渋谷区のマンション管理計画認定制度|区の手数料は無料・令和8年4月から防災とコミュニティの独自基準あり【2026年度版】
結論:渋谷区で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか
先に結論です。渋谷区の管理計画認定は、区への申請手数料が令和8年4月1日から無料になりました。新規、更新、変更のいずれも無料です(出典:渋谷区「マンション管理計画認定制度」、ページ更新日2026年6月3日)。
ただし、無料になったから簡単になった、とは言えません。同じ令和8年4月から、渋谷区は国の基準に区独自の上乗せ基準を加えました。防災マニュアルの作成が必須で、コミュニティ活動に関する項目も求められます。申請を考えるなら、最初の一歩は事前相談です。
費用の中身を整理します。
- 渋谷区への申請手数料:無料
- システム利用料:1申請あたり10,000円(税込)
- 事前確認審査料:(公財)マンション管理センターへ直接申し込む場合などは、長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)。マンション管理士や管理会社に頼む場合は、管理組合と依頼先の取り決め
センター直接申込なら、目安は合計2万円ほどです(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。長期修繕計画の見直しや規約改正を専門家へ頼む費用は、別にかかります。
私は東京都東大和市で会社を構え、首都圏のマンション大規模修繕に20年以上携わってきました。渋谷区の理事長さま、理事の皆さまが読んだ日に理事会で動けるよう、認定主体、17要件、区独自基準、申請ルート、経済効果、逆算スケジュールの順にお伝えします。
認定主体はどこか:渋谷区が窓口です
管理計画認定制度は、令和4年4月に始まった国の制度です。管理組合の管理計画を審査して認定する役所を「認定行政庁」(認定の事務を担う自治体のこと)と呼びます。国土交通省の案内では、マンション管理適正化推進計画をつくった市と特別区が認定を担い、町村部は都道府県が担当します(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。
渋谷区のページには「認定行政庁」という言葉は出てきません。ただ、認定期間中に区が報告徴収や改善命令などの監督を行う場合があると書かれており、区が認定と監督を担う立場だと読み取れます。窓口は、都市整備部住宅政策課の住環境整備係です(渋谷区役所12階、電話03-3463-3548)。区役所の開庁時間は平日8時30分から17時です。
渋谷区の分譲マンションの実情は、推進計画の概要版に出ています。分譲マンションは約43,000戸で、区内の住宅全体の28.4%にあたります。そのうち43%が築40年以上です。計画期間は令和8年度から令和17年度(2026〜2035年度)の10年間で、令和5年4月に定めた最初の計画の見直し版です(出典:渋谷区マンション管理適正化推進計画(概要版・PDF))。
築40年を超える棟が4割を超える区です。長期修繕計画と修繕積立金の見直しは、多くの管理組合が避けて通れないテーマだと、私は感じています。
認定17要件:理事会が確認しやすい順に整理する
国が定める認定基準は、5つの分野に17項目あります。管理組合の運営、管理規約、管理組合の経理、長期修繕計画の作成及び見直し等、その他です(出典:国土交通省「マンションの管理計画認定の基準」(PDF))。渋谷区ではこの17項目に、次の章で述べる区独自の基準が加わります。
管理組合の運営・管理規約・経理
管理者等(理事長など)と監事が選任され、総会が年1回以上開かれていることが基本です。規約には、災害時などに専有部分へ立ち入れる定め、修繕履歴の管理、財務・管理情報の書面交付の定めが要ります。経理は、管理費と修繕積立金を区分していること、修繕積立金を他の会計へ流用していないこと、3か月以上の滞納が直前の事業年度末で全体の1割以内であることが条件です。
議事録の残し方が薄い組合は、まずそこから整えるのが近道です。私はいつもそうお伝えしています。
長期修繕計画の作成及び見直し等
もっとも手間のかかる分野で、6項目あります。
- 国の標準様式に準拠した長期修繕計画と、それに基づく修繕積立金の額が、総会で決議されていること
- 計画の作成または見直しが7年以内であること
- 計画期間が30年以上で、残りの期間に大規模修繕工事が2回以上含まれること
- 将来の一時金の徴収を予定していないこと
- 修繕積立金の平均額が、著しく低額でないこと
- 計画期間の最終年度に、借入金の残高がないこと
その他
