平塚市のマンション漏水・防災対策|相模川・金目川の洪水想定と内水153mm・高潮・津波から考える大規模修繕の優先順位【2026年度版】

2026年10月13日 更新

2026年9月21日、台風第25号の接近にともない、平塚市は午前9時に警戒レベル4の「避難指示」を発令しました。対象は市西部のほか、金目川・鈴川・渋田川・座禅川・河内川の流域などで、公民館などに避難所が開設されました(出典:神奈川新聞 カナロコ)。この記事は、あの日の緊張が残るうちに「次の雨の前に、マンションで何を整えるか」を、現場の目線でお伝えするために書いています。

私は株式会社明誠の本間幸紘と申します。拠点は東京都東大和市ですが、神奈川県内のマンションの大規模修繕も手がけています。20年以上、マンション・ビル・ホテルの外壁と向き合ってきました。仮設足場を組む工事も、メインロープとバックアップロープの2本に接続して壁面に降りる無足場の工事も、どちらも現場でやってきた人間です。

平塚市のマンションでご相談を受けると、私はまず「建物は相模川の近くですか、金目川の流域ですか、海に近いですか」とお聞きします。平塚市には相模川と金目川水系の河川が流れ、南は相模湾に面しています。水は川からも、下水道からも、海からも来る街です。

今日は、平塚市・神奈川県・気象庁の公式情報をもとに、平塚市の分譲・賃貸マンション、そしてオーナーさまのビルが、大規模修繕で先に手を打つべき場所を整理します。


結論:平塚市で優先すべきは「屋上・バルコニーの排水」「1階と電気設備の浸水対策」「耐震診断の検討」です

先に結論を申し上げます。平塚市のマンションでは、次の3つから動くことをお勧めします。

  1. 屋上ドレン・バルコニー排水・サッシまわりのシーリングを点検し、防水の改修時期を記録で確認する:平塚市の内水ハザードマップは1時間153mmの雨を前提にしています。排水が追いつかないときに、最初に出る被害は漏水です
  2. 市の洪水・内水・高潮・津波のハザードマップで建物の位置を確認し、受変電設備・給水ポンプ・エレベーターピットの高さを図面で確かめる:浸水の深さがわずかでも、設備が水をかぶると復旧に数週間かかることがあります
  3. 昭和56年5月31日以前に着工した建物は、市の予備診断費補助(令和8年度の掲載内容では費用の10分の9、上限18万円)の活用を理事会で話し合う:防水や外壁の修繕計画と同じ総会で議論すると、合意形成が進みます

順に見ていきます。

2026年9月の台風25号と、平塚市の備え

台風25号では、平塚市は9月21日午前9時に避難指示(警戒レベル4)を発令しました。気象庁横浜地方気象台の神奈川県気象速報によると、平塚の観測点の日降水量は9月20日が87.0mm、21日が71.0mm、日最大1時間降水量は9月20日の24.5mmでした。同じ速報では、隣接する藤沢市の辻堂観測点で21日の日降水量が219.0mmとなり、9月の観測史上1位を更新しています(出典:気象庁「令和8年 台風第25号に関する神奈川県気象速報」。辻堂は藤沢市の観測値であり、平塚市の値ではありません)。

つまり今回、平塚の観測点の雨量そのものは、突出して多かったわけではありません。それでも市は、河川の流域単位で早めに避難指示を出しました。観測点1か所の雨量が控えめだったからといって、備えを緩めてよい根拠にはなりません。

参考になるのが、令和6年の台風第10号です。広報ひらつか第1295号(令和8年5月15日発行)によると、このとき平塚市の72時間降水量は427.5mmに達し、土砂災害による全壊1棟、床上浸水83棟の被害が出ました(出典:広報ひらつか 第1295号)。時間雨量が小さくても、長く降り続けると被害が出ます。マンションの排水と防水は、この「長く降る雨」への耐性で差がつきます。

平塚市のハザードマップを1枚で読む

平塚市は、防災関係の地図を種類ごとに公開しています。市のハザードマップのページには、地震防災マップ・津波、洪水、内水、土砂災害、ため池、高潮の各マップが掲載されています(出典:平塚市「ハザードマップ」)。

種類 平塚市の想定 マンションで見るべき点
洪水 相模川水系と金目川水系。想定最大規模は年超過確率1/1,000 川沿い・低地の建物の浸水深と浸水継続時間
内水 1時間153mmの想定最大規模降雨 道路が低い場所、地下・半地下、駐車場
高潮 想定最大規模の高潮。県が令和3年5月に浸水想定区域を指定 海に近い低地の建物、電気設備の位置
津波 元禄関東地震タイプと国府津-松田断層帯の連動地震、相模トラフ沿いの海溝型地震など 1階共用部の浸水、避難先の確保
土砂災害 県の告示図書に土石流19区域、急傾斜地の崩壊93区域など 丘陵や斜面に近い建物の擁壁・排水

洪水:相模川水系と金目川水系

平塚市の立地適正化計画の防災指針(第Ⅳ章)によると、洪水の対象は相模川水系と金目川水系です。想定降雨は、金目川水系が計画規模で年超過確率1/100、想定最大規模で1/1,000、相模川水系が計画規模で1/150、想定最大規模で1/1,000とされています。洪水ハザードマップは令和4年6月版が使われています。

同じ資料は、相模川沿いや国道1号沿いで浸水深が大きく、平屋住宅や要配慮者利用施設が多く立地していること、金目川水系の想定最大規模では桜ヶ丘周辺で浸水深3.0m以上になる見込みであること、相模川沿いなどでは浸水が1日以上続く区域があることを課題として挙げています(出典:平塚市立地適正化計画 第Ⅳ章 防災指針、同 防災指針(別版PDF))。

浸水深3.0m以上は、一般的な住宅の2階の床まで水が来る深さで、垂直避難(建物の上の階への避難)が難しくなる目安とされています。マンションの場合、低層階の住戸と1階の共用部、そして電気設備が最初に影響を受けます。

内水:想定降雨は1時間153mm

市の内水ハザードマップは、国が示す関東地区の観測最大降雨量にあたる「1時間に153mm」を前提にした、想定最大規模の浸水シミュレーションです。旧版(平成25年2月版)は1時間50mm程度を想定していました。市の記録上、平成26年10月の台風18号で観測された1時間70.5mmが既往最大とされています。対象は雨水ますや水路からあふれた雨水による浸水で、河川の氾濫や津波、高潮は含みません(出典:平塚市「平塚市内水ハザードマップ」、最終更新2022年3月29日)。

川から離れた場所でも、下水道や水路の排水能力を超えれば、道路や地下に水が集まります。色のついていない区域でも、下水道の排水能力を超える雨や小河川の氾濫で浸水することがある、と市の平成16年版の洪水ハザードマップにも書かれています(出典:平塚市「洪水ハザードマップ(防災特集号)」)。

高潮・津波

高潮ハザードマップは、想定最大規模の高潮による氾濫を前提にしており、神奈川県が令和3年5月に高潮浸水想定区域を指定しています。マップは令和4年3月の広報ひらつかと併せて全戸に配布されました(出典:平塚市「平塚市高潮ハザードマップ」)。

津波ハザードマップは、元禄関東地震タイプと国府津-松田断層帯地震の連動地震、相模トラフ沿いの海溝型地震(西側モデル)による最大クラスの津波を想定しています。マップは平成24年7月に初めて作成され、平成28年度に改訂されました。津波避難ビルの指定には変更があり、最新の一覧は市の「津波避難ビル」のページで確認する必要があります(出典:平塚市「平塚市地震防災マップ・津波ハザードマップ」、最終更新2024年11月1日)。

土砂災害とため池

神奈川県の告示図書では、令和7年10月21日現在、平塚市に関する土石流の警戒区域等は19区域、急傾斜地の崩壊は93区域が掲載されています(他市にまたがる区域も含まれる表示です)。区域は解除や新規指定で変わりますので、建物ごとの確認は最新の告示図書で行ってください(出典:神奈川県「土砂災害警戒区域等 告示図書(平塚市)」)。

防災指針には、ため池として吉沢ため池と万田八重窪ため池が挙げられ、決壊した場合の浸水は決壊点から500〜1,000m離れた地域に及ぶとされています。該当するエリアの建物は、ため池ハザードマップも併せてご確認ください。

地域特性と漏水事故の関係:平野部・川沿い・海沿いで起きること

ここからは、私の現場経験です。地形別に、平塚市のようなエリアで漏水が出やすい場所を整理します。

平野部の低地にある建物:道路より建物の床が低い、あるいは敷地に傾斜がなく水が引きにくい建物では、強い雨のときに駐車場や1階エントランスに水が集まります。排水ますの詰まりが、そのまま浸水につながります。

海に近い建物:潮風を受ける外壁では、シーリング(目地を埋めるゴム状の材料)や金属部の劣化が早く進む傾向があります。高潮や津波の想定区域では、1階共用部や地下の設備が浸水しやすく、電気設備の置き場所が復旧の速さを決めます。

築年数の経った中低層マンション:屋上のコンクリート押さえの防水は、継ぎ目のひび割れから水が入ります。台風のあとに屋上へ上がると、ドレン(雨水を落とす排水口)の周りに落ち葉と砂がたまり、水が引かない光景を、私は何度も見てきました。排水が詰まった状態で強い雨が来ると、行き場を失った水が立上りの隙間やサッシまわりから室内に入ります。

大規模修繕でチェックすべき漏水ポイント7つ

台風のあとは、次の7か所を順に見ます。目安の単価も添えますが、実際の見積は物件の状態で大きく変わりますので、参考値としてご覧ください。

  1. 屋上防水:ふくれ、ひび割れ、端部の浮き。改修費は1㎡あたり5,000〜8,000円程度が目安です
  2. シーリング:外壁の目地、サッシ周りの硬化・痩せ・切れ。打ち替えの時期を記録で確認します
  3. バルコニー排水:排水溝の詰まり、床の勾配、笠木まわり。ここの水が下階の天井に出ます
  4. ドレン(屋上・バルコニーの排水口):落ち葉・土砂の詰まり、ストレーナー(ごみ除け)の破損。台風前後の清掃で防げる被害が多い場所です
  5. 立上り(防水層が壁と接する部分):端部の押さえ金物の浮き、シールの切れ
  6. サッシまわり:枠と外壁の取り合い、水切り、室内側の結露と雨漏りの見分け
  7. エキスパンションジョイント(建物の動きを逃がす継ぎ目):カバーの外れ、止水材の劣化。揺れと雨の両方に弱い場所です

「どこから入った水か分からない」というご相談は、私の経験上、実は多いです。そのときは、散水試験や赤外線調査で入口を絞ってから工事範囲を決めます。詳しい漏水診断の進め方は、明誠の漏水対応のご案内にまとめています。

漏水緊急対応でロープアクセスが強い理由

台風のあとの現場では、足場の資材を置く場所が限られたり、手配から組み上げまで数日から1週間以上かかったりします。その間にも雨は降ります。

ロープアクセス工法は、屋上の2点以上の吊元を確保し、メインロープとバックアップロープの2本に接続して壁面に降りる無足場の工法です。足場を待たずに、調査、応急のシーリング、ドレン清掃、仮防水まで進められます。10階建て・外周80m・工期3か月の建物を例にすると、足場工法の168万円に対し、ロープアクセスでは59万円と、約109万円の差が出る試算もあります(物件により変動する参考値です)。仕組みの詳細はロープアクセス工法のご紹介をご覧ください。

株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法では、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業で過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。技術や訓練の詳しい情報は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムで公開しています。平らな側は足場、高所や狭い側はロープというハイブリッド工法もご提案できます。安全管理の考え方は明誠の安全管理でご覧いただけます。

防災上の共用部:位置を知り、直す順番を決める

国土交通省と経済産業省の「建築物における電気設備の浸水対策ガイドライン」は、まず建物のリスクを把握し、そのうえで電気設備を浸水しにくい場所に置く、出入口や換気口などの開口部をふさぐ、排水設備の逆流を防ぐ、といった対策を組み合わせるよう示しています(出典:国土交通省「建築物における電気設備の浸水対策ガイドライン」概要)。

管理組合の優先順位に置き換えると、次の順になります。

  1. 受変電設備(電気を建物に引き込む設備):エレベーターもポンプもここが止まると動きません。地下・半地下や1階にあるなら最優先です
  2. 給水ポンプ・受水槽:停電で止まると高層階が断水します
  3. エレベーター:ピット(昇降路の底)への浸水は長期停止につながります
  4. 非常用発電機と燃料:発電機自体が浸水しない位置か、燃料の備蓄は足りるかを確認します
  5. 1階の出入口・駐車場の排水:雨水が建物へ流れ込む経路を、図面と現地で確認します

設備まわりの防水や止水板の下地補修は、大規模修繕の工事範囲に入れると、足場やロープの手配を共用できて費用を抑えやすくなります。ビルオーナーさまはビルオーナー向けの明誠のサービス、管理組合さまは管理組合向けの明誠のサービスをご覧ください。

平塚市で使える防災・耐震の補助(令和8年度)

分譲マンションの予備診断費・耐震診断費の補助

平塚市のページ(最終更新2026年4月1日)によると、分譲マンションの耐震化には次の補助があります。いずれも昭和56年5月31日以前に建築確認を得て着工したマンションで、住戸数の過半が区分所有者の住居であること、住宅部分の床面積が過半であること、床面積の合計が1,000㎡以上であること、管理組合の集会で実施が決議されていること、1つの管理組合につき1棟までであること、などが条件です。

区分 補助率 上限
予備診断費 費用(税込み)の10分の9 18万円
耐震診断費 診断費用と評価・判定費用(税込み)の合計の2分の1 区分所有者が居住する1住戸あたり4万円

受付期間は固定されていません。事前相談のあと計画承認申請を行い、市から届く承認通知書に書かれた申請期間内に補助金交付申請をする流れです。過去に予備診断または耐震診断の補助を受けた建物は対象外になります。申請前に、平塚市建築指導課(0463-21-9731)へ最新の条件をご確認ください(出典:平塚市「分譲マンションの予備診断費の補助」、平塚市「分譲マンションの耐震診断費の補助」、平塚市「分譲マンションの耐震改修アドバイザー派遣事業・マンション耐震化促進事業」)。

なお、耐震改修アドバイザー派遣(無料、建築士2名、2時間以内)は、市のページの更新日が2022年7月5日と令和8年度より前の掲載です。利用前に条件が変わっていないかを市に確認してください。

簡易止水板・雨水貯留槽の補助

広報ひらつか第1295号(令和8年5月15日発行)では、雨水貯留槽(上限3万円、浄化槽転用は上限4万円)と簡易止水板(上限10万円)の購入費の2分の1を補助することが紹介されています。購入前に届け出が必要です。戸建て向けの色合いが強い制度ですので、マンションの管理組合が対象になるかどうかは、事前に市へご確認ください(出典:広報ひらつか 第1295号)。

市は、総合浸水対策第3次実施計画(令和6〜10年度)を進めており、令和7年度には田村地区の水門を改修し、台風第10号のあとには雨水桝の増設などを行ったと案内しています。屋上防水や共用部の電気設備の浸水対策そのものを対象とする、市のマンション向けの補助は、本記事執筆時点の調査では確認できませんでした。

よくあるご質問

Q. 平塚市のマンションは、どの災害を優先して備えるべきですか?

A. 立地で変わります。川沿いは洪水と浸水継続時間、海に近い建物は高潮・津波と電気設備の位置、内陸の平野部は内水を優先してください。屋上・バルコニーの排水は、すべての建物に共通する最初の点検項目です。

Q. 自分のマンションが浸水想定区域に入っているか、どう調べますか?

A. 平塚市の洪水・内水・高潮・津波の各ハザードマップで確認できます。市のGISサイト「ひらつかわくわくマップ」では、複数のマップを重ねて見ることができます。

Q. 台風のあと、屋上で何を見ればよいですか?

A. まずドレンの詰まりを見ます。落ち葉や砂を取り除き、水が引くかを確認してください。防水層のふくれやひび割れ、立上りの端部の浮きも写真に残すと、業者への相談が早くなります。

Q. 屋上防水の改修費はいくらくらいですか?

A. 工法や下地の状態で変わりますが、1㎡あたり5,000〜8,000円程度が目安です。物件ごとに大きく変動しますので、無料で概算をお出しできます。

Q. 足場が組みにくい建物の外壁から漏水しています。足場なしで直せますか?

A. 直せる場合が多いです。ロープアクセス工法なら、屋上から壁面へ直接降りて、調査からシーリングの打ち替えまで進められます。足場とロープを使い分けるハイブリッド工法も選べます。

Q. マンションの耐震診断の補助は、すぐ申し込めますか?

A. 総会での決議が条件です。令和8年度のページでは、予備診断が費用の10分の9(上限18万円)、耐震診断が費用の2分の1(1住戸あたり上限4万円)となっています。申請前に市の建築指導課で最新の内容をご確認ください。

Q. 施工事例は見られますか?

A. 明誠の施工事例からご覧いただけます。

まとめ:今週動くこと3点

最後に、今週中に理事会や管理会社へ出していただきたいことを3点にまとめます。

  1. 市の洪水・内水・高潮・津波のハザードマップで建物の位置を確かめ、結果を管理組合内で共有する
  2. 屋上ドレン・バルコニー排水・サッシまわりの詰まりや劣化を、写真付きで管理会社に点検依頼する。電気室・給水ポンプ・エレベーターピットの位置と床の高さを図面で確認する
  3. 昭和56年5月31日以前の建物は、予備診断費の補助について、建築指導課へ事前相談する日程を決める

台風25号の記憶が新しい今が、理事会でこの話を出すいちばんよい時期です。私はいつも理事長さまにお伝えしています。漏水も浸水も、起きてから直すより、起きる前に水の入口と出口を整えるほうが、はるかに安く済みます。ご相談だけでも遠慮なくお問い合わせフォームからお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。

本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月13日時点で公表されている平塚市、神奈川県、気象庁、国土交通省の公式情報をもとに執筆しています。避難情報、土砂災害警戒区域の指定、補助制度は年度途中でも改正・更新があり得ます。実際に申請される前に、平塚市の該当窓口へ最新の内容をご確認ください。

出典・参考資料

この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月13日


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川崎市高津区の管理組合が使える無料相談窓口18選|区役所の弁護士・司法書士相談から市のアドバイザー派遣(年3回まで無料)まで【令和8年度版】

2026年10月13日 更新

川崎市高津区のマンションの理事長さまから、こんなご相談をいただくことがあります。

「大規模修繕の時期が近づいてきたが、誰に何を聞けばいいのか分からない。専門家への相談料を修繕積立金から出すのは気が引ける」

高津区の管理組合には、費用をかけずに動ける入口が2つあります。1つは、高津区役所の2階にある地域振興課相談情報担当で受けられる弁護士・司法書士・行政書士などの特別相談です。もう1つは、川崎市がマンション管理士や一級建築士による無料相談を委託している川崎市住宅供給公社の「ハウジングサロン」と、そこを入口にした市のアドバイザー派遣です。派遣は無料で、市の登録制度に入っている管理組合なら年度内に3回まで使えます。

申し遅れました。私は株式会社明誠の本間幸紘と申します。東京都東大和市を拠点に、20年近くマンション・ビル・ホテルの外壁の仕事をしてきました。この記事では、令和8年10月13日時点で高津区の管理組合が使える窓口を、費用の根拠とあわせて整理します。


結論:高津区で使える窓口は18、無料と読めるのは16

先に一覧でお示しします。公式ページに「無料」と書かれているものと、費用の記載が見つからなかったものを分けています。

# 制度・窓口 誰が対応するか 費用 申込先
1 高津区役所 弁護士相談 弁護士 無料(令和8年度の相談案内に明記) 相談予約コールセンター 044-200-0108
2 高津区役所 司法書士相談(第3水曜) 司法書士 無料(同上) 同上
3 高津区役所 認定司法書士相談(第4水曜) 認定司法書士 無料(同上) 同上
4 高津区役所 行政書士相談(第4月曜) 行政書士 無料(同上) 同上
5 高津区役所 不動産相談(宅地建物取引士) 宅地建物取引士 無料(同上。高津区の実施は要確認) 高津区役所 地域振興課 044-861-3141
6 高津区役所 税務相談(第2木曜) 税理士 無料(同上) 同上
7 高津区役所 行政相談(第2火曜) 行政相談委員 無料(同上) 同上
8 高津区役所 人権相談(第1火曜) 人権擁護委員 無料(同上) 同上
9 高津区役所 市民相談(平日) 市職員・市民相談員 無料(同上) 同上
10 ハウジングサロン マンション管理相談 マンション管理士・一級建築士 無料 044-874-0180
11 川崎市アドバイザー派遣(現地相談) 同上 無料(登録組合は3回まで、未登録は1回まで) 同上
12 マンション耐震診断の予備調査 市が派遣する一級建築士 無料(市が費用負担) 防災まちづくり推進課 044-200-3017
13 マンション管理組合登録・支援制度 市(情報提供・派遣の窓口) 無料 住宅整備推進課 044-200-2996
14 マンション管理組合交流会(年2回) 市・専門家 無料(第12回は参加費無料と明記) 同上
15 川崎市消費者行政センター(川崎区砂子) 消費生活相談員 要確認(相談料の記載なし) 044-200-3030
16 管理計画認定制度 相談ダイヤル(日管連) マンション管理士 無料(何回でも、1回30分程度まで) 03-5801-0858
17 マンション管理センター 電話相談 専門相談員 要確認(費用の記載なし) 03-3222-1517/1519
18 法テラス 無料法律相談 弁護士等 無料(収入・資産の基準あり) 0570-078374

「無料と読める」の16は、区役所の特別相談9つ(1〜9)、ハウジングサロンの相談と派遣(10・11)、耐震予備調査(12)、登録制度と交流会(13・14)、日管連のダイヤル(16)、法テラス(18)です。法テラスは基準を満たす方が対象です。

正直にお伝えします。公式ページで「費用がかかるかどうか」の記載を確認できなかった窓口が2つありました。電話で申し込むときに「相談料はかかりますか」とひと言確認するだけで、あとから戸惑わずに済みます。

もう一つ、大事な点があります。神奈川県の「マンションアドバイザー派遣事業」は無料ですが、川崎市の管理組合は対象外です。県の案内には、横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市は除かれ、川崎市は「川崎市アドバイザー派遣制度」(ハウジングサロン、044-874-0180)を使うと書かれています(出典:神奈川県「マンションアドバイザー派遣事業」、令和8年6月26日更新)。高津区の管理組合は、次の市の制度を使う形になります。


川崎市のマンション管理相談とアドバイザー派遣:専門家に無料で相談できる

私が高津区の管理組合に最初にお勧めするのは、市の制度です。川崎市の「マンション管理組合を支援する制度について」のページ(令和8年7月22日更新)には、次のように整理されています(出典:川崎市「マンション管理組合を支援する制度について」)。

項目 内容
無料相談窓口 大規模修繕や管理組合運営について、マンション管理士や一級建築士などが対応。予約制
運営 川崎市住宅供給公社 ハウジングサロン(電話 044-874-0180)
アドバイザー派遣 窓口または電話での相談のあと、市が必要と認めた場合に現地で相談
費用 無料
回数 登録組合は3回まで、未登録は1回まで

つまり、専門家の現地派遣は、ハウジングサロンでの相談を入口にする仕組みです。建築士だけを無料で呼べる別の制度は、私が確認した範囲では、後述の耐震予備調査を除いて見つかりませんでした。

登録しておくと派遣が年3回に増える

回数の差は大きいです。登録組合は3回、未登録は1回です。登録は「川崎市マンション管理組合登録・支援制度」で行います。申請には、理事長であることが確認できる書類(総会等の議事録)の添付が必要です。申込みはオンライン(LoGoフォーム)のほか、郵送・窓口でもできます。

登録すると、次の5つの支援を受けられると市のページに書かれています(出典:川崎市「マンション管理組合登録・支援制度」、令和7年9月9日更新)。

  1. 年2回発行の「川崎市マンション便り」
  2. 管理組合交流会への参加
  3. 子育て世帯や高齢者世帯等を対象とした相談員・講師等の派遣(内容によっては希望に添えない場合あり)
  4. マンション段差解消工事等費用助成制度の利用
  5. マンション管理アドバイザーの派遣(年3回まで)

問い合わせは、まちづくり局住宅政策部住宅整備推進課(川崎区宮本町1番地)で、電話は044-200-2996です。

ハウジングサロンは中原区にある

ハウジングサロンの所在地は、川崎市中原区上小田中6丁目34番24号(スターブル中原1階)です。高津区内ではなく、同じ市内の中原区にあります。マンション管理相談は火・木・土曜日の10時〜12時と13時〜16時、予約の受付は火〜土曜日の9時〜12時と13時〜16時と案内されています。祝日と年末年始は休みです。方法は窓口・電話・オンラインから選べます(出典:川崎市「川崎市住宅供給公社 ハウジングサロン」)。

ご注意いただきたい点があります。このハウジングサロンのページの更新日は令和7年11月26日で、令和8年度の掲載ではありません。日時や会場は、予約のお電話で最新の内容を確認してください。回数と費用の考え方は、令和8年7月22日更新の市のページと一致しています。

派遣の「使いどき」は、見積依頼の前

ここで、現場にいる私の立場から一つお伝えします。アドバイザーの価値は、施工会社の営業とは別の第三者の意見が聞けることです。見積書が出てから慌てて呼ぶより、見積依頼の前に呼ぶほうが、仕様のぶれが小さくなります。私が現場でよく見てきた遠回りは、見積りを取ったあとで「そもそも何を比べればいいのか」に立ち返ってしまう流れです。

大規模修繕の費用感の目安も、先に頭に入れておくと相談の質が上がります。あくまで目安ですが、30戸規模のマンションで総工費は3,500万円〜5,000万円、そのうち仮設足場が15〜25%という幅が一般的です。外壁塗装は1㎡あたり3,500円〜4,500円、打診調査は1㎡あたり250円〜500円が参考値です。実際の見積りは建物の形状や劣化状況で大きく変わります。高層の建物ほど足場の割合が大きくなりやすく、足場をかけない工法の検討余地が出てきます。技術情報は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムでも解説しています。


