域だけを書きます。相模川流域の広域資料に出てくる他市の川を、海老名市のものとして並べることはしません。


結論:海老名市で優先すべきは「屋上とバルコニーの排水」「相模川側の設備階」「東側台地の斜面まわり」です

先に結論を申し上げます。海老名市のマンションでは、次の3つから動くことをお勧めします。

  1. 屋上ドレン・バルコニー排水・サッシまわりのシーリングを点検し、防水の改修時期を記録で確認する:時間50mmを超える雨で最初に出る被害は、排水が追いつかないことによる漏水です。内水は川沿いでなくても起こります
  2. 相模川の浸水想定区域にある建物は、受変電設備・給水ポンプ・非常用発電機の置き場所を確認する:市は「相模川が氾濫すると市の西側のほとんどが浸水の危険がある」としています
  3. 東側の台地で、急斜面に近い建物は擁壁・排水溝・外構の排水を点検する:海老名市の土砂災害は急傾斜地の崩壊(がけ崩れ)が対象です

海老名市のハザードマップは、洪水(相模川・目久尻川・永池川・鳩川)、内水、土砂災害の3種です。市は「海老名市においては、高潮及び津波は想定されていません」と明記しています(出典:海老名市防災ガイドブック(ハザードマップ))。


海老名市のハザードマップを1枚で読む

市の防災ガイドブック(令和8年6月12日 全面改訂)から、種類ごとの該当を整理しました。

種類 海老名市での扱い 想定の前提
洪水(相模川) 市の西側のほとんどが浸水の危険 48時間雨量567mm
洪水(目久尻川) 川沿いで浸水を想定 24時間総雨量398mm
洪水(鳩川) 川沿いで浸水を想定 24時間総雨量326mm
洪水(永池川) 川沿いで浸水を想定 24時間総雨量304mm
内水 川沿い以外の住宅街(東柏ケ谷など)でも危険あり 1時間153mm(排水能力は時間50mm)
土砂災害 急傾斜地の崩壊(がけ崩れ)のみが対象 土砂災害警戒区域・特別警戒区域
地震・液状化 都心南部直下地震で市全域震度6弱、中新田と大谷の一部で震度6強 液状化危険度マップは別に公開
津波・高潮 想定されていない 市が明記

出典は、海老名市防災ガイドブック(ハザードマップ)の「風水害編(知識)」「地震編(知識)」、および震度分布図・液状化危険度マップ等の参考資料です。

令和8年6月の改訂で変わったこと

今回の改訂では、相模川の「家屋倒壊等氾濫想定区域(氾濫流)」が、神奈川県が令和7年12月25日に発表した内容に合わせて修正されました。また、目久尻川・永池川・鳩川の「家屋倒壊等氾濫想定区域(河岸侵食)」が、それまで文字だけだった情報から地図に落とし込まれています。

手元に古い版のガイドブックがある管理組合さまは、令和8年6月版に差し替えてください。特に、川沿いの建物で家屋倒壊の区域を確認する場合は、新しい版で見る必要があります。

洪水と内水は、見る場所が違います

洪水は川があふれる話、内水は市街地に降った雨が排水しきれずにたまる話です。

市のガイドブックには、相模川の浸水継続時間マップも載っています。浸水深が50cm以上になってから50cmを下回るまでの時間を、12時間以内、12〜24時間、24〜72時間の3段階で示したものです。受変電設備が水に浸かった場合、復旧までに数日かかる前提で考えたほうがよい、ということです。

内水について、市は「坂の下や一部低地になっているところでも発生する」と書いています。東側の台地にある建物でも、敷地の中の低い場所、半地下の駐車場、1階の機械室は油断できません。

実際の避難の実績

令和元年(2019年)10月の台風第19号では、県が相模川上流の城山ダムで初めて緊急放流を行いました。海老名市は相模川の浸水想定区域内の住民約5万4千人に避難指示を出しています(出典:神奈川新聞 カナロコ 2020年2月3日)。同じ報道では、海老名市と厚木市の間にある相模大橋の地点で氾濫危険水位を超えたものの、大きな浸水被害は確認されなかったとされています。

ガイドブックにも「城山ダムの緊急放流等により相模川が氾濫するおそれがある場合には、市から避難指示等を発令」すると書かれています。区域内のマンションでは、避難のときに共用部の電源や給水が止まった後のことまで、あらかじめ決めておく必要があります。


海老名市の地域特性と漏水事故の関係

海老名市は、西側の相模川沿いの低地と、東側の標高の高い台地に大きく分かれます。市のガイドブックも「東側は標高が高くなっており、相模川の洪水の影響は受けにくい」としています。場所によって、漏水の出方が変わります。

西側の相模川沿いの低地:浸水すると、地下ピット、1階の電気室、エレベーターのピットが水に浸かります。漏水というより、設備の水没が主な被害です。

海老名駅周辺の市街地:駅の周辺は再開発で大型のマンションや商業施設が増えました。舗装面が多く、雨水が一気に側溝へ流れます。半地下の駐車場や地下の機械室の出入口には、止水板や排水ポンプの点検が欠かせません。

目久尻川・永池川・鳩川の川沿い:相模川ほど大きな川ではありませんが、市はこれらの川沿いでも浸水を想定しています。川に近い低い敷地の建物は、1階の床と外部の地盤の高さの差を確認しておくと安心です。

東側の台地の斜面:急斜面が土砂災害警戒区域に指定されている場所があります。擁壁のひび割れ、水抜き穴の詰まり、外構の排水溝の勾配不良が、建物側の漏水の原因になります。

現場の話を一つ。私が以前に見たある築30年超の中規模マンションでは、雨のたびに1階の廊下天井から水が落ちていました。調べると、原因は外壁ではなく、敷地の高い側から流れ込んだ雨水が外構の排水溝からあふれて、防水の立上りの下端から入っていたものでした。外壁のシーリングを全部打ち替えても止まらなかったと思います。水の入り口を見誤ると、費用だけがかさみます。私が現場で一番悔しい思いをするのは、こういうときです。


大規模修繕でチェックすべき漏水ポイント7つ

私の経験上、漏水の原因は7か所でほぼ説明がつきます。大規模修繕の見積りを見るときの、確認表としてお使いください。

  1. 屋上防水:ふくれ、ひび割れ、端部の浮きを確認します。防水改修の費用は、工法によりますが5,000〜8,000円/㎡が一つの目安です(物件により大きく変わります)
  2. シーリング:外壁目地とサッシ周囲の硬化・ひび割れ・肉やせを確認します
  3. バルコニー排水:排水溝に落ち葉や砂がたまっていないか、床の勾配が保たれているかを見ます
  4. ドレン(排水口):屋上とバルコニーのドレンが詰まると、水があふれて壁を伝います。雨の前の清掃が最も安く効きます
  5. 立上り:防水層の端部の立上りが低いと、想定を超えた雨で水が越えます
  6. サッシまわり:枠と躯体の取り合い、水切りの不具合を見ます
  7. エキスパンションジョイント:建物の動きを逃がす継ぎ目で、劣化すると雨水が内部に入ります

海老名市の排水能力は時間50mmです。市のガイドブックに掲載されている気象庁の区分では、1時間50〜80mmは「非常に激しい雨」にあたります。このくらいの雨では、屋上のドレン1か所が詰まっているだけで、屋上に水がたまり、立上りを越えて室内に入ることがあります。

7か所のうち、お金をかけずにできるのは、ドレンの清掃と、目視の点検です。私はいつも理事長さまに、雨の降る前の週に屋上へ上がって見ていただくようお伝えしています。それだけでも、状況はかなり分かります。


漏水緊急対応でロープアクセスが強い理由

漏水が起きたとき、足場を組むところから始めると、手配だけで数週間かかります。その間に雨は何度も降ります。

ロープアクセス工法は、メインロープとバックアップロープの2本に接続し、2点以上の吊元を確保して壁面に降りる工法です。足場を組む時間がないため、調査と応急処置を短い日数で始められます。居住者の方のバルコニーに足場の部材が通ることもなく、生活への影響も小さくなります。

費用面でも差が出ます。10階建て・外周80m・工期3か月の建物を例にすると、足場工法の仮設費が約168万円、ロープアクセスでは約59万円という試算があります。あくまで条件を置いた目安で、実際の見積りは建物により変わります。

安全面について。株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセスでの高所作業では、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。作業員はIRATA(国際産業ロープアクセス協会)水準の技能訓練を受けており、品質管理はISO9001で行っています。

詳しい技術情報は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムに、工法の考え方と訓練の内容をまとめています。同業の方や、フランチャイズにご関心のある方はロープアクセス工法の技術解説(姉妹サイト)もご覧ください。明誠の工法はロープアクセス工法のご紹介と安全管理の取り組みで説明しています。漏水の調査と補修は漏水対応のご案内をご覧ください。


防災上の共用部の位置と修繕優先度

漏水以外に、浸水や地震で止まると困る共用部を、優先度の高い順に並べます。

共用部 確認すること 優先度
受変電設備 設置階が洪水・内水の想定浸水深より上か 高
給水ポンプ ポンプ室が地下・1階にないか 高
非常用発電機 設置階と、燃料の保管場所 高
エレベーター ピットの浸水対策、停止時の運用 中
避難通路・階段 荷物の放置、手すり・床の劣化 中

市の地震被害想定(都心南部直下地震、冬の平日午後6時発災)では、上下水道の断水・機能支障が36,440人、復旧の見込みは上水道9日、下水道40日とされています(出典:海老名市防災ガイドブック 地震編(知識))。マンションでは、給水ポンプが動いても下水が使えない期間が長く続くことになります。トイレの使用ルールや、排水管の点検の順番を、理事会で決めておくことをお勧めします。

電気設備の浸水対策は、国土交通省・経済産業省が建築物における電気設備の浸水対策ガイドラインを公表しています。設備を上階に移す、止水板を設ける、といった考え方が整理されています。

大雨のときの危険度は、気象庁のキキクル(危険度分布)で確認できます。建物の住所を、国土地理院の重ねるハザードマップに入れて、洪水・内水・土砂・液状化を重ねて見ておくことをお勧めします。


海老名市で使える耐震・マンション支援の制度(令和8年度)

海老名市には、管理組合が使える耐震化の補助制度があります。市のページの更新日は令和8年4月1日です(出典:海老名市 分譲マンションの耐震化促進関係補助事業)。

対象は、昭和56年5月31日以前に建築確認を得て工事に着手した分譲マンションの管理組合です。補助額は次のとおりです。

内容 補助率 上限
予備診断 費用の3分の2 1棟あたり20万円
耐震診断 費用の2分の1 1棟あたり150万円(延床1,000㎡未満は1㎡あたり1,500円)
耐震改修計画書作成 費用の2分の1 1住戸あたり5万円
耐震改修工事等 費用の2分の1 1住戸あたり50万円

診断等を行う前に事前相談と申請が必要で、管理組合の集会で耐震診断の実施を議決していることも条件です。窓口は市のまちづくり部 住宅まちづくり課です。

このほか、令和8年度は神奈川県のマンションアドバイザー派遣事業があり、マンション管理士や建築士を管理組合に無料で派遣しています。申込期間は令和8年6月26日から令和9年2月26日までで、申込者が多い場合は早めに終了します(出典:海老名市 令和8年度マンションアドバイザー派遣事業)。長期修繕計画の見直しを考えている管理組合さまには、使いやすい制度です。