組合員名簿と居住者名簿を備え、年1回以上確認していることです。もう一つ、地方公共団体のマンション管理適正化指針に照らして適切であることが求められます。渋谷区の場合、ここに区の指針が関わります。
現場で見る「計画の古さ」と足場費の考え方
認定準備が止まる一番の理由は、長期修繕計画が古いことです。資材費や人件費の上昇を織り込まず、10年以上前の数字のままという組合は少なくありません。
以前、渋谷区のように建物が密集した地域で、築35年ほどのマンションの理事会に呼ばれたことがあります。理事長さまは「積立金は足りているはず」とおっしゃっていましたが、計画は長く動いていませんでした。見直しのついでに工法を比べると、10階建て、外周80m、工期3か月ほどという条件の試算で、仮設足場が約168万円、ロープアクセス工法を併用した場合は約59万円、差額は約109万円でした。建物の形や立地、隣地との距離で大きく変わりますので、あくまで一つの目安です。それでも、理事の皆さまの表情が変わった瞬間を、私は今でも覚えています。
足場を使わないロープアクセス工法については、明誠のロープアクセス工法の詳細ページで整理しています。作業員はメインロープとバックアップロープの2本に接続し、2点以上の吊元を確保して作業します。大規模修繕の進め方と安全管理は大規模修繕工事の安全管理と進め方に、技術や訓練の詳細は姉妹サイトのロープアクセスドットコムにまとめています。
独自基準の有無と実務への影響:渋谷区には令和8年4月からの上乗せ基準があります
ここが渋谷区の記事でいちばんお伝えしたい点です。渋谷区は令和8年4月から、管理計画認定の基準に区独自の上乗せ基準を設けました。令和8年3月31日までに事前確認申請を済ませた管理組合には、経過措置があります。
渋谷区のページと推進計画の概要版から、独自基準の中身をまとめます(出典:渋谷区「マンション管理計画認定制度」)。
| 分野 | 求められること |
|---|---|
| 防災 | 防災マニュアルの作成(必須)。加えて、次のいずれか1つ以上を満たす:防災訓練を年1回以上実施/自主防災組織がある/防災資材・備蓄物資を整備している/避難行動要支援者等を把握している |
| コミュニティ活動 | 次のいずれか1つ以上を満たす:マンション内の自治会がある(設置の計画を含む)/地域の町会・自治会に加入している/美化活動や防災訓練などの地域活動を行っている/町会・自治会との連絡担当者を選任している |
条文そのものは、区の「認定基準」PDFに書かれています。私が確認した際、そのPDFは文字情報が読み取れず、本文を確認できませんでした。そのため、上の表は区のページと推進計画概要版の記載にもとづいています。実際の申請では、区の認定基準PDFの原文と、事前相談での説明をご確認ください。
この独自基準は、実務に次の影響を及ぼします。
- 申請の前に、渋谷区への事前相談が必要になる。ここで「渋谷区独自基準に係る申出書」(第2号様式)、防災マニュアルの写し、防災やコミュニティ活動を示す書類を持参します
- 事前確認の対象は国の基準が中心で、地方公共団体の独自基準は事前確認の対象外とされている。マンション管理センターの案内でも、独自基準は所在地の自治体のウェブサイトなどで確認するよう書かれています
- 防災マニュアルがない組合は、その作成から始める。長期修繕計画の見直しと並行して進めると、半年は見ておきたいところです
ただし、区のページの更新日は2026年6月3日で、現行の令和8年度の情報です。それでも、申請の直前には住宅政策課へ最新の運用を電話で確認してください。標準処理期間は、申請の手引きにも記載がありませんでした。
手数料と申請ルート:区へ直接は出せません。事前相談から始めます
渋谷区の標準ルート
渋谷区のページと申請の手引きによると、流れは次のとおりです(出典:渋谷区「マンション管理計画認定制度 申請の手引き」(PDF))。
- 総会で、管理計画認定の申請を決議する
- 渋谷区へ事前相談し、区独自基準への適合状況を確認する
- マンション管理センターの手続支援サービスで事前確認を受け、適合すれば「事前確認適合証」を受け取る
- 同じサービスから、渋谷区へ認定を申請する。同時に、区独自基準の審査書類を提出する
- 審査で適合すれば、認定通知書が交付される
区へ直接申請できるのは、変更認定申請だけです。新規と更新は、手続支援サービスを通します。区への直接提出が必要な書類もあります。長期修繕計画のExcel版と、防災マニュアルの写しです。長期修繕計画の平均積立額などの数値は、審査書類とシステムの入力値が一致している必要があります。
事前確認の依頼先と費用
| パターン | 依頼先 | 事前確認審査料 |
|---|---|---|
| ① | 事前確認講習を修了したマンション管理士 | 管理組合とマンション管理士が取り決める |