建築士の無料派遣:マンション耐震診断の予備調査

川崎市には、一級建築士を無料で派遣する制度がもう一つあります。「マンション耐震診断の予備調査」です。市が派遣する一級建築士が、設計図書や修繕等の管理履歴を確認し、目視で劣化の状況を調べます。そのうえで、耐震診断の方法と概算の診断費用を算出し、管理組合に報告・説明します。費用は市が負担するため、予備調査は無料です。

ただし、予備調査は耐震性の有無を判定するものではありません。診断を受ける前の「見立て」の段階と理解してください。対象条件は、市のページに「対象となる分譲マンションの管理組合」とあるだけで、具体的な要件は書かれていませんでした。申込み前に窓口で確認が必要です。窓口は、まちづくり局防災まちづくり推進課耐震化支援担当で、電話は044-200-3017です(出典:川崎市「マンション耐震診断予備調査について」、令和8年5月27日更新)。

大規模修繕の計画を立てる前に、建物の状態を第三者の建築士に見てもらう機会はあまり多くありません。外壁の打診調査とは目的が違いますが、「建物をプロに診てもらう習慣」をつける入口になります。


弁護士・司法書士などの無料相談:高津区役所の特別相談

管理費の滞納、規約の読み方、理事会の議事の進め方。工事の前段階で出てくるこうした疑問は、まず専門家の相談で整理できることが多いと、私は見ています。

高津区役所の特別相談

令和8年度の相談案内(出典:川崎市「令和8年度 相談のご案内」)から、高津区の欄を読み取ると、会場は高津区役所2階の地域振興課相談情報担当(電話 044-861-3141)で、日程は次のとおりです。

相談 日程 時間 10月・11月の日付
司法書士相談 第3水曜日 13:00〜16:00 10月21日、11月18日
認定司法書士相談 第4水曜日 13:00〜16:00 10月28日、11月25日
行政書士相談(相続・遺言・成年後見) 第4月曜日 13:00〜16:00 10月26日(11月23日は祝日のため要確認)
税務相談(税理士) 第2木曜日(3月のみ第4火曜) 13:00〜16:00 11月12日(10月8日は終了)
行政相談 第2火曜日 13:00〜16:00 11月10日(10月13日は本日)
人権相談 第1火曜日 13:00〜16:00 11月3日は祝日のため要確認(10月6日は終了)
市民相談(市職員・市民相談員) 月〜金 8:30〜17:00 平日随時
弁護士相談 後述(資料により記載が異なる) — 予約時に確認
不動産相談(宅地建物取引士) 案内の表では第3木曜と読めるが、高津区の欄は不明瞭 13:00〜16:00 窓口で要確認

予約が必要な相談は、相談予約コールセンター(044-200-0108、平日)で受け付けます。予約制の相談は1回25分以内で、案内には「相談はいずれも無料です」と明記されています。

読み取りの注意点を3つ挙げます。

  1. 弁護士相談の日程は、資料により記載が異なります。 市の「弁護士相談」のページ(令和7年1月20日更新)には、高津区は毎週木曜日で、開始時刻は9時30分〜11時(30分刻み)と13時〜14時30分(30分刻み)から選べるとあります(出典:川崎市「弁護士相談」)。一方、令和8年度の案内の表では、高津区の欄は「第3火」としか読み取れませんでした。新しいほうの案内が令和8年度ですが、表の読み取りに自信がありません。予約の電話で曜日と枠を確認してください。
  2. 不動産相談は、高津区での実施を確認できませんでした。 市の「宅地建物相談」のページ(令和8年1月22日更新)に載っているのは川崎区・中原区・多摩区・麻生区の4区で、高津区は掲載がありません。高津区役所に確認してください(出典:川崎市「宅地建物相談」)。
  3. 司法書士相談は、更新日が令和6年8月14日です。 第3水曜日の13時〜16時という内容は令和8年度の案内の表と一致しますが、ページ自体は古いため、予約時に確認してください(出典:川崎市「司法書士相談」)。

管理組合として使えるかは、書かれていません

見落としやすい点を2つお伝えします。

  • 対象外の相談があります。 相手方との交渉が必要な案件、書類の作成・審査、すでに訴訟中の案件、同一案件の2回目以降、法人からの相談は対象外と案内されています。
  • 管理組合の理事として使えるかは、公式ページに書かれていません。 区役所の特別相談は、市内に在住・在勤・在学の個人の暮らしの相談が基本と読めます。「マンションの管理組合の理事として相談したい」と、予約の電話で伝えて確認してください。

川崎市消費者行政センター(川崎区砂子)

訪問販売や、工事の契約を巡るトラブルの相談先です。電話は044-200-3030(相談専用)、所在地は川崎区砂子1丁目8番9号の川崎御幸ビル5階で、高津区内に窓口はありません。受付は平日9時〜16時(金曜は電話のみ19時まで延長)、土曜は10時〜16時(電話のみ)と案内されています。対象は、市内に在住・在勤・在学し、契約の当事者である消費者です。相談料の記載はありません。管理組合としての利用可否も含め、電話で確認してください(出典:川崎市「消費生活相談」案内)。


自治体のセミナー・相談会・啓発資料:管理組合交流会と「マンション便り」

川崎市は、管理組合同士が学び合う「管理組合交流会」を年2回開催しています(出典:川崎市「管理組合を支援する制度・取組」、令和8年4月1日更新)。

直近の開催は、令和8年10月10日(土)14:00〜16:00の第12回です。会場は川崎市役所本庁舎の復元棟301会議室(川崎区宮本町1番地)、テーマは「大規模修繕工事の発注方式」でした。事前申込制で定員は先着60人、申込期間は9月15日から10月5日までで、すでに終了しています。ページのタイトルに「参加費無料」とあります(出典:川崎市「第12回マンション管理組合交流会」)。

次回の日時は、私が確認した範囲では公表されていませんでした。登録・支援制度に登録しておくと、案内が届く形になります。問い合わせ先は住宅整備推進課(044-200-2996)です。「マンション便り」は年2回発行され、登録した管理組合に法改正の情報などが届きます。


都道府県・国の相談窓口:日管連・マンション管理センター・法テラス

市の窓口で足りないときの、二の矢として知っておくと役に立ちます。

窓口 内容 受付 費用
管理計画認定制度 相談ダイヤル(日管連) 03-5801-0858 制度や改正マンション管理適正化法の質問にマンション管理士が回答 月〜土 10:00〜17:00(祝日を除く。令和8年8月11日〜16日は夏季休業) 無料。何回でも、1回30分程度まで
マンション管理センター 電話相談 03-3222-1517(管理組合運営・管理規約等)/03-3222-1519(建物・設備の維持管理) 管理組合からの相談 月〜金 9:30〜17:00(祝日・年末年始を除く) ページに記載なし
法テラス・サポートダイヤル 0570-078374 無料法律相談の予約案内 平日 9:00〜21:00、土曜 9:00〜17:00 無料(収入・資産の基準あり)

日管連のページは、令和8年7月28日の更新です。相談自体は無料ですが、診断サービスを通じて認定の申請まで進める場合は、システム利用料1万円や事前確認の手数料が別にかかります(出典:日本マンション管理士会連合会「管理計画認定制度 相談ダイヤル」)。マンション管理センターの電話相談は、賃貸マンションの相談は対象外です(出典:(公財)マンション管理センター「電話相談」)。

法テラスの無料法律相談には、収入と資産の基準があります。1回30分、同じ問題について3回まで無料で、原則として事前予約が必要です。収入の基準額は地域の区分で変わり、川崎市がどの区分にあたるかはページに書かれていません。管理組合という団体として使えるかどうかも含め、窓口での確認が必要です。ページには更新日の表示がありません(出典:法テラス「無料法律相談のご利用の流れ」)。

国の制度としては、国土交通省が「マンション管理計画認定制度」を運営しています。認定を受けると、フラット35の金利引下げなどの優遇を受けられる場合があります(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。


何を用意していけばいいか:3点セット

どの窓口でも、手ぶらで行くと「それは資料を見ないと分かりません」と言われがちです。私は理事長さまに、次の3点を揃えておくようお伝えしています。

  1. 総会議事録(直近2年分):修繕積立金の状況や、大規模修繕についての決議の経過が分かります。登録制度の申請でも、理事長であることを示す書類として使います。
  2. 長期修繕計画:次回の大規模修繕の時期と、見込まれる総額が分かります。
  3. 管理規約:管理費の滞納、専有部分のルール、理事会の権限を調べるときに必要です。

さらに余裕があれば、前回の大規模修繕の見積書や竣工図、直近の劣化診断の報告書があると、建築士の相談が一段と具体的になります。


高津区の管理組合が、無料相談のあとに考えたい工事の選び方

相談で論点が整理できたら、次に工事の進め方を考える段階に入ります。明誠は、通常の足場工法、無足場のロープアクセス工法、両方を組み合わせるハイブリッド工法の3つから、建物に合った進め方をご提案しています。

足場工法とロープアクセス工法の費用差は、規模によって変わります。10階建て・外周80m・工期3か月の例では、足場費が168万円、ロープアクセスが59万円と、109万円の差が出た試算があります。あくまで目安で、実際の見積りは物件ごとに異なります。

ロープアクセス工法は、メインロープとバックアップロープの2本に接続して作業し、2点以上の吊元を確保する国際基準(IRATA)の考え方を採り入れた工法です。明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけ、ロープアクセスでの高所作業について、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業では過去16年間、墜落による労働災害ゼロを維持しています。

明誠のこれまでの施工事例もご覧いただけます。


よくあるご質問

Q. 高津区の管理組合が無料で使える専門家の派遣はありますか?

A. はい。川崎市住宅供給公社のハウジングサロンに相談し、必要と認められると、マンション管理士などのアドバイザーが現地へ伺う制度があります。費用は無料で、登録組合は3回まで、未登録は1回までです。

Q. ハウジングサロンは高津区にありますか?

A. 高津区内ではなく、同じ市内の中原区上小田中6丁目34番24号のスターブル中原1階です。予約の電話は044-874-0180で、火〜土曜日の9時〜12時、13時〜16時に受け付けています。窓口のほか、電話やオンラインでも相談できます。

Q. 神奈川県のマンションアドバイザー派遣は高津区でも使えますか?

A. 使えません。県の事業は、横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市が対象外で、川崎市の管理組合は市の制度を使います。

Q. 高津区役所の法律相談は管理組合として使えますか?

A. 公式ページには書かれていません。案内では法人からの相談は対象外とされています。予約の電話で「管理組合の理事として相談したい」と伝えて確認してください。

Q. 建築士に無料で建物を診てもらえますか?

A. 市の「マンション耐震診断の予備調査」が無料です。ただし、耐震性の有無を判定するものではなく、診断の方法と概算費用の説明が中心です。対象条件は窓口で確認してください。

Q. 無料相談のあとに、工事を頼む義務はありますか?

A. 市の相談やアドバイザー派遣は、特定の施工会社を紹介するものではありません。工事の発注先は、管理組合の総会で決めるものです。

Q. 大規模修繕の費用は、いくらくらいを見ておけばいいですか?

A. 30戸規模で総工費は3,500万円〜5,000万円、うち仮設足場が15〜25%という幅が一般的です。外壁塗装は1㎡あたり3,500円〜4,500円が参考値です。建物の状態で大きく変わるため、相談のうえで概算見積りをお取りください。

Q. 明誠に概算見積りを頼むと費用はかかりますか?

A. 概算お見積りは無料でご提示しています。お気軽にお問合せフォームからご連絡ください。


まとめ+今週動くこと3点

高津区の管理組合が使える相談先は、区役所、市、国と、18の入口があります。そのうち16は、公式ページで無料と読めます。まず押さえておきたいのは、ハウジングサロンと、そこを入口にしたアドバイザー派遣です。登録組合なら3回まで、費用をかけずに専門家の意見を聞けます。

今週動くことを、3点に絞ります。

  1. ハウジングサロン(044-874-0180)に電話し、マンション管理相談を予約する。 「理事会で相談したい議題」を1つだけ決めて伝えてください。
  2. 登録・支援制度に登録していなければ、住宅整備推進課(044-200-2996)に申請方法を聞く。 総会議事録を手元に用意してから連絡すると話が早いです。
  3. 総会議事録・長期修繕計画・管理規約の3点を、理事会の共有フォルダに集める。 相談の質は、この3点で決まります。

私は、工事の話に入る前の「聞く力」が、修繕積立金を守ると考えています。相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。


出典・参考資料


本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月13日時点で公表されている川崎市・高津区役所および国土交通省・神奈川県の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、川崎市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。なお、ハウジングサロン(令和7年11月26日更新)、登録・支援制度(令和7年9月9日更新)、弁護士相談(令和7年1月20日更新)、司法書士相談(令和6年8月14日更新)のページは令和8年度の掲載ではなく、令和8年度の運用は令和8年7月22日更新の市のページと令和8年度の相談案内で確認できた範囲です。令和8年度の相談案内は市内全区が1つの表にまとまっており、高津区の弁護士相談と不動産相談の日程は読み取りで確定できなかったため、区役所での確認を前提にしています。消費者行政センターとマンション管理センターの相談料、区役所の特別相談の管理組合としての利用可否、耐震予備調査の対象条件、次回の交流会の日程は、公式ページで確認できませんでした。法テラスのページには更新日の表示がありません。


この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)

株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市

マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。IRATA水準の技能訓練を受けた作業員、ISO9001品質マネジメントシステムのもとで施工しています。

最終更新:2026年10月13日


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ロープアクセス工法の詳細や実例については、姉妹サイト「ロープアクセスドットコム」の以下の記事もぜひご覧ください。

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川崎市宮前区の管理組合が使える無料相談窓口20選|宮前区役所の毎週水曜の弁護士相談・予約不要の住宅相談から市のアドバイザー派遣(年3回まで無料)まで【令和8年度版】

2026年10月13日 更新

川崎市宮前区のマンションの理事長さまから、こんなご相談をいただくことがあります。

「大規模修繕の時期が近づいてきたが、誰に何を聞けばいいのか分からない。専門家への相談料を修繕積立金から出すのは気が引ける」

宮前区の管理組合には、費用をかけずに動ける入口が3つあります。1つ目は、宮前区役所(宮前平2丁目)の1階にある地域振興課相談情報担当で受けられる、弁護士・司法書士・行政書士などの特別相談です。弁護士相談は毎週水曜日の午前に設けられており、令和8年4月1日付の区役所の相談一覧には「次の相談を行っています。(無料)」と書かれています。2つ目は、同じ区役所で毎月第3火曜日の午前に開かれる住宅相談で、予約が要りません。3つ目は、川崎市がマンション管理士や一級建築士による無料相談を委託している川崎市住宅供給公社の「ハウジングサロン」です。ここを入口に、現地へアドバイザーを派遣してもらえます。

申し遅れました。私は株式会社明誠の本間幸紘と申します。東京都東大和市を拠点に、20年近くマンション・ビル・ホテルの外壁の仕事をしてきました。この記事では、令和8年10月13日時点で宮前区の管理組合が使える窓口を、費用の根拠とあわせて整理します。


結論:宮前区で使える窓口は20、無料と読めるのは16

先に一覧でお示しします。公式ページに「無料」と書かれているものと、費用の記載が見つからなかったものを分けています。

# 制度・窓口 誰が対応するか 費用 申込先
1 宮前区役所 弁護士相談(毎週水曜) 弁護士 無料(区役所の相談一覧に明記) 相談予約コールセンター 044-200-0108
2 宮前区役所 司法書士相談(第2金曜) 司法書士 無料(同上) 同上
3 宮前区役所 認定司法書士相談(第4木曜) 認定司法書士 無料(同上) 同上
4 宮前区役所 行政書士相談(第1火曜) 行政書士 無料(同上) 同上
5 宮前区役所 税務相談(第3木曜) 税理士 無料(同上) サンキューコールかわさき 044-200-3939
6 宮前区役所 市民相談(平日) 市職員・市民相談員 無料(同上) 宮前区役所 地域振興課 044-856-3132
7 宮前区役所 行政相談(第3水曜) 行政相談委員 無料(同上) 同上
8 宮前区役所 人権相談(第3火曜) 人権擁護委員 無料(同上) 同上
9 宮前区役所 住宅相談(第3火曜、予約不要) 住宅相談運営委員の専門家 無料(市の案内に明記) 川崎市住宅相談運営委員会 044-233-3947
10 宮前区役所 まちづくり相談(偶数週の月曜) 専門相談員 要確認(費用の記載なし) 宮前区役所 地域振興課 044-856-3132
11 ハウジングサロン マンション管理相談(中原区上小田中) マンション管理士・一級建築士 無料 044-874-0180
12 川崎市アドバイザー派遣(現地相談) 同上 無料(登録組合は3回まで、未登録は1回まで) 同上
13 マンション耐震診断の予備調査 市が派遣する一級建築士 無料(市が費用負担) 防災まちづくり推進課 044-200-3017
14 マンション管理組合登録・支援制度 市(情報提供・派遣の窓口) 無料(市の一覧に明記) 住宅整備推進課 044-200-2996
15 マンション管理組合交流会(年2回) 市・専門家 無料(第12回は参加費無料と明記) 同上
16 川崎市消費者行政センター(川崎区砂子) 消費生活相談員 要確認(相談料の記載なし) 044-200-3030
17 川崎すまいる相談 弁護士会の相談窓口 要確認(記載なし) 市の支援制度ページで確認
18 管理計画認定制度 相談ダイヤル(日管連) マンション管理士 無料(何回でも、1回30分程度まで) 03-5801-0858
19 マンション管理センター 電話相談 専門相談員 要確認(費用の記載なし) 03-3222-1517/1519
20 法テラス 無料法律相談 弁護士等 無料(収入・資産の基準あり) 0570-078374

「無料と読める」の16は、区役所の特別相談と住宅相談9つ(1〜9)、ハウジングサロンの相談と派遣(11・12)、耐震予備調査(13)、登録制度と交流会(14・15)、日管連のダイヤル(18)、法テラス(20)です。法テラスは基準を満たす方が対象です。

正直にお伝えします。公式ページで「費用がかかるかどうか」の記載を確認できなかった窓口が4つありました。電話で申し込むときに「相談料はかかりますか」とひと言確認するだけで、あとから戸惑わずに済みます。

もう一つ、大事な点があります。神奈川県の「マンションアドバイザー派遣事業」は無料ですが、川崎市の管理組合は対象外です。県の案内には、横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市は各市の制度を使うと書かれています(出典:神奈川県「マンションアドバイザー派遣事業」、令和8年6月26日更新)。宮前区の管理組合は、次の市の制度を使う形になります。


川崎市のマンション管理相談とアドバイザー派遣:専門家に無料で相談できる

私が宮前区の管理組合に最初にお勧めするのは、市の制度です。川崎市の「マンション管理組合を支援する制度について」のページ(令和8年7月22日更新)には、次のように整理されています(出典:川崎市「マンション管理組合を支援する制度について」)。

項目 内容
無料相談窓口 大規模修繕や管理組合運営について、マンション管理士などが対応。予約制
運営 川崎市住宅供給公社 ハウジングサロン(電話 044-874-0180)
アドバイザー派遣 窓口または電話での相談のあと、必要と認められた場合に現地で相談
費用 無料
回数 登録組合は3回まで、未登録は1回まで

つまり、専門家の現地派遣は、ハウジングサロンでの相談を入口にする仕組みです。建築士だけを無料で呼べる別の制度は、私が確認した範囲では、後述の耐震予備調査を除いて見つかりませんでした。

登録しておくと派遣が年3回に増える

回数の差は大きいです。登録組合は3回、未登録は1回です。登録は「川崎市マンション管理組合登録・支援制度」で行います。申請には、理事長であることが確認できる書類(総会等の議事録)の添付が必要です。申込みはオンライン(LoGoフォーム)のほか、郵送・窓口でもできます。

登録すると、次の5つの支援を受けられると市のページに書かれています(出典:川崎市「マンション管理組合登録・支援制度」、令和7年9月9日更新)。

  1. 年2回発行の「川崎市マンション便り」
  2. 管理組合交流会への参加
  3. 子育て世帯や高齢者世帯等を対象とした相談員・講師等の派遣(内容によっては希望に添えない場合あり)
  4. マンション段差解消工事等費用助成制度の利用
  5. マンション管理アドバイザーの派遣(年3回まで)

問い合わせは、まちづくり局住宅政策部住宅整備推進課(川崎区宮本町1番地、本庁舎18階)で、電話は044-200-2996です。

ハウジングサロンは宮前区内にはありません

ハウジングサロンの所在地は、川崎市中原区上小田中6丁目34番24号(スターブル中原1階)です。宮前区内ではなく、お隣の中原区にあります。マンション管理相談は火・木・土曜日の10時〜12時と13時〜16時、予約の受付は火〜土曜日の9時〜12時と13時〜16時と案内されています。祝日と年末年始は休みです。方法は窓口・電話・オンラインから選べるため、まず電話かオンラインで相談し、必要なら現地派遣に進む使い方が現実的です(出典:川崎市「川崎市住宅供給公社 ハウジングサロン」)。

ご注意いただきたい点があります。このハウジングサロンのページの更新日は令和7年11月26日で、令和8年度の掲載ではありません。日時や会場は、予約のお電話で最新の内容を確認してください。回数と費用の考え方は、令和8年7月22日更新の市のページと一致しています。

派遣の「使いどき」は、見積依頼の前

ここで、現場にいる私の立場から一つお伝えします。アドバイザーの価値は、施工会社の営業とは別の第三者の意見が聞けることです。見積書が出てから慌てて呼ぶより、見積依頼の前に呼ぶほうが、仕様のぶれが小さくなります。私が現場で何度も見てきた遠回りは、見積りを3社取ったあとで「そもそも何を比べればいいのか」に立ち返ってしまう流れです。

大規模修繕の費用感の目安も、先に頭に入れておくと相談の質が上がります。あくまで目安ですが、30戸規模のマンションで総工費は3,500万円〜5,000万円、そのうち仮設足場が15〜25%という幅が一般的です。外壁塗装は1㎡あたり3,500円〜4,500円、打診調査は1㎡あたり250円〜500円が参考値です。実際の見積りは建物の形状や劣化状況で大きく変わります。高層の建物ほど足場の割合が大きくなりやすく、足場をかけない工法の検討余地が出てきます。技術情報は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムでも解説しています。


建築士の無料派遣:マンション耐震診断の予備調査

川崎市には、一級建築士を無料で派遣する制度がもう一つあります。「マンション耐震診断の予備調査」です。市が派遣する一級建築士が、設計図書や修繕等の管理履歴を確認し、目視で劣化の状況を調べます。そのうえで、耐震診断の方法と概算の診断費用を算出し、管理組合に報告・説明します。費用は市が負担するため、予備調査は無料です。

ただし、予備調査は耐震性の有無を判定するものではありません。診断を受ける前の「見立て」の段階と理解してください。対象条件は、市のページに「対象となる分譲マンションの管理組合」とあるだけで、具体的な要件は書かれていませんでした。申込み前に窓口で確認が必要です。窓口は、まちづくり局防災まちづくり推進課耐震化支援担当で、電話は044-200-3017です(出典:川崎市「マンション耐震診断予備調査について」、令和8年5月27日更新)。

大規模修繕の計画を立てる前に、建物の状態を第三者の建築士に見てもらう機会はあまり多くありません。外壁の打診調査とは目的が違いますが、「建物をプロに診てもらう習慣」をつける入口になります。


弁護士・司法書士などの無料相談:宮前区役所の特別相談

管理費の滞納、規約の読み方、理事会の議事の進め方。工事の前段階で出てくるこうした疑問は、まず専門家の相談で整理できることが多いと、私は見ています。

宮前区役所の特別相談(毎週水曜に弁護士相談があります)

宮前区役所は、宮前区宮前平2丁目20番地5にあります。相談は地域振興課の相談情報担当(区役所1階、電話 044-856-3132)で受け付けています。令和8年4月1日付の「宮前区役所相談一覧」には、「宮前区役所では次の相談を行っています。(無料)」と書かれています(出典:宮前区役所相談一覧(令和8年4月1日〜)、区のページは令和8年4月30日更新)。その内容を、10月・11月の日付に直したのが次の表です。

相談 日程 時間 予約 10月・11月の日付
弁護士相談 毎週水曜日 9:30〜11:30(開始は9:30・10:00・10:30・11:00の4枠) 要(044-200-0108) 10月14日・21日・28日、11月4日・11日・18日・25日
司法書士相談 第2金曜日 13:00〜16:00 要(同上) 11月13日(10月9日は終了)
認定司法書士相談 第4木曜日 13:00〜16:00 要(同上) 10月22日、11月26日
行政書士相談 第1火曜日 13:00〜16:00 要(同上) 11月3日は祝日のため要確認(10月6日は終了)
税理士による税務相談 第3木曜日 13:00〜16:00 要(044-200-3939) 10月15日、11月19日
人権相談 第3火曜日 13:00〜16:00 記載なし 10月20日、11月17日
行政相談 第3水曜日 13:00〜16:00 記載なし 10月21日、11月18日
住宅相談 第3火曜日 9:00〜12:00 不要 10月20日、11月17日
市民相談(市職員・市民相談員) 月〜金 8:30〜17:00 記載なし 平日随時

予約が必要な弁護士・司法書士・認定司法書士・行政書士の相談は、相談予約コールセンター(044-200-0108、平日8時〜17時)で受け付けます。税務相談は、サンキューコールかわさき(044-200-3939)で、希望日の2か月前の月の初日から予約できます。予約制の相談は1回25分以内です。

宮前区の弁護士相談は、毎週水曜の午前に枠があります。週に1度あるのは、理事会の日程に合わせやすい利点だと私は考えます。ただし、枠は1回4つしかありません。早めの予約をお勧めします。