よくあるご質問

Q. 海老名市のマンションで、ハザードマップはどこで見られますか?

A. 海老名市防災ホームページの防災ガイドブック(ハザードマップ)で、地区ごとのPDFをダウンロードできます。令和8年6月12日に全面改訂されています。

Q. 海老名市で津波や高潮の心配はありますか?

A. 市は、海老名市においては高潮と津波は想定されていないと明記しています。想定されているのは洪水、内水、土砂災害です。

Q. 内水とは何ですか?

A. 排水施設の能力を超える大雨で、雨水が排出しきれずにたまる浸水です。海老名市の排水能力は時間50mmで、内水マップは1時間153mmの雨を想定しています。川から離れた場所でも起こります。

Q. 屋上防水の改修費用はいくらくらいですか?

A. 工法により、5,000〜8,000円/㎡が一つの目安です。建物の状態で大きく変わります。無料で概算お見積りを出せますので、お気軽にお問い合わせください。

Q. 漏水が起きたら、まず何をすればよいですか?

A. 水が入っている場所を写真で記録し、ドレンの詰まりを確認してください。そのうえで原因の調査を依頼します。外壁か、屋上か、敷地からの水かを見極めることが、費用を抑える近道です。

Q. ロープアクセスなら、足場より工期は短くなりますか?

A. 足場工法の約60%の工期が目安です。10階建て・外周80mなら、足場3か月に対し1.5〜2か月程度です。建物により変わります。

Q. 旧耐震のマンションですが、診断の補助は令和8年度も使えますか?

A. 市のページ(令和8年4月1日更新)に、予備診断は費用の3分の2・上限20万円などの補助が掲載されています。診断の前に事前相談が必要ですので、住宅まちづくり課にご相談ください。


まとめと今週動くこと3点

海老名市では、相模川側の洪水、市内全域の内水、東側の斜面のがけ崩れを、建物の場所に合わせて見分けることが出発点です。そのうえで、漏水の7か所と、電気設備の置き場所を点検します。

今週、動いていただきたいことを3つに絞ります。

  1. 令和8年6月版の防災ガイドブックで、建物の住所が洪水・内水・土砂のどの想定に入るかを確認し、理事会で共有する:地区のページを1枚コピーして配るだけで十分です
  2. 受変電設備・給水ポンプ・非常用発電機の設置階を、竣工図で確認する:浸水想定より下にあれば、止水板などの対策の検討を始めてください
  3. 屋上ドレンとバルコニー排水を、雨の前に清掃する:費用をほとんどかけずにできる、最も効果の高い備えです

総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。管理組合さまは管理組合向けのご案内、ビルオーナーさまはビルオーナー向けのご案内をご覧のうえ、お問合せフォームからお気軽にご相談ください。費用の考え方は明誠の料金の考え方に、これまでの実績は明誠の施工事例にあります。

本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月17日時点で公表されている海老名市および国土交通省・気象庁の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、海老名市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。

次回も、現場で本当に使える話だけをお届けします。

出典・参考資料

この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月17日


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小田原市の管理組合が使える無料相談・支援制度8選|マンション管理士の月1回相談・県アドバイザー派遣・耐震アドバイザーから国の電話相談まで【令和8年度版】

2026年10月17日 更新

小田原市のマンションの理事長さまから、こんなご相談をいただくことがあります。

「大規模修繕の時期が近づいてきたが、誰に何を聞けばいいのか分からない。専門家への相談料を修繕積立金から出すのは気が引ける」

小田原市の管理組合には、お金をかけずに動ける入口があります。市役所には「小田原市分譲マンション管理相談」があり、マンション管理士が無料で対応します。市の案内では、毎月第2金曜日に開かれ、1件50分以内で、管理組合の役員だけでなく区分所有者や居住者も対象です(出典:小田原市「分譲マンション管理相談」、2026年3月16日更新)。

申し遅れました。私は株式会社明誠の本間幸紘と申します。東京都東大和市を拠点に、20年近くマンション・ビル・ホテルの外壁の仕事をしてきました。この記事では、令和8年10月17日時点で小田原市の管理組合が使える窓口を、費用の根拠とあわせて整理します。

先に、確認できなかったことも正直に書いておきます。市のページに「マンション管理士の派遣」を市が独自に行うという記載はなく、市のマンション関連ページから案内されているのは神奈川県の派遣事業でした。ですから、小田原市で「派遣」を使うなら県の制度が入口になります。


結論:小田原市で使える窓口は8、いま無料で動けるのは6

公式ページで「無料」と確認できたものを中心に、一覧にしました。

# 制度・窓口 対応する人 費用 申込先
1 小田原市分譲マンション管理相談 マンション管理士(1件50分以内) 無料 都市政策課 0465-33-1307
2 市民相談の法律相談 弁護士 無料(年度内1回限り) 予約専用 0465-33-1383
3 市民相談の司法書士・税務・宅建相談 司法書士・税理士・宅地建物取引士 無料 同上
4 神奈川県マンションアドバイザー派遣 マンション管理士・建築士等(1回3時間以内) 無料(年度内2回まで) かながわマンション管理組合ネットワーク 045-620-6300
5 小田原市耐震化促進アドバイザー派遣 専門家(1回2時間以内、1建築物2回まで) 無料 建築指導課 0465-33-1433
6 小田原市消費生活センター 消費生活相談員 ページに費用の記載なし 地域安全課 0465-33-1396
7 日管連の相談ダイヤル/マンション管理センターの電話相談 マンション管理士・専門相談員 ページに費用の記載なし 03-5801-0858/03-3222-1517
8 法テラス(日本司法支援センター) 弁護士等 条件により無料 0570-078374

実際に「無料」と確認できたのは、1・2・3・4・5の5つです。このほか8の法テラスは、収入や資産の基準を満たせば無料の法律相談が受けられます。6と7は、費用の記載を確認できなかったので、電話で「相談料はかかりますか」とひと言聞いてください。

補助金は「無料」ではないため、この記事では扱いません。費用の一部を補助してもらう制度は別の機会にまとめます。


マンション管理士に無料で相談できる:市の「分譲マンション管理相談」

私が小田原市の管理組合に最初にお勧めするのは、この相談です。市の案内を整理すると次のとおりです。

項目 内容
対応する人 マンション管理士
内容 管理組合の運営全般、規約の見直し、大規模修繕、長期修繕計画の見直し、日常生活のトラブルなど
日程 毎月第2金曜日(祝日を除く)。13:30、14:30、15:30の3枠
所要時間 1件50分以内
会場 小田原市役所2階 市民相談室
費用 無料
対象 市内分譲マンションの管理組合の役員、区分所有者、居住者
予約 要予約。相談申込票に記入し、郵送・メール・FAX・窓口持参のいずれか
申込期限 相談日の前々日の17時
回数の上限 同一年度内、1人3回まで
問合せ先 都市政策課 都市調整係 0465-33-1307/メール to-chosei@city.odawara.kanagawa.jp

令和8年度の残りの日程

市のページに載っている令和8年度の開催日は、4/10、5/8、6/12、7/10、8/14、9/11、10/9、11/13、12/11、1/8、2/12、3/12です(すべて金曜日)。今日は10月17日(土)ですので、10月9日はすでに終わりました。次回は11月13日(金)です。申込期限は相談日の前々日17時とありますから、11月11日(水)17時までに申込票を出す必要があります。

次々回は12月11日(金)で、申込期限は12月9日(水)17時です。日付の数え方に不安があれば、都市政策課へ電話で確認してください。

持っていくもの

市の案内には、管理規約など関係資料を持参するよう書かれています。後半で、私が現場でお願いしている3点セットをまとめます。

使いどきは、見積依頼の前

現場にいる私の立場から一つお伝えします。この相談の価値は、施工会社の営業とは別の第三者の意見が聞けることです。見積書が出てから慌てて相談するより、見積依頼の前に相談するほうが、仕様のぶれが小さくなります。私が現場でよく見てきた遠回りは、見積りを取ったあとで「そもそも今回の工事範囲は適切なのか」と迷い、総会の日程がずれ込むケースです。

大規模修繕の費用感の目安も、先に頭に入れておくと相談の質が上がります。あくまで目安ですが、30戸規模のマンションで総工費は3,500万円〜5,000万円、そのうち仮設足場が15〜25%という幅が一般的です。外壁塗装は1㎡あたり3,500円〜4,500円、打診調査は1㎡あたり250円〜500円が参考値です。実際の金額は建物の状態や仕様で大きく変わります。


派遣を頼みたいなら:神奈川県マンションアドバイザー派遣

「相談室に出向く時間が取れない」「理事会や委員会の場で聞いてほしい」という管理組合には、神奈川県の派遣事業が向いています。令和8年度の内容は次のとおりです(出典:神奈川県「マンションアドバイザー派遣事業」、令和8年度チラシ)。

項目 内容
対象 県内の分譲マンションの管理組合、または管理組合の承認を得た委員会(大規模修繕工事委員会など)。横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市は対象外
派遣内容 1回につきアドバイザー1〜2名、3時間以内。夜間・休日も対応
回数 年度内2回まで。申込みが多いと2回目を受け付けられないことがある
費用 無料
受付期間 令和8年6月26日〜令和9年2月26日(多数の場合は期間内でも早期終了)
事前相談窓口 NPO法人かながわマンション管理組合ネットワーク 045-620-6300(10時〜16時、土日祝休み)
派遣される人 マンション管理士、建築士等の資格を持ち、管理相談の経験がある人

小田原市は県の対象市です(対象外は横浜・川崎・相模原・横須賀の4市)。小田原市のマンション関連ページでも、この県の事業が案内されています(出典:小田原市「相談窓口」)。

申込みの手順

県の案内では、次の流れです。

  1. 事前相談窓口(かながわマンション管理組合ネットワーク)へ電話する
  2. 県のホームページから派遣申請書をダウンロードし、メールかFAXで送る
  3. 事務局がアドバイザーを選び、日程を調整して派遣決定通知書が届く
  4. アドバイザーが管理組合の会合などに来て相談に応じる

派遣の対象外になること

建物の精密測定、長期修繕計画や設計書の作成、見積りの比較、業者の紹介、居住者間や近隣との紛争解決、管理計画認定の申請業務などは派遣に含まれません。ここは誤解されやすい点です。「見積書を3社分見比べて、どこが安いか決めてほしい」というお願いは、この派遣では引き受けてもらえません。あくまで、考え方や進め方の助言を受ける場です。

市の相談と県の派遣、どう使い分けるか

私なら、まず市の相談(50分、無料)で論点を絞り、そのうえで理事会や委員会に専門家を呼びたくなったら県の派遣(3時間)を頼みます。市の相談は1人3回まで、県の派遣は年度内2回までですから、回数の上限が違うことも頭に入れておくと、組み合わせやすいです。


建築士・耐震:小田原市の耐震化促進アドバイザー派遣

建物が古い管理組合には、市の耐震化促進アドバイザー派遣も選択肢です。市の案内は次のとおりです(出典:小田原市「耐震化促進アドバイザー派遣事業」、2026年5月8日更新)。

項目 内容
対象 昭和56年5月31日以前に建築され、同年6月1日以後に増築されていない、木造住宅以外の分譲型共同住宅(賃貸を除く)に居住する所有者
区分所有の場合 全区分所有者の過半の同意が必要
費用 無料(派遣費用は市が負担)
回数 1建築物につき2回まで、1回2時間以内
申込先 建築指導課 指導係 0465-33-1433
年度 令和8年度(受付は4月13日開始)

対象は、いわゆる旧耐震(昭和56年5月以前)のマンションです。新耐震のマンションは、この派遣の対象になりません。ご自身のマンションがどちらにあたるか分からない場合は、竣工年を確認してください。

大規模修繕の工事計画のなかで、外壁や躯体の状態を見ながら「この機会に耐震のことも聞いておきたい」という声は、私も現場で何度も聞いてきました。建築士の目線を、無料で、一度入れておく価値はあると思います。


弁護士・司法書士・消費生活センター:管理費滞納や区分所有のトラブルに

管理費の滞納、規約の読み方、組合名義の不動産の扱い。工事の前段階で出てくるこうした疑問は、専門家に相談すると整理できることが多いです。小田原市の市民相談は次のとおりです(出典:小田原市「市民相談のご案内」、2026年3月30日更新)。相談は無料と書かれています。