| ② | 管理会社(マンション管理適正評価制度と併せて) | 管理組合と依頼先が取り決める |
| ③ | 日本マンション管理士会連合会(診断サービスと併せて) | 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込) |
| ④ | マンション管理センターへ直接申込 | 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込) |
システム利用料は1申請あたり10,000円(税込)です(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。申請できるのは管理者等本人か、行政書士の代理人です。
認定の有効期間と更新
認定の有効期間は5年です。更新の申請は、満了の1か月前から受け付けられます。認定期間中に管理計画を変えるときは、変更認定申請が要ります。軽微な変更は申請不要です。
相談先をそろえておく
渋谷区の窓口は、住宅政策課住環境整備係(03-3463-3548)です。事前確認のサービスについては、マンション管理センター(03-6261-1274、平日9時30分から17時)、制度全般については相談ダイヤル(03-5801-0858、月曜から土曜の10時から17時)があります。
分譲マンション総合相談窓口は、東京都防災・建築まちづくりセンターが運営しています。マンション管理士が相談に乗ってくれます(電話03-6427-4900、平日9時から17時)。
渋谷区の長期修繕計画作成費用助成
長期修繕計画の見直しが必要な組合にとって、見逃せない制度があります。渋谷区は、築5年以上の分譲マンションの管理組合を対象に、長期修繕計画の作成や見直しの費用を助成しています。補助率は対象経費(消費税抜き)の2分の1で、上限は20万円です(出典:渋谷区「分譲マンション長期修繕計画作成等費用助成」、更新日2026年4月1日)。
ページの記載では、計画作成の1か月前までに申請する必要があります。令和8年11月以降の申請は、区の事業の都合で受け付けられない場合があるとされています。完了報告は令和9年2月末までです。過去10年以内に同じ助成を受けていないことも条件です。この助成を使うなら、10月のうちに住宅政策課へ連絡をいれてください。
認定の3つの経済効果:税・住宅ローン・債券
1. マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)
長寿命化に役立つ大規模修繕工事を行ったマンションについて、工事の翌年度の建物部分の固定資産税を減額する制度です。東京都主税局のページでは、東京23区の減額割合は「2分の1」で、1戸あたり100㎡の床面積相当分までが対象です(出典:東京都主税局「長寿命化に資する大規模修繕工事が行われたマンションに対する固定資産税の減額制度」)。
主な要件は次のとおりです。
- 新築から20年以上、総戸数10戸以上
- 過去に長寿命化工事(外壁塗装等、床防水、屋根防水のすべて)を実施済みであること
- 管理計画認定マンション、または助言・指導を受けた管理組合のマンションであること
- 認定マンションは、令和3年(2021年)9月1日以降に修繕積立金を認定基準まで引き上げていること
- 令和5年(2023年)4月1日から令和9年(2027年)3月31日までに、工事が完了していること
- 居住用の専有部分の床面積の割合が2分の1以上であること
- 申告は、工事完了日から3か月以内
押さえたいのは期限です。このページの更新日は2023年6月8日で、前年度以前のものです。工事の完了期限が令和9年3月31日であることは、国土交通省の案内と照らしても同じ内容ですが、23区の運用の詳細は、物件が所在する区の都税事務所へ必ず事前にご確認ください。税制相談ダイヤルは03-5801-0858です。
2. 【フラット35】の金利引下げ
管理計画認定マンションの住戸を購入する方が使える住宅ローンの優遇で、当初5年間、年0.25%の引下げです。【フラット35】維持保全型には予算金額があり、見込みに達すると受付が終わります(出典:【フラット35】維持保全型)。売る側にとっても、認定済みであることは買い手に選ばれる理由になり得ます。
3. マンションすまい・る債と共用部リフォーム融資
マンションすまい・る債は、管理組合が修繕積立金を運用する債券です。国土交通省の資料では、認定マンションは年2.10%、認定なしは年2.00%と想定され、差は0.10ポイントです。5,000万円を満期まで保有した場合、受取利息は約50万円増える計算です(出典:国土交通省「管理計画認定のメリット」(PDF)、令和8年4月1日現在)。