読み取りの注意点を3つ挙げます。

  1. 弁護士相談の案内は、資料により更新日が違います。 市の「弁護士相談」のページ(令和7年1月20日更新)にも、宮前区は水曜日の9時30分〜11時30分とあり、令和8年4月1日付の区の一覧と一致しています。ただし費用はページ自体に書かれておらず、無料の根拠は区の一覧の記載です(出典:川崎市「弁護士相談」)。
  2. 不動産相談(宅地建物取引士)は、宮前区では実施されていません。 市の「宅地建物相談」のページ(令和8年1月22日更新)に載っているのは川崎区・中原区・多摩区・麻生区の4区で、宮前区は掲載がありません。不動産の相談は、実施区の窓口を使う形になります(出典:川崎市「宅地建物相談」)。
  3. 認定司法書士相談には金額の上限があります。 区の一覧には、民事紛争は140万円以下に限ると書かれています。

住宅相談は予約不要・無料。ただし管理組合向けとは書かれていません

もう一つの宮前区の強みが、毎月第3火曜日の午前9時から12時に開かれる住宅相談です。川崎市住宅相談運営委員の専門家が、住宅の修理、耐震改修工事、建替えか改築・リフォームかの判断、新築工事などの相談に応じます。費用は無料で、予約も要りません。令和8年10月は20日、11月は17日が該当します(出典:川崎市「川崎市住宅相談」、令和8年1月20日更新)。

ただし、対象は「市内に在住・在勤・在学の方」で、住宅の相談が中心です。マンションの管理組合が使えるかどうかは、ページに書かれていません。管理組合としての大規模修繕の相談は、先ほどのハウジングサロンを軸に考え、住宅相談は「理事の方が建物の修繕の基本を聞く場」として使うのが無理のない形だと思います。問い合わせ先は、川崎市住宅相談運営委員会(044-233-3947)です。

まちづくり相談は、費用の記載がありません

宮前区役所1階の地域振興課には、「まちづくり相談」の窓口もあります。良好な住環境の保全や土地利用計画、建築・開発・都市計画の制度に関する相談です。相談日は月の偶数週の月曜日で、時間は9時〜12時と13時〜16時、予約は不要で先着順です。ただし、費用の記載がページにはありません。修繕工事そのものより、周辺の開発や建築のルールの相談向きです(出典:川崎市「まちづくり相談」、令和7年4月11日更新)。

管理組合として使えるかは、書かれていません

見落としやすい点を2つお伝えします。

  • 対象外の相談があります。 区の一覧では、弁護士相談は、すでに弁護士に依頼中の案件、訴訟中の案件、同種案件の繰り返し、法人からの相談が対象外とされています。紛争相手との交渉や書類の作成・審査も対象外です。
  • 管理組合の理事として使えるかは、公式ページに書かれていません。 区役所の特別相談は、市内に在住・在勤・在学の個人の暮らしの相談が基本と読めます。「マンションの管理組合の理事として相談したい」と、予約の電話で伝えて確認してください。

川崎市消費者行政センター(川崎区砂子)

訪問販売や、工事の契約を巡るトラブルの相談先です。電話は044-200-3030(相談専用)、所在地は川崎区砂子1丁目8番9号の川崎御幸ビル5階で、宮前区内に窓口はありません。受付は平日9時〜16時(金曜は電話のみ19時まで延長)、土曜は10時〜16時(電話のみ)と案内されています。対象は、市内に在住・在勤・在学し、契約の当事者である消費者です。相談料の記載はありません。管理組合としての利用可否も含め、電話で確認してください(出典:川崎市「消費生活相談」案内)。

川崎すまいる相談

住まいの問題に特化した相談窓口で、神奈川県弁護士会川崎相談センターで行われると、市の支援制度ページに掲載されています。費用や日時の記載は、私が確認した範囲では見つかりませんでした。利用の際は、市の支援制度ページから最新の案内を確認してください。


自治体のセミナー・相談会・啓発資料:管理組合交流会と「マンション便り」

川崎市は、管理組合同士が学び合う「管理組合交流会」を年2回開催しています(出典:川崎市「管理組合を支援する制度・取組」、令和8年4月1日更新)。

直近の開催は、令和8年10月10日(土)14:00〜16:00の第12回です。会場は川崎市役所本庁舎の復元棟301会議室、テーマは「大規模修繕工事の発注方式」でした。申込期間は9月15日から10月5日までで、すでに終了しています。参加費は無料と案内されていました(出典:川崎市「第12回マンション管理組合交流会」)。

次回の日時は、私が確認した範囲では公表されていませんでした。登録・支援制度に登録しておくと、案内が届く形になります。問い合わせ先は住宅整備推進課(044-200-2996)です。「マンション便り」は年2回発行され、登録した管理組合に法改正の情報などが届きます。


都道府県・国の相談窓口:日管連・マンション管理センター・法テラス

市の窓口で足りないときの、二の矢として知っておくと役に立ちます。

窓口 内容 受付 費用
管理計画認定制度 相談ダイヤル(日管連) 03-5801-0858 制度や改正マンション管理適正化法の質問にマンション管理士が回答 月〜土 10:00〜17:00(祝日を除く) 無料。何回でも、1回30分程度まで
マンション管理センター 電話相談 03-3222-1517(管理組合運営・管理規約等)/03-3222-1519(建物・設備の維持管理) 管理組合からの相談 月〜金 9:30〜17:00(祝日・年末年始を除く) ページに記載なし
法テラス・サポートダイヤル 0570-078374 無料法律相談の予約案内 平日 9:00〜21:00、土曜 9:00〜17:00 無料(収入・資産の基準あり)

日管連のページは、令和8年7月28日の更新です(出典:日本マンション管理士会連合会「管理計画認定制度 相談ダイヤル」)。マンション管理センターの電話相談は、賃貸マンションの相談は対象外です(出典:(公財)マンション管理センター「電話相談」)。

法テラスの無料法律相談には、収入と資産の基準があります。1回30分、同じ問題について3回まで無料で、原則として事前予約が必要です。収入の基準額は地域の区分で変わり、川崎市がどの区分にあたるかはページに書かれていません。管理組合という団体として使えるかどうかも含め、窓口での確認が必要です。法テラス川崎の予約電話は0570-078309(平日9時〜17時)です。ページには更新日の表示がありません(出典:法テラス「無料法律相談のご利用の流れ」)。

国の制度としては、国土交通省が「マンション管理計画認定制度」を運営しています。認定を受けると、フラット35の金利引下げなどの優遇を受けられる場合があります(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。


何を用意していけばいいか:3点セット

どの窓口でも、手ぶらで行くと「それは資料を見ないと分かりません」と言われがちです。私は理事長さまに、次の3点を揃えておくようお伝えしています。

  1. 総会議事録(直近2年分):修繕積立金の状況や、大規模修繕についての決議の経過が分かります。登録制度の申請でも、理事長であることを示す書類として使います。
  2. 長期修繕計画:次回の大規模修繕の時期と、見込まれる総額が分かります。
  3. 管理規約:管理費の滞納、専有部分のルール、理事会の権限を調べるときに必要です。

さらに余裕があれば、前回の大規模修繕の見積書や竣工図、直近の劣化診断の報告書があると、建築士の相談が一段と具体的になります。


宮前区の管理組合が、無料相談のあとに考えたい工事の選び方

相談で論点が整理できたら、次に工事の進め方を考える段階に入ります。明誠は、通常の足場工法、無足場のロープアクセス工法、両方を組み合わせるハイブリッド工法の3つから、建物に合った進め方をご提案しています。

足場工法とロープアクセス工法の費用差は、規模によって変わります。10階建て・外周80m・工期3か月の例では、足場費が168万円、ロープアクセスが59万円と、109万円の差が出た試算があります。あくまで目安で、実際の見積りは物件ごとに異なります。階数が高い建物や、敷地に余裕がなく足場の架設が難しい建物では、足場の費用と工期が論点になりやすいと、私は見ています。

ロープアクセス工法は、メインロープとバックアップロープの2本に接続して作業し、2点以上の吊元を確保する国際基準(IRATA)の考え方を採り入れた工法です。明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけ、ロープアクセスでの高所作業について、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業では過去16年間、墜落による労働災害ゼロを維持しています。

明誠のこれまでの施工事例もご覧いただけます。


よくあるご質問

Q. 宮前区の管理組合が無料で使える専門家の派遣はありますか?

A. はい。川崎市住宅供給公社のハウジングサロンに相談し、必要と認められると、マンション管理士などのアドバイザーが現地へ伺う制度があります。費用は無料で、登録組合は3回まで、未登録は1回までです。

Q. ハウジングサロンは宮前区にありますか?

A. いいえ。中原区上小田中6丁目34番24号のスターブル中原1階です。予約の電話は044-874-0180で、火〜土曜日の9時〜12時、13時〜16時に受け付けています。電話やオンラインでも相談できます。

Q. 神奈川県のマンションアドバイザー派遣は宮前区でも使えますか?

A. 使えません。県の令和8年度の事業は、横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市が対象外で、各市の制度を使います。

Q. 宮前区役所の弁護士相談は管理組合として使えますか?

A. 公式ページには書かれていません。相談は個人の暮らしの相談が基本で、区の一覧では法人からの相談は対象外とされています。予約の電話で「管理組合の理事として相談したい」と伝えて確認してください。

Q. 宮前区役所の弁護士相談はいつありますか?

A. 毎週水曜日の9時30分〜11時30分です。開始は9:30・10:00・10:30・11:00の4枠で、相談予約コールセンター(044-200-0108)で予約します。相談は無料と、区の相談一覧に書かれています。

Q. 建築士に無料で建物を診てもらえますか?

A. 市の「マンション耐震診断の予備調査」が無料です。ただし、耐震性の有無を判定するものではなく、診断の方法と概算費用の説明が中心です。対象条件は窓口で確認してください。

Q. 無料相談のあとに、工事を頼む義務はありますか?

A. 市の相談やアドバイザー派遣は、特定の施工会社を紹介するものではありません。工事の発注先は、管理組合の総会で決めるものです。

Q. 大規模修繕の費用は、いくらくらいを見ておけばいいですか?

A. 30戸規模で総工費は3,500万円〜5,000万円、うち仮設足場が15〜25%という幅が一般的です。外壁塗装は1㎡あたり3,500円〜4,500円が参考値です。建物の状態で大きく変わるため、相談のうえで概算見積りをお取りください。

Q. 明誠に概算見積りを頼むと費用はかかりますか?

A. 概算お見積りは無料でご提示しています。お気軽にお問合せフォームからご連絡ください。


まとめ+今週動くこと3点

宮前区の管理組合が使える相談先は、区役所、市、国と、20の入口があります。そのうち16は、公式ページで無料と読めます。区役所では毎週水曜に弁護士相談があり、毎月第3火曜は予約不要の住宅相談があります。大規模修繕の本筋は、中原区のハウジングサロンを入口にしたアドバイザー派遣です。登録組合なら3回まで、費用をかけずに専門家の意見を聞けます。

今週動くことを、3点に絞ります。

  1. ハウジングサロン(044-874-0180)に電話し、マンション管理相談を予約する。 「理事会で相談したい議題」を1つだけ決めて伝えてください。
  2. 登録・支援制度に登録していなければ、住宅整備推進課(044-200-2996)に申請方法を聞く。 総会議事録を手元に用意してから連絡すると話が早いです。
  3. 総会議事録・長期修繕計画・管理規約の3点を、理事会の共有フォルダに集める。 相談の質は、この3点で決まります。

私は、工事の話に入る前の「聞く力」が、修繕積立金を守ると考えています。相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。


出典・参考資料


本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月13日時点で公表されている川崎市・宮前区役所および国土交通省・神奈川県の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、川崎市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。なお、ハウジングサロン(令和7年11月26日更新)、登録・支援制度(令和7年9月9日更新)、まちづくり相談(令和7年4月11日更新)、弁護士相談(令和7年1月20日更新)のページは令和7年度以前の掲載で、令和8年度の運用は、令和8年7月22日更新の市のページと、令和8年4月1日付の宮前区役所相談一覧で確認できた範囲です。消費者行政センター・川崎すまいる相談・マンション管理センターの相談料、まちづくり相談の費用、区役所の特別相談と住宅相談の管理組合としての利用可否、耐震予備調査の対象条件、次回の交流会の日程は、公式ページで確認できませんでした。法テラスのページには更新日の表示がありません。


この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)

株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市

マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。IRATA水準の技能訓練を受けた作業員、ISO9001品質マネジメントシステムのもとで施工しています。

最終更新:2026年10月13日


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川崎市中原区の12条点検|武蔵小杉の店舗併設マンションと外壁打診の時期【2026年度版】

Q. 川崎市中原区のマンションやビルは、12条点検(定期報告)の対象になるのか?外壁の全面打診はいつ必要か?

A. 川崎市中原区の建物の定期報告は、中原区役所ではなく、川崎市まちづくり局 指導部 建築指導課 建築安全担当の所管です。川崎市は、サービス付き高齢者向け住宅やグループホームにあたらないマンション・アパートを「定期報告の対象外」と案内しています(出典:川崎市「定期報告関連のよくある質問」)。ただし、1階に物販店や飲食店が一定規模で入るマンションでは、店舗の利用客に被害を及ぼしかねないマンション部分の外壁も調査の対象になります。外壁の全面打診は、対象建築物であれば、竣工や前回の全面打診から「おおむね10年」を超えたあとの最初の定期調査で必要です(出典:国土交通省「定期報告制度における外壁のタイル等の調査について」)。

(最終更新:2026年10月13日/執筆時点の現行年度:令和8年度)

結論:川崎市中原区で12条点検の対象になる建物と、全面打診のタイミング

株式会社明誠は、東京都東大和市に拠点を置く大規模修繕の会社です。私は代表として20年以上、マンション・ビル・ホテルの修繕現場に立ってきました。神奈川県の12条点検シリーズは、横浜市の各区から川崎市に入り、川崎区に続いて今回は川崎市中原区を取り上げます。

川崎市中原区は、市のほぼ中央にある区です。区の大部分は多摩川に沿った平坦地で、南西の井田地区には丘陵地が広がります。区の中心は武蔵小杉駅周辺で、先端企業が集まり、再開発が進んでいます。区の名前は、江戸時代に中原街道の中継地だった小杉に御殿と陣屋があったことに由来します(出典:川崎市中原区「中原区の概要」)。川崎市の資料では、中原区は市内7区で人口・世帯数が最も多く、平均年齢が最も低い区とされています(出典:川崎市「中原区」区の概要資料、2011年3月1日時点の面積14.81㎢)。

12条点検の目線で見ると、中原区には次の特徴があります。

  • 武蔵小杉駅周辺に、住宅・商業・業務が入る大型の複合建築物が集まる(例:小杉町3丁目中央地区の再開発は地下3階・地上45階建てで、住宅、保育所、業務・商業施設などが入ります)
  • 駅周辺の商店街沿いに、1階が店舗・上が住戸の中規模マンションが並ぶ
  • 区の大部分が平坦で、住宅地とマンションが連続している

このうち1つ目と2つ目が、中原区で12条点検を考えるうえで大事な点です。川崎市で「建築物」の定期報告が必要になるかどうかは、次のように整理できます。

建物の種類 川崎市での定期報告(建築物)
住戸だけの分譲マンション・賃貸マンション・アパート 対象外(サ高住・グループホームを除く)
事務所だけのビル 対象外(事務所は対象用途に指定されていない)
1階が物販店・飲食店で上がマンションの建物 店舗の規模により対象。対象になれば、店舗利用客に影響し得るマンション部分の外壁も調査範囲
百貨店・物販店・飲食店などが入る商業ビル 規模により対象
ホテル・旅館・簡易宿所、病院・有床診療所・老人ホーム 規模により対象
エレベーター(昇降機) 原則すべて対象(毎年)

(出典:川崎市「定期報告が必要な建築物・建築設備及び定期報告の受付期間」、川崎市「定期報告関連のよくある質問」)

全面打診の要否は、次の一文で判断できます。

「竣工、または前回の全面打診・外壁全面改修から10年を超えていれば、次の定期調査で全面打診が必要」

定期報告の対象外のマンションでも、私はこの「10年」を目安に、外壁の状態を確認することをお勧めしています。

建築基準法第12条の基本(定期調査と定期検査の違い)

建築基準法第12条は、多くの人が利用する建物の所有者・管理者に「建物の安全を有資格者に定期的に調べさせ、その結果を特定行政庁に報告する」ことを求める制度です。特定行政庁とは、建築確認や違反建築の指導を担う行政機関のことで、川崎市中原区を含む川崎市内では川崎市がこれにあたります。

12条には、建物本体を調べる「特定建築物定期調査」と、設備を調べる「建築設備・防火設備・昇降機等の定期検査」があります。外壁の打診は、特定建築物定期調査の「建築物の外部」の項目に含まれます。

川崎市の案内では、報告の周期は次のとおりです(出典:川崎市「定期報告が必要な建築物・建築設備及び定期報告の受付期間」(2026年6月29日更新))。

種類 報告の周期(川崎市)
建築物(特定建築物定期調査) 3年ごと(令和7年、令和10年、令和13年…)
建築設備 定期検査 3年ごと(令和7年、令和10年…)
防火設備 定期検査 毎年(常時閉鎖式防火扉は3年ごと)
昇降機・遊戯施設 定期検査 毎年(前回の報告から1年以内)

報告の義務を負うのは所有者または管理者です。調査ができるのは、一級・二級建築士か特定建築物調査員などの有資格者に限られます。川崎市は「調査・検査は、報告書の提出日から遡って3か月以内に行うこと」とも定めています。

外壁の全面打診のルールは、平成20年国土交通省告示第282号で定められています。タイル・石貼り(乾式工法を除く)・モルタルなどの外壁で、落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分は、おおむね10年に一度、全面的に打診等で調べます。令和4年1月18日の告示改正では、無人航空機(ドローン)による赤外線調査も、打診と同等以上の精度があれば認められるようになりました(出典:国土交通省)。

また、令和7年7月1日施行の告示改正(令和6年国土交通省告示第974号ほか)について、川崎市は独自の扱いを示しています。常時閉鎖式防火扉だけがある建物は、その検査項目を特定建築物定期調査に付加して報告し、随時閉鎖式の防火設備もある建物は防火設備定期検査で報告するというものです(出典:川崎市「定期報告告示改正に係る川崎市の対応について」、2025年9月11日更新)。調査会社に依頼するときは、この扱いを理解しているかを確認してください。

川崎市中原区の12条点検:窓口・提出方法・報告時期

窓口は川崎市まちづくり局 指導部 建築指導課 建築安全担当

項目 内容(公式ページ掲載)
担当 川崎市まちづくり局 指導部 建築指導課 建築安全担当
住所 〒210-8577 川崎市川崎区宮本町1番地
電話 044-200-2757
メール 50kesido@city.kawasaki.jp

窓口は中原区役所ではなく、川崎区宮本町の市役所内の部署です。電話とメールで相談できるので、まず階ごとの用途と面積を手元にそろえて問い合わせるのが近道です。

提出は直接でも協会経由でも可能、報告済証は協会経由のみ

川崎市へ直接提出する場合、手数料はかかりません。一方、(一財)神奈川県建築安全協会を経由して提出すると、報告手数料が必要です。協会でチェックを受けたあとに川崎市へ送られ、正式な受付となります。建物に掲示できる「報告済証」が発行されるのは、協会経由で提出した場合のみです(出典:川崎市「定期報告関連のよくある質問」、2024年10月1日更新)。テナントや来店客に「きちんと点検している建物」と示したいオーナーさまには、協会経由に価値があります。

建築物の次の報告年は令和10年、設備・昇降機は毎年

川崎市は、用途ごとに受付期間を分けています。

用途 受付期間
劇場・集会場、ホテル・旅館、病院・老人ホーム、体育館・図書館など 6月〜9月
百貨店・物販店、飲食店、バー、遊技場、公衆浴場など 10月〜翌1月

(出典:川崎市「定期報告が必要な建築物・建築設備及び定期報告の受付期間」)

川崎市の表では、3年周期の報告年は令和7年、令和10年、令和13年です。したがって、令和8年度は建築物の報告年ではなく、次の報告は令和10年です。全面打診が必要な建物にとって、令和8年度・令和9年度は、時間をかけて準備できる2年間です。

一方、防火設備と昇降機は毎年の報告です。物販店・飲食店などが入る建物の防火設備は、令和8年度の受付期間が令和8年10月〜令和9年1月で、本記事の公開時点で受付期間中です。テナントビルのオーナーさまは、報告が済む予定かを管理会社に確認してください。受付期間の読み方に迷う場合は、川崎市のパンフレットか建築安全担当で確かめるのが確実です。

なお、新しく検査済証を受けた建物は、初回の報告が免除されます。川崎市は「令和6年4月に検査済証を受けた建物は、特定建築物定期調査が令和10年、その他の検査が令和8年の報告」という例を示しています。

店舗併設マンションは「外壁」に注意

中原区の武蔵小杉周辺で私が最も伝えたいのが、この線引きです。川崎市の「よくある質問」は、1階が物販店、2階以上がマンションの複合用途建築物について、次のように整理しています(出典:川崎市「定期報告関連のよくある質問」)。

部分 調査の対象か
店舗の利用客に影響しないマンションの専有部 対象外
劣化すれば店舗の利用客に被害を及ぼしかねないマンション部分の外壁 対象
店舗部分とつながる共用階段 対象
店舗部分とつながらない共用階段 対象外

判断の物差しは「定期報告対象用途の利用客に影響を与え得る箇所かどうか」です。

物販店・飲食店では、規模の要件があります。川崎市の表では、地階で100㎡超、3階以上で100㎡超、2階で500㎡以上、または延べ3,000㎡以上のいずれか(規模(1))、あるいは対象用途の床面積が500㎡超(規模(2))が目安です。さらに、対象用途の面積が200㎡を超える、または3階以上で100㎡を超えることも前提になります。1階だけの小さな店舗なら対象外になることも多いのですが、スーパーやドラッグストア、飲食店が複数入る駅前のマンションは、対象になる可能性があります。

対象になれば、マンション部分を含めた外壁が、全面打診の対象になり得ます。「うちはマンションだから関係ない」と決めつけず、1階・2階のテナントの用途と面積を一度確認してください。判断がつかない場合は、建築安全担当に、階ごとの用途と面積を伝えて相談するのが確実です。

川崎市中原区ならではの事情:武蔵小杉の再開発と、住宅地の中規模マンション

大型の複合建築物は「低層部の商業」と「上階の住宅」を分けて考える

武蔵小杉駅周辺には、住宅、保育所、業務・商業施設が入る大規模な再開発建築物があります。たとえば小杉町3丁目中央地区は、地下3階・地上45階建てで、住宅や保育所、業務・商業施設などが入る計画で、2015年度に事業が完了しています(出典:川崎市「小杉町3丁目中央地区」、2016年5月30日更新)。

こうした建物では、低層部の商業施設が定期報告の対象用途に当たる場合、その利用客に影響し得る外壁や、店舗とつながる共用部が調査の対象になります。上階の住戸部分は対象外でも、外壁は低層部の真上から高層部まで続いています。報告義務の範囲と、管理組合が自主的に調べる範囲を分けて整理しておくと、調査計画が立てやすくなります。なお、ここで述べた建物の一般論は、個別の建物の判定ではありません。判定は川崎市の建築安全担当にご確認ください。

駅前や商店街沿いの中規模マンションは「真下を誰が歩くか」で優先順位をつける

武蔵小杉の周辺は人の往来が多く、商店街沿いの歩道や駅へ向かう道には、通行人が絶えません。告示第282号の全面打診が対象とするのは、「落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分」です。私が現場で調査範囲を決めるときも、「その真下を誰が歩いているか」を最初に見ます。歩道に面した面、店舗や共用エントランスの出入口の上、駐輪場の上は、優先して叩くべき面です。

報告義務がなくても、落下事故の責任は残る

住戸だけのマンションは定期報告の対象外ですが、外壁の責任がなくなるわけではありません。建築基準法第8条は、建物の所有者・管理者・占有者に「常時適法な状態に維持するよう努める」ことを求めています。外壁のタイルが落ちて通行人がけがをすれば、民法第717条(工作物責任)により、所有者等が責任を問われる可能性があります。人通りの多い中原区だからこそ、報告義務のない分譲マンションも、管理組合が自主的に外壁を調べる意味があります。

全面打診が必要になる4つのきっかけ

理事長さまやオーナーさまには、次の4つを「全面打診のきっかけ」としてお伝えしています。

  1. 竣工から10年を超えた:最初の全面打診の起点です。
  2. 外壁の全面改修から10年を超えた:タイル張替えや全面補修をした年から数え直します。
  3. 前回の定期調査で「要是正」とされ、改善が済んでいない:次の報告で改善状況が問われます。
  4. タイルの浮き・剥落の兆候が見つかった:報告年を待たず、手の届く範囲の打診で異常があれば、全面打診で確かめます。

川崎市の建築物の次の報告は令和10年です。前回の全面打診が平成30年(2018年)以前なら、令和10年の調査では全面打診が必要になる可能性が高いと考えてください。修繕履歴で、前回の大規模修繕の年と、最後に全面打診をした年を確かめてみてください。

費用の目安:打診の㎡単価と、足場・ロープアクセスの差

費用の目安を示します。以下は参考値で、実際の見積は建物の形状・高さ・外壁の仕上げ・敷地条件で大きく変わります。

項目 目安
全面打診調査の㎡単価(調査のみ) 250〜500円/㎡
10階建て・外周80m・打診対象約2,000㎡の調査費 約50〜100万円
同条件で仮設足場を組む場合(工期3か月想定) 約168万円
同条件でロープアクセス工法の場合 約59万円
足場とロープアクセスの差額 約109万円

全体の費用を押し上げるのは、打診そのものより足場です。駅前で隣の建物との間が狭い敷地や、店舗の前に足場を組むと営業に影響が出る建物では、足場の計画がさらに難しくなります。料金の考え方は明誠の大規模修繕の料金の考え方でも公開しています。

ロープアクセス工法が12条打診で選ばれる理由

ロープアクセス工法とは、屋上などの確実な吊元から、作業員がメインロープとバックアップロープの2本に接続して壁面に降り、足場を組まずに調査や補修を行う工法です。吊元は2点以上を確保し、二重の冗長化で安全を確保します。国際基準(IRATA)に沿った、業界標準のやり方です。技術の詳細は明誠のロープアクセス工法のページに、安全への取り組みは明誠の安全管理にまとめています。