相談項目 日時 定員 予約
法律相談(弁護士) 毎週水曜 13:30〜16:00 5人 相談日の2週間前の8:30から。年度内1回限り
司法書士相談 毎月第2木曜 13:30〜15:30 6人 当日8:30から
税務相談(税理士) 毎月第3火曜 13:30〜15:30 6人 当日8:30から
宅地建物取引相談 毎月第4木曜 13:30〜15:30 6人 当日8:30から

会場は市役所2階の地域安全課市民相談係(14番窓口)で、予約の電話は0465-33-1383(直通)、問合せは0465-33-1775です。

弁護士相談で気をつけたい2点

1つ目は、「年度内1回限り」という制限です。同じ年度に何度も使えませんので、管理費の滞納対応など、本当に聞きたい件に絞ってください。2つ目は、市内にお住まいの方を対象とした相談だと案内されている点です(出典:小田原市「弁護士への相談について」、2025年2月12日更新)。管理組合の案件として理事長が相談できるかどうかは、ページに書かれていません。予約の電話で聞いてください。

消費生活センター

悪質商法による被害や商品事故の相談は、市の消費生活センターが受け付けています。工事の訪問営業や点検商法で困ったときに頼れる窓口です(出典:小田原市「消費生活センターの業務内容」)。このFAQページに費用の記載はなく、問合せ先として地域安全課 0465-33-1396 が載っていますが、ページの更新日は2021年11月です。電話番号や受付時間は、市の最新の案内で確認してください。

市民法律講座「くらしと法律」

相談とは別に、市民法律講座も開かれています。令和8年度は10月に4回あり、無料、各回60人の先着順です(出典:小田原市「市民法律講座」、2026年9月1日更新)。ただし、第1回の10月16日はすでに終了し、残りの3回は離婚、近隣トラブル、相続という内容です。個人的な相談はできないと書かれています。マンションの管理運営に直結する内容ではないため、ここでは存在のご紹介にとどめます。


国・全国団体の相談窓口

市や県の窓口が合わない日や時間でも、全国規模の電話相談があります。

日管連(日本マンション管理士会連合会)の相談ダイヤル:03-5801-0858

国土交通省の案内には、管理計画認定制度に関する相談ダイヤルとして、03-5801-0858(日管連)が載っています。受付は月曜〜金曜の10時〜17時、祝日・年末年始は休みで、管理組合の役員や組合員、管理会社など誰でも利用できると書かれています。費用の記載は確認できませんでした(出典:国土交通省 管理計画認定制度の案内資料)。

公益財団法人マンション管理センターの電話相談

管理組合運営や管理規約の相談は03-3222-1517、建物・設備の維持管理の相談は03-3222-1519です。平日9時30分〜17時で、祝日と年末年始は休み、1件あたり15分前後が目安です。マンション標準管理規約を参考に、公平・中立の立場で助言する窓口だと説明されています。一方で、専門家レベルの法律相談、個別具体的な修繕アドバイス、回答の書面化は対応外です(出典:マンション管理センター「電話相談」)。費用の記載は確認できませんでした。

法テラス

収入や資産が一定の基準以下であれば、無料の法律相談が利用できる国の機関です。サポートダイヤルは0570-078374、平日9時〜21時、土曜9時〜17時です。神奈川の地方事務所は0570-078308、小田原にも窓口があります(0570-078311)。資力の基準額は本記事では確認できていませんので、サポートダイヤルでご確認ください(出典:法テラス)。


何を用意していけばいいか:3点セット

どの窓口でも、相談の質は「資料があるかどうか」で決まります。私が現場で理事長さまにお願いしているのは、次の3点です。

  1. 総会議事録(直近2〜3年分):過去にどんな修繕をいつ決議したかが分かります。
  2. 長期修繕計画:次回の大規模修繕の時期と、見込まれる費用の根拠です。
  3. 管理規約:理事会の権限、議決の要件、管理費の滞納対応の定めが分かります。

小田原市の相談では、管理規約など関係資料の持参が案内されています。この3点に加えて、直近の修繕積立金の残高が分かる決算書があれば、話が一気に具体的になります。

私が相談会の場でよく目にするのは、資料を持たずに来られて、専門家の先生が「規約を見ないとお答えできません」と困ってしまう場面です。そうなると、時間のほとんどが一般論で終わってしまいます。無料の相談は、持ち物の準備で価値が何倍にも変わります。


よくあるご質問

Q. 小田原市の管理組合は、アドバイザー派遣を何回まで無料で使えますか?

A. 神奈川県の派遣は年度内2回までです。小田原市の耐震化促進アドバイザー派遣は、1建築物につき2回まで(旧耐震の分譲共同住宅が対象)です。いずれも費用は無料と案内されています。

Q. 市のマンション管理相談は、賃貸マンションのオーナーも使えますか?

A. 市の案内の対象は「市内分譲マンションの管理組合の役員・区分所有者・居住者」です。賃貸マンションのオーナーについては記載がありません。市の都市政策課(0465-33-1307)にご確認ください。

Q. 次の市のマンション管理相談はいつですか?

A. 令和8年度の市の日程では、次回は11月13日(金)です。申込期限は相談日の前々日17時ですので、11月11日(水)17時までです。

Q. 管理組合の理事長として弁護士相談を申し込めますか?

A. 市の案内は市内在住の方が対象で、管理組合の案件として理事長が使えるかは書かれていません。予約の電話(0465-33-1383)で確認してください。

Q. 無料相談を使うと、施工会社の営業を受けませんか?

A. 市・県・国の相談は、公的な窓口か、公平・中立を掲げる団体が運営しています。相談したことが施工会社に伝わる仕組みは、確認した資料にはありません。

Q. 大規模修繕の費用は、相談でどこまで分かりますか?

A. 一般的な相場の考え方は聞けますが、個別の見積りの比較や業者の紹介は、県の派遣では対象外です。参考値としては、30戸規模で総工費3,500万円〜5,000万円、外壁塗装は1㎡あたり3,500円〜4,500円が目安です。


足場の費用が気になったら:ロープアクセスという選択肢

相談を重ねるなかで、多くの管理組合が気にされるのが仮設足場の費用です。大規模修繕では総工費の15〜25%を占めることがあります。株式会社明誠は、通常の足場工法、ロープアクセス工法(無足場)、両者を組み合わせるハイブリッド工法の3つから、建物に合う方法をご提案しています。ロープアクセスは、メインロープとバックアップロープの2本に接続し、2点以上の吊元を確保して作業します。明誠および全国のフランチャイズ加盟企業では、ロープアクセスでの高所作業で、過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。これまでに約6,000棟の大規模修繕を手がけてきました。

詳しい技術情報は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムに整理しています。工法の詳細は明誠のロープアクセス工法のページ、私たちの考え方は明誠の理念のページをご覧ください。管理組合さま向けのご案内は管理組合向けサービスのページにあります。たとえば10階建て・外周80m・工期3か月の目安では、足場が168万円、ロープアクセスが59万円(差額109万円)となる試算もありますが、あくまで目安で、実際の金額は建物の形状や仕様で変わります。

ここで申し上げたいのは、「無足場がいちばん」ということではありません。足場のほうが合う建物もあります。だからこそ私は、3つの工法を比べて決めることをお勧めしています。相談の場で作った論点は、そのままお問合せフォームからお持ちいただいても構いません。施工事例は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムでもご覧になれます。


まとめ:今週動くこと3点

小田原市の管理組合が、お金をかけずに動けるポイントを整理します。

  1. 11月13日(金)の市の分譲マンション管理相談を予約する:申込期限は11月11日(水)17時。都市政策課 0465-33-1307へ。
  2. 総会議事録・長期修繕計画・管理規約の3点セットをコピーしておく:持ち物は、相談の質を左右します。
  3. 理事会で、県のアドバイザー派遣の利用を議題に出す:受付は令和9年2月26日までですが、申込みが多いと早期に終了します。事前相談は045-620-6300(平日10時〜16時)です。

これは私が現場で20年見てきた、嘘偽りのない感想です。「相談するだけで終わってしまうかも」と心配される理事長さまもいらっしゃいますが、まず無料の窓口で論点を整理しておくと、その後の総会の議論がずっと穏やかになります。次回も、現場で本当に使える話だけをお届けします。


出典・参考資料

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本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月17日


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本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月17日時点で公表されている小田原市および国土交通省・神奈川県の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず小田原市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。

厚木市の管理組合が使える無料相談・支援制度11選|月1回の管理相談・市のアドバイザー派遣・県の派遣から国の電話相談まで【令和8年度版】

2026年10月17日 更新

厚木市のマンションの理事長さまから、こんなご相談をいただくことがあります。

「大規模修繕の時期が近づいてきたが、誰に何を聞けばいいのか分からない。専門家への相談料を修繕積立金から出すのは気が引ける」

厚木市の管理組合には、費用をかけずに動ける入口があります。市役所の総合相談コーナーでは、毎月第3水曜日の午後1時から4時まで、マンション管理に関する相談を受け付けており、市の案内では費用は無料です(出典:厚木市「マンション管理相談」)。さらに市は、専門家を管理組合のもとへ無料で派遣する「分譲マンションアドバイザー派遣」も行っています。

申し遅れました。私は株式会社明誠の本間幸紘と申します。東京都東大和市を拠点に、20年近くマンション・ビル・ホテルの外壁の仕事をしてきました。この記事では、令和8年10月17日時点で厚木市の管理組合が使える窓口を、費用の根拠とあわせて整理します。

先に、正直にお伝えしておきたいことがあります。市の管理相談のページは更新日が2024年5月27日、耐震関係のページは2021年7月1日のままです。令和8年度の表記は、いずれにも見当たりませんでした。制度が続いていることは、市のマンション管理のページに今も掲載されていることから読み取れますが、実施状況は申込みの前に電話で確かめてください。


結論:厚木市で使える窓口は11、無料で動けるのは10

公式ページに「無料」と書かれているものを中心に整理しました。補助金は「無料」ではないため、後半に分けています。

# 制度・窓口 対応する人 費用 申込先
1 市のマンション管理相談 管理相談の窓口(対応者の記載なし) 無料 住宅課 046-225-2330
2 厚木市分譲マンションアドバイザー派遣 専門家(年度内2回まで) 無料 住宅課 046-225-2330
3 神奈川県マンションアドバイザー派遣 マンション管理士・建築士等 無料(年度内2回まで) かながわマンション管理組合ネットワーク 045-620-6300
4 市の耐震アドバイザー派遣 建築士等(1回2時間以内) 無料(会場費などは組合負担) 建築指導課 046-225-2430
5 市民相談「法律相談」 弁護士(30分以内) 無料 市民協働推進課 046-225-2100
6 市民相談「不動産相談」 宅地建物取引士 案内PDFでは無料 同上
7 市民相談の登記・税務・行政書士・公証人 各士業 案内PDFでは無料 同上
8 厚木市消費生活センター 消費生活相談員 無料(通話料は自己負担) 046-294-5800
9 管理計画認定制度 相談ダイヤル(日管連) マンション管理士 無料(1回30分程度まで) 03-5801-0858
10 マンション管理センター 電話相談 専門相談員 ページに費用の記載なし 03-3222-1517/1519
11 法テラス 無料法律相談 弁護士等 無料(収入・資産の基準あり) 0570-078374

いま実際に動ける「無料」は、1・2・3・4・5・8・9・11の8つに、案内PDFで無料とされる6と7を加えた10です。ただし6と7の根拠は日付の分からない案内PDFですので、予約の電話で「相談料はかかりますか」とひと言確認してください。10は費用の記載を確認できませんでした。