マンション共用部分リフォーム融資は、同じ資料で、全期間年0.20%の引下げとして整理されています。一方、住宅金融支援機構のページには、耐震改修、浸水対策、省エネルギー対策の工事を行う場合に年0.2%引き下げると書かれており、認定との関係は読み取れませんでした。借入の前に、住宅金融支援機構のマンション共用部分リフォーム融資のページや窓口で、最新の条件を確認してください。
数字で見る経済効果のイメージ
仮に総額5,000万円の大規模修繕なら、仮設足場は総工費の15〜25%(750万〜1,250万円)が目安で、外壁塗装は1㎡あたり3,500〜4,500円がレンジです。物件ごとに大きく変わります。工法で足場の比率を下げ、制度で税を下げる。私はこれを「二段構え」と呼んでいます。
株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法では、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを続けています。通常足場、ロープアクセス、両者を組み合わせたハイブリッド工法の3つから、建物に合う工法をご提案できます。
費用の考え方は大規模修繕の料金の考え方に、管理組合の方向けの内容は管理組合さま向けの大規模修繕サービスにまとめています。フランチャイズ加盟企業の取り組みは、ロープアクセスドットコムでも公開しています。
令和9年4月の制度改正にも目を向けておく
国土交通省のページでは、令和9年4月1日から、分譲事業者が販売時に管理計画認定を申請できる仕組みが整うと案内されています。改正省令と告示は令和8年7月31日に公布されました。令和9年4月1日以降に申請する場合は、見直し後の認定基準が適用され、経過措置も設けられます(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。
令和9年3月までに申請するか、4月以降にするかで、適用される基準が変わり得ます。渋谷区の独自基準との関係は、私が確認した範囲では書かれていませんでした。住宅政策課とマンション管理センターに、変更点を確認しておいてください。
逆算スケジュール(令和8年10月起点)
認定に絞った逆算です。工事まで同時に進める組合は、半年では足りないことが多いです。
| 時期の目安 | やること |
|---|---|
| 令和8年10月 | 理事会で認定の方針を共有。住宅政策課へ連絡し、独自基準(防災マニュアル、防災・コミュニティ)の現状を確認。長期修繕計画の作成時期、規約・名簿・会計の現状を確認。作成費用助成の対象になるかも確認 |
| 令和8年11月 | 長期修繕計画が7年以内でなければ、見直しを依頼。防災マニュアルの作成に着手。事前確認の依頼先(表の①〜④)を決める |
| 令和8年12月 | 臨時総会で、認定申請、長期修繕計画と修繕積立金額、必要な規約改正を決議 |
| 令和9年1月 | 区へ事前相談(第2号様式など)。議事録などをそろえる |
| 令和9年2〜3月 | 事前確認適合証を取得し、手続支援サービスから渋谷区へ申請 |
固定資産税の減額を使いたい場合は、令和9年3月31日までに工事を終える必要があります。私はいつも理事長さまに、「期限に合わせて中身を急ぐより、建物の状態を優先しましょう」とお伝えしています。期限に間に合わなくても、認定そのものは住宅ローンや資産価値の面で意味があります。
まとめと、今週動くこと3点
渋谷区の管理計画認定は、区の手数料が令和8年4月から無料になった一方、同じ時期に防災とコミュニティ活動の独自基準が加わりました。区へ直接は申請できず、事前相談、事前確認、手続支援サービスからの申請という順です。費用の中心は、システム利用料10,000円と事前確認審査料です。固定資産税の減額は2分の1ですが、令和9年3月31日までの工事完了が条件です。
今週、理事会で動いていただきたいことは次の3点です。
- 長期修繕計画の作成日と、防災マニュアルの有無を確認する
- 渋谷区住宅政策課住環境整備係(03-3463-3548)へ、独自基準と長期修繕計画作成費用助成のことを問い合わせる
- 固定資産税の減額が気になる場合は、都税事務所または税制相談ダイヤル(03-5801-0858)へ、自分の建物が条件に当てはまるか確認する
十月のうちに理事会で数分でもこの話題を出していただければ、年内の総会決議が現実的になります。令和9年3月が一つの分かれ目です。どこから手をつければよいか迷われたら、ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。明誠へのお問合せフォームからどうぞ。これまでの明誠の施工事例もご覧いただけます。
よくあるご質問
Q. 渋谷区の管理計画認定に、区へ払う手数料はいくらですか?
A. 渋谷区への申請手数料は、令和8年4月1日から無料です(新規・更新・変更とも)。ただし