12条打診でロープアクセスを選ぶ理由は、主に3つです。

  1. 費用:足場代を抑えられます。上の例では、足場工法より約100万円の差が出る可能性があります。
  2. 期間:足場の組立・解体がないため、足場工法の約60%の工期が目安です。
  3. 居ながら・営業しながら施工:窓や店舗の前に足場やメッシュシートがかからず、日当たりや防犯面の不安、店舗の看板が隠れる心配が少なく済みます。

3つ目は、店舗併設マンションや駅前のテナントビルが多い中原区では、特に大きな意味があります。足場で店先がふさがれると、テナントの売上に直結します。ロープアクセスなら、作業する面だけ、作業する時間だけ人が降りるので、営業を止めずに調査できます。

打診は、テストハンマーでタイルやモルタルを一枚ずつ叩き、音の違いを聞き分ける仕事です。ロープアクセスなら、見つけた浮きにその場でマーキングし、条件が合えば注入による部分補修まで続けて行えます。ドローンの赤外線調査で全体を把握し、気になる面だけロープアクセスで叩いて確かめる組み合わせも可能です。ドローンの飛行には、人口集中地区などの法令上の制約があるため、事前の確認が必要です。

株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕に携わってきました。ロープアクセスでの高所作業では、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを続けています。作業は、IRATA水準の訓練を受けた作業員が担当します。

ロープアクセスの訓練体制や施工の実例は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムで詳しく紹介しています。足場・ロープアクセス・ハイブリッドの3工法の比較もロープアクセスドットコムに掲載しています。塗装・防水・タイル・電気・看板などの専門工事会社さまで、フランチャイズ加盟をご検討の方もロープアクセスドットコムからご覧ください。

12条点検を大規模修繕・長期修繕計画とつなげる

12条点検(または自主的な外壁調査)と大規模修繕を、別々の会社に別々のタイミングで発注している管理組合やオーナーさまは少なくありません。私はこれを、できるだけワンセットで考えるよう提案しています。

  • 足場代の二重払いを避ける:打診のために足場を組み、数年後の大規模修繕でまた組む、という重複をなくせます。
  • 調査結果が補修数量の根拠になる:浮き・欠損の位置と数量が分かれば、見積書の数量が透明になります。
  • 長期修繕計画の精度が上がる:外壁の劣化が数字で分かり、修繕積立金の見通しが立てやすくなります。
  • ハイブリッド工法の判断材料になる:店舗のある低層部は足場、高層部や隣地側の狭い面はロープアクセス、と面ごとに使い分けると総額が下がる建物もあります。

川崎市の建築物の次の報告年は令和10年です。令和8〜9年度のうちに外壁調査を済ませ、その結果を大規模修繕の計画に組み込めば、報告年に慌てて足場を組む必要がなくなります。

分譲マンションの管理組合さまは管理組合様向けの大規模修繕サービスを、賃貸マンション・テナントビルのオーナーさまはビルオーナー様向けの修繕サービスを、ホテル・簡易宿所の運営者さまはホテル向けの修繕サービスをご覧ください。

よくあるご質問

Q. 川崎市中原区の分譲マンションは、12条の定期報告が必要ですか?

A. サービス付き高齢者向け住宅やグループホームにあたらないマンションは、川崎市では建築物の定期報告の対象外です。ただし、エレベーターは原則として毎年の定期検査報告が必要です。1階などに物販店・飲食店が一定規模で入る場合は、対象になることがあります。

Q. 1階が店舗のマンションは、どこまで調査が必要ですか?

A. 川崎市は「定期報告対象用途の利用客に影響を与え得る箇所かどうか」で判断するよう案内しています。店舗の利用客に被害を及ぼしかねないマンション部分の外壁や、店舗とつながる共用階段は対象、店舗利用客に影響しない専有部は対象外です。

Q. 川崎市中原区の12条点検の窓口はどこですか?

A. 中原区役所ではなく、川崎市まちづくり局 指導部 建築指導課 建築安全担当(電話044-200-2757、川崎区宮本町1番地)です。

Q. 次の建築物の定期報告はいつですか?

A. 川崎市の表では、建築物の報告年は令和7年の次が令和10年です。受付期間は、ホテル・病院・老人ホームなどが6月〜9月、物販店・飲食店などが10月〜翌1月です。防火設備と昇降機は毎年報告します。

Q. 報告済証は必ずもらえますか?

A. 川崎市へ直接提出した場合は発行されません。(一財)神奈川県建築安全協会を経由して提出した場合のみ、報告済証が発行されます。協会経由は報告手数料が必要です。

Q. 外壁の全面打診は何年ごとですか?

A. 定期報告の対象建築物では、おおむね10年に一度、落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分を全面的に打診等で調べます。根拠は平成20年国土交通省告示第282号です。

Q. 店舗の営業を止めずに外壁を調べられますか?

A. 屋上に2点以上の吊元を確保できれば、ロープアクセス工法でメインロープとバックアップロープの2本に接続して降り、店先に足場を組まずに壁面を叩いて調べられます。現地を見て、足場との組み合わせも含めてご提案します。

まとめ+今週動くこと3点

川崎市中原区の12条点検の窓口は、川崎市まちづくり局の建築指導課 建築安全担当です。川崎市では、住戸だけのマンションや事務所だけのビルは建築物の定期報告の対象外ですが、物販店・飲食店などが一定規模で入る建物は対象になり、その場合はマンション部分の外壁も調査範囲になり得ます。建築物の次の報告年は令和10年。令和8〜9年度は、全面打診と大規模修繕を落ち着いて準備できる時期です。

今週動くことを3つに絞ります。

  1. 自分の建物が対象かを確かめる:1階・2階のテナントの用途と床面積を確認し、判断がつかなければ建築安全担当に相談する。テナントビルは、令和8年10月〜令和9年1月の防火設備の報告予定も管理会社に確認する。
  2. 最後の全面打診の年を調べる:修繕履歴や過去の調査報告書を見て、令和10年の時点で10年を超えないかを確かめる。報告義務のない分譲マンションも、10年を目安に外壁の状態を数字で把握する。
  3. 次の大規模修繕とセットで考える:外壁調査と、大規模修繕、長期修繕計画の見直しを一体で検討することを、次の理事会・オーナー会議で共有する。

明誠の施工実績は明誠の施工事例で、私たちの考え方は明誠の理念でご覧いただけます。ご相談は大規模修繕・打診調査のお問い合わせフォームからどうぞ。川崎市中原区を含む神奈川県全域で、現地調査にも対応しています。

出典・参考資料

本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月13日(令和8年度)時点で公表されている国土交通省・川崎市の公式情報をもとに執筆しています。川崎市の「定期報告が必要な建築物・建築設備及び定期報告の受付期間」は2026年6月29日(令和8年度)更新の掲載を確認しました。「定期報告告示改正に係る川崎市の対応について」は2025年9月11日(令和7年度)更新、「定期報告関連のよくある質問」は2024年10月1日(令和6年度)更新、「中原区の概要」は2024年11月28日更新、区の面積などの資料は2011年時点、「小杉町3丁目中央地区」は2016年更新のため、内容が変わっている可能性があります。制度は年度途中でも改正があり得ます。調査・報告の前に、川崎市まちづくり局 建築指導課 建築安全担当(044-200-2757)へ最新の内容をご確認ください。費用の数字は参考値で、個別の見積を保証するものではありません。

この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月13日


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川崎市川崎区の12条点検|店舗併設マンションの外壁打診と報告時期【2026年度版】

Q. 川崎市川崎区のマンションやビルは、12条点検(定期報告)の対象になるのか?外壁の全面打診はいつ必要か?

A. 川崎市川崎区の建物の定期報告は、川崎区役所ではなく川崎市まちづくり局 指導部 建築指導課 建築安全担当の所管です。川崎市は、サービス付き高齢者向け住宅やグループホームにあたらないマンション・アパート・寮を「定期報告の対象外」と案内しています(出典:川崎市「定期報告関連のよくある質問」)。ただし、1階に物販店や飲食店が入るマンションでは、店舗の利用客に被害を及ぼしかねないマンション部分の外壁も調査の対象になり得ます。外壁の全面打診は、対象建築物であれば竣工・外壁全面改修・前回の全面打診から「おおむね10年」を超えたあとの最初の定期調査で必要です(出典:国土交通省「定期報告制度における外壁のタイル等の調査について」)。

(最終更新:2026年10月13日/執筆時点の現行年度:令和8年度)

結論:川崎市川崎区で12条点検の対象になる建物と、全面打診のタイミング

株式会社明誠は、東京都東大和市に拠点を置く大規模修繕の会社です。私は代表として20年以上、マンション・ビル・ホテルの修繕現場に立ってきました。神奈川県の12条点検シリーズは横浜市の各区を回り、今回から川崎市に入ります。最初は川崎市川崎区です。

川崎市川崎区は、市の最も東側にある区です。北は多摩川を挟んで東京都大田区、南は横浜市鶴見区に接し、JR川崎駅・京急川崎駅を起点に東京湾へ向かって広がっています。面積は40.25㎢です。生活地域は、川崎駅を中心とした商業地寄りの「中央地区」、多摩川寄りの「大師地区」、横浜市寄りの「田島地区」の3つに分かれ、海側には臨海部の工業地帯が広がります(出典:川崎市川崎区「川崎区の概要」)。

12条点検の目線で見ると、川崎区には次の特徴があります。

  • 駅前の商業地に、1階が店舗・上が住戸という「店舗併設マンション」や雑居ビルが多い
  • 国道15号(第一京浜)や産業道路など交通量の多い幹線道路沿いに建物が並ぶ
  • 東京湾に近く、海からの風を受ける建物がある

このうち1つ目が、川崎区で12条点検を考えるうえで一番大事なポイントです。川崎市川崎区で「建築物」の定期報告が必要になるかどうかは、次のように整理できます。

建物の種類 川崎市での定期報告(建築物)
住戸だけの分譲マンション・賃貸マンション・アパート・寮 対象外
事務所だけのビル 対象外(事務所は対象用途に指定されていない)
1階が物販店・飲食店で上がマンションの建物 店舗の規模により対象。対象になれば、店舗利用客に影響し得るマンション部分の外壁も調査範囲
2階以上に飲食店・物販店が一定規模で入る雑居ビル 規模により対象
ホテル・旅館・簡易宿所 規模により対象
病院・有床診療所・老人ホーム・サ高住・グループホーム 規模により対象
エレベーター(昇降機) 原則すべて対象(毎年)

(出典:川崎市「定期報告が必要な建築物・建築設備及び定期報告の受付期間」、川崎市「定期報告関連のよくある質問」)

全面打診の要否は、次の一文で判断できます。

「竣工、または前回の全面打診・外壁全面改修から10年を超えていれば、次の定期調査で全面打診が必要」

定期報告の対象外のマンションでも、私はこの「10年」を一つの目安にして、外壁の状態を確認することをお勧めしています。

建築基準法第12条の基本(定期調査と定期検査の違い)

建築基準法第12条は、多くの人が利用する建物の所有者・管理者に「建物の安全を有資格者に定期的に調べさせ、その結果を特定行政庁に報告する」ことを求める制度です。特定行政庁とは、建築確認や違反建築の指導を担う行政機関のことで、川崎市川崎区を含む川崎市内では川崎市がこれにあたります。

12条には、建物本体を調べる「特定建築物定期調査」(1項)と、設備を調べる「建築設備・防火設備・昇降機等の定期検査」(3項)があります。外壁の打診は、1項の特定建築物定期調査のうち「建築物の外部」の項目に含まれます。

川崎市の案内では、報告の周期は次のとおりです(出典:川崎市「定期報告が必要な建築物・建築設備及び定期報告の受付期間」(2026年6月29日更新))。

種類 報告の周期(川崎市)
建築物(特定建築物定期調査) 3年ごと(令和7年、令和10年、令和13年…)
建築設備 定期検査 毎年
防火設備 定期検査 毎年(常時閉鎖式防火扉は3年ごと)
昇降機・遊戯施設 定期検査 毎年(前回の定期報告から1年以内)

報告の義務を負うのは所有者または管理者です。調査ができるのは、一級・二級建築士か特定建築物調査員などの有資格者に限られます。川崎市は「調査・検査は、定期報告書の提出日から遡って3か月以内に行うこと」とも定めています。

外壁の全面打診のルールは、平成20年国土交通省告示第282号で定められています。タイル・石貼り(乾式工法を除く)・モルタルなどの外壁で、落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分は、おおむね10年ごとに全面的に打診等で調べることになりました。令和4年1月18日の告示改正では、無人航空機(ドローン)による赤外線調査も、全面打診以外の方法として認められています(出典:国土交通省)。

また、令和7年7月1日施行の国の告示改正(令和6年国土交通省告示第974号ほか)について、川崎市は独自の扱いを示しています。常時閉鎖式防火扉だけが設置されている建物は、その検査を特定建築物定期調査に付加して報告するというものです。随時閉鎖式の防火設備もある建物は、防火設備定期検査で報告します(出典:川崎市「定期報告告示改正に係る川崎市の対応について」)。調査会社に依頼するときは、川崎市の扱いを理解しているかを確認してください。

川崎市川崎区の12条点検:対象の線引き・報告時期・窓口

窓口は川崎市まちづくり局 指導部 建築指導課 建築安全担当

項目 内容(公式ページ掲載)
担当 川崎市まちづくり局 指導部 建築指導課 建築安全担当
住所 〒210-8577 川崎市川崎区宮本町1番地
電話 044-200-2757
FAX 044-200-3089
メール 50kesido@city.kawasaki.jp

窓口は川崎区役所ではなく市の建築指導課ですが、所在地は川崎区宮本町の市役所です。川崎区のオーナーさまにとっては、相談に出向きやすい場所にあります。

提出は「郵送」が基本、神奈川県建築安全協会経由も可能

川崎市は定期報告書を郵送で受け付けています。郵送の場合は報告書・概要書を各1部、連絡先と、切手を貼った返信用封筒を同封します。市に直接出す場合、手数料はかかりません。

一方、(一財)神奈川県建築安全協会を経由して提出することもできます。この場合は2部を持参し、報告手数料が必要です。協会経由の場合に限り、建物に掲示できる「定期調査報告済証」が発行されます(出典:川崎市「定期報告関連のよくある質問」)。テナントや来店客に「きちんと点検している建物」と示したいオーナーさまは、協会経由を選ぶ価値があります。

建築物の受付は令和7年の次が令和10年、ただし設備は毎年

川崎市は、建築物の用途ごとに受付期間を決めています。

用途 建築物(3年ごと) 建築設備・防火設備(毎年)
劇場・集会場、ホテル・旅館・簡易宿所、病院・老人ホーム・サ高住・グループホーム、体育館・図書館など 令和7年・令和10年…の6月〜9月 毎年6月〜9月
百貨店・物販店、展示場・バー・遊技場・公衆浴場・飲食店など 令和7年・令和10年…の10月〜翌1月 毎年10月〜翌1月

(出典:川崎市「定期報告が必要な建築物・建築設備及び定期報告の受付期間」)

令和8年度は、建築物(特定建築物定期調査)の報告年ではありません。次の報告は令和10年です。逆に言えば、全面打診が必要な建物にとって、令和8年度・9年度は時間をかけて準備できる貴重な2年間です。

ただし、建築設備・防火設備は毎年の報告です。物販店・飲食店などが入る建物では、令和8年10月〜令和9年1月が建築設備・防火設備の受付期間で、本記事の公開時点で受付期間中です。テナントビルのオーナーさまは、設備の報告が済む予定かを管理会社に確認してください。

なお、新しく検査済証を受けた建物は、初回の報告が免除されます。川崎市は「令和6年4月に検査済証を受けた建物は、特定建築物定期調査が令和10年、その他の検査が令和8年の報告」という例を示しています。

店舗併設マンションは「外壁」に注意

川崎区で私が最も伝えたいのが、この線引きです。川崎市の「よくある質問」は、1階が物販店、2階以上がマンションの複合用途建築物について、次のように整理しています(出典:川崎市「定期報告関連のよくある質問」)。

部分 調査の対象か
物販店の利用客に影響しないマンションの専有部 対象外
劣化すれば物販店の利用客に被害を及ぼしかねないマンション部分の外壁 対象
店舗部分とつながる共用階段(竪穴区画) 対象
店舗部分とつながらない共用階段 対象外

判断の物差しは「定期報告対象用途の利用客に影響を与え得る箇所かどうか」です。

物販店・飲食店の場合、対象になる規模は「地階で100㎡超」「3階以上で100㎡超」「2階で500㎡以上」「床面積3,000㎡以上」のいずれか、または「床面積500㎡超」です(建物全体で対象用途の床面積が200㎡以下のものなどを除く。また規模①欄は、避難階以外の階を建築基準法別表第1(い)欄(1)〜(4)項の用途に使わない建物を除く)。1階だけの小さな店舗なら対象外になることも多いのですが、面積の大きいスーパーやドラッグストアが入る駅前のマンションは、対象になる可能性があります。

対象になれば、マンション部分を含めた外壁が、全面打診の対象になり得ます。「うちはマンションだから関係ない」と思い込まず、1階のテナントの用途と面積を一度確認してください。判断がつかない場合は、川崎市が案内している「定期報告対象確認」の相談窓口(建築安全担当)に、階ごとの用途と面積を伝えて相談するのが確実です。なお、駐車場はいかなる場合も対象外です。

川崎市川崎区ならではの事情:駅前の雑居ビルと、湾岸の風

幹線道路沿いの建物は「落ちたら誰に当たるか」で考える

川崎区には、国道15号(第一京浜)、産業道路、首都高速の横羽線・川崎線・湾岸線が通っています(出典:川崎区の概要)。駅前の商店街や幹線道路の歩道は人通りが多く、外壁のタイルやモルタルが落ちれば、通行人に当たる可能性が高い場所です。

告示第282号の全面打診が対象とするのは、「落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分」です。私が現場で外壁の調査範囲を決めるときも、「その真下を誰が歩いているか」を最初に見ます。歩道に面した面、店舗の出入口の上、駐輪場の上は、優先して叩くべき面です。

海に近い建物は、面ごとの傷み方を見る

川崎区は東京湾に面し、区域の東側には臨海部が広がっています。私の現場感覚では、海に近い建物は、海側の面のシーリング(目地の防水材)や金物の傷みが早く、そこから水が入ってタイルの浮きにつながるケースがあります(統計に基づく数字ではなく、現場での所感です)。全面打診のときは、浮きの数だけでなく、どの面に集中しているかを記録しておくと、次の大規模修繕で補修の優先順位をつけやすくなります。

報告義務がなくても、落下事故の責任は残る

住戸だけのマンションは定期報告の対象外ですが、それで外壁の責任がなくなるわけではありません。建築基準法第8条は、建物の所有者・管理者・占有者に「常時適法な状態に維持するよう努める」ことを求めています。外壁のタイルが落ちて通行人がけがをすれば、民法第717条(工作物責任)により所有者等が責任を問われる可能性があります。人通りの多い川崎区だからこそ、報告義務のない分譲マンションも、管理組合が自主的に外壁を調べる意味があります。

全面打診が必要になる4つのきっかけ

理事長さまやオーナーさまには、次の4つを「全面打診のきっかけ」としてお伝えしています。

  1. 竣工から10年を超えた:最初の全面打診の起点です。
  2. 外壁の全面改修から10年を超えた:タイル張替えや全面補修をした年から数え直します。
  3. 前回の定期調査で「要是正」とされ、改善が済んでいない:次の報告で改善状況が問われます。
  4. タイルの浮き・剥落の兆候が見つかった:報告年を待たず、手の届く範囲の打診で異常があれば全面打診で確かめます。

川崎市の建築物の次の報告は令和10年です。前回の全面打診が平成30年(2018年)以前なら、令和10年の調査では全面打診が必要になる可能性が高いと考えてください。前回の大規模修繕の年と、最後に全面打診をした年を、まず修繕履歴で確かめてみてください。

費用の目安:打診の㎡単価と、足場・ロープアクセスの差

費用の目安を示します。以下は参考値で、実際の見積は建物の形状・高さ・外壁の仕上げ・敷地条件で大きく変わります。

項目 目安
全面打診調査の㎡単価(調査のみ) 250〜500円/㎡
10階建て・外周80m・打診対象約2,000㎡の調査費 約50〜100万円
同条件で仮設足場を組む場合(工期3か月想定) 約168万円
同条件でロープアクセス工法の場合 約59万円
足場とロープアクセスの差額 約109万円

全体の費用を押し上げるのは、打診そのものより足場です。川崎駅周辺のように隣の建物との間が狭い敷地や、店舗の前に足場を組むと営業に影響が出る建物では、足場の計画がさらに難しくなります。料金の考え方は明誠の大規模修繕の料金の考え方でも公開しています。

ロープアクセス工法が12条打診で選ばれる理由

ロープアクセス工法とは、屋上などの確実な吊元から、作業員がメインロープとバックアップロープの2本に接続して壁面に降り、足場を組まずに調査や補修を行う工法です。吊元は2点以上を確保し、二重の冗長化で安全を確保します。国際基準(IRATA)に沿った、業界標準のやり方です。技術の詳細は明誠のロープアクセス工法のページに、安全への取り組みは明誠の安全管理にまとめています。

12条打診でロープアクセスを選ぶ理由は、主に3つです。

  1. 費用:足場代を抑えられます。上の例では、足場工法より約100万円の差が出る可能性があります。
  2. 期間:足場の組立・解体がないため、足場工法の約60%の工期が目安です。
  3. 居ながら・営業しながら施工:窓や店舗の前に足場やメッシュシートがかからず、日当たりや防犯面の不安、店舗の看板が隠れる心配が少なく済みます。

3つ目は、店舗併設マンションや駅前の雑居ビルが多い川崎区では特に大きな意味があります。足場で店先がふさがれると、テナントの売上に直結します。ロープアクセスなら作業する面だけ、作業する時間だけ人が降りるので、営業を止めずに調査できます。隣の建物との間が狭く足場を組みにくい面でも、屋上に吊元が取れれば壁面に沿って降りて調べられます。

打診は、テストハンマーでタイルやモルタルを一枚ずつ叩き、音の違いを聞き分ける仕事です。ロープアクセスなら、見つけた浮きにその場でマーキングし、条件が合えば注入による部分補修まで続けて行えます。ドローンの赤外線調査で全体を把握し、気になる面だけロープアクセスで叩いて確かめる組み合わせも可能です(川崎区は羽田空港に近い地域を含むため、ドローンの飛行には空港周辺の空域を含む法令上の制約を事前に確認する必要があります)。

株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕に携わってきました。ロープアクセスでの高所作業では、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを続けています。作業は、IRATA水準の訓練を受けた作業員が担当します。

ロープアクセスの訓練体制や施工の実例は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムで詳しく紹介しています。足場・ロープアクセス・ハイブリッドの3工法の比較もロープアクセスドットコムに掲載しています。塗装・防水・タイル・電気・看板などの専門工事会社さまで、フランチャイズ加盟をご検討の方もロープアクセスドットコムからご覧ください。

12条点検を大規模修繕・長期修繕計画とつなげる

12条点検(または自主的な外壁調査)と大規模修繕を、別々の会社に別々のタイミングで発注している管理組合やオーナーさまは少なくありません。私はこれを、できるだけワンセットで考えるよう提案しています。

  • 足場代の二重払いを避ける:打診のために足場を組み、数年後の大規模修繕でまた組む、という重複をなくせます。
  • 調査結果が補修数量の根拠になる:浮き・欠損の位置と数量が分かれば、見積書の数量が透明になります。
  • 長期修繕計画の精度が上がる:外壁の劣化が数字で分かり、修繕積立金の見通しが立てやすくなります。
  • ハイブリッド工法の判断材料になる:店舗のある低層部は足場、高層部や隣地側の狭い面はロープアクセス、と面ごとに使い分けると総額が下がる建物もあります。

川崎市の建築物の次の報告年は令和10年です。令和8〜9年度のうちに外壁調査を済ませ、その結果を大規模修繕の計画に組み込めば、報告年に慌てて足場を組む必要がなくなります。

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よくあるご質問

Q. 川崎市川崎区の分譲マンションは、12条の定期報告が必要ですか?

A. サービス付き高齢者向け住宅やグループホームにあたらないマンションは、川崎市では建築物の定期報告の対象外です。ただし、エレベーターは原則として毎年の定期検査報告が必要です。1階などに物販店・飲食店が一定規模で入る場合は、対象になることがあります。

Q. 1階が店舗のマンションは、どこまで調査が必要ですか?

A. 川崎市は「定期報告対象用途の利用客に影響を与え得る箇所かどうか」で判断するよう案内しています。店舗の利用客に被害を及ぼしかねないマンション部分の外壁や、店舗とつながる共用階段は対象、店舗利用客に影響しない専有部は対象外です。

Q. 川崎市川崎区の12条点検の窓口はどこですか?

A. 川崎区役所ではなく、川崎市まちづくり局 指導部 建築指導課 建築安全担当(電話044-200-2757、川崎区宮本町1番地)です。

Q. 次の建築物の定期報告はいつですか?

A. 川崎市の建築物の定期報告は令和7年の次が令和10年です。ホテル・病院・老人ホームなどは6月〜9月、物販店・飲食店などは10月〜翌1月が受付期間です。建築設備・防火設備は毎年報告します。

Q. 定期報告書はどうやって出しますか?

A. 川崎市への郵送(手数料なし)が基本です。報告書・概要書各1部、連絡先、切手を貼った返信用封筒を同封します。(一財)神奈川県建築安全協会経由の場合は2部と報告手数料が必要で、報告済証が発行されます。

Q. 外壁の全面打診は何年ごとですか?

A. 定期報告の対象建築物では、竣工や外壁の全面改修から、おおむね10年を経過したあとの最初の定期調査で必要です。根拠は平成20年国土交通省告示第282号です。

Q. 店舗の営業を止めずに外壁を調べられますか?

A. 屋上に2点以上の吊元を確保できれば、ロープアクセス工法でメインロープとバックアップロープの2本に接続して降り、店先に足場を組まずに壁面を叩いて調べられます。現地を見て、足場との組み合わせも含めてご提案します。

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川崎市川崎区の12条点検の窓口は、川崎市まちづくり局の建築指導課 建築安全担当です。川崎市では、住戸だけのマンションや事務所だけのビルは建築物の定期報告の対象外ですが、物販店・飲食店などが一定規模で入る建物は対象になり、その場合はマンション部分の外壁も調査範囲になり得ます。建築物の次の報告年は令和10年。令和8〜9年度は、全面打診と大規模修繕を落ち着いて準備できる時期です。