このほか、費用の一部を補助してもらう制度(耐震の予備診断補助)と、手数料がかかる管理計画認定があります。これは無料ではありませんので、後半で別にまとめます。


厚木市のマンション管理相談:毎月第3水曜、午後1時から4時

私が厚木市の管理組合に最初にお勧めするのは、この相談です。市の案内を整理すると、次のとおりです。

項目 内容
日程 毎月第3水曜日
時間 午後1時〜4時
会場 厚木市役所本庁舎1階 総合相談コーナー
費用 無料
対象 市内の分譲マンション・団地の管理組合役員または区分所有者の代表者。厚木市民で、市外の分譲マンション・団地の管理組合役員または区分所有者の代表者も可
予約 申込票に記入し、相談日の7日前までにファックス(046-224-0621)かメール(5550@city.atsugi.kanagawa.jp)で申込み。電話(046-225-2330)でも予約可
相談内容 管理組合の運営、規約、修繕積立金、長期修繕計画、大規模修繕工事など

出典:前掲、厚木市「マンション管理相談」(2024年5月27日更新)。

これからの日付と、申込みの締切

「第3水曜」のルールどおりなら、今月は10月21日(水)ですが、相談日の7日前の締切は10月14日ですので、すでに過ぎています。次に狙えるのは、次のとおりです。

相談日 申込期限(7日前)
11月18日(水) 11月11日(水)
12月16日(水) 12月9日(水)

ただし、祝日などで日程が変わる可能性はゼロではありません。ページには、日程変更の扱いが書かれていませんでしたので、予約の際に日付を確認してください。

管理組合の役員として使える、と書かれています

藤沢市などでは「市内在住の方」が対象で、管理組合として使えるかが分かりにくい例もあります。厚木市の案内は違います。対象に「管理組合役員または区分所有者の代表者」と明記されていますので、理事長さまや理事の方が、組合の案件として申込めると読めます。

使いどきは、見積依頼の前

現場にいる私の立場から一つお伝えします。この相談の価値は、施工会社の営業とは別の第三者の意見が聞けることです。見積書が出てから慌てて相談するより、見積依頼の前に相談するほうが、仕様のぶれが小さくなります。私が現場でよく見てきた遠回りは、見積りを取ったあとで「そもそも今回の工事範囲は適切なのか」と迷い、総会の日程がずれ込むケースです。

大規模修繕の費用感の目安も、先に頭に入れておくと相談の質が上がります。あくまで目安ですが、30戸規模のマンションで総工費は3,500万円〜5,000万円、そのうち仮設足場が15〜25%という幅が一般的です。外壁塗装は1㎡あたり3,500円〜4,500円、打診調査は1㎡あたり250円〜500円が参考値です。実際の金額は建物の状態や仕様で大きく変わります。


厚木市分譲マンションアドバイザー派遣:年度内2回まで無料

市の管理相談が「市役所に出向く」形なのに対し、こちらは専門家が管理組合に来てくれる制度です。市のページ(2026年7月3日更新)には、次のように書かれています(出典:厚木市「厚木市分譲マンションアドバイザー派遣【無料】」)。

項目 内容
費用 無料
回数 年度内2回まで。年度内であれば、同じ相談内容での派遣も可能
申込み 申込票(Excelファイル)に記入し、住宅課へファックスまたはメールで申込み
問合せ 住宅課 住宅政策係 046-225-2330(FAX 046-224-0621)、5550@city.atsugi.kanagawa.jp
市役所の受付時間 平日8時30分〜17時15分(祝日を除く)

対象になる管理組合

市内の分譲マンション(分譲団地を含む)で、次のいずれかに当てはまるものです。

  • 昭和58年5月31日以前に建設されたマンション
  • 改修・建替え・敷地売却などを検討中のマンション
  • 長期修繕計画の作成・見直しを検討中のマンション
  • 大規模修繕工事を予定しているマンション
  • 組合員の高齢化などで、管理組合の機能が低下しているマンション
  • 自主管理のマンション

築年数が新しくても、大規模修繕を予定しているなら対象になる点が、使いやすいところです。

相談できる内容

ページに挙がっているのは、改修工事や建替えなどの再生方法、長期修繕計画、滞納問題などの費用不足、大規模修繕の実施方法、排水管などの設備の劣化と更新、自主管理、高齢化に伴う管理組合活動の7項目です。

書かれていないこと

1回あたりの派遣時間と、申込みの受付期間は、ページに記載がありません。申込票を出す前に、住宅課へ「1回何時間か」「令和8年度の残り枠はあるか」を聞いておくと安心です。


神奈川県のマンションアドバイザー派遣:厚木市は対象、令和9年2月26日まで

市の派遣と並行して、県の事業も使えます。

項目 内容
対象 神奈川県内の分譲マンションの管理組合等。横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市を除く
内容 マンション管理士や建築士などのアドバイザーを派遣して助言。1回につき1〜2名、3時間以内。夜間・休日にも対応
費用 無料
回数 年度内2回まで(申込者が多い場合は2回目を申請できないことがある)
令和8年度の受付期間 令和8年6月26日〜令和9年2月26日(申込者が多い場合は早期に終了)
申込先 NPO法人かながわマンション管理組合ネットワーク 電話 045-620-6300(10時〜16時、土日祝休み)、メール info@jinkan-net.com

厚木市は、除外される4市に入っていません。市のマンション管理のページにも、この県の事業の案内が掲載されています(出典:神奈川県「マンションアドバイザー派遣事業」、2026年6月26日更新。厚木市「令和8年度 神奈川県マンションアドバイザー派遣事業」、2026年6月30日更新)。

市の派遣と県の派遣の使い分け

どちらも無料で、年度内の上限は2回です。市の派遣と県の派遣を別々に使えるのか、合わせて2回なのかは、公式ページに書かれていません。この点は、市の住宅課に電話で確認してください。

私なら、最初は市の管理相談で論点を整理し、必要に応じて市の派遣を申し込み、市の枠が合わないときに県の派遣を選ぶ、という順番で考えます。県の受付は土日祝が休みです。今日は土曜日ですので、電話は週明けの月曜以降になります。


旧耐震マンション:耐震アドバイザーは無料、予備診断は補助

昭和56年(1981年)5月31日以前に建築確認を受けたマンションなら、市の耐震支援が使えます。ただし、ここで引用する2つのページは、どちらも更新日が2021年7月1日です。令和8年度の表記はありませんので、現行の運用は担当課で確認してください。

耐震アドバイザー派遣(無料)

項目 内容
対象 ①昭和56年5月31日以前に建築確認を得て着工、②住戸の過半が区分所有者の住居、③住宅部分の床面積が全体の過半、の3つすべてに当てはまるマンションの管理組合
回数・時間 1管理組合につき「2回又は2人まで」。市内で、1回2時間以内
費用 無料。ただし、会場使用料などの会議運営経費は管理組合の負担
手続き まず窓口で相談し、市から日程調整の連絡を受けた後に、派遣申請書を提出
申込先 建築指導課 建築指導係 046-225-2430

出典:厚木市「分譲マンションへの耐震アドバイザー派遣」。「2回又は2人まで」の意味は、ページ上では明確ではありません。派遣件数は予算の範囲内とされています。

予備診断補助(無料ではありません)

項目 内容
補助率 予備診断にかかる費用の2分の1
上限額 15万円(補助件数は予算の範囲内)
主な条件 昭和56年5月31日以前の建築確認、住戸の過半が居住用、住宅部分が床面積の過半、総会または理事会で予備診断の実施を決議していること
受付期間 ページに記載なし。承認通知書に記載された申請期間内に提出

出典:厚木市「分譲マンションへの予備診断補助」。令和8年度の受付状況は、ページに記載がありません。建築指導課(046-225-2430)にご確認ください。


管理計画認定制度:市に直接は申請できません

管理計画認定制度は、国の基準を満たすマンションの管理計画を、市が認定する仕組みです。厚木市のページ(2026年9月11日更新)には、次のように書かれています(出典:厚木市「マンションの管理計画認定制度」)。

  • 認定は市が行うが、事前確認を必須としているため、直接市に申請することはできない
  • 申請は、(公財)マンション管理センターの「管理計画認定手続支援サービス」を経由する
  • システム使用料は、1申請あたり10,000円
  • 事前確認の審査料は、マンション管理士への手数料で、申請パターンにより異なる
  • 市内の認定数は12件(同ページの一覧による)

申請のパターンは、事前確認講習を修了したマンション管理士に依頼する方法、管理会社を経由する方法、日管連の診断サービスと併せる方法、管理組合が直接マンション管理センターに申し込む方法の4つです。無料の制度ではありませんが、認定を受けると管理状況の客観的な証明になります。国のページでは、認定のメリットとして、フラット35の金利引下げ、マンションすまい・る債の利率上乗せ、長寿命化促進税制による固定資産税の減額などが示されています(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。


厚木市の市民相談:法律・不動産・登記・税務

管理費の滞納、規約の読み方、理事会の議事の進め方。工事の前段階で出てくるこうした疑問は、専門家の相談で整理できることが多いと、私は見ています。市の総合相談コーナー(本庁舎1階)では、次の相談を行っています。

法律相談(弁護士)

項目 内容
日程 毎週火曜日と、第2・第3・第4水曜日
時間 10時〜16時(12時〜13時30分は休憩で受付なし)。面談は1人30分以内
費用 無料
予約 前週の月曜日の午前8時30分から、電話または窓口で受付。先着9人
対象 市内在住の方。原則として、相手方との争いがある場合に限る
電話 046-225-2100

出典:厚木市「法律相談」(2023年12月12日更新)。

注意したいのは、対象が「市内在住の方」で、原則として争いがある場合に限られる点です。滞納者への対応のように、相手方との争いがある案件には向きます。一方、管理組合として工事の進め方を相談する用途には、前述のマンション管理相談やアドバイザー派遣のほうが合います。

不動産相談(宅地建物取引士)

毎月第1木曜日の13時〜16時、市役所本庁舎1階の総合相談コーナー内相談室です。事前予約ではなく、当日の午前8時30分から、電話または窓口で受け付ける先着6人の方式です。祝日の場合は第2木曜日に振り替わります(出典:厚木市「不動産相談」、2023年12月12日更新)。次回は11月5日(木)、その次は12月3日(木)がルールどおりの日付です。ページには費用の記載がありませんが、市の案内PDFでは無料とされています。賃貸に出している専有部分が多い、空き住戸が増えているといった悩みは、この枠が入口になります。

登記・税務・行政書士・公証人

市の案内PDFには、次の相談も並んでいます。

相談 日程
登記相談(司法書士) 第2月曜 13時〜16時
税務相談(税理士) 第1・第3月曜 13時〜16時
行政書士相談 第1月曜 13時〜16時
公証人相談 第1・第3金曜 13時〜15時

出典:厚木市「市民相談案内」(PDF)。このPDFは作成時期が分かりません。日程が変わっている可能性がありますので、電話(046-225-2100)で確認してください。対象は市内在住の方で、1件30分以内、祝日などの閉庁日は実施されません。


消費生活センター・日管連・マンション管理センター・法テラス

厚木市消費生活センター

相談専用ダイヤルは046-294-5800、受付は月〜金曜の9時30分〜16時(祝日・年末年始を除く)です。相談は無料ですが、電話をかける際の通話料は自己負担です(出典:厚木市「厚木市消費生活センター」)。マンションの管理会社を装った勧誘への注意も、市のマンション居住者向けのお知らせに載っています(2023年10月13日)。ただし、管理組合としての相談の可否は、ページに記載がありません。

電話相談の2窓口

窓口 内容 受付 費用
管理計画認定制度 相談ダイヤル(日管連)03-5801-0858 認定制度や改正法の質問に、マンション管理士が回答。誰でも利用可 月〜土 10:00〜17:00(祝日・年末年始を除く) 無料。回数の制限はなく、1回30分程度まで
マンション管理センター 電話相談 03-3222-1517(管理組合運営・管理規約等)/03-3222-1519(建物・設備の維持管理) 管理組合・管理関係者からの相談。賃貸マンションは対象外。専門家レベルの法律・税務相談や、修繕の個別具体的な助言は行わない 月〜金 9:30〜17:00(祝日・年末年始を除く) ページに記載なし