今週動くことを3つに絞ります。

  1. 自分の建物が対象かを確かめる:1階・2階のテナントの用途と床面積を確認し、判断がつかなければ建築安全担当に相談する。テナントビルは、令和8年10月〜令和9年1月の建築設備・防火設備の報告予定も管理会社に確認する。
  2. 最後の全面打診の年を調べる:修繕履歴や過去の調査報告書を見て、令和10年の時点で10年を超えないかを確かめる。報告義務のない分譲マンションも、10年を目安に外壁の状態を数字で把握する。
  3. 次の大規模修繕とセットで考える:外壁調査と、大規模修繕、長期修繕計画の見直しを一体で検討することを、次の理事会・オーナー会議で共有する。

明誠の施工実績は明誠の施工事例で、私たちの考え方は明誠の理念でご覧いただけます。ご相談は大規模修繕・打診調査のお問い合わせフォームからどうぞ。川崎市川崎区を含む神奈川県全域で、現地調査にも対応しています。

出典・参考資料

本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月13日(令和8年度)時点で公表されている国土交通省・川崎市の公式情報をもとに執筆しています。川崎市の「定期報告が必要な建築物・建築設備及び定期報告の受付期間」は2026年6月29日(令和8年度)更新の掲載を確認しました。「定期報告告示改正に係る川崎市の対応について」は2025年9月11日(令和7年度)更新、「定期報告関連のよくある質問」は2024年10月1日(令和6年度)更新、「川崎区の概要」は2014年更新のため、内容が変わっている可能性があります。制度は年度途中でも改正があり得ます。調査・報告の前に、川崎市まちづくり局 建築指導課 建築安全担当(044-200-2757)へ最新の内容をご確認ください。費用の数字は参考値で、個別の見積を保証するものではありません。

この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月13日


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相模原市中央区のマンション漏水・防災対策|相模川・境川の洪水想定と内水153mm・急傾斜地から考える大規模修繕の優先順位【2026年度版】

2026年10月12日 更新

相模原市中央区のマンションで修繕のご相談をいただくと、私は最初に「ハザードマップは、理事会で一度でもご覧になりましたか」とお尋ねします。多くの管理組合で、答えは「個人では見たことがあるが、建物として確認した記録はない」です。中央区は、相模川と境川という大きな川の流域にかかる区で、市の内水ハザードマップは1時間153mmという非常に強い雨を想定しています。さらに、区内には急傾斜地の土砂災害警戒区域もあります。

私は株式会社明誠の本間幸紘と申します。拠点は東京都東大和市で、神奈川県内のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕も手がけています。20年以上、外壁と防水の現場に立ってきました。仮設足場を組む工事も、メインロープとバックアップロープの2本に接続して壁面に降りる無足場の工事も、どちらも自分の手でやってきた人間です。

今日は、相模原市・神奈川県・国土交通省・気象庁の公式情報をもとに、中央区の分譲マンション、賃貸マンション、そしてビルオーナーさまの建物が、大規模修繕で先に押さえるべき場所を整理します。相模原市中央区のハザードマップを、漏水と防災の「修繕の順番」に置き換えてお伝えします。


結論:中央区で優先すべきは「内水の確認」「屋上・バルコニーの排水」「立地に応じた洪水・土砂の確認」です

先に結論を申し上げます。相模原市中央区のマンションでは、次の3つから動くことをお勧めします。

  1. 市の「内水ハザードマップ(中央区版)」で、建物の位置と想定浸水深を確認する:川から離れた建物でも、下水道や水路があふれる「内水」で浸水することがあります
  2. 屋上ドレン・バルコニー排水・サッシまわりのシーリングを点検し、防水の改修時期を記録で確認する:短時間の強い雨で、まず出るのは排水が追いつかないことによる漏水です
  3. 洪水ハザードマップ(相模川・境川沿い)と、神奈川県の土砂災害警戒区域の告示図書で、立地ごとのリスクを確認する

順に見ていきます。

相模原市中央区のハザードマップを1枚で読む(内水/洪水/土砂災害)

相模原市は、区ごとにハザードマップを作成しています。中央区版では、次の3種類を確認できます。

種類 中央区の状況(市・県の公式資料より) マンションで見るべき点
内水 中央区版の内水ハザードマップ(情報面・地図面)あり。1時間153mmを想定 低い道路沿い、地下・半地下、ピット(昇降路の底)
洪水 相模川・境川沿いの一部が洪水浸水想定区域 川沿いの建物の想定浸水深と、電気設備の位置
土砂災害 急傾斜地の崩壊で土砂災害警戒区域あり(県の告示図書に区域を掲載) 斜面・擁壁に近い建物、敷地排水

内水:想定降雨は1時間153mm、市全域に同時に降る前提です

相模原市の内水ハザードマップのページ(令和8年10月1日更新)には、過去に関東地方で観測された1時間降雨量153mmの想定最大規模降雨が、市域全体に同時に降った場合を想定している、と書かれています。「下水道や水路などから水があふれ、地表面を流れて浸水が広がる範囲とその深さ」を示すもので、水防法に基づく「雨水出水浸水想定区域図」をもとにしています。着色されていない区域でも浸水が起きる可能性があると注意書きがあります。

洪水と内水は一連の降雨で同時に起きる可能性が高いため、あわせて確認するよう市が求めています。中央区版は、情報面と地図面の2種類のPDFが公開されています(出典:相模原市「内水ハザードマップ」、中央区版 地図面(PDF))。地図面の問い合わせ先は下水道経営課(042-707-1840)、情報面は危機管理統括部 防災計画担当(042-769-8208)です。

私が管理組合の理事会でお願いしているのは、地図面で「自分たちの建物と、前面道路、駐車場の出入口、ゴミ置場、受変電設備(電気を建物に引き込む設備)の位置」に丸を付けることです。それだけで、「どこから水が入りそうか」が具体的な議論になります。

洪水:相模川と境川沿いの一部が洪水浸水想定区域です

相模原市の都市計画マスタープランの中央区の部分には、相模川と境川沿いの一部地域が洪水浸水想定区域に指定されていること、市管理河川の鳩川・八瀬川・姥川では改修事業や一時貯留施設の設置促進を進めることが書かれています。田名地区では相模川の親水空間の形成も図るとされています(出典:相模原市「都市計画マスタープラン(中央区)」。根拠資料は令和2年2月の市資料とされています)。同じ文書は、道保川を計画的な河川改修の対象に挙げていますが、浸水想定区域としての指定は記載していません。

ここで一つ、お知らせしておきたい点があります。神奈川県は2025年10月31日、相模川・中津川の洪水浸水想定区域図のうち、「家屋倒壊等氾濫想定区域(氾濫流)」に誤りがあったと発表し、同年12月25日に修正した区域図を公表しました。相模原市分は約2.8km²から約0.9km²に修正されています(出典:神奈川県「相模川及び中津川の洪水浸水想定区域図の修正について」)。数字は相模原市全体の値で、中央区だけの値ではありません。市の土砂災害ハザードマップのページにも、中央区のマップ(令和4年3月作成)について、「家屋倒壊等氾濫想定区域」の一部に誤りがある旨の注記があります。

大切なのは、手元のマップが古い版でないかを確認することです。管理組合で印刷してお持ちの図は、修正前のものかもしれません。市のページで最新版を確認してください(出典:相模原市「洪水ハザードマップ」)。

土砂災害:県の告示図書で、区域を町名ごとに確認できます

神奈川県の告示図書では、相模原市中央区について、急傾斜地の崩壊の区域が27区域掲載されています(令和6年2月22日現在の掲載)。上溝、陽光台、横山、横山台、星が丘、上矢部、下九沢、田名、水郷田名、東淵野辺、淵野辺本町、緑が丘、青葉、宮下本町などの町名が挙がっています(出典:神奈川県「土砂災害警戒区域及び土砂災害特別警戒区域 告示図書(相模原市中央区)」)。指定日は主に令和3年5月25日と平成29年3月21日です。

相模原市の土砂災害ハザードマップのページによると、地図上の区域は作成時点のもので、追加指定や解除で現在の指定状況と異なる場合があります。最新の状況は県の告示図書や土砂災害情報ポータルで確認するよう案内されています(出典:相模原市「土砂災害ハザードマップ」)。県の告示図書のページには、他の区にまたがる区域の掲載もあります。ご自身の建物の町名が挙がっている場合は、区域図で境界との位置関係を確認してください。

土砂災害警戒区域に入るかどうかは、町名ではなく区域図の境界で決まります。町名が挙がっている地区の建物では、擁壁や斜面側の外壁、敷地の排水を点検項目に加えてください。区域に入っていない建物でも、屋上やバルコニーの排水の点検は欠かせません。

気候の変化:1時間50mm以上の雨は、約1.5倍に増えています

気象庁の「日本の気候変動2025」によると、全国のアメダスで、1時間に50mm以上の雨の年間発生回数は、1976〜1985年の平均約226回から2015〜2024年の平均約334回へ、約1.5倍に増えました。80mm以上は約14回から約24回へ、約1.7倍です(出典:気象庁「日本の気候変動2025」、1,300地点換算)。

数字は全国のものですが、私が現場で感じる変化と一致します。この10年ほどで、「ゲリラ豪雨のあとだけ、ベランダ側の天井にしみが出る」「バルコニーの排水口から水があふれて、下の階のサッシまわりに回った」というご相談が確かに増えました。屋上とバルコニーの排水に余力がある建物ほど、被害は小さくなります。

中央区の地域特性と漏水事故の関係:多いのは「排水の詰まり」と「取り合い」の不具合です

ここからは私の現場経験の話です。ハザードマップは「水がどこに来るか」を示しますが、マンションの漏水は「水がどこから入るか」の問題です。

どの地域の建物でも同じですが、築30年を過ぎたマンションでは、現場で見る不具合のパターンはほぼ決まっています。

  • 屋上ドレン(雨水の排水口)に落ち葉や砂がたまり、強い雨で屋上に水がたまる
  • バルコニーの排水口が詰まり、床の勾配が弱い部分に水が回る
  • サッシ枠と外壁の取り合い(接する部分)のシーリング(目地の防水材)が切れ、風を伴う雨で室内に入る
  • エキスパンションジョイント(建物の継ぎ目)のカバーが外れ、止水材が劣化している

「ひび割れは見当たらないのに室内が濡れる」というご相談の多くは、ひび割れではなく、サッシまわりのシーリングの小さな切れが原因でした。これは私が現場で繰り返し見てきた実感で、公的な統計ではありません。

大規模修繕でチェックすべき漏水ポイント7つ

大規模修繕の前の劣化調査で、私がいつも見る7か所です。

部位 見るところ 中央区で特に気にする点
①屋上防水 膨れ・ひび割れ・端部の浮き 排水勾配と溜まり水。1時間50mm級の雨でオーバーフローしないか
②シーリング 肉やせ・切れ・剥離 風雨を受ける面。サッシまわり
③バルコニー排水 排水口の詰まり・床の勾配 豪雨時の溢れ。上階から下階への回り込み
④ドレン 落ち葉・砂の堆積、取付部の隙間 街路樹や緑地に近い建物の落ち葉
⑤立上り(防水層の壁際) 端部の押さえ金物、防水層の切れ 金物の錆と防水層の浮き
⑥サッシまわり 枠まわりのシーリング、水切り 吹き込みの風雨を受ける面
⑦エキスパンションジョイント カバーの外れ、止水材の劣化 地震後のずれ

川沿いや低地の建物、土砂災害警戒区域に近い建物では、これに加えて、地下・半地下の止水、受変電設備の位置、擁壁と敷地排水を確認します。

目安となる金額もお伝えします。防水の改修費は、工法や下地の状態で変わりますが、屋上・バルコニーで1㎡あたり5,000〜8,000円程度が一つの目安です。外壁の打診調査は1㎡あたり250〜500円程度が目安です(いずれも物件により大きく変動します。正式な金額は調査後の見積でご確認ください)。ドレンの清掃や部分補修は、被害が出る前なら比較的小さな費用で済みます。漏水が出て内装まで傷めてからでは、工事費に室内の復旧費が上乗せされます。

劣化の見分け方は、明誠の漏水対応の専門ページにもまとめています。

漏水緊急対応でロープアクセスが強い理由

台風や豪雨のあと、「上の階から水が落ちてくる」「外壁のひびから雨が入る」という連絡をいただくことがあります。仮設足場を組む工事は、手配から組み上げまで日数がかかります。さらに、敷地に余裕のない建物や、前面道路が狭い建物では、足場の費用と工期が膨らみやすくなります。

ロープアクセス工法は、足場を組まずに、メインロープとバックアップロープの2本に接続した作業員が壁面へ降り、2点以上の吊元を確保して作業します。原因の確認と応急処置に、足場の組立期間が要りません。ひび割れの確認、シーリングの打ち替え、仮止水といった作業を、短い日数で進められます。この工法の考え方と技術情報は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムに整理しています。

金額面でも差が出ます。一つの目安として、10階建て・外周80m・工期3か月のマンションの例では、足場費が約168万円かかる計算の物件で、ロープアクセスなら約59万円(差額約109万円)に収まる試算があります(あくまで一例です。実際は建物の形状や作業内容で変わります)。工期も、足場工法の約60%で終えられる場合があります。

安全面について。株式会社明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。明誠および全国のフランチャイズ加盟企業では、ロープアクセス工法での高所作業について、過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。IRATA(国際産業ロープアクセス協会)水準の技能訓練を受けた作業員が、二重の確保を前提に作業します。工法の詳細は明誠のロープアクセス工法のご紹介と安全管理の取り組みをご覧ください。

建物の部位ごとに、足場とロープを使い分けるハイブリッド工法もあります。足場を組みやすい面は足場、足場が組みにくい面や高所の部分補修はロープ、という組み合わせで、総額を抑えられることがあります。工法比較の技術解説はロープアクセスドットコムの技術解説でも紹介しています。

防災上の共用部:位置と修繕優先度を決める

漏水の次に、電気と水の話です。国土交通省と経済産業省がまとめた「建築物における電気設備の浸水対策ガイドライン」(令和2年6月)は、令和元年東日本台風で川崎市内の高層マンションの電気設備が浸水した事例などを受けて作られたものです。ハザードマップや過去の浸水実績から「どのくらいの深さ・時間の浸水に備えるか」を決め、そのうえで電気設備を浸水リスクの低い場所に置く、出入口・からぼり(地下の採光用の掘り込み)・換気口などの開口部をふさぐ、排水設備の逆流を防ぐ、といった対策を組み合わせるよう示しています(出典:国土交通省「建築物における電気設備の浸水対策ガイドライン」概要)。

管理組合の優先順位に置き換えると、こうなります。

  1. 受変電設備(電気を建物に引き込む設備):エレベーターもポンプも、ここが水をかぶると動きません。地下や1階にある場合は最優先で確認します
  2. 給水ポンプ・受水槽:停電で止まると、高層階は断水します
  3. エレベーター:ピット(昇降路の底)への浸水は長期停止につながります
  4. 非常用発電機と燃料:発電機自体が浸水しない位置にあるか、燃料の備蓄量は足りるかを確認します
  5. 駐車場・ゴミ置場・駐輪場の出入口:内水の水が最初に流れ込む場所です。止水板の取付下地が傷んでいないかを見ます

設備まわりの防水(床・壁・貫通部の止水)や止水板の取付下地の補修は、大規模修繕の工事範囲に入れておけば、足場やロープの手配を共用でき、費用を抑えやすくなります。設備の移設そのものは大きな費用がかかるため、長期修繕計画の見直しとセットで検討するのが現実的です。ビルオーナーさまはビルオーナー向けの明誠のサービス、管理組合さまは管理組合向けの明誠のサービスをご覧ください。

なお、避難の考え方も確認しておきましょう。相模原市の土砂災害ハザードマップ資料は、土砂災害のおそれがある区域では立退き避難が原則であること、約30cmの浸水で車は走行困難になるため車での避難は控えること、避難情報が出ていなくても状況から判断して自主的に避難すること、を案内しています。マンションでも、居住者向けの避難の手引きに、これらを反映しておくとよいでしょう。

相模原市で使える支援制度(令和8年度に市のページで確認できたもの)

相模原市中央区のマンションで使える可能性のある市の制度です。年度で内容が変わりますので、市の公式ページの記載と、その更新日を明記します。

旧耐震基準の分譲マンションへの耐震支援

市のページ「旧耐震基準の分譲マンションの地震対策を支援します」には、次の内容が掲載されています。

制度 補助率 上限額
耐震巡回相談 無料 ―
耐震診断補助 診断費用の6分の5以内 1住戸あたり5万円
耐震改修計画作成補助 作成費用の3分の2以内 1住戸あたり5万円
耐震改修工事補助 市に問い合わせ ―

対象は、市の耐震巡回相談を受け耐震診断を実施する旨の決議書を得ていること、昭和56年(1981年)5月31日以前に建築確認を受けて着工したこと、鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄骨造であることの3条件を満たす分譲マンションの管理組合です。補助は市の予算の範囲内で行われます。補助対象は住居部分で、店舗など住居以外の部分は除かれます(店舗等が住居の2分の1未満の複合用途は、住居部分を対象に含みます)。

注意点:このページには、令和8年度の受付期間や受付の有無が書かれていません。ページの最終更新日の表示は令和元年5月で、令和8年10月1日に電話番号が統合されたとの記載もあります。令和8年度に申請できるかどうかは、市の建築政策課の耐震推進班(042-769-8252)に直接確認してください(出典:相模原市「旧耐震基準の分譲マンションの地震対策を支援します」)。

なお、擁壁の補修や電気設備の浸水対策そのものを対象とした相模原市のマンション向け補助は、本記事執筆時点の調査では確認できませんでした。

管理計画認定制度・マンション相談・アドバイザー派遣

市のマンション関連ページ(令和7年12月26日更新)には、次の取り組みが載っています。市のマンション管理適正化推進計画は令和5年3月に策定され、管理計画認定制度も運用されています。管理適正化支援法人の登録は、当面の間行わないとされています。マンション管理士などの専門家による相談や、マンション管理セミナーの案内もあります(出典:相模原市「マンションに関する計画や施策等について」)。

分譲マンションアドバイザー派遣制度のページには、派遣は最大6回、1回目は無料、2・3回目は費用の3分の1、4〜6回目は2分の1、費用は1時間10,000円で1回あたり3時間まで、予算に達し次第終了、と記載されています。ただし、このページの最終更新は令和5年4月14日です。申込条件や費用負担は、住宅課(042-769-9817)で現在の内容をご確認ください(出典:相模原市「分譲マンションアドバイザー派遣制度」)。

大規模修繕の進め方に迷ったときは、こうした公的な相談窓口で第三者の意見を聞いてから、業者の選定に入るのも一つの手です。

賃貸マンション・ビルオーナーさまへ:「想定外」を事業継続の言葉に直す

収益不動産を所有されているオーナーさまは、漏水や浸水による損害を、修繕費だけでなく「空室期間」と「入居者の信頼」で見る必要があります。1室の漏水が起きると、その部屋だけでなく、下の階の入居者への対応や、原状回復の工期で、複数の部屋が止まります。

そこで、年に一度の点検に、次の3点を加えてください。

  1. 雨の日に、屋上・バルコニー・駐車場の排水の流れを実際に見る(晴れた日の点検では見えない詰まりが分かります)
  2. 受変電設備やポンプの位置を、内水ハザードマップの地図面に重ねて確認する
  3. 防水とシーリングの改修履歴を、一覧表にして残す(売却や借入の際に、建物の管理状態を示す資料になります)

オーナーさま向けの考え方は、収益不動産オーナー向けの明誠のご案内にまとめています。

よくあるご質問

Q. 相模原市中央区のマンションは、どの災害の心配が大きいですか?

A. 立地で変わります。市の内水ハザードマップは1時間153mmを想定しており、川から離れた建物でも確認が必要です。相模川・境川沿いの建物は洪水ハザードマップを、町名が県の告示図書に載っている地区の建物は土砂災害のリスクも確認してください。

Q. 川から離れていれば、浸水の心配はありませんか?

A. いいえ。市は洪水と内水を分けて示しており、内水は下水道や水路があふれることで起きます。着色されていない区域でも浸水が起きる可能性があると、市のページに注意書きがあります。

Q. 自分のマンションが土砂災害警戒区域に入っているか、どう調べますか?

A. 神奈川県の「土砂災害警戒区域等告示図書」の相模原市中央区のページで、区域の位置図や区域図を確認できます。区域は解除や新規指定で変わるため、最新の告示を見てください。市の防災計画担当(042-769-8208)にも問い合わせできます。

Q. 手元のハザードマップは古い版かもしれません。どう確認しますか?

A. 神奈川県は2025年12月25日に、相模川・中津川の家屋倒壊等氾濫想定区域を修正して公表しました。市のページで最新版の洪水ハザードマップをご確認ください。

Q. 屋上防水の改修費はいくらくらいですか?

A. 工法や下地の状態で変わりますが、1㎡あたり5,000〜8,000円程度が目安です。物件ごとに大きく変動しますので、無料で概算をお出しできます。

Q. 足場を組む余裕がない建物でも、漏水を直せますか?

A. 直せる場合が多いです。ロープアクセス工法なら、屋上から壁面へ直接降りて、調査からシーリングの打ち替えまで進められます。足場とロープを組み合わせるハイブリッド工法も選べます。

Q. 相模原市の旧耐震マンションの耐震診断に、補助はありますか?

A. 市のページには、診断費用の6分の5以内(1住戸あたり5万円まで)の補助が載っています。ただし令和8年度の受付状況の記載がありませんので、建築政策課の耐震推進班(042-769-8252)で確認してください。

Q. 施工事例は見られますか?

A. 明誠の施工事例からご覧いただけます。

まとめ:今週動くこと3点

最後に、今週中に理事会や管理会社へ出していただきたいことを3点にまとめます。

  1. 市の内水ハザードマップ(中央区版)の地図面で、建物・駐車場出入口・受変電設備・エレベーターピットの位置を確認し、管理組合内で共有する
  2. 屋上ドレン・バルコニー排水・サッシまわりのシーリングの写真を、管理会社に依頼する。次の大規模修繕の時期と防水の改修履歴も確認する
  3. 相模川・境川沿いの建物は最新の洪水ハザードマップを、県の告示図書に町名が載っている地区の建物は土砂災害警戒区域の位置を確認する

漏水も浸水も、起きてから直すより、起きる前に水の入口と出口を整えるほうが、はるかに安く済みます。ご相談だけでも遠慮なくお問い合わせフォームからお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。

本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月12日時点で公表されている相模原市、神奈川県、国土交通省、気象庁の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず相模原市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。

出典・参考資料

この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月12日


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川崎市宮前区のマンション漏水・防災対策|160区域の急傾斜地・矢上川と平瀬川・内水から考える大規模修繕の優先順位【2026年度版】

2026年10月12日 更新

川崎市宮前区のマンションで修繕のご相談を受けると、私は最初に「建物の裏手に、がけや擁壁はありますか」とお聞きします。宮前区は多摩丘陵と台地の上に広がる区で、坂が多く、住宅地のすぐ裏に斜面が迫っている場所が少なくありません。宮前区の水の心配は、川があふれることよりも、斜面と敷地を伝って建物に向かってくる雨水です。

つい先月、2026年9月21日8時30分には、川崎市長が宮前区内の土砂災害警戒区域を対象に【警戒レベル3】高齢者等避難を発令しました。対象は10,399世帯・23,706人です(出典:川崎市「【警戒レベル3】高齢者等避難の発令について(宮前区・土砂災害)」令和8年9月21日)。宮前区では、強い雨は「遠い話」ではありません。

私は株式会社明誠の本間幸紘と申します。拠点は東京都東大和市ですが、神奈川県内のマンションの大規模修繕も手がけています。20年以上、マンション・ビル・ホテルの外壁と向き合ってきました。仮設足場を組む工事も、メインロープとバックアップロープの2本に接続して壁面に降りる無足場の工事も、どちらも現場でやってきた人間です。

今日は、川崎市・神奈川県・国土交通省・気象庁の公式情報をもとに、宮前区の分譲・賃貸マンション、そしてオーナーさまのビルが、大規模修繕で先に手を打つべき場所を整理します。


結論:宮前区で優先すべきは「斜面と擁壁の水」「内水の想定確認」「屋上とバルコニーの排水」です

先に結論を申し上げます。宮前区のマンションでは、次の3つから動くことをお勧めします。

  1. 建物が土砂災害警戒区域に入っていないか、隣接していないかを確認し、擁壁・水抜き穴・敷地排水を点検する:宮前区では急傾斜地の崩壊について160区域が指定されています
  2. 宮前区の内水ハザードマップで、建物の位置と想定浸水深を確認する:多摩川に面していない区でも、下水道や水路があふれる「内水」で浸水することがあります
  3. 屋上ドレン・バルコニー排水・サッシまわりのシーリングを点検し、防水の改修時期を記録で確認する:短時間の強い雨でまず出るのは、排水が追いつかないことによる漏水です

順に見ていきます。

宮前区のハザードマップを1枚で読む(土砂/内水/洪水/液状化)

川崎市の立地適正化計画「防災指針」は、宮前区の土砂災害について「土砂災害(特別)警戒区域に建物が多く立地」していることを課題に挙げ、避難体制の整備や対策工事による特別警戒区域の解除などを方針としています。水害については、垂直避難が困難な建物が立地していること、河川周辺の河岸浸食区域に建物が立地していることを課題とし、ハザードマップによる周知や下水道施設等の整備を進める方針です(出典:川崎市「立地適正化計画 防災指針」第6章)。

種類 宮前区の状況 マンションで見るべき点
土砂災害 急傾斜地の崩壊で160区域を指定(令和7年11月21日現在) 擁壁・水抜き穴・斜面側の外壁と排水
内水 宮前区版の地図面あり。1時間153mmの雨を想定 谷筋や低い道路沿い、地下・半地下の部屋
洪水 防災指針に洪水(L1・L2)と河岸浸食の整理あり 河川沿いの建物の浸水深と河岸浸食区域
液状化 防災指針は「危険度の高いエリアに建物が立地」と整理 市の液状化危険度分布で地盤を確認

土砂災害:宮前区は急傾斜地の警戒区域が160区域

神奈川県の告示図書によると、川崎市宮前区の土砂災害警戒区域は、対象現象が「急傾斜地の崩壊」で、指定済みが160区域です(令和7年11月21日現在)。区域は有馬、犬蔵、梶ケ谷、けやき平、鷺沼、潮見台、神木本町、菅生、菅生ケ丘、平、土橋、南平台、野川、初山、東有馬、馬絹、宮崎、宮前平、水沢など区内の広い範囲にあります(出典:神奈川県「土砂災害警戒区域等告示図書(川崎市宮前区)」)。

多くの区域は2021年5月25日(令和3年)に警戒区域と特別警戒区域の両方が指定されました。その後も、令和7年11月21日の野川本町1丁目の区域のように新たな告示があり、対策工事などで指定が解除された区域もあります。区域は時点によって増減しますので、最新の告示図書でご確認ください。

宮前区役所の地域振興課と区まちづくり協議会防災部会が出した広報紙でも、「宮前区は、多摩川に面していないため洪水等の危険が少ない代わりに、丘陵地で坂が多く、住宅の裏にがけが迫っている地区もある」と書かれています(出典:宮前区まちづくり協議会防災部会・宮前区役所地域振興課「みやまえ 第8号」(2010年6月))。16年前の資料ですが、地形の特徴は今も変わっていません。

内水:想定降雨は1時間153mm、排水先の水位が最高の状態を前提にしています

川崎市上下水道局の「宮前区 内水ハザードマップ」は、関東地域で想定される最大規模の降雨(1時間153mm、総雨量160mm)を前提にしています。排水先の河川の水位を計画上の最高水位に置いているのも特徴です。浸水深は、10〜20cmが道路冠水相当、20〜50cmが床下浸水相当、50cm〜1.0mが大人の腰まで、1.0〜2.0mが1階の軒下まで、2.0m以上が1階の軒下以上、と色分けされています(出典:川崎市上下水道局「宮前区 内水ハザードマップ(地図面)」)。

地図面には、矢上川、有馬川、平瀬川、平瀬川支川などの河川や、アンダーパス、水位計の記号が描かれ、土砂災害警戒区域・特別警戒区域や急傾斜地崩壊危険区域(令和2年1月時点)も重ねて表示されています。1メッシュは25m×25mで、着色されていない区域でも、雨の降り方や排水施設の状況によっては浸水する可能性があると注記されています。丘陵の区でも、谷筋に集まった雨水は低い場所へ一気に流れます。ご自身の建物の位置と、近くの低い道路や水路を地図で確かめてください(参考:川崎市上下水道局「内水ハザードマップで水害(内水氾濫)のリスクを知ろう」)。

洪水と液状化

宮前区の洪水は、防災指針で洪水浸水想定区域(L1・L2)と河岸浸食区域が整理されています。鶴見川水系の洪水浸水想定区域図では宮前区が関係区に含まれ、矢上川は宮前区梶ヶ谷から下流が神奈川県の水位周知河川に指定されています(平成28年8月2日 神奈川県告示第368号。出典:国土交通省 京浜河川事務所「鶴見川の洪水浸水想定区域図(計画規模)」)。川沿いの建物は、市の洪水ハザードマップで想定浸水深をご確認ください(出典:川崎市「洪水ハザードマップ」)。

液状化は、防災指針が宮前区の課題として「危険度の高いエリアに建物が立地」と整理しており、方針はリスクの周知です。造成した宅地では、盛土の部分と切土の部分で地盤の性質が違うことがあります。地盤の状況は、市の液状化危険度分布でご確認ください(出典:川崎市「液状化危険度分布について」)。

宮前区の地域特性と漏水事故の関係:斜面と造成地の水

ここからは私の現場経験です。ハザードマップは「水がどこに来るか」を示しますが、マンションの漏水は「水がどこから入るか」の問題です。

宮前区には、鷺沼・宮前平・宮崎台といった田園都市線沿いの駅近マンション、丘陵を造成した団地型のマンション、そして斜面に沿って段々に建つ中低層のマンションが混在しています。斜面地では、擁壁の水抜き穴が土や落ち葉で詰まり、背面にたまった水が擁壁を押したり、敷地の高低差を伝って建物の基礎や1階の外壁に回り込んだりします。斜面側の部屋の壁の内側に、雨のたびに湿りが出るというご相談も、私は何度も受けてきました。

雨そのものも増えています。気象庁の「日本の気候変動2025」によると、全国のアメダスで、1時間に50mm以上の雨の年間発生回数は、1976〜1985年の平均約226回から2015〜2024年の平均約334回へ、約1.5倍に増えました。80mm以上は約14回から約24回へ、約1.7倍です(出典:気象庁「日本の気候変動2025」、1,300地点換算)。屋上とバルコニー、そして敷地の排水に余力がある建物ほど、被害は小さくなります。

もう一つ、斜面に建つ建物は、山側の壁と谷側の壁で傷み方が違います。谷側は風を伴う雨を正面から受け、山側は湿気が抜けにくい。「ひびは見当たらないのに室内が濡れる」というご相談の多くは、サッシ枠と外壁の取り合いや、シーリングの小さな切れが原因でした。これは私が現場で繰り返し見てきた実感で、公的な統計ではありません。

大規模修繕でチェックすべき漏水ポイント7つ

大規模修繕の前の劣化調査で、私がいつも見る7か所です。宮前区の建物では、ここに「擁壁と敷地排水」を必ず加えます。

部位 見るところ 宮前区で特に気にする点
①屋上防水 膨れ・ひび割れ・端部の浮き 排水勾配と溜まり水。短時間の強い雨でオーバーフローしないか
②シーリング(目地の防水材) 肉やせ・切れ・剥離 風雨を正面から受ける谷側の壁面
③バルコニー排水 排水口の詰まり・床の勾配 豪雨時の溢れ。上階から下階への漏水
④ドレン(雨水の排水口) 落ち葉・砂の堆積、取付部の隙間 緑地や斜面林に近い建物の落ち葉
⑤立上り(防水層の壁際) 端部の押さえ金物、防水層の切れ 金物の錆と防水層の浮き
⑥サッシまわり 枠まわりのシーリング、水切り 吹き込みの風雨を受ける面
⑦エキスパンションジョイント(建物の継ぎ目) カバーの外れ、止水材の劣化 段々に建つ棟同士の継ぎ目。地震後のずれ

これに加えて、斜面に近い建物では擁壁の水抜き穴の詰まり・ひび割れ・はらみ(ふくらみ)、側溝や集水桝の流れを見てください。擁壁の構造的な判断は専門の調査が必要ですが、水抜き穴の清掃や敷地排水の不具合は、修繕の範囲で手を打てることが多いです。

目安となる金額もお伝えします。防水の改修費は、工法や下地の状態で変わりますが、屋上・バルコニーで1㎡あたり5,000〜8,000円程度が一つの目安です。外壁の打診調査は1㎡あたり250〜500円程度が目安です(いずれも物件により大きく変動します。正式な金額は調査後の見積でご確認ください)。ドレンの清掃や部分補修は、被害が出る前なら比較的小さな費用で済みます。漏水が出て内装まで傷めてからでは、工事費に室内の復旧費が上乗せされます。

劣化の見分け方は、明誠の漏水対応の専門ページにもまとめています。

漏水緊急対応でロープアクセスが強い理由

台風や豪雨のあと、「上の階から水が落ちてくる」「外壁のひびから雨が入る」という連絡をいただくことがあります。仮設足場を組む工事だと、手配から組み上げまで日数がかかります。宮前区のように斜面に建つ建物は、足場を組む地面が傾いていたり、擁壁の上や下で足場の足元が取れなかったり、前面道路が坂で狭かったりして、足場の費用と工期が膨らみやすい傾向があります。

ロープアクセス工法は、足場を組まずに、メインロープとバックアップロープの2本に接続した作業員が壁面へ降り、2点以上の吊元を確保して作業します。足元の地形に左右されないので、斜面側の壁にも屋上から直接アプローチできます。原因の確認と応急処置に、足場の組立期間が要りません。ひび割れの確認、シーリングの打ち替え、仮止水といった作業を、短い日数で進められます。この工法の考え方と技術情報は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムに整理しています。

金額面でも差が出ます。一つの目安として、10階建て・外周80m・工期3か月のマンションの例では、足場費が約168万円かかる計算の物件で、ロープアクセスなら約59万円(差額約109万円)に収まる試算があります(あくまで一例です。実際は建物の形状や作業内容で変わります)。工期も、足場工法の約60%で終えられる場合があります。

安全面について。株式会社明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。明誠および全国のフランチャイズ加盟企業では、ロープアクセス工法での高所作業について、過去16年間、墜落による労働災害はゼロを維持しています。IRATA(国際産業ロープアクセス協会)水準の技能訓練を受けた作業員が、二重の確保を前提に作業します。工法の詳細は明誠のロープアクセス工法のご紹介をご覧ください。平らな側は足場、斜面側はロープ、といった部位ごとの使い分け(ハイブリッド工法)もできます。工法比較の技術解説はロープアクセスドットコムの技術解説でも紹介しています。

防災上の共用部:位置と修繕優先度を決める

漏水の次に、電気と水の話です。国土交通省と経済産業省がまとめた「建築物における電気設備の浸水対策ガイドライン」(令和2年6月)は、令和元年東日本台風で川崎市内の高層マンションの電気設備が浸水した事例などを受けて作られたものです。ガイドラインでは、ハザードマップや過去の浸水実績から「どのくらいの深さ・時間の浸水に備えるか」を決め、そのうえで電気設備を浸水リスクの低い場所に置く、出入口・からぼり(地下の採光用の掘り込み)・換気口などの開口部をふさぐ、排水設備の逆流を防ぐ、といった対策を組み合わせるよう示しています(出典:国土交通省「建築物における電気設備の浸水対策ガイドライン」概要)。

宮前区の斜面地のマンションでは、「1階」が山側では地下、谷側では地上、という建物がよくあります。山側の地中に面した電気室やポンプ室は、浸水だけでなく、地中からの水のしみ出しにも気を配る必要があります。管理組合の優先順位に置き換えると、こうなります。

  1. 受変電設備(電気を建物に引き込む設備):エレベーターもポンプも、ここが水をかぶると動きません。地下や山側の半地下にある場合は最優先で確認します
  2. 給水ポンプ・受水槽:停電で止まると、高層階は断水します
  3. エレベーター:ピット(昇降路の底)への浸水は長期停止につながります。坂の多い宮前区では、高齢の居住者の生活に直結します
  4. 非常用発電機と燃料:発電機自体が浸水しない位置にあるか、燃料の備蓄量は足りるかを確認します
  5. 避難通路と斜面側の出入口:がけ側に避難通路がある場合、土砂災害の際に使えない可能性があります。市の避難情報でも、外への移動が危険な場合は「崖とは反対側のより高い階」への避難が示されています

設備まわりの防水(床・壁・貫通部の止水)や止水板の取付下地の補修は、大規模修繕の工事範囲に入れておけば、足場やロープの手配を共用でき、費用を抑えやすくなります。設備の移設そのものは大きな費用がかかるため、長期修繕計画の見直しとセットで検討するのが現実的です。ビルオーナーさまはビルオーナー向けの明誠のサービス、管理組合さまは管理組合向けの明誠のサービスをご覧ください。

宮前区で使える自治体の防災補助・耐震助成(令和8年度)

宮前区のマンションで使える可能性のある川崎市の制度です。年度で内容が変わりますので、令和8年度の公式情報を引いています。

川崎市マンション耐震改修等事業助成制度:昭和56年5月31日以前に建築確認を受けて着工された分譲マンションで、鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄骨造、地階を除く3階以上、専有住戸が6以上などの条件があります。

区分 助成率 上限
耐震診断 診断費+判定費(税抜)の2/3 1住戸あたり5万円
耐震設計 設計費+判定費(税抜)の2/3 1住戸あたり5万円
耐震改修 改修費(税抜)の1/3 1住戸あたり50万円(費用は51,700円/㎡が上限)

契約は市の「交付決定通知書」を受けた後に行う必要があり、契約後の受付はできません。助成件数は予算の範囲内で、受付期間は都度問合せ、原則として申請年度の1月末日までに完了報告ができるよう申請するよう案内されています。問合せ先は川崎市まちづくり局防災まちづくり推進課(電話044-200-3017)です(出典:川崎市「川崎市マンション耐震改修等事業助成制度の御案内」2026年4月修正)。

同じ案内には、マンション管理士・一級建築士が無料で応じる「ハウジングサロン」の相談窓口(予約制、電話044-874-0180)や、アドバイザー派遣制度も載っています。大規模修繕の進め方に迷ったら、こうした公的な窓口を使うのも一つの手です。なお、擁壁の補修や電気設備の浸水対策そのものを対象とした川崎市のマンション向け補助は、本記事執筆時点の調査では確認できませんでした。

よくあるご質問

Q. 宮前区のマンションは、どの災害の心配が大きいですか?

A. 立地で変わりますが、宮前区は急傾斜地の土砂災害警戒区域が160区域あり、斜面に近い建物は土砂災害と敷地内の排水を優先して確認してください。谷筋や低い道路沿いの建物は内水のマップもあわせてご覧ください。

Q. 多摩川に面していないので、浸水は心配しなくてよいですか?

A. いいえ。宮前区にも内水ハザードマップがあり、1時間153mmの雨で浸水が想定される場所があります。矢上川などの河川沿いは洪水ハザードマップも確認が必要です。

Q. 自分のマンションが土砂災害警戒区域に入っているか、どう調べますか?

A. 神奈川県の「土砂災害警戒区域等告示図書」で、宮前区の区域ごとの位置図・区域図を確認できます。区域は解除や新規指定で変わるため、最新の告示を見てください。

Q. 擁壁の水抜き穴から水が出ていないのですが、問題ですか?

A. 雨のあとも水が出ない場合、詰まっている可能性があります。背面に水がたまると擁壁に負担がかかります。清掃と目視点検をお勧めします。構造的な判断は専門の調査が必要です。

Q. 屋上防水の改修費はいくらくらいですか?

A. 工法や下地の状態で変わりますが、1㎡あたり5,000〜8,000円程度が目安です。物件ごとに大きく変動しますので、無料で概算をお出しできます。

Q. 斜面地で足場が組みにくい建物の外壁から漏水しています。足場なしで直せますか?

A. 直せる場合が多いです。ロープアクセス工法なら、屋上から壁面へ直接降りて、調査からシーリングの打ち替えまで進められます。平らな側は足場、斜面側はロープというハイブリッド工法も選べます。

Q. 施工事例は見られますか?

A. 明誠の施工事例からご覧いただけます。

まとめ:今週動くこと3点

最後に、今週中に理事会や管理会社へ出していただきたいことを3点にまとめます。

  1. 神奈川県の告示図書で、建物が土砂災害警戒区域に入っていないか・隣接していないかを確認し、管理組合内で共有する
  2. 擁壁の水抜き穴・ひび割れ・敷地排水の写真を管理会社に依頼する。電気室・給水ポンプ・エレベーターピットの位置と床の高さを図面で確認する
  3. 屋上ドレン・バルコニー排水・サッシまわりのシーリングを目視で確認し、宮前区の内水ハザードマップで建物の位置を確かめる

9月の雨で避難情報が出たばかりの今が、理事会でこの話を出すいちばんよい時期です。漏水も土砂も、起きてから直すより、起きる前に水の入口と出口を整えるほうが、はるかに安く済みます。ご相談だけでも遠慮なくお問い合わせフォームからお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。

本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月12日時点で公表されている川崎市、神奈川県、国土交通省、気象庁の公式情報をもとに執筆しています。土砂災害警戒区域の指定や助成制度は年度途中でも改正・見直しがあり得ます。実際に申請される前に、川崎市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。

出典・参考資料

この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月12日


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川崎市中原区の管理組合が使える無料相談窓口18選|中原区内のハウジングサロンから市のアドバイザー派遣(年3回まで無料)まで【令和8年度版】

2026年10月12日 更新

川崎市中原区のマンションの理事長さまから、こんなご相談をいただくことがあります。

「大規模修繕の時期が近づいてきたが、誰に何を聞けばいいのか分からない。専門家への相談料を修繕積立金から出すのは気が引ける」

中原区は、武蔵小杉駅の周辺に高層・大規模のマンションが多いことで知られる地域です。規模が大きい建物ほど、修繕の費用も判断の重さも大きくなります。だからこそ、工事の話に入る前に「お金をかけずに聞ける相談先」を知っておくことが、修繕積立金を守る第一歩になると、私は考えています。

中原区の管理組合には、実は有利な点があります。市がマンション管理の無料相談を委託している川崎市住宅供給公社の「ハウジングサロン」が、中原区内(上小田中)にあるからです。相談は無料で、窓口・電話・オンラインのいずれかで受けられます。相談のあと現地での確認が必要と認められると、アドバイザーが派遣されます。これも無料で、市の登録制度に入っている管理組合なら年度内に3回まで使えます。区役所には、司法書士や行政書士などの特別相談もあり、相談は「いずれも無料」と令和8年度の案内に書かれています。

申し遅れました。私は株式会社明誠の本間幸紘と申します。東京都東大和市を拠点に、20年近くマンション・ビル・ホテルの外壁の仕事をしてきました。この記事では、令和8年10月12日時点で中原区の管理組合が使える窓口を、費用の根拠とあわせて整理します。


結論:中原区で使える窓口は18、無料と読めるのは15

先に一覧でお示しします。公式ページに「無料」と書かれているものと、費用の記載が見つからなかったものを分けています。

# 制度・窓口 誰が対応するか 費用 申込先
1 中原区役所 法律相談(弁護士) 弁護士 無料(相談案内に明記。実施日は要確認) 相談予約コールセンター 044-200-0108
2 中原区役所 司法書士相談(第3木曜) 司法書士 無料(同上) 同上
3 中原区役所 認定司法書士相談(第1木曜) 認定司法書士 無料(同上) 同上
4 中原区役所 行政書士相談(第2火曜) 行政書士 無料(同上) 同上
5 中原区役所 不動産相談(宅建士) 宅地建物取引士 無料(同上。実施日は要確認) 中原区役所 地域振興課 044-744-3153
6 中原区役所 税務相談(第4木曜) 税理士 無料(同上) サンキューコールかわさき 044-200-3939
7 中原区役所 行政相談(第2木曜) 行政相談委員 無料(同上) 中原区役所 地域振興課 044-744-3153
8 中原区役所 人権相談(第2木曜) 人権擁護委員 無料(同上) 同上
9 ハウジングサロン マンション管理相談(中原区上小田中) マンション管理士・一級建築士 無料 044-874-0180
10 川崎市アドバイザー派遣(現地相談) 同上 無料(登録組合は3回まで、未登録は1回まで) 同上
11 マンション耐震診断の予備調査 市が派遣する一級建築士 無料(市が費用負担) 防災まちづくり推進課 044-200-3017
12 マンション管理組合登録・支援制度 市(情報提供・派遣の窓口) 無料(市の一覧に明記) 住宅整備推進課 044-200-2996
13 マンション管理組合交流会(年2回) 市・専門家 無料(第12回は参加費無料と明記) 同上
14 川崎市消費者行政センター(川崎区砂子) 消費生活相談員 要確認(相談料の記載なし) 044-200-3030
15 川崎すまいる相談 弁護士会の相談窓口 要確認(記載なし) 市の支援制度ページで確認
16 管理計画認定制度 相談ダイヤル(日管連) マンション管理士 無料(何回でも、30分程度まで) 03-5801-0858
17 マンション管理センター 電話相談 専門相談員 要確認(費用の記載なし) 03-3222-1517/1519
18 法テラス 無料法律相談 弁護士等 無料(収入・資産の基準あり) 0570-078374

「無料と読める」の15は、区役所の特別相談8つ(1〜8)、ハウジングサロンの相談と派遣(9・10)、耐震予備調査(11)、登録制度と交流会(12・13)、日管連のダイヤル(16)、法テラス(18)です。法テラスは基準を満たす方が対象です。

正直にお伝えします。公式ページで「費用がかかるかどうか」の記載を確認できなかった窓口が3つありました。電話で申し込むときに「相談料はかかりますか」とひと言確認するだけで、あとから戸惑わずに済みます。

もう一つ、大事な点があります。神奈川県の「マンションアドバイザー派遣事業」は無料ですが、川崎市の管理組合は対象外です。県の案内には、横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市は各市の制度を使うと書かれています(出典:神奈川県「マンションアドバイザー派遣事業」、令和8年6月26日更新)。中原区の管理組合は、次の市の制度を使う形になります。


川崎市のマンション管理相談とアドバイザー派遣:専門家に無料で相談できる

私が中原区の管理組合に最初にお勧めするのは、市の制度です。川崎市の「マンション管理組合を支援する制度について」のページ(令和8年7月22日更新)には、次のように整理されています(出典:川崎市「マンション管理組合を支援する制度について」)。

項目 内容
無料相談窓口 大規模修繕や管理組合運営について、マンション管理士などが対応。予約制
運営 川崎市住宅供給公社 ハウジングサロン(電話 044-874-0180)
アドバイザー派遣 窓口または電話での相談のあと、必要と認められた場合に現地で相談
費用 無料
回数 登録組合は3回まで、未登録は1回まで

つまり、専門家の現地派遣は、ハウジングサロンでの相談を入口にする仕組みです。建築士だけを無料で呼べる別の制度は、私が確認した範囲では、後述の耐震予備調査を除いて見つかりませんでした。

登録しておくと派遣が年3回に増える

回数の差は大きいです。登録組合は3回、未登録は1回です。登録は「川崎市マンション管理組合登録・支援制度」で行います。申請には、理事長であることが確認できる書類(総会等の議事録)の添付が必要です。申込みはオンライン(LoGoフォーム)のほか、郵送・窓口でもできます。

登録すると、次の5つの支援を受けられると市のページに書かれています(出典:川崎市「マンション管理組合登録・支援制度」、令和7年9月9日更新)。

  1. 年2回発行の「川崎市マンション便り」
  2. 管理組合交流会への参加
  3. 子育て世帯や高齢者世帯等を対象とした相談員・講師等の派遣(内容によっては希望に添えない場合あり)
  4. マンション段差解消工事等費用助成制度の利用
  5. マンション管理アドバイザーの派遣(年3回まで)

問い合わせは、まちづくり局住宅政策部住宅整備推進課(川崎区宮本町1番地、本庁舎18階)で、電話は044-200-2996です。

ハウジングサロンは中原区内にある

ハウジングサロンの所在地は、川崎市中原区上小田中6丁目34番24号(スターブル中原1階)です。マンション管理相談は火・木・土曜日の10時〜12時と13時〜16時、予約の受付は火〜土曜日の9時〜12時と13時〜16時と案内されています。祝日と年末年始は休みです。方法は窓口・電話・オンラインから選べます(出典:川崎市「川崎市住宅供給公社 ハウジングサロン」)。

窓口が区内にあるのは、中原区の管理組合の大きな利点です。理事さまが仕事帰りや休日に動きやすく、紙の資料を持ち込んで見てもらうこともできます。

ご注意いただきたい点があります。このハウジングサロンのページの更新日は令和7年11月26日で、令和8年度の掲載ではありません。日時や会場は、予約のお電話で最新の内容を確認してください。回数と費用の考え方は、令和8年7月22日更新の市のページと一致しています。

派遣の「使いどき」は、見積依頼の前

ここで、現場にいる私の立場から一つお伝えします。アドバイザーの価値は、施工会社の営業とは別の第三者の意見が聞けることです。見積書が出てから慌てて呼ぶより、見積依頼の前に呼ぶほうが、仕様のぶれが小さくなります。私が現場で何度も見てきた遠回りは、見積りを3社取ったあとで「そもそも何を比べればいいのか」に立ち返ってしまう流れです。

大規模修繕の費用感の目安も、先に頭に入れておくと相談の質が上がります。あくまで目安ですが、30戸規模のマンションで総工費は3,500万円〜5,000万円、そのうち仮設足場が15〜25%という幅が一般的です。外壁塗装は1㎡あたり3,500円〜4,500円、打診調査は1㎡あたり250円〜500円が参考値です。実際の見積りは建物の形状や劣化状況で大きく変わります。高層の建物ほど足場の割合が大きくなりやすく、足場をかけない工法の検討余地が出てきます。技術情報は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムでも解説しています。


建築士の無料派遣:マンション耐震診断の予備調査

川崎市には、一級建築士を無料で派遣する制度がもう一つあります。「マンション耐震診断の予備調査」です。市が派遣する一級建築士が、設計図書や修繕等の管理履歴を確認し、目視で劣化の状況を調べます。そのうえで、耐震診断の方法と概算の診断費用を算出し、管理組合に報告・説明します。費用は市が負担するため、予備調査は無料です。

ただし、予備調査は耐震性の有無を判定するものではありません。診断を受ける前の「見立て」の段階と理解してください。対象条件は、市のページに「対象となる分譲マンションの管理組合」とあるだけで、具体的な要件は書かれていませんでした。申込み前に窓口で確認が必要です。窓口は、まちづくり局防災まちづくり推進課耐震化支援担当で、電話は044-200-3017です(出典:川崎市「マンション耐震診断予備調査について」、令和8年5月27日更新)。