出典:日本マンション管理士会連合会「管理計画認定制度 相談ダイヤル」(2026年7月28日更新)、(公財)マンション管理センター「電話相談」。日管連は、適正化診断と管理計画認定をあわせて申し込む場合のみ、別途10,000円のシステム利用料と事前確認審査料がかかります。

法テラス

法テラス・サポートダイヤル(0570-078374)は、平日9時〜21時、土曜9時〜17時です。無料法律相談は、同一の問題について3回まで、1回30分です。収入と資産の基準があり、たとえば1人世帯で「東京都特別区・大阪市など」以外の地域の場合、収入が月18万2,000円以下、資産が180万円以下といった基準が示されています(出典:法テラス「無料法律相談のご利用の流れ」)。管理組合という団体として使えるかどうかは、窓口での確認が必要です。


厚木市のマンションの現状:築40年以上が半数近く

市は、令和7年7月から令和8年1月にかけて、分譲マンションの実態調査を行いました。公開されたページ(2026年4月21日)によると、市内には約320棟の分譲マンションがあり、築40年以上のものが「半数近く」に上るとされています(出典:厚木市「厚木市分譲マンション実態調査の結果について」)。

管理状況や長期修繕計画の有無といった数値は、ページには載っておらず、報告書のPDFで公開されています。私は報告書の中身までは確認できていませんので、数値の引用は控えます。ただ、築40年を超える建物が多いという事実は、2回目、3回目の大規模修繕を迎える管理組合が多いことを意味します。外壁や防水、設備の劣化が進んだ段階での修繕は、費用も判断も重くなりがちです。だからこそ、無料の相談を早めに使う意味があると、私は考えています。


何を用意していけばいいか:3点セット

どの窓口でも、手ぶらで行くと「それは資料を見ないと分かりません」と言われがちです。私は理事長さまに、次の3点を揃えておくようお伝えしています。

  1. 総会議事録(直近2年分):修繕積立金の状況や、大規模修繕についての決議の経過が分かります。
  2. 長期修繕計画:次回の大規模修繕の時期と、見込まれる総額が分かります。
  3. 管理規約:管理費の滞納、専有部分のルール、理事会の権限を調べるときに使います。

さらに余裕があれば、前回の大規模修繕の見積書や竣工図、直近の劣化診断の報告書があると、相談が一段と具体的になります。旧耐震のマンションなら、建築図面があると耐震アドバイザーの話が進みます。聞きたいことを3つ以内に絞っておくと、限られた時間でも中身が濃くなります。


厚木市の管理組合が、無料相談のあとに考えたい工事の選び方

相談で論点が整理できたら、次に工事の進め方を考える段階に入ります。明誠は、通常の足場工法、無足場のロープアクセス工法、両方を組み合わせるハイブリッド工法の3つから、建物に合った進め方をご提案しています。

厚木市は、本厚木駅周辺に建物が密集するエリアもあれば、敷地に余裕のある団地もあります。足場の搬入経路や、敷地境界までの距離、植栽の有無など、建物ごとに条件が違います。どの工法が合うかは、現地を見て判断します。

足場工法とロープアクセス工法の費用差は、規模によって変わります。10階建て・外周80m・工期3か月の例では、足場費が168万円、ロープアクセスが59万円と、109万円の差が出た試算があります。あくまで目安で、実際の見積りは物件ごとに異なります。

ロープアクセス工法は、メインロープとバックアップロープの2本に接続して作業し、2点以上の吊元を確保する、国際基準(IRATA)の考え方を採り入れた工法です。明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけ、ロープアクセスでの高所作業について、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業では過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。

明誠のこれまでの施工事例もご覧いただけます。


よくあるご質問

Q. 厚木市の管理組合が無料で使える専門家の相談はありますか?

A. あります。市役所の総合相談コーナーで、毎月第3水曜日の午後1時〜4時にマンション管理相談が開かれています。費用は無料で、相談日の7日前までに申込票を出すか、電話(046-225-2330)で予約します。

Q. 厚木市のアドバイザー派遣は、どんな管理組合が対象ですか?

A. 市内の分譲マンションで、昭和58年5月31日以前の建設、大規模修繕の予定、長期修繕計画の作成・見直しの検討、自主管理などのいずれかに当てはまるものです。費用は無料で、年度内2回まで利用できます。

Q. 神奈川県のアドバイザー派遣は、厚木市でも使えますか?

A. 使えます。県の事業は、横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市が対象外で、厚木市は含まれます。令和9年2月26日まで受付中です。申込者が多いと早く終わることがあります。

Q. 管理組合の役員として、市の管理相談を使えますか?

A. 使えます。市の案内に、対象が「管理組合役員または区分所有者の代表者」と明記されています。

Q. 旧耐震のマンションの耐震診断に補助はありますか?

A. 予備診断には、費用の2分の1、上限15万円の補助があります。総会または理事会で実施を決議していることが条件です。ただし、ページの更新日が2021年7月で、令和8年度の受付状況の記載はありません。建築指導課(046-225-2430)でご確認ください。

Q. 管理計画認定は、厚木市に直接申請できますか?

A. できません。市は直接の申請を受け付けておらず、マンション管理センターの手続支援サービスを経由します。システム使用料は1申請あたり10,000円で、事前確認の審査料も別にかかります。

Q. 無料相談のあとに、工事を頼む義務はありますか?

A. ありません。市や県の相談は、特定の施工会社を紹介するものではありません。工事の発注先は、管理組合の総会で決めるものです。

Q. 大規模修繕の費用は、いくらくらいを見ておけばいいですか?

A. 30戸規模で総工費は3,500万円〜5,000万円、うち仮設足場が15〜25%という幅が一般的です。外壁塗装は1㎡あたり3,500円〜4,500円が参考値です。建物の状態で大きく変わるため、相談のうえで概算見積りをお取りください。

Q. 明誠に概算見積りを頼むと費用はかかりますか?

A. 概算お見積りは無料でご提示しています。お気軽にお問合せフォームからご連絡ください。


まとめ+今週動くこと3点

厚木市の管理組合が使える入口は、市、県、国と、11あります。まず押さえたいのは、毎月第3水曜のマンション管理相談と、年度内2回まで無料の市のアドバイザー派遣です。県の派遣も、令和9年2月26日まで併せて検討できます。

動くことを、3点に絞ります。

  1. 週明けの月曜以降、市の住宅課(046-225-2330)へ電話し、11月18日(水)のマンション管理相談の空きと、アドバイザー派遣の1回あたりの時間・残り枠を聞く。 管理相談の申込期限は11月11日です。
  2. 県のアドバイザー派遣(045-620-6300、土日祝休み)の空き状況を確認する。 受付は令和9年2月26日までですが、申込者が多いと早く終わります。
  3. 総会議事録・長期修繕計画・管理規約の3点を、理事会の共有フォルダに集める。 相談の質は、この3点で決まります。旧耐震のマンションなら、建築図面も加えてください。

私は、工事の話に入る前の「聞く力」が、修繕積立金を守ると考えています。相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。


出典・参考資料


この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)

株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市

マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。IRATA水準の技能訓練を受けた作業員、ISO9001品質マネジメントシステム、日本ロープ高所作業協会の事務局を担当。

最終更新:2026年10月17日


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ロープアクセス工法の詳細や実例については、姉妹サイト「ロープアクセスドットコム」の以下の記事もぜひご覧ください。

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本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月17日時点で公表されている厚木市および国土交通省・神奈川県の公式情報をもとに執筆しています。市のマンション管理相談(2024年5月27日更新)、耐震アドバイザー派遣・予備診断補助(2021年7月1日更新)、法律相談・不動産相談(2023年12月12日更新)の各ページには令和8年度の表記がなく、市民相談案内PDFは作成時期が不明のため、本文中にその旨を記載しました。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、厚木市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。

藤沢市の12条点検|「前年と同じ月」に毎年報告と外壁打診の時期【2026年度版】

Q. 藤沢市のマンションやビル、ホテルは、12条点検(定期報告)の対象になるのか?外壁の全面打診はいつ必要か?

A. 藤沢市内の建物の定期報告は、藤沢市計画建築部建築指導課の所管です。藤沢市の対象一覧では、共同住宅は「サービス付き高齢者向け住宅」に限って対象とされており、住戸だけの一般の分譲マンション・賃貸マンションは建築物の定期報告の対象外です。一方、ホテル・旅館、病院、一定規模の店舗・飲食店が入る建物は対象になります。藤沢市の報告周期は「一年毎」で、令和3年12月3日からは報告時期が「前年の報告と同月」になりました(出典:藤沢市「特定建築物等の定期報告制度に関すること」(2026年8月14日更新))。外壁の全面打診は、竣工・外壁改修・前回の全面打診から「おおむね10年」を超えたあとの定期調査で必要になります(出典:国土交通省「定期報告制度における外壁のタイル等の調査について」)。

(最終更新:2026年10月17日/執筆時点の現行年度:令和8年度)

結論:藤沢市で12条点検の対象になる建物と、全面打診のタイミング

株式会社明誠は、東京都東大和市に拠点を置く大規模修繕の会社です。私は代表として20年以上、マンション・ビル・ホテルの修繕現場に立ってきました。神奈川県の12条点検シリーズは、横浜市・川崎市・相模原市の各区、横須賀市、平塚市、鎌倉市に続き、今回は湘南エリアの藤沢市を取り上げます。

藤沢市は、建築基準法上の「特定行政庁」として、定期報告を自ら所管している市です。特定行政庁とは、建築確認や違反建築の指導を担う行政機関のことです。藤沢駅周辺の商業地、湘南台の駅前、辻堂の再開発エリア、そして片瀬・鵠沼の海沿いと、建物の性格がエリアごとに大きく違う市でもあります。

12条点検の目線で藤沢市を見ると、ポイントは3つです。

  • 報告は「一年毎」。東京23区などで多い「3年ごと」とは違います。
  • 報告の月は「前年の報告と同じ月」。近隣の平塚市のように「4月〜10月」という全市共通の期間ではなく、建物ごとに報告月が決まっています。
  • 調査は「報告の前1月以内」に行ったものでなければならない、と市の規則に定められています(藤沢市建築基準等に関する規則第11条第2項)。

藤沢市で「建築物」の定期報告が必要になるかどうかは、次のように整理できます。

建物の種類 藤沢市での定期報告(建築物)
住戸だけの分譲マンション・賃貸マンション・アパート 対象外
サービス付き高齢者向け住宅(3階以上が100㎡超、2階が300㎡以上、または地階が100㎡超) 対象
ホテル・旅館(同上) 対象
病院・有床診療所・グループホーム等(同上) 対象
物販店・飲食店など(3階以上が100㎡超、2階が500㎡以上、合計3,000㎡以上、または地階が100㎡超) 対象
劇場・集会場など(3階以上や地階が100㎡超、客席200㎡以上など) 対象
エレベーター・エスカレーター(昇降機) 対象(簡易リフト・住戸内のみ昇降するものを除く)

(出典:藤沢市「特定建築物等の定期報告制度に関すること」。市は、該当用途の床面積の合計が200㎡以下のもの、または該当用途が避難階のみにあるものを除くとしています。個別の判定は市にご確認ください)

全面打診の要否は、次の一文で判断できます。

「竣工、または前回の全面打診・外壁全面改修から10年を超えていれば、次の定期調査で全面打診が必要」

藤沢市は毎年報告なので、「10年を超えたあとの最初の報告月」がそのまま全面打診の時期になります。そしてその月は、前年の報告月で決まっています。カレンダーを1枚めくれば、いつ叩くべきかが逆算できる、ということです。

建築基準法第12条の基本(定期調査と定期検査の違い)

建築基準法第12条は、多くの人が利用する建物の所有者・管理者に「建物の安全を有資格者に定期的に調べさせ、その結果を特定行政庁に報告する」ことを求める制度です。藤沢市のページも、建物の使用が始まった後も適法な状態を確保し続けることが重要であり、そのために定期的な調査や報告が必要だと説明しています。制度の全体像は国土交通省「建築基準法に基づく定期報告制度について」で確認できます。

12条には、建物本体を調べる「特定建築物定期調査」(1項)と、設備を調べる「建築設備・防火設備・昇降機等の定期検査」(3項)があります。外壁の打診は、1項の特定建築物定期調査のうち「建築物の外部」の項目に含まれます。調査ができるのは、一級・二級建築士か特定建築物調査員などの有資格者に限られます。

外壁の全面打診のルールは、平成20年国土交通省告示第282号で定められています。タイル・石貼り(乾式工法を除く)・モルタルなどの外壁で、落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分は、竣工・外壁改修・前回の全面打診から10年を超えたときに、全面的に打診等で調べることになりました。令和4年1月18日の告示改正では、無人航空機(ドローン)による赤外線調査も、全面打診以外の方法として認められています(出典:国土交通省)。

藤沢市の12条点検:報告月・提出先・様式

報告月は「前年の報告と同じ月」

藤沢市建築基準等に関する規則第11条は、特定建築物の報告時期を次のように定めています(出典:藤沢市建築基準等に関する規則(令和7年10月30日改正反映版・PDF))。

区分 報告の時期(藤沢市)
新築後の初回報告 検査済証の交付から1年を経過した日の属する月から、6月を超えない範囲で市長が別に定める月
2回目以降の報告 直近の報告を行った日から1年を経過した日の属する月
調査の時期 報告の前1月以内に行ったもの

ただし規則は、市長が別の時期を定めた場合はその時期による、としています。報告月の変更や、天候で調査が遅れた場合の扱いは、計画段階で建築指導課(定期報告担当)に相談してください。

ここで一つ、現場の話をさせてください。報告月が建物ごとに固定されているということは、その月が6月の梅雨や9月の台風シーズンに当たる建物もある、ということです。外壁の打診は、雨や強風の日は作業ができません。私の経験でも、秋に組んだ打診が天候で何日も止まったことは一度や二度ではありません。「報告前1か月以内」という枠の中で予備日を取れるかどうかが、藤沢市の12条点検の段取りの肝になります。

提出先は市の建築指導課(建築安全協会経由も可)

藤沢市は、令和2年4月1日から定期報告の提出先を「藤沢市役所分庁舎3階 建築指導課」に変更しました。来庁して提出する場合は、分庁舎3階の「総合窓口」の発券機で「定期報告に関すること(提出・受取)」を発券します(出典:藤沢市「定期報告の提出先が変わりました!」(2026年3月23日更新))。

一方で、これまでどおり一般財団法人神奈川県建築安全協会に報告することもできます。ここが大事なところで、建築指導課に提出した場合は「報告済証」が発行されません。報告済証が必要な場合は、建築安全協会に報告するよう市は案内しています。テナントや保険会社、ホテルの運営会社から報告済証を求められる建物は、提出先を最初に決めておきましょう。

項目 内容(公式ページ掲載)
担当 藤沢市 計画建築部 建築指導課(定期報告担当)
住所 〒251-8601 藤沢市朝日町1番地の1 分庁舎3階
電話(直通) 0466-50-3539
報告書の様式 一般財団法人神奈川県建築安全協会の様式

(出典:藤沢市「特定建築物等の定期報告制度に関すること」)

「要是正」の後の流れが決まっている

藤沢市は、令和4年4月1日に「藤沢市定期報告等業務処理要領」を施行しました。要領では、市が報告書を審査して是正が必要と認めたときは報告義務者に通知し、所有者は対応後に「改善(補修)等完了済報告書」を出すこと、改善の時期が書かれていない場合は先に「改善(補修)等予定計画書」を出すことが定められています(出典:藤沢市定期報告等業務処理要領(PDF))。

外壁のタイルの浮きで「要是正」が付けば、補修の計画と完了の報告までが一続きの手続きになる、ということです。打診と補修を同じ会社が続けてできるかどうかで、この手続きの手間が大きく変わります。

要領ではもう一つ、特定建築物に起因して重傷者・死亡者が出る人身事故が起きた場合は、直ちに事故報告書(速報)を、7日以内に事故報告書(詳細)を市長に出すよう定めています。外壁タイルの落下は、まさにこの「建物に起因する人身事故」になり得ます。

令和7年7月の告示改正への対応

藤沢市のページでは、令和7年7月1日から国土交通省告示に基づき定期調査・検査の項目の一部が変わったこと、令和7年7月以降に調査・検査を行うものは改正告示対応の報告書で報告することが案内されています。調査結果図に防火区画を明示すること、防火設備や建築設備の検査で作動確認を行うことなどが挙げられ、各調査・検査は調査者間で連携するよう求められています(出典:藤沢市)。調査会社に依頼するときは、改正後の項目と様式に対応しているかを確認してください。

藤沢市ならではの事情:海沿いの外壁と、駅前の歩行者

「落ちたら誰に当たるか」で調べる面を決める

告示第282号で全面打診の対象になるのは、「落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分」です。藤沢駅や湘南台駅、辻堂駅の周辺のように、歩道に面した商業ビルや店舗併設のマンションが多い地域では、道路側の外壁がまず対象になります。調査会社とは「どの面が対象か」を最初にすり合わせると、見積の数量がぶれにくくなります。

海に近い建物は、劣化の進み方が違う

藤沢市の南側、片瀬・鵠沼・辻堂の海沿いは相模湾に面しています。海からの風を受ける建物は、塩分で鉄部のさびや外壁の汚れが進みやすい傾向があります。タイルの目地やシーリングの傷みが早く出ることもあり、10年を待たずに浮きが見つかる建物もあります。私がこれまで見てきた海沿いの現場でも、海側の面だけ浮きの数が目立って多い、ということは珍しくありませんでした。海に近い面は、報告月を待たずに、手の届く範囲で一度叩いてみることをお勧めします。

報告義務がなくても、落下事故の責任は残る

住戸だけの分譲マンションは建築物の定期報告の対象外ですが、外壁タイルが落ちて通行人がけがをすれば、建物の所有者として責任を問われる可能性があります(民法第717条の工作物責任)。報告義務の有無にかかわらず、竣工から10年を目安に外壁の状態を把握しておくことが、結果的に管理組合やオーナーさまを守ります。

全面打診が必要になる4つのきっかけ

理事長さまやオーナーさまには、次の4つを「全面打診のきっかけ」としてお伝えしています。

  1. 竣工から10年を超えた:最初の全面打診の起点です。
  2. 外壁の全面改修から10年を超えた:タイル張替えや全面補修をした年から数え直します。
  3. 前回の定期調査で「要是正」とされ、改善が済んでいない:藤沢市では改善予定計画書・完了済報告書の提出が求められます。
  4. タイルの浮き・剥落の兆候が見つかった:報告月を待たず、手の届く範囲の打診で異常があれば全面打診で確かめます。

まずは修繕履歴と過去の報告書の控えで、「前回の報告月」「前回の大規模修繕の年」「最後に全面打診をした年」の3つを確かめてみてください。この3つがそろえば、次に全面打診が必要になる月が見えてきます。

費用の目安:打診の㎡単価と、足場・ロープアクセスの差

費用の目安を示します。以下は明誠の参考値で、実際の見積は建物の形状・高さ・外壁の仕上げ・敷地条件で大きく変わります。

項目 目安
全面打診調査の㎡単価(調査のみ) 250〜500円/㎡
10階建て・外周80m・打診対象約2,000㎡の調査費 約50〜100万円
同条件で仮設足場を組む場合(工期3か月想定) 約168万円
同条件でロープアクセス工法の場合 約59万円
足場とロープアクセスの差額 約109万円

全体の費用を押し上げるのは、打診そのものより足場です。しかも藤沢市では報告月が決まっていて、調査は報告前1か月以内というルールがあるため、足場を組んで叩いて外すまでの段取りをこの枠に収める必要があります。料金の考え方は明誠の大規模修繕の料金の考え方でも公開しています。

ロープアクセス工法が12条打診で選ばれる理由

ロープアクセス工法とは、屋上などの確実な吊元から、作業員がメインロープとバックアップロープの2本に接続して壁面に降り、足場を組まずに調査や補修を行う工法です。吊元は2点以上を確保し、二重の冗長化で安全を確保します。国際基準(IRATA)に沿った、業界標準のやり方です。技術の詳細は明誠のロープアクセス工法のページに、安全への取り組みは明誠の安全管理にまとめています。

12条打診でロープアクセスを選ぶ理由は、主に3つです。

  1. 費用:足場代を抑えられます。上の例では、足場工法より約100万円の差が出る可能性があります。
  2. 期間:足場の組立・解体がないため、足場工法の約60%の工期が目安です。「報告前1か月以内」という枠の中でも、天候の予備日を取りやすくなります。
  3. 居ながら・営業しながら施工:窓や店舗の前に足場やメッシュシートがかからず、日当たりや防犯面の不安、店舗の看板が隠れる心配が少なく済みます。観光客の多い江の島周辺のホテルや、駅前の店舗にとっては大きな利点です。

打診は、テストハンマーでタイルやモルタルを一枚ずつ叩き、音の違いを聞き分ける仕事です。ロープアクセスなら、見つけた浮きにその場でマーキングし、条件が合えば注入による部分補修まで続けて行えます。藤沢市の「改善予定計画書」「完了済報告書」の手続きを考えると、調べた人がそのまま直せることの意味は小さくありません。ドローンの赤外線調査で全体を把握し、気になる面だけロープアクセスで叩いて確かめる組み合わせも可能です。ただし、市街地でドローンを飛ばすには航空法上の許可・承認や周辺への配慮が必要なため、事前の確認が欠かせません。

株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕に携わってきました。ロープアクセスでの高所作業では、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを続けています。作業は、IRATA水準の訓練を受けた作業員が担当します。

ロープアクセスの訓練体制や施工の実例は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムで詳しく紹介しています。足場・ロープアクセス・ハイブリッドの3工法の比較もロープアクセスドットコムに掲載しています。塗装・防水・タイル・電気・看板などの専門工事会社さまで、フランチャイズ加盟をご検討の方もロープアクセスドットコムからご覧ください。

12条点検を大規模修繕・長期修繕計画とつなげる

12条点検(または自主的な外壁調査)と大規模修繕を、別々の会社に別々のタイミングで発注している管理組合やオーナーさまは少なくありません。私はこれを、できるだけワンセットで考えるよう提案しています。

  • 足場代の二重払いを避ける:打診のために足場を組み、数年後の大規模修繕でまた組む、という重複をなくせます。
  • 調査結果が補修数量の根拠になる:浮き・欠損の位置と数量が分かれば、見積書の数量が透明になります。
  • 長期修繕計画の精度が上がる:外壁の劣化が数字で分かり、修繕積立金の見通しが立てやすくなります。
  • ハイブリッド工法の判断材料になる:店舗のある低層部は足場、上層部はロープアクセス、と面ごとに使い分けると総額が下がる建物もあります。

大規模修繕で外壁を全面改修すれば、その年から10年を数え直せます。全面打診の時期が近い建物なら、その前の報告で外壁の状態を把握し、結果を大規模修繕の計画に組み込むのが理想です。

分譲マンションの管理組合さまは管理組合様向けの大規模修繕サービスを、賃貸マンション・テナントビルのオーナーさまはビルオーナー様向けの修繕サービスを、ホテル運営者さまはホテル様向けの修繕サービスをご覧ください。