大規模修繕の計画を立てる前に、建物の状態を第三者の建築士に見てもらう機会はあまり多くありません。外壁の打診調査とは目的が違いますが、「建物をプロに診てもらう習慣」をつける入口になります。


弁護士・司法書士などの無料相談:中原区役所の特別相談

管理費の滞納、規約の読み方、理事会の議事の進め方。工事の前段階で出てくるこうした疑問は、まず専門家の相談で整理できることが多いと、私は見ています。

中原区役所の特別相談

令和8年度の相談案内(出典:川崎市「令和8年度 相談のご案内」)から、中原区の欄を読み取ると、会場は中原区役所4階で、日程は次のとおりです。

相談 日程 時間 10月・11月の日付
認定司法書士相談 第1木曜日 13:00〜16:00 11月5日(10月1日は終了)
行政書士相談 第2火曜日 13:00〜16:00 10月13日、11月10日
行政相談・人権相談 第2木曜日 13:00〜16:00 11月12日(10月8日は終了)
司法書士相談 第3木曜日 13:00〜16:00 10月15日、11月19日
税務相談(税理士) 第4木曜日 13:00〜16:00 10月22日、11月26日
法律相談(弁護士) 第3火曜日と読み取れるが、区の列の特定に幅あり 13:00〜16:00 窓口で要確認(第3火曜なら10月20日、11月17日)
不動産相談(宅建士) 中原区の欄は空欄に見え、実施の有無を要確認 — 窓口で要確認
市民相談(市職員) 平日 8:30〜17:00 —

予約が必要な相談は、相談予約コールセンター(044-200-0108、平日)で受け付けます。税務相談は、サンキューコールかわさき(044-200-3939)で、希望日の2か月前の月の初日から予約できます。予約制の相談は1回25分以内で、案内には「相談はいずれも無料です」と明記されています。区の問い合わせ先は、中原区役所 地域振興課 相談情報担当(044-744-3153)です。

読み取りの注意点があります。この案内は市内全区が1つの表にまとまった形式で、弁護士と不動産相談の中原区の日程は、私の読み取りでは確定できませんでした。ほかの市のページには、借地借家の弁護士相談は火曜午前、宅地建物相談は第2火曜の午後という記載がありますが、更新日は令和7年9月3日で、令和8年度の案内と一致するかは確認できていません。お出かけの前に、地域振興課(044-744-3153)で確認してください。

ここで、見落としやすい点を3つお伝えします。

  1. 対象外の相談があります。 相手方との交渉が必要な案件、書類の作成・審査、すでに訴訟中の案件、同一案件の2回目以降、法人からの相談は対象外と案内されています。
  2. 管理組合の理事として使えるかは、書かれていません。 区役所の特別相談は、個人の暮らしの相談が基本と読めます。「マンションの管理組合の理事として相談したい」と、予約の電話で伝えて確認してください。
  3. 空き枠は事前に確認してください。 予約状況はコールセンターで確認できます。

川崎市消費者行政センター(川崎区砂子)

訪問販売や、工事の契約を巡るトラブルの相談先です。電話は044-200-3030(相談専用)、所在地は川崎区砂子1丁目8番9号の川崎御幸ビル5階で、中原区内に窓口はありません。受付は平日9時〜16時(金曜は電話のみ19時まで延長)、土曜は10時〜16時(電話のみ)と案内されています。対象は、市内に在住・在勤・在学し、契約の当事者である消費者です。相談料の記載はありません。管理組合としての利用可否も含め、電話で確認してください(出典:川崎市「消費生活相談」案内)。

川崎すまいる相談

住まいの問題に特化した相談窓口で、神奈川県弁護士会川崎相談センターで行われると、市の支援制度ページに掲載されています。費用や日時の記載は、私が確認した範囲では見つかりませんでした。利用の際は、市の支援制度ページから最新の案内を確認してください。


自治体のセミナー・相談会・啓発資料:管理組合交流会と「マンション便り」

川崎市は、管理組合同士が学び合う「管理組合交流会」を年2回開催しています(出典:川崎市「管理組合を支援する制度・取組」、令和8年4月1日更新)。

直近の開催は、令和8年10月10日(土)14:00〜16:00の第12回です。会場は川崎市役所本庁舎の復元棟301会議室、テーマは「大規模修繕工事の発注方式」でした。申込期間は9月15日から10月5日までで、すでに終了しています。参加費は無料と案内されていました(出典:川崎市「第12回マンション管理組合交流会」)。

次回の日時は、私が確認した範囲では公表されていませんでした。登録・支援制度に登録しておくと、案内が届く形になります。問い合わせ先は住宅整備推進課(044-200-2996)です。

「マンション便り」は年2回発行され、登録した管理組合に法改正の情報などが届きます。


都道府県・国の相談窓口:日管連・マンション管理センター・法テラス

市の窓口で足りないときの、二の矢として知っておくと役に立ちます。

窓口 内容 受付 費用
管理計画認定制度 相談ダイヤル(日管連) 03-5801-0858 制度や改正マンション管理適正化法の質問にマンション管理士が回答 月〜土 10:00〜17:00(祝日を除く) 無料。何回でも、1回30分程度まで
マンション管理センター 電話相談 03-3222-1517(管理組合運営・管理規約等)/03-3222-1519(建物・設備の維持管理) 管理組合からの相談 月〜金 9:30〜17:00(祝日・年末年始を除く) ページに記載なし
法テラス・サポートダイヤル 0570-078374 無料法律相談の予約案内 平日 9:00〜21:00、土曜 9:00〜17:00 無料(収入・資産の基準あり)

日管連のページは、令和8年7月28日の更新です(出典:日本マンション管理士会連合会「管理計画認定制度 相談ダイヤル」)。マンション管理センターの電話相談は、賃貸マンションの相談は対象外です(出典:(公財)マンション管理センター「電話相談」)。

法テラスの無料法律相談には、収入と資産の基準があります。1回30分、同じ問題について3回まで無料で、原則として事前予約が必要です。収入の基準額は地域の区分で変わり、川崎市がどの区分にあたるかはページに書かれていません。管理組合という団体として使えるかどうかも含め、窓口での確認が必要です。法テラス川崎の予約電話は0570-078309(平日9時〜17時)です。ページには更新日の表示がありません(出典:法テラス「無料法律相談のご利用の流れ」)。

国の制度としては、国土交通省が「マンション管理計画認定制度」を運営しています。認定を受けると、フラット35の金利引下げなどの優遇を受けられる場合があります(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。


何を用意していけばいいか:3点セット

どの窓口でも、手ぶらで行くと「それは資料を見ないと分かりません」と言われがちです。私は理事長さまに、次の3点を揃えておくようお伝えしています。

  1. 総会議事録(直近2年分):修繕積立金の状況や、大規模修繕についての決議の経過が分かります。登録制度の申請でも、理事長であることを示す書類として使います。
  2. 長期修繕計画:次回の大規模修繕の時期と、見込まれる総額が分かります。
  3. 管理規約:管理費の滞納、専有部分のルール、理事会の権限を調べるときに必要です。

さらに余裕があれば、前回の大規模修繕の見積書や竣工図、直近の劣化診断の報告書があると、建築士の相談が一段と具体的になります。


中原区の管理組合が、無料相談のあとに考えたい工事の選び方

相談で論点が整理できたら、次に工事の進め方を考える段階に入ります。明誠は、通常の足場工法、無足場のロープアクセス工法、両方を組み合わせるハイブリッド工法の3つから、建物に合った進め方をご提案しています。

足場工法とロープアクセス工法の費用差は、規模によって変わります。10階建て・外周80m・工期3か月の例では、足場費が168万円、ロープアクセスが59万円と、109万円の差が出た試算があります。あくまで目安で、実際の見積りは物件ごとに異なります。高層のマンションが多い中原区のような地域では、足場の架設費と工期が論点になりやすいと、私は見ています。

ロープアクセス工法は、メインロープとバックアップロープの2本に接続して作業し、2点以上の吊元を確保する国際基準(IRATA)の考え方を採り入れた工法です。明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけ、ロープアクセスでの高所作業について、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業では過去16年間、墜落による労働災害ゼロを維持しています。

明誠のこれまでの施工事例もご覧いただけます。


よくあるご質問

Q. 中原区の管理組合が無料で使える専門家の派遣はありますか?

A. はい。川崎市住宅供給公社のハウジングサロンに相談し、必要と認められると、マンション管理士などのアドバイザーが現地へ伺う制度があります。費用は無料で、登録組合は3回まで、未登録は1回までです。

Q. ハウジングサロンはどこにありますか?

A. 中原区上小田中6丁目34番24号のスターブル中原1階です。予約の電話は044-874-0180で、火〜土曜日の9時〜12時、13時〜16時に受け付けています。

Q. 神奈川県のマンションアドバイザー派遣は中原区でも使えますか?

A. 使えません。県の令和8年度の事業は、横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市が対象外で、各市の制度を使います。

Q. 区役所の法律相談は管理組合として使えますか?

A. 公式ページには書かれていません。相談は個人の暮らしの相談が基本で、案内では法人の相談は対象外とされています。予約の電話で「管理組合の理事として相談したい」と伝えて確認してください。

Q. 建築士に無料で建物を診てもらえますか?

A. 市の「マンション耐震診断の予備調査」が無料です。ただし、耐震性の有無を判定するものではなく、診断の方法と概算費用の説明が中心です。対象条件は窓口で確認してください。

Q. 無料相談のあとに、工事を頼む義務はありますか?

A. 市の相談やアドバイザー派遣は、特定の施工会社を紹介するものではありません。工事の発注先は、管理組合の総会で決めるものです。

Q. 大規模修繕の費用は、いくらくらいを見ておけばいいですか?

A. 30戸規模で総工費は3,500万円〜5,000万円、うち仮設足場が15〜25%という幅が一般的です。外壁塗装は1㎡あたり3,500円〜4,500円が参考値です。建物の状態で大きく変わるため、相談のうえで概算見積りをお取りください。

Q. 明誠に概算見積りを頼むと費用はかかりますか?

A. 概算お見積りは無料でご提示しています。お気軽にお問合せフォームからご連絡ください。


まとめ+今週動くこと3点

中原区の管理組合が使える相談先は、区役所、市、国と、18の入口があります。そのうち15は、公式ページで無料と読めます。まず押さえておきたいのは、区内にあるハウジングサロンと、そこを入口にしたアドバイザー派遣です。登録組合なら3回まで、費用をかけずに専門家の意見を聞けます。

今週動くことを、3点に絞ります。

  1. ハウジングサロン(044-874-0180)に電話し、マンション管理相談を予約する。 「理事会で相談したい議題」を1つだけ決めて伝えてください。
  2. 登録・支援制度に登録していなければ、住宅整備推進課(044-200-2996)に申請方法を聞く。 総会議事録を手元に用意してから連絡すると話が早いです。
  3. 総会議事録・長期修繕計画・管理規約の3点を、理事会の共有フォルダに集める。 相談の質は、この3点で決まります。

私は、工事の話に入る前の「聞く力」が、修繕積立金を守ると考えています。相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。


出典・参考資料


本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月12日時点で公表されている川崎市・中原区役所および国土交通省・神奈川県の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、川崎市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。なお、ハウジングサロン(令和7年11月26日更新)と登録・支援制度(令和7年9月9日更新)のページは令和7年度の掲載で、令和8年度の運用は令和8年7月22日更新の市のページで確認できた範囲です。中原区役所の相談案内は市内全区が1つの表にまとまっており、弁護士相談と不動産相談の中原区の日程は読み取りで確定できなかったため、区役所での確認を前提にしています。消費者行政センター・川崎すまいる相談・マンション管理センターの相談料、区役所の特別相談の管理組合としての利用可否、耐震予備調査の対象条件、次回の交流会の日程は、公式ページで確認できませんでした。法テラスのページには更新日の表示がありません。


この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)

株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市

マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。IRATA水準の技能訓練を受けた作業員、ISO9001品質マネジメントシステムのもとで施工しています。

最終更新:2026年10月12日


関連記事(姉妹サイト)

ロープアクセス工法の詳細や実例については、姉妹サイト「ロープアクセスドットコム」の以下の記事もぜひご覧ください。

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川崎市川崎区の管理組合が使える無料相談窓口17選|区役所の法律相談(第3火曜)から市のアドバイザー派遣(年3回まで無料)まで【令和8年度版】

2026年10月12日 更新

川崎市川崎区のマンションの理事長さまから、こんなご相談をいただくことがあります。

「大規模修繕の時期が近づいてきたが、誰に何を聞けばいいのか分からない。専門家への相談料を修繕積立金から出すのは気が引ける」

私は、こうしたお話を聞くたびに、相談先を知らないだけで遠回りをしている管理組合が多いと感じます。川崎区には、区役所の窓口、市の専門家派遣、国の電話相談と、入口がいくつも用意されているからです。

川崎区役所では、弁護士の法律相談が第3火曜日に開かれています。令和8年度の相談案内には「相談はいずれも無料」と書かれています。川崎市には、マンション管理士や一級建築士に相談できる「ハウジングサロン」があり、相談は無料です。相談のあと現地での確認が必要と認められると、アドバイザーが派遣されます。これも無料で、市の登録制度に入っている管理組合なら年度内に3回まで使えます。国の窓口である日管連の相談ダイヤルも、何度でも無料です。

申し遅れました。私は株式会社明誠の本間幸紘と申します。東京都東大和市を拠点に、20年近くマンション・ビル・ホテルの外壁の仕事をしてきました。工事の話に入る前に、いま川崎区の管理組合が使える「お金をかけずに(または少額で)聞ける相談先」を整理してお伝えします。


結論:川崎区で使える窓口は17、無料と明記されているのは13

先に一覧でお示しします。公式ページに「無料」と書かれているものと、費用の記載が見つからなかったものを分けています。

# 制度・窓口 誰が対応するか 費用 申込先
1 川崎区役所 法律相談(第3火曜) 弁護士 無料(相談案内に明記) 相談予約コールセンター 044-200-0108
2 川崎区役所 司法書士相談(第1火曜)・認定司法書士相談(第3金曜) 司法書士 無料(同上) 同上
3 川崎区役所 行政書士相談(第2水曜) 行政書士 無料(同上) 同上
4 川崎区役所 不動産相談(第3火曜) 宅地建物取引士 無料(同上) 同上
5 川崎区役所 税務相談(第2木曜) 税理士 無料(同上) サンキューコールかわさき 044-200-3939
6 川崎区役所 行政相談(第1金曜)・人権相談(第2火曜) 行政相談委員・人権擁護委員 無料(同上) 川崎区役所 地域振興課 044-201-3135
7 ハウジングサロン マンション管理相談 マンション管理士・一級建築士 無料 044-874-0180
8 川崎市アドバイザー派遣(現地相談) 同上 無料(登録組合は年3回、未登録は年1回まで) 同上
9 マンション耐震診断の予備調査 市が派遣する一級建築士 無料(市が費用負担) 防災まちづくり推進課 044-200-3017
10 マンション管理組合登録・支援制度 市(情報提供) 無料(市の一覧に明記) 住宅整備推進課 044-200-2996
11 マンション管理組合交流会 市・専門家 参加費無料(年2回開催) 同上
12 川崎市消費者行政センター 消費生活相談員 要確認(相談料の記載なし) 044-200-3030
13 川崎すまいる相談 弁護士会の相談窓口 要確認(記載なし) 044-223-1149
14 管理計画認定制度 相談ダイヤル(日管連) マンション管理士 無料(何回でも、30分程度まで) 03-5801-0858
15 マンション管理センター 電話相談 専門相談員 要確認(費用の記載なし) 03-3222-1517/1519
16 住まいるダイヤル 住宅専門の相談窓口 要確認(相談料の記載なし) 03-3556-5147
17 法テラス 無料法律相談 弁護士等 無料(収入・資産の基準あり) 0570-078374

「無料と明記」の13は、区役所の特別相談6つ(1〜6)、ハウジングサロンの相談と派遣(7・8)、耐震予備調査(9)、登録制度と交流会(10・11)、日管連のダイヤル(14)、法テラス(17)です。法テラスは基準を満たす方が対象です。

正直にお伝えします。私が令和8年10月12日時点で公式ページを確認した範囲では、「費用がかかるかどうか」の記載がない窓口が4つありました。電話で申し込むときに「相談料はかかりますか」とひと言確認するだけで、あとから戸惑わずに済みます。

もう一つ、大事な点があります。神奈川県の「マンションアドバイザー派遣事業」は、川崎市の管理組合は対象外です。県の令和8年度チラシに、「横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市は除く」と書かれており、川崎市は市の制度を使う形になります(出典:神奈川県「マンションアドバイザー派遣事業」、令和8年6月26日更新)。県の制度は無料ですが、川崎区の管理組合には使えません。


川崎市のマンション管理相談とアドバイザー派遣:専門家に無料で相談できる

私が川崎区の管理組合に最初にお勧めするのは、市の制度です。川崎市の「マンション管理組合を支援する制度について」のページ(令和8年7月22日更新)には、次のように整理されています(出典:川崎市「マンション管理組合を支援する制度について」)。

項目 内容
無料相談窓口 大規模修繕や管理組合運営について、マンション管理士・一級建築士が対応。予約制
運営 川崎市住宅供給公社 ハウジングサロン(電話 044-874-0180)
アドバイザー派遣 窓口または電話での相談のあと、必要と認められた場合に現地で相談
費用 無料
回数 登録組合は年度内3回まで、未登録は1回まで

つまり、マンション管理士の派遣も、建築士の派遣も、市が用意した「ハウジングサロン経由のアドバイザー派遣」の中に含まれている形です。建築士だけを無料で呼べる別の制度は、私が確認した範囲では、後述の耐震予備調査を除いて見つかりませんでした。

登録しておくと派遣が年3回に増える

回数の差は大きいです。登録組合は3回、未登録は1回です。登録は「川崎市マンション管理組合登録・支援制度」で行い、申請には理事長であることが分かる書類(総会等の議事録)の添付が必要です。申込みは電子申請(LoGoフォーム)で受け付けています。登録すると、年2回発行の「マンション便り」や、管理組合交流会の案内が届きます(出典:川崎市「マンション管理組合登録・支援制度」、令和7年9月9日更新)。

問い合わせは、まちづくり局住宅政策部住宅整備推進課(川崎市役所本庁舎、川崎区宮本町1番地)で、電話は044-200-2996です。

ハウジングサロンの使い方

ハウジングサロンのページでは、マンション管理相談の対象を「分譲マンションの居住者、管理組合の役員」とし、方法は窓口・電話・オンラインの3通りです。相談の日時は火・木・土曜日の10:00〜12:00と13:00〜16:00、予約の受付は火〜土曜日の9:00〜12:00と13:00〜16:00と案内されています。窓口の所在地は中原区上小田中6丁目です。このほか、川崎区砂子の川崎砂子ビルでは、月1回程度「すまいの相談窓口」が実施されると書かれています。川崎区の理事さまには、こちらが近い場合があります(出典:川崎市「川崎市住宅供給公社 ハウジングサロン」)。

ご注意いただきたい点があります。このハウジングサロンのページの更新日は令和7年11月26日で、令和8年度の掲載ではありません。日時や会場は、予約のお電話で最新の内容を確認してください。回数と費用の考え方は、令和8年7月22日更新の市のページと一致しています。

派遣の「使いどき」は、見積依頼の前

ここで、現場にいる私の立場から一つお伝えします。アドバイザーの価値は、施工会社の営業とは別の第三者の意見が聞けることです。見積書が出てから慌てて呼ぶより、見積依頼の前に呼ぶほうが、仕様のぶれが小さくなります。私が現場で何度も見てきた遠回りは、見積りを3社取ったあとで「そもそも何を比べればいいのか」に立ち返ってしまう流れです。

大規模修繕の費用感の目安も、先に頭に入れておくと相談の質が上がります。あくまで目安ですが、30戸規模のマンションで総工費は3,500万円〜5,000万円、そのうち仮設足場が15〜25%という幅が一般的です。外壁塗装は1㎡あたり3,500円〜4,500円、打診調査は1㎡あたり250円〜500円が参考値です。実際の見積りは建物の形状や劣化状況で大きく変わります。足場の割合が大きい分、足場をかけない工法の検討余地が出てくることもあります。詳しい技術情報は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムでも解説しています。


建築士の無料派遣:マンション耐震診断の予備調査

川崎市には、一級建築士を無料で派遣する制度がもう一つあります。「マンション耐震診断の予備調査」です。市が派遣する一級建築士が、設計図書や修繕履歴を確認し、目視で劣化の状況を調べます。そのうえで、耐震診断の方法と概算費用を管理組合に報告・説明します。費用は市が負担するため、予備調査は無料です。

ただし、予備調査は耐震性の有無を判断するものではありません。診断を受ける前の「見立て」の段階と理解してください。対象条件は、市のページに書かれていませんでした。1981年(昭和56年)以前の旧耐震基準のマンションに限られるのかなど、対象は申込み前に確認が必要です。窓口は、まちづくり局市街地整備部防災まちづくり推進課耐震化支援担当で、電話は044-200-3017です(出典:川崎市「マンション耐震診断予備調査について」、令和8年5月27日更新)。

大規模修繕の計画を立てる前に、建物の状態を第三者の建築士に見てもらう機会はあまり多くありません。外壁の打診調査とは目的が違いますが、「建物をプロに診てもらう習慣」をつける入口になります。


弁護士無料相談:川崎区役所の特別相談と消費者行政センター

管理費の滞納、規約の読み方、理事会の議事の進め方。工事の前段階で出てくるこうした疑問は、まず法律相談で整理できることが多いと、私は見ています。

川崎区役所の特別相談

令和8年度の川崎区役所の相談案内(出典:川崎市「令和8年度 相談のご案内」)から、川崎区の欄を読み取ると、日程は次のとおりです。

相談 日程 時間 10月・11月の日付
法律相談(弁護士) 第3火曜日 13:00〜16:00 10月20日、11月17日
不動産相談(宅建士) 第3火曜日 13:00〜16:00 10月20日、11月17日
認定司法書士相談 第3金曜日 13:00〜16:00 10月16日、11月20日
司法書士相談 第1火曜日 13:00〜16:00 11月3日は祝日のため要確認
行政書士相談 第2水曜日 13:00〜16:00 10月14日、11月11日
税務相談(税理士) 第2木曜日 13:00〜16:00 11月12日
人権相談 第2火曜日 13:00〜16:00 11月10日
行政相談 第1金曜日 13:00〜16:00 11月6日
市民相談(市職員) 平日 8:30〜17:00 —

会場は川崎区役所の12階と案内されています。予約が必要な相談(弁護士・司法書士・税務・不動産)は、相談予約コールセンター(044-200-0108、平日8:00〜17:00)で受け付けます。税務相談は、サンキューコールかわさき(044-200-3939)で、希望日の2か月前の月初から予約できると書かれています。相談は1回25分で、案内には「相談はいずれも無料です」と明記されています。

読み取りの注意点があります。案内の表は、自治体内の全区が1つにまとまった形式です。川崎区の日程の読み取りに誤りがないよう、お出かけの前に川崎区役所 地域振興課(044-201-3135)で確認してください。

ここで、見落としやすい点を3つお伝えします。

  1. 対象外の相談があります。 相手方との交渉が必要な案件、書類の作成・審査、すでに訴訟中の案件、法人の相談、同じ内容の繰り返しは対象外と案内されています。
  2. 管理組合の理事として使えるかは、書かれていません。 区役所の特別相談は、個人の暮らしの相談が基本と読めます。「マンションの管理組合の理事として相談したい」と、予約の電話で伝えて確認してください。
  3. 空き枠は事前に確認してください。 予約状況はコールセンターで確認できます。

川崎市消費者行政センター(川崎区砂子)

訪問販売や、工事の契約を巡るトラブルの相談先です。電話は044-200-3030(相談専用)、所在地は川崎区砂子1丁目8番9号 川崎御幸ビル5階です。受付は月〜金曜が9:00〜16:00(金曜は電話のみ19時まで延長)、土曜は10:00〜16:00(電話のみ)と案内されています。対象は、市内に在住・在勤・在学し、契約の当事者である消費者です。事業者の事業上の取引は受け付けていません。相談料の記載はありません。管理組合としての利用可否も含め、電話で確認してください(出典:川崎市「消費生活相談」案内)。

川崎すまいる相談

住まいの問題に特化した相談窓口で、神奈川県弁護士会川崎相談センター内にあります。電話は044-223-1149です。費用は市のページに記載がありませんでした(前述の市の支援制度ページに掲載)。


自治体のセミナー・相談会・啓発資料:管理組合交流会と「マンション便り」

川崎市は、管理組合同士が学び合う「管理組合交流会」を年2回開催しています。参加費は無料です(出典:川崎市「管理組合を支援する制度・取組」、令和8年1月13日更新)。

直近の開催は次のとおりです(出典:川崎市「第12回マンション管理組合交流会」)。

  • 第11回:令和8年2月7日(土)13:00〜15:00。会場は「マンション未来学習館 あなぶきPMアカデミーTOKYO」。テーマは改正マンション関係法のポイント。
  • 第12回:令和8年10月10日(土)14:00〜16:00。会場は川崎市役所本庁舎(川崎区宮本町1番地)の復元棟301会議室。定員は先着60人。テーマは大規模修繕工事の発注方式で、公益財団法人マンション管理センターの講師による基調講演と、パネルディスカッションがありました。申込期間は10月5日までで、すでに終了しています。

第12回は2日前に終わってしまいましたが、市は年2回開催しており、次回の日程は私が確認した範囲では公表されていませんでした。登録・支援制度に登録しておくと、案内が届く形になります。問い合わせ先は住宅整備推進課(044-200-2996)です。