よくあるご質問

Q. 藤沢市の分譲マンションは、12条の定期報告が必要ですか?

A. 藤沢市の対象一覧では、共同住宅はサービス付き高齢者向け住宅に限って対象とされています。住戸だけのマンションは建築物の定期報告の対象外ですが、エレベーターは昇降機として定期検査報告の対象です。

Q. 1階や2階に店舗が入るマンションは対象になりますか?

A. 店舗の用途・階・面積によっては特定建築物として対象になります。たとえば物販店・飲食店は、3階以上に100㎡を超える部分がある場合、2階に500㎡以上ある場合などが対象です。ただし、該当用途の床面積の合計が200㎡以下のものや、避難階のみにあるものは除かれます。判断に迷う場合は、藤沢市建築指導課(0466-50-3539)に相談してください。

Q. 藤沢市の定期報告はいつ出せばよいですか?

A. 報告は一年毎で、令和3年12月3日からは「前年の報告と同月」が報告時期です。新築後の初回は、検査済証の交付から1年を経過した月から6月を超えない範囲で市長が定める月です。

Q. 報告書はどこに出しますか?

A. 藤沢市役所分庁舎3階の建築指導課に提出します。神奈川県建築安全協会に報告することもでき、報告済証が必要な場合は協会に報告してください。報告書の様式は協会の様式を使います。

Q. 調査はいつ行えばよいですか?

A. 藤沢市の規則では、調査は報告の前1月以内に行ったものでなければなりません。報告月が梅雨や台風の時期に当たる建物は、予備日を含めた日程を早めに押さえておくと安心です。

Q. 外壁の全面打診は何年ごとですか?

A. 定期報告の対象建築物では、竣工や外壁の全面改修、前回の全面打診から、おおむね10年を経過したあとの最初の定期調査で必要です。根拠は平成20年国土交通省告示第282号です。

Q. 足場を組まずに外壁の全面打診はできますか?

A. 屋上に2点以上の吊元を確保できれば、ロープアクセス工法でメインロープとバックアップロープの2本に接続して降り、足場なしで外壁を叩いて調べられます。現地を見て、足場との組み合わせも含めてご提案します。

まとめ+今週動くこと3点

藤沢市の12条点検は、藤沢市建築指導課が所管し、報告書は市の建築指導課か神奈川県建築安全協会に提出します。住戸だけのマンションは建築物の定期報告の対象外ですが、飲食店・物販店・ホテル・病院などが一定規模で入る建物は対象です。報告は一年毎、報告月は前年と同じ月、調査は報告前1か月以内です。

今週動くことを3つに絞ります。

  1. 自分の建物の「報告月」を確かめる:前回の報告書の控えで報告月を確認し、来年のその月から逆算して調査の時期を決める。
  2. 最後の全面打診の年を調べる:修繕履歴や過去の調査報告書を見て、次の報告時点で10年を超えないかを確かめる。報告義務のない分譲マンションも、10年を目安に外壁の状態を数字で把握する。
  3. 提出先と工法を決めておく:報告済証が必要かどうかで提出先(市か協会か)を決め、工法(足場・ロープアクセス・ハイブリッド)と大規模修繕との一体化を、次の理事会・オーナー会議で共有する。

明誠の施工実績は明誠の施工事例で、私たちの考え方は明誠の理念でご覧いただけます。ご相談は大規模修繕・打診調査のお問い合わせフォームからどうぞ。藤沢市を含む神奈川県全域で、現地調査にも対応しています。報告月が来る前に一度建物を見ておくだけでも、次の一手はずっと選びやすくなります。

出典・参考資料

本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月17日(令和8年度)時点で公表されている国土交通省・藤沢市の公式情報をもとに執筆しています。藤沢市「特定建築物等の定期報告制度に関すること」は2026年8月14日(令和8年度)の更新で、令和7年7月1日からの調査・検査項目の変更を反映しています。規則は令和7年10月30日の改正(令和7年11月1日施行)を反映した版を参照しました。制度は年度途中でも改正があり得ます。調査・報告の前に、藤沢市建築指導課(0466-50-3539)へ最新の内容をご確認ください。費用の数字は参考値で、個別の見積を保証するものではありません。

この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月17日


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茅ヶ崎市の12条点検|毎年・完了検査済証の交付月が報告月、外壁打診の時期【2026年度版】

Q. 茅ヶ崎市のマンションやビル、ホテルは、12条点検(定期報告)の対象になるのか?外壁の全面打診はいつ必要か?

A. 茅ヶ崎市の定期報告は、市の建築指導課(特定行政庁)が窓口です。市の公式ページでは、対象に劇場・映画館・ホテル・旅館・病院・共同住宅・百貨店・物品販売店舗・飲食店などが挙げられ、用途ごとに階や床面積の基準があります。報告は毎年1回で、報告の時期は「建物・設備等の完了検査済証の交付を受けた月」です(出典:茅ヶ崎市「定期報告制度について」)。外壁の全面打診は、竣工・外壁改修・前回の全面打診からおおむね10年を超えたあとの調査で必要になります(出典:国土交通省「定期報告制度における外壁のタイル等の調査について」)。

(最終更新:2026年10月17日/執筆時点の現行年度:令和8年度)

結論:茅ヶ崎市で12条点検の対象になる建物と、全面打診のタイミング

株式会社明誠は、東京都東大和市に拠点を置く大規模修繕の会社です。私は代表として20年以上、マンション・ビル・ホテルの修繕現場に立ってきました。神奈川県の12条点検シリーズは、横浜市・川崎市・相模原市の各区、横須賀市、平塚市、鎌倉市と続いてきました。今回は湘南の海沿いに広がる茅ヶ崎市を取り上げます。

茅ヶ崎市は、令和8年10月1日現在の推計で人口244,722人、108,781世帯、面積35.70平方キロメートルのまちです(出典:茅ヶ崎市「最新の人口と世帯」)。南は相模湾に面し、北は高座丘陵の谷戸が広がる地形です。分譲マンションや賃貸マンション、海沿いのホテルや店舗ビルが混在しており、外壁の安全管理が気になるオーナーさまも多いと思います。

茅ヶ崎市で12条点検を考えるとき、まず押さえたい点は次の3つです。

  • 窓口は茅ヶ崎市の建築指導課。神奈川県が所管する市町村の一覧(逗子市、海老名市、寒川町など21市町村)には、茅ヶ崎市は入っていません(出典:神奈川県「定期報告制度について」(2026年4月1日更新))。
  • 報告の周期は毎年。3年ごとの自治体が多いなかで、茅ヶ崎市は毎年です。
  • 報告の月は、完了検査済証の交付を受けた月。「7〜9月」のような全体の期間ではなく、建物ごとに月が決まっています。

対象かどうかの目安を、市の公式ページの記載にそって整理します。

区分 茅ヶ崎市での扱い(市の公式ページの記載)
建築物 劇場・映画館・ホテル・旅館・病院・共同住宅・百貨店・物品販売店舗・飲食店など、特定の用途。用途ごとに階や床面積の基準がある
対象外になる場合 該当用途の床面積の合計が200㎡以下、または該当用途が避難階のみにある場合
建築設備 機械換気設備、中央管理方式の空気調和設備、排煙設備、非常用の照明装置(給排水設備は対象外)
防火設備 随時閉鎖式と常時閉鎖式(常時閉鎖式は各階の主要な防火扉に限る)
昇降機 小荷物専用昇降機、エレベーター、エスカレーター(一部の除外あり)

(出典:茅ヶ崎市「定期報告制度について」(令和7年7月4日更新))

注意したいのは、共同住宅も対象の用途に挙がっていることです。ただし、どの規模の共同住宅が対象になるかは、階数や床面積の基準で決まります。この点は、茅ヶ崎市の公式ページの本文だけでは具体的な数値を確認できませんでした。そのため、ご所有の建物が対象かどうかは、建築指導課に直接ご確認ください。

全面打診の要否は、次の一文で判断できます。

「竣工、または前回の全面打診・外壁全面改修から10年を超えていれば、次の定期調査で全面打診が必要」

建築基準法第12条の基本(定期調査と定期検査の違い)

建築基準法第12条は、多くの人が利用する建物の所有者・管理者に「建物の安全を有資格者に定期的に調べさせ、その結果を特定行政庁に報告する」ことを求める制度です。報告の義務を負うのは建物の所有者です。調査や検査は、法令で定められた資格者でなければ実施できません(出典:国土交通省「建築基準法に基づく定期報告制度について」)。

12条には、建物本体を調べる「特定建築物定期調査」と、設備を調べる「建築設備・防火設備・昇降機等の定期検査」があります。外壁の打診は、特定建築物定期調査のうち「建築物の外部」の項目に含まれます。

外壁の全面打診のルールは、平成20年国土交通省告示第282号で定められています。手の届く範囲の打診等を約6か月から3年に1回行うほか、落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分は、おおむね10年に一度、全面的に打診等で調べることになっています。令和4年1月18日の一部改正で、無人航空機(ドローン)による赤外線調査も、打診以外の調査方法として明確になりました。ただし、テストハンマーによる打診と同等以上の精度があることが条件で、精度の判定には日本建築防災協会の外壁調査ガイドラインを参照します(出典:国土交通省)。

さらに、令和7年7月1日以降に調査・検査を行う場合は、改正告示に対応した報告書で提出します。6月30日以前に行った調査・検査は、従前の様式です(出典:茅ヶ崎市「定期報告制度について」)。調査会社に依頼するときは、改正後の様式に慣れているかを確認してください。

茅ヶ崎市の12条点検:窓口・報告時期・提出方法

窓口は建築指導課、郵送は事前に電話

項目 内容(公式ページ掲載)
市の担当 茅ヶ崎市 都市部 建築指導課 建築安全担当
所在地 〒253-8686 茅ヶ崎市茅ヶ崎一丁目1番1号
電話・FAX 0467-81-7185(直通)/0467-57-8377
受付方法 窓口、郵送。郵送の場合は事前に電話連絡が必要
経由での提出 一般財団法人 神奈川県建築安全協会を経由しても提出できる

(出典:茅ヶ崎市「定期報告等の郵送による受付について」)

郵送で提出するときは、報告書2部(報告日・受付日欄は空欄)、概要書1部、副本返送用の切手付き返信用封筒、担当者の連絡先が必要です。受付日は、報告書が市役所に届いた日です。郵送の場合は、副本が返ってくるまで概ね1か月を見込むよう案内されています。窓口受付より日数がかかるため、期限が近いときは窓口の利用が安全です。

手数料の額は、市の公式ページに掲載がないため、本記事では記載しません。

報告月は「完了検査済証の交付を受けた月」

茅ヶ崎市の報告時期は、建物や設備の完了検査済証の交付を受けた月とされています。たとえば、平成18年10月に完了検査済証が交付された建物なら、毎年10月が報告の月です。

ここで大事なのは、「報告の月」と「調査を行う時期」の違いです。調査・検査を行った結果を、報告の月までに報告書にまとめて提出する流れになります。報告月から逆算して、調査会社の手配、テナントや入居者への案内、天候を見込んだ予備日を取る必要があります。

建物の完了検査済証は、建築確認の書類と一緒に保管されていることが多いです。見当たらない場合は、昨年の報告書の控えや、建築指導課への確認で報告月が分かります。今月が報告月のオーナーさまは、すぐに調査会社の予約を確認してください。

全面打診は「毎年の調査」とは切り分けて考える

毎年報告と聞くと、「全面打診も毎年か」と心配される方がいます。全面打診が必要になるのは、竣工・外壁改修・前回の全面打診等から10年を超えたときです。毎年の定期調査では、目視や手の届く範囲の打診などを行います。全面打診をどの年に実施し、結果をどの年の報告に使うかは、建築指導課と調査会社で事前に確認しておくと確実です。

私は、全面打診を大規模修繕の足場がかかる年や、ロープアクセスで計画的に実施できる年にまとめて前倒しで行い、毎年の調査とは切り分けて段取りすることをお勧めしています。

報告義務のない建物も、外壁の責任は残る

定期報告の対象外の建物でも、所有者の責任はなくなりません。建築基準法第8条は、建物の所有者・管理者・占有者に、敷地・構造・建築設備を「常時適法な状態に維持するよう努める」ことを求めています。茅ヶ崎市の「建物を安全に維持管理するために」という案内でも、外壁のひびわれ、剥がれ、錆の確認を求め、目視できない劣化は専門家の調査を勧めています(出典:茅ヶ崎市「建物を安全に維持管理するために」)。外壁のタイルが落ちて通行人がけがをすれば、民法第717条(工作物責任)により所有者等が責任を問われる可能性があります。

茅ヶ崎市ならではの事情:海沿いの外壁と、谷戸・丘陵の地形

海に面した外壁は、劣化の出方が違う

茅ヶ崎市の南部は相模湾に面しています。市の資料では、市域は南部の海岸部、北部の丘陵部、低地部、砂丘部の4つに大きく分けられます(出典:茅ヶ崎市「茅ヶ崎の地理と自然環境」)。

海沿いの建物の外壁は、潮風に含まれる塩分の影響を受けやすく、内陸の建物と劣化の出方が違うことがあります。私が海沿いの現場で見てきた例では、鉄部のさびが早い、シーリングやタイル目地の傷みが早い、さびた鉄筋が膨らんでコンクリートを押し出す「爆裂」が出る、といった症状が目立ちます。茅ヶ崎市のように海沿いに住宅地と商業地が近いまちでは、海側の面を、10年を待たずに一度手の届く範囲で叩いて確かめると安心です。

外壁のタイルやモルタルは、下地との間に浮きが生じると、ある日突然落ちることがあります。歩道や通学路、出入口の上にある面は、落下したときの被害が大きくなります。

北部の谷戸や丘陵地では、面ごとに足場の条件が変わる

市の北部は、高座丘陵の南の縁にあたり、谷戸(谷あいの地形)が広がっています。斜面に建つ建物は、坂の上から見ると3階建てでも、下から見ると5階建てという場合があります。坂の下側の面ほど足場が高くなり、擁壁があると足場を置く場所が取りにくくなります。

全面打診を計画するときは、面ごとに「どこから人が近づけるか」「その真下を誰が歩くか」を最初に確かめてください。調査範囲は、歩道や出入口の上を優先して決めます。

毎年報告だからこそ、「外壁の記録」を積み上げる

毎年報告は、手間に感じられるかもしれません。ただ、見方を変えれば、毎年の記録は「外壁の健康診断の履歴」になります。浮きやひび割れの位置を毎年同じ図面に記録しておけば、劣化がどの面で、どの速さで進むかが分かります。この記録は、次の大規模修繕の補修数量や、長期修繕計画の見直しの根拠として使えます。

全面打診が必要になる4つのきっかけ

理事長さまやオーナーさまには、次の4つを「全面打診のきっかけ」としてお伝えしています。

  1. 竣工から10年を超えた:最初の全面打診の起点です。
  2. 外壁の全面改修から10年を超えた:タイル張替えや全面補修をした年から数え直します。
  3. 前回の定期調査で「要是正」とされ、改善が済んでいない:毎年報告の茅ヶ崎市では、翌年の報告で改善状況をすぐに問われます。
  4. タイルの浮き・剥落の兆候が見つかった:手の届く範囲の打診で異常があれば、全面打診で確かめます。

まず、修繕履歴で「竣工年」と「最後の外壁改修・全面打診の年」を確かめてください。たとえば平成28年(2016年)に外壁を全面改修した建物なら、令和8年(2026年)以降の調査で全面打診が求められる時期に入っています。

費用の目安:打診の㎡単価と、足場・ロープアクセスの差

費用の目安を示します。以下は参考値で、実際の見積は建物の形状・高さ・外壁の仕上げ・敷地条件で大きく変わります。

項目 目安
全面打診調査の㎡単価(調査のみ) 250〜500円/㎡
10階建て・外周80m・打診対象約2,000㎡の調査費 約50〜100万円
同条件で仮設足場を組む場合(工期3か月想定) 約168万円
同条件でロープアクセス工法の場合 約59万円
足場とロープアクセスの差額 約109万円

全体の費用を押し上げるのは、打診そのものより足場です。斜面で足場が高くなる建物、道が狭く資材を置きにくい敷地、営業中のホテルや店舗の前に足場を組む場合は、足場の計画がさらに難しくなります。料金の考え方は明誠の大規模修繕の料金の考え方でも公開しています。

ロープアクセス工法が12条打診で選ばれる理由

ロープアクセス工法とは、屋上などの確実な吊元から、作業員がメインロープとバックアップロープの2本に接続して壁面に降り、足場を組まずに調査や補修を行う工法です。吊元は2点以上を確保し、二重の冗長化で安全を確保します。国際基準(IRATA)に沿った、業界標準のやり方です。技術の詳細は明誠のロープアクセス工法のページに、安全への取り組みは明誠の安全管理にまとめています。

12条打診でロープアクセスを選ぶ理由は、主に3つです。

  1. 費用:足場代を抑えられます。上の例では、足場工法より約100万円の差が出る可能性があります。
  2. 期間:足場の組立・解体がないため、足場工法の約60%の工期が目安です。報告月が決まっている茅ヶ崎市では、短い期間で調査を終えられることが大きな利点です。
  3. 営業しながら・住みながら施工:窓や店舗の前に足場やメッシュシートがかからず、ホテルの眺望や客室の日当たり、店舗の看板が隠れる心配が少なく済みます。

打診は、テストハンマーでタイルやモルタルを一枚ずつ叩き、音の違いを聞き分ける仕事です。ロープアクセスなら、見つけた浮きにその場でマーキングし、条件が合えば注入による部分補修まで続けて行えます。海風で傷んだシーリングや鉄部の状態も、同じ降下で一緒に確かめられます。ドローンの赤外線調査で全体を把握し、気になる面だけロープアクセスで叩いて確かめる組み合わせも可能です。ただし、住宅地や海沿いでドローンを飛ばすには、航空法上の許可・承認や周辺への配慮が必要で、事前の確認が欠かせません。

株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕に携わってきました。ロープアクセスでの高所作業では、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを続けています。作業は、IRATA水準の訓練を受けた作業員が担当します。

ロープアクセスの訓練体制や施工の実例は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムで詳しく紹介しています。足場・ロープアクセス・ハイブリッドの3工法の比較もロープアクセスドットコムに掲載しています。塗装・防水・タイル・電気・看板などの専門工事会社さまで、フランチャイズ加盟をご検討の方もロープアクセスドットコムからご覧ください。

12条点検を大規模修繕・長期修繕計画とつなげる

12条点検(または自主的な外壁調査)と大規模修繕を、別々の会社に別々のタイミングで発注しているオーナーさまは少なくありません。私はこれを、できるだけワンセットで考えるよう提案しています。

  • 足場代の二重払いを避ける:打診のために足場を組み、数年後の大規模修繕でまた組む、という重複をなくせます。
  • 調査結果が補修数量の根拠になる:浮き・欠損の位置と数量が分かれば、見積書の数量が透明になります。
  • 長期修繕計画の精度が上がる:外壁の劣化が数字で分かり、修繕積立金の見通しが立てやすくなります。
  • ハイブリッド工法の判断材料になる:低層部や地面に近い面は足場、高層部や斜面の下側の高い面はロープアクセス、と面ごとに使い分けると総額が下がる建物もあります。

分譲マンションの管理組合さまは管理組合様向けの大規模修繕サービスを、賃貸マンション・テナントビル・ホテルのオーナーさまはビルオーナー様向けの修繕サービスをご覧ください。

よくあるご質問

Q. 茅ヶ崎市の分譲マンションは、12条の定期報告が必要ですか?

A. 茅ヶ崎市の公式ページでは、共同住宅が対象用途に挙げられています。ただし、階数や床面積などの規模基準があり、建物ごとに異なります。ご所有のマンションが対象かどうかは、茅ヶ崎市建築指導課(0467-81-7185)にご確認ください。

Q. 1階だけに店舗が入るビルは対象ですか?

A. 市のページには、該当用途が避難階のみにある場合や、該当用途の床面積の合計が200㎡以下の場合は除かれると書かれています。1階(避難階)だけに店舗がある場合は、原則として対象外です。

Q. 茅ヶ崎市の12条点検の報告は何年ごとですか?

A. 建築物・建築設備・防火設備・昇降機とも、周期は1年(毎年)です。3年ごとの自治体とは異なります。

Q. 報告はいつ出せばよいですか?

A. 市の公式ページでは、報告時期は「建物、設備等の完了検査済証の交付を受けた月」とされています。建物ごとに月が異なるため、前回の報告書や完了検査済証で確認してください。

Q. 報告書の提出先はどこですか?

A. 茅ヶ崎市の建築指導課(茅ヶ崎市茅ヶ崎一丁目1番1号)が窓口で、郵送も受け付けています。郵送は事前に電話連絡が必要で、副本の返却まで概ね1か月を見込んでください。神奈川県建築安全協会を経由した提出もできます。

Q. 外壁の全面打診は何年ごとですか?

A. 定期報告の対象建築物では、竣工・外壁改修・前回の全面打診から10年を超えたときに必要です。根拠は平成20年国土交通省告示第282号です。

Q. 海沿いや丘陵地の建物でも、足場なしで外壁を調べられますか?

A. 屋上に2点以上の吊元を確保できれば、ロープアクセス工法でメインロープとバックアップロープの2本に接続して降り、足場なしで叩いて調べられます。営業を続けながらの調査にも対応します。現地を見て、足場との組み合わせも含めてご提案します。

まとめ+今週動くこと3点

茅ヶ崎市の12条点検の窓口は、茅ヶ崎市の建築指導課です。報告は毎年で、報告の月は完了検査済証の交付を受けた月です。共同住宅やホテル、店舗・飲食店などが対象用途に挙がっていますが、規模の基準があるため、ご所有の建物が対象かどうかの確認が最初の一歩です。10年を超えた年の調査が、そのまま全面打診の年になります。

今週動くことを3つに絞ります。

  1. 報告月と対象かどうかを確かめる:前回の報告書や完了検査済証で報告月を確認し、対象かどうか分からない建物は建築指導課に相談する。
  2. 最後の全面打診の年を調べる:修繕履歴や過去の調査報告書を見て、10年を超える年がいつかを確かめる。報告義務のない建物も、10年を目安に外壁の状態を数字で把握する。海に面した面は特に早めに。
  3. 次の大規模修繕とセットで考える:全面打診の年と大規模修繕の年、報告月を並べ、足場を一度で済ませられないか、ロープアクセスで前倒しできないかを、次の理事会・オーナー会議で共有する。

明誠の施工実績は明誠の施工事例で、私たちの考え方は明誠の理念でご覧いただけます。ご相談は大規模修繕・打診調査のお問い合わせフォームからどうぞ。茅ヶ崎市を含む神奈川県全域で、現地調査にも対応しています。報告月の前に一度建物を見ておくだけでも、次の一手はずっと選びやすくなります。

出典・参考資料

本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月17日(令和8年度)時点で公表されている国土交通省・神奈川県・茅ヶ崎市の公式情報をもとに執筆しています。茅ヶ崎市の「定期報告制度について」は令和7年7月4日(令和7年度)の更新で、令和8年度に入ってからの改定は確認できませんでした。令和7年度掲載の情報であるため、調査・報告の前に必ず市へ現行の内容をご確認ください。対象用途ごとの階数・床面積の基準は、市の公式ページ本文では確認できず、本記事には記載していません。手数料も掲載がないため記載していません。人口は令和7年国勢調査をもとにした推計値です。費用の数字は参考値で、個別の見積を保証するものではありません。制度は年度途中でも改正があり得ます。

この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月17日


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