川崎区の理事さまにとって、市役所本庁舎は川崎区内にあります。会場参加のハードルが低いのは、川崎区ならではの利点です。

「マンション便り」は年2回発行され、法改正の情報などが載っています。登録組合には送付されます。


都道府県・国の相談窓口:日管連・マンション管理センター・法テラス

市の窓口で足りないときの、二の矢として知っておくと役に立ちます。

窓口 内容 受付 費用
管理計画認定制度 相談ダイヤル(日管連) 03-5801-0858 制度や改正マンション管理適正化法の質問にマンション管理士が回答 月〜土 10:00〜17:00(祝日・年末年始を除く) 無料。何回でも、1回30分程度まで
マンション管理センター 電話相談 03-3222-1517(管理組合運営・管理規約等)/03-3222-1519(建物・設備の維持管理) 管理組合からの相談 月〜金 9:30〜17:00 ページに記載なし
住まいるダイヤル 03-3556-5147 住宅専門の相談窓口 平日 10:00〜17:00 ページに記載なし
法テラス・サポートダイヤル 0570-078374 無料法律相談の予約案内 平日 9:00〜21:00、土曜 9:00〜17:00 無料(収入・資産の基準あり)

日管連のページは、令和8年7月28日の更新です(出典:日本マンション管理士会連合会「管理計画認定制度 相談ダイヤル」)。マンション管理センターの電話相談は1件あたり15分前後で、賃貸マンションの相談は対象外です(出典:(公財)マンション管理センター「電話相談」)。

法テラスの無料法律相談には、収入と資産の基準があります。川崎市は「その他の地域」の区分で、たとえば家族4人の場合、収入の目安は月299,000円以下、資産は300万円以下です。同じ問題について3回まで、1回30分で無料相談を受けられます(出典:法テラス「無料法律相談のご利用の流れ」)。管理組合という団体として使えるかどうかは、窓口での確認が必要です。ページには更新日の表示がありません。

国の制度としては、国土交通省が「マンション管理計画認定制度」を運営しています。認定を受けると、フラット35の金利引下げなどの優遇を受けられる場合があります。大規模修繕後の固定資産税の減額(長寿命化促進税制)も対象です。川崎市にも管理計画認定制度があり、市の要綱は令和8年4月1日付で更新されています(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。


何を用意していけばいいか:3点セット

どの窓口でも、手ぶらで行くと「それは資料を見ないと分かりません」と言われがちです。私は理事長さまに、次の3点を揃えておくようお伝えしています。

  1. 総会議事録(直近2年分):修繕積立金の状況や、大規模修繕についての決議の経過が分かります。登録制度の申請でも、理事長であることを示す書類として使います。
  2. 長期修繕計画:次回の大規模修繕の時期と、見込まれる総額が分かります。30年以上の期間が求められるのが国の基準です。
  3. 管理規約:管理費の滞納、専有部分のルール、理事会の権限を調べるときに必要です。

さらに余裕があれば、前回の大規模修繕の見積書や竣工図、直近の劣化診断の報告書があると、建築士の相談が一段と具体的になります。


川崎区の管理組合が、無料相談のあとに考えたい工事の選び方

相談で論点が整理できたら、次に工事の進め方を考える段階に入ります。明誠は、通常の足場工法、無足場のロープアクセス工法、両方を組み合わせるハイブリッド工法の3つから、建物に合った進め方をご提案しています。

足場工法とロープアクセス工法の費用差は、規模によって変わります。10階建て・外周80m・工期3か月の例では、足場費が168万円、ロープアクセスが59万円と、109万円の差が出た試算があります。あくまで目安で、実際の見積りは物件ごとに異なります。ロープアクセス工法は、メインロープとバックアップロープの2本に接続して作業し、2点以上の吊元を確保する国際基準(IRATA)の考え方を採り入れた工法です。明誠はこれまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけ、ロープアクセスでの高所作業について、明誠および全国のフランチャイズ加盟企業では過去16年間、墜落による労働災害ゼロを維持しています。

明誠のこれまでの施工事例もご覧いただけます。


よくあるご質問

Q. 川崎区の管理組合が無料で使える専門家の派遣はありますか?

A. はい。川崎市住宅供給公社のハウジングサロンに相談し、必要と認められると、マンション管理士・一級建築士などのアドバイザーが現地へ伺う制度があります。費用は無料で、登録組合は年度内3回、未登録は1回までです。

Q. 神奈川県のマンションアドバイザー派遣は川崎区でも使えますか?

A. 使えません。県の令和8年度の事業は、横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市が対象外です。川崎市は市の制度を使います。

Q. 登録制度に入ると何が変わりますか?

A. アドバイザー派遣が年1回から年3回に増えるほか、年2回の「マンション便り」と交流会の案内が届きます。申請には理事長であることが分かる総会議事録などの書類が必要です。

Q. 区役所の法律相談は管理組合として使えますか?

A. 公式ページには書かれていません。相談は個人の暮らしの相談が基本で、案内では法人の相談は対象外とされています。予約の電話で「管理組合の理事として相談したい」と伝えて確認してください。

Q. 建築士に無料で建物を診てもらえますか?

A. 市の「マンション耐震診断の予備調査」が無料です。ただし、耐震性の有無を判断するものではなく、診断の方法と概算費用の説明が中心です。対象条件は窓口で確認してください。

Q. 無料相談のあとに、工事を頼む義務はありますか?

A. 市の相談やアドバイザー派遣は、特定の施工会社を紹介するものではありません。工事の発注先は、管理組合の総会で決めるものです。

Q. 大規模修繕の費用は、いくらくらいを見ておけばいいですか?

A. 30戸規模で総工費は3,500万円〜5,000万円、うち仮設足場が15〜25%という幅が一般的です。外壁塗装は1㎡あたり3,500円〜4,500円が参考値です。建物の状態で大きく変わるため、相談のうえで概算見積りをお取りください。

Q. 明誠に概算見積りを頼むと費用はかかりますか?

A. 概算お見積りは無料でご提示しています。お気軽にお問合せフォームからご連絡ください。


まとめ+今週動くこと3点

川崎区の管理組合が使える相談先は、区役所、市、国と、17の入口があります。そのうち13は、公式ページで無料と読めます。まず押さえておきたいのは、市のハウジングサロン経由のアドバイザー派遣です。登録組合なら年3回まで、費用をかけずに専門家の意見を聞けます。

今週動くことを、3点に絞ります。

  1. ハウジングサロン(044-874-0180)に電話し、マンション管理相談を予約する。 「理事会で相談したい議題」を1つだけ決めて伝えてください。
  2. 登録・支援制度に登録していなければ、住宅整備推進課(044-200-2996)に申請方法を聞く。 総会議事録を手元に用意してから連絡すると話が早いです。
  3. 総会議事録・長期修繕計画・管理規約の3点を、理事会の共有フォルダに集める。 相談の質は、この3点で決まります。

私は、工事の話に入る前の「聞く力」が、修繕積立金を守ると考えています。相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。


出典・参考資料


本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月12日時点で公表されている川崎市・川崎区役所および国土交通省・神奈川県の公式情報をもとに執筆しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、川崎市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。なお、ハウジングサロン(令和7年11月26日更新)と登録・支援制度(令和7年9月9日更新)のページは令和7年度の掲載で、令和8年度の運用は令和8年7月22日更新の市のページで確認できた範囲です。川崎区役所の相談案内は更新日の表示がなく、区ごとの日程の読み取りは区役所での確認を前提にしています。消費者行政センター・川崎すまいる相談・マンション管理センター・住まいるダイヤルの相談料、区役所の特別相談の管理組合としての利用可否、耐震予備調査の対象条件、次回の交流会の日程は、公式ページで確認できませんでした。法テラスのページには更新日の表示がありません。


この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)

株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市

マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。IRATA水準の技能訓練を受けた作業員、ISO9001品質マネジメントシステムのもとで施工しています。

最終更新:2026年10月12日


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横浜市戸塚区の12条点検|市内最大の区で外壁打診が必要な建物と令和8年度の報告時期【2026年度版】

Q. 横浜市戸塚区のマンションやビル、老人ホームは、12条点検(定期報告)の対象になるのか?外壁の全面打診はいつ必要か?

A. 戸塚区の建物の定期報告は、戸塚区役所ではなく横浜市建築局(建築指導課 建築安全担当)の所管です。横浜市は、共同住宅と事務所を「建築物」の定期報告の対象用途に指定していません。そのため、住戸だけの分譲マンション・賃貸マンションや、事務所だけのビルは対象外です(出典:横浜市「報告対象建築物・昇降機等」)。一方、入居者の宿泊施設がある老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、グループホームは規模によって対象になり、令和8年度がちょうど報告年度です。外壁の全面打診は、対象建築物であれば竣工・外壁全面改修・前回の全面打診から「おおむね10年」を超えたあとの最初の定期調査で必要です(出典:国土交通省「定期報告制度における外壁のタイル等の調査について」)。

(最終更新:2026年10月12日/執筆時点の現行年度:令和8年度)

結論:戸塚区で12条点検の対象になる建物と、全面打診のタイミング

株式会社明誠は、東京都東大和市に拠点を置く大規模修繕の会社です。私は代表として20年以上、マンション・ビル・ホテルの修繕現場に立ってきました。神奈川県に広げた12条点検シリーズ、今回は横浜市戸塚区を取り上げます。

戸塚区は、面積35.7㎢で、横浜市でいちばん広い区です。昭和14年(1939年)に鎌倉郡内の1町7か村が横浜市に編入されて誕生し、昭和30年(1955年)以降は道路網の整備や鉄道の延伸、工場の進出、宅地開発によって人口が急増しました。その後、瀬谷区、栄区、泉区が分区して今の姿になっています(出典:横浜市戸塚区「戸塚区の歴史」)。

広い区域に、旧東海道の戸塚宿の面影が残る駅周辺の市街地、駅から離れた住宅地、谷戸の自然が残る地域が混在しているのが戸塚区です。建物の種類も築年も幅広く、「うちの建物は報告が必要なのか」という疑問が出やすい区だと感じます。結論を表にまとめます。

建物の種類 横浜市での定期報告(建築物)
住戸だけの分譲マンション・賃貸マンション 対象外(共同住宅は対象用途に指定されていない)
事務所だけのビル 対象外(事務所は対象用途に指定されていない)
有料老人ホームなどの老人ホーム(入居者の宿泊施設あり) 規模により対象(令和8年度に報告)
サービス付き高齢者向け住宅・グループホーム 規模により対象(令和8年度に報告)
病院・有床診療所 規模により対象(次は令和9年度)
ホテル・旅館 規模により対象(次は令和9年度)
2階以上にも店舗・飲食店が一定規模で入るビル 規模により対象(次は令和10年度)
エレベーター(昇降機) 原則すべて対象(毎年)

(出典:横浜市「報告対象建築物・昇降機等」、横浜市「報告の周期と時期」)

全面打診の要否は、次の一文で判断できます。

「竣工、または前回の全面打診・外壁全面改修から10年を超えていれば、次の定期調査で全面打診が必要」

定期報告の対象外のマンションでも、私はこの「10年」を一つの目安にして、外壁の状態を確認することをお勧めしています。

建築基準法第12条の基本(定期調査と定期検査の違い)

建築基準法第12条は、建物の所有者・管理者に「建物の安全を有資格者に定期的に調べさせ、その結果を特定行政庁に報告する」ことを求める制度です。特定行政庁とは、建築確認や違反建築の指導を担う行政機関のことで、戸塚区を含む横浜市内では横浜市がこれにあたります。

12条には、建物本体を調べる「特定建築物定期調査」(1項)と、設備を調べる「建築設備・防火設備・昇降機等の定期検査」(3項)があります。外壁の打診は、1項の特定建築物定期調査のうち「建築物の外部」の項目に含まれます。横浜市の報告の周期は次のとおりです(出典:横浜市「報告の周期と時期」(2026年5月26日更新))。

種類 報告の周期(横浜市)
建築物 定期調査報告 3年に1回(用途ごとに年度が決まっている)
建築設備 定期検査報告 毎年
防火設備 定期検査報告 毎年
昇降機等 定期検査報告 毎年(設置時の検査済証の交付月に報告)

報告の義務を負うのは所有者または管理者です。調査ができるのは、一級・二級建築士か特定建築物調査員などの有資格者に限られます。

外壁の全面打診のルールは、平成20年国土交通省告示第282号で定められています。タイル・石貼り(乾式工法を除く)・モルタルなどの外壁で、落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分は、おおむね10年ごとに全面的に打診等で調べることになりました。令和4年1月18日の告示改正では、無人航空機(ドローン)による赤外線調査も、全面打診以外の方法として認められています(出典:国土交通省)。

戸塚区の12条点検:窓口・報告年度・オンライン提出

窓口は横浜市建築局 建築指導課 建築安全担当

項目 内容(公式ページ掲載)
担当(建築物・建築設備・防火設備) 横浜市建築局 建築指導部 建築指導課 建築安全担当
電話 045-671-4539
担当(昇降機等) 同 建築指導課 設備担当(電話045-671-4538)
郵送・窓口の提出先 横浜市中区本町6丁目50番地の10 25階 建築指導課 定期報告受付窓口

戸塚区役所ではなく、市の建築局が窓口です。

令和8年5月26日から「オンライン提出」が始まった

令和8年度の大きな変化は、定期報告書のインターネット提出が令和8年5月26日に始まったことです。建築物・建築設備・防火設備・昇降機・遊戯施設のすべてが対象で、市は「来庁・郵送が不要」と案内しています(出典:横浜市「お知らせ情報一覧」(2026年6月1日更新))。

市の中心部から離れた戸塚区のオーナーさまにとって、来庁が不要になったのは助かる変化です。ただし、調査そのものを有資格者が行う点は変わりません。市は「提出書類の不備(記入漏れ、概要書や測定結果表の添付漏れ等)で差し替えをお願いするケースが多い」とも注意を呼びかけています。

令和8年度の報告年度と提出期間

横浜市は、建築物の用途ごとに報告年度と提出期間を決めています。

区分 主な用途 建築物の報告年度・期間
A 病院・診療所(患者の収容施設あり)、劇場など 令和9年度・12年度…の5〜8月
A ホテル・旅館、集会場、体育館など 令和9年度・12年度…の9〜12月
B 百貨店・物品販売店舗など 令和7年度・10年度…の5〜8月
B 飲食店・遊技場・複合用途建築物など 令和7年度・10年度…の9〜12月
C 入居者の宿泊施設がある児童福祉施設・老人ホームなど 令和8年度・11年度…の5〜8月
C サービス付き高齢者向け住宅・認知症高齢者グループホーム・障害者グループホーム 令和8年度・11年度…の9〜12月

(出典:横浜市「報告の周期と時期」)

戸塚区で高齢者施設をお持ち・運営の方に、最初に確認していただきたいのは次の点です。老人ホームなどの令和8年度の提出期間(5〜8月)はすでに終わっています。提出が済んでいるかをまず確かめてください。サービス付き高齢者向け住宅・グループホームは令和8年9月〜12月が提出期間で、本記事の公開時点でちょうど提出期間中です。

施設を運営する事業者さまと、建物を所有するオーナーさまが別の場合も多いはずです。横浜市は「所有者と管理者が異なる場合は、報告内容や市からの報告結果通知を両者で共有してほしい」と呼びかけています。借り上げ型の施設では、「どちらが調査を発注するのか」を契約書で確認しておくと安心です。

店舗併設マンション・駅前ビルの線引き

横浜市の対象表には、対象用途が避難階(通常は1階)だけにあるものは対象にならないという注記があります。駅前に多い「1階が店舗で上が住戸」という建物は、店舗が1階だけなら多くの場合、建築物の定期報告の対象外です。2階以上に飲食店や物販店、入院施設のあるクリニックが入る駅前ビルは、面積次第で対象になります。判断がつかない場合は、建築安全担当に確認してください。

戸塚区ならではの事情:広い区域と、谷戸・川沿いの建物

区内の水の流れは、すべて境川に集まる

戸塚区の外壁調査で、私が現場の感覚として意識するのは水と地形です。横浜市戸塚区の公式ページによると、区内には二級河川が8河川あり、境川、柏尾川、和泉川、宇田川、阿久和川、名瀬川、平戸永谷川、舞岡川が挙げられています。一級河川は区内にありません。区内の川の水はすべて境川に流れ込み、柏尾川は市街化が進んだ都市河川として、桜並木のプロムナードが整備されています(出典:横浜市戸塚区「区内の河川」(2024年12月12日更新))。

河川の近くや谷戸の低い土地に建つ建物は、湿気がこもりやすく、日当たりが悪くなりがちです。私の現場の所感ですが、そうした面は北面と同じように、タイルの目地やモルタルの傷みが他の面より早く進むことがあります。これは統計に基づく数字ではなく、現場で見てきた傾向です。

市内最大の区だから、建物の築年も立地もばらつく

戸塚区は面積が市内最大です。駅の周りには比較的新しい分譲マンションや商業ビルが、駅から離れた丘や谷戸の周辺には古くからの住宅地や団地が広がっています。同じ戸塚区内でも、竣工年も外壁の仕上げも、足場を組める敷地条件も、建物によってまるで違います。

だからこそ、「区のどこにあるか」ではなく、「いつ竣工して、いつ最後に外壁を全面的に調べたか」で動くのが確実です。特に昭和後期(1980年代前後)に分譲されたマンションは、すでに2回目の大規模修繕の時期に入っています。1回目の修繕の際に外壁の全面打診をせず、タイルの浮きを部分的にしか見ていないケースも、現場では珍しくありません。

報告義務がなくても、落下事故の責任は残る

横浜市は、平成30年10月1日に市内で、道路に面したビルの屋上に取り付けられた金属製パネルが落下し、通行者が亡くなる事故が起きたことを公表し、すべての所有者・管理者に安全確認を求めています(出典:横浜市「お知らせ情報一覧」)。

建築基準法第8条は、建物の所有者・管理者・占有者に「常時適法な状態に維持するよう努める」ことを求めています(出典:横浜市「建物の維持管理について」)。外壁のタイルが落ちて通行人がけがをすれば、民法第717条(工作物責任)により、所有者等が責任を問われる可能性があります。分譲マンションは報告義務がないからこそ、管理組合が自主的に外壁を調べる意味があります。

全面打診が必要になる4つのきっかけ

理事長さまやオーナーさまには、次の4つを「全面打診のきっかけ」としてお伝えしています。

  1. 竣工から10年を超えた:最初の全面打診の起点です。
  2. 外壁の全面改修から10年を超えた:タイル張替えや全面補修をした年から数え直します。
  3. 前回の定期調査で「要是正」とされ、改善が済んでいない:次の報告で改善状況が問われます。
  4. タイルの浮き・剥落の兆候が見つかった:報告年度を待たず、手の届く範囲の打診で異常があれば全面打診で確かめます。

まずは修繕履歴から、前回の大規模修繕の年と、最後に全面打診をした年を確かめてみてください。

費用の目安:打診の㎡単価と、足場・ロープアクセスの差

費用の目安を示します。以下は参考値で、実際の見積は建物の形状・高さ・外壁の仕上げ・敷地条件で大きく変わります。

項目 目安
全面打診調査の㎡単価(調査のみ) 250〜500円/㎡
10階建て・外周80m・打診対象約2,000㎡の調査費 約50〜100万円
同条件で仮設足場を組む場合(工期3か月想定) 約168万円
同条件でロープアクセス工法の場合 約59万円
足場とロープアクセスの差額 約109万円

全体の費用を押し上げるのは、打診そのものより足場です。谷戸や傾斜地に面した建物、前面道路が狭い建物では、足場の計画がさらに複雑になり、費用が上がりがちです。料金の考え方は明誠の大規模修繕の料金の考え方でも公開しています。

ロープアクセス工法が12条打診で選ばれる理由

ロープアクセス工法とは、屋上などの確実な吊元から、作業員がメインロープとバックアップロープの2本に接続して壁面に降り、足場を組まずに調査や補修を行う工法です。吊元は2点以上を確保し、二重の冗長化で安全を確保します。国際基準(IRATA)に沿った、業界標準のやり方です。技術の詳細は明誠のロープアクセス工法のページに、安全への取り組みは明誠の安全管理にまとめています。

12条打診でロープアクセスを選ぶ理由は、主に3つです。

  1. 費用:足場代を抑えられます。上の例では、足場工法より約100万円の差が出る可能性があります。
  2. 期間:足場の組立・解体がないため、足場工法の約60%の工期が目安です。
  3. 居ながら・営業しながら施工:窓の前に足場やメッシュシートがかからず、日当たりや防犯面の不安が少なく済みます。

3つ目は、高齢者施設や、1階に店舗が入るビルでは特に大きな意味があります。足場とシートで何か月も窓や店先がふさがれると、居室が暗くなり、店の売上にも響きます。ロープアクセスなら作業する面だけ、作業する時間だけ人が降りるので、運営を止めずに調査できます。

打診は、テストハンマーでタイルやモルタルを一枚ずつ叩き、音の違いを聞き分ける仕事です。ロープアクセスなら、見つけた浮きにその場でマーキングし、条件が合えば注入による部分補修まで続けて行えます。ドローンの赤外線調査で全体を把握し、気になる面だけロープアクセスで叩いて確かめる組み合わせも可能です(ドローンの飛行には周辺環境や法令上の制約があります)。

株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕に携わってきました。ロープアクセスでの高所作業では、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを続けています。作業は、IRATA水準の訓練を受けた作業員が担当します。

ロープアクセスの訓練体制や施工の実例は、姉妹サイトのロープアクセスドットコムで詳しく紹介しています。足場・ロープアクセス・ハイブリッドの3工法の比較もロープアクセスドットコムに掲載しています。フランチャイズ加盟をご検討の専門工事会社さまも、ロープアクセスドットコムからご覧ください。

12条点検を大規模修繕・長期修繕計画とつなげる

12条点検(または自主的な外壁調査)と大規模修繕を、別々の会社に別々のタイミングで発注している管理組合やオーナーさまは少なくありません。私はこれを、できるだけワンセットで考えるよう提案しています。

  • 足場代の二重払いを避ける:打診のために足場を組み、数年後の大規模修繕でまた組む、という重複をなくせます。
  • 調査結果が補修数量の根拠になる:浮き・欠損の位置と数量が分かれば、見積書の数量が透明になります。
  • 長期修繕計画の精度が上がる:外壁の劣化が数字で分かり、修繕積立金の見通しが立てやすくなります。
  • ハイブリッド工法の判断材料になる:低層部は足場、高層部や傾斜地側の面はロープアクセス、と面ごとに使い分けると総額が下がる建物もあります。

分譲マンションの管理組合さまは管理組合様向けの大規模修繕サービスを、賃貸マンション・ビル・施設のオーナーさまはビルオーナー様向けの修繕サービスをご覧ください。

よくあるご質問

Q. 戸塚区の分譲マンションは、12条の定期報告が必要ですか?

A. 住戸だけの共同住宅は、横浜市では建築物の定期報告の対象用途に指定されていません。ただし、エレベーターは原則として毎年の定期検査報告が必要です。2階以上に店舗などが一定規模で入る場合は対象になることがあります。

Q. 戸塚区の12条点検の窓口はどこですか?

A. 戸塚区役所ではなく、横浜市建築局 建築指導課 建築安全担当(電話045-671-4539)です。昇降機は同課の設備担当(電話045-671-4538)です。

Q. 有料老人ホームの報告はいつですか?

A. 横浜市の区分では、入居者の宿泊施設がある老人ホームなどは令和8年度・11年度…の5〜8月です。令和8年度分の提出期間は終わっているため、未提出の場合は早めに建築安全担当へご相談ください。

Q. サービス付き高齢者向け住宅・グループホームの報告はいつですか?

A. 令和8年度・11年度…の9〜12月です。令和8年度は報告年度にあたるため、対象の建物は令和8年12月までの提出が必要です。

Q. 定期報告はオンラインで出せますか?

A. はい。横浜市は令和8年5月26日から、インターネットでの提出を受け付けています。来庁や郵送は不要と案内されています。

Q. 外壁の全面打診は何年ごとですか?

A. 定期報告の対象建築物では、竣工や外壁の全面改修から、おおむね10年を経過したあとの最初の定期調査で必要です。根拠は平成20年国土交通省告示第282号です。

Q. 谷戸や傾斜地に面した建物でも打診できますか?

A. 屋上に2点以上の吊元を確保できれば、ロープアクセス工法でメインロープとバックアップロープの2本に接続して降り、壁面を直接叩いて調べられます。現地を見て、足場との組み合わせも含めてご提案します。

まとめ+今週動くこと3点

戸塚区の12条点検の窓口は、横浜市建築局の建築指導課 建築安全担当です。横浜市では、住戸だけのマンションや事務所だけのビルは建築物の定期報告の対象外ですが、老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅・グループホームは規模により対象で、令和8年度がその報告年度です。

今週動くことを3つに絞ります。

  1. 令和8年度分の提出状況を確認する:老人ホーム(5〜8月期間)は提出済みか、サ高住・グループホーム(9〜12月期間)は12月までに出せるかを、運営事業者と一緒に確認する。オンライン提出も使えます。
  2. 最後の全面打診の年を調べる:修繕履歴や過去の調査報告書を見て、10年を超えていないかを確かめる。報告義務のない分譲マンションも、10年を目安に外壁の状態を数字で把握する。
  3. 次の大規模修繕とセットで考える:外壁調査と、2回目・3回目の大規模修繕、長期修繕計画の見直しを一体で検討することを、次の理事会・オーナー会議で共有する。

明誠の施工実績は明誠の施工事例で、私たちの考え方は明誠の理念でご覧いただけます。ご相談は大規模修繕・打診調査のお問い合わせフォームからどうぞ。横浜市戸塚区を含む神奈川県全域で、現地調査にも対応しています。

出典・参考資料

本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月12日(令和8年度)時点で公表されている国土交通省・横浜市の公式情報をもとに執筆しています。横浜市の「報告の周期と時期」は2026年5月26日更新、「お知らせ情報一覧」は2026年6月1日更新の掲載を確認しました。「報告対象建築物・昇降機等」は2025年12月1日(令和7年度)更新、「建物の維持管理について」と戸塚区の河川ページ(2024年12月12日更新)は前年度以前の更新のため、内容が変わっている可能性があります。制度は年度途中でも改正があり得ます。調査・報告の前に、横浜市建築局 建築指導課 建築安全担当(045-671-4539)へ最新の内容をご確認ください。費用の数字は参考値で、個別の見積を保証するものではありません。

この記事の執筆者

本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。

最終更新:2026年10月12日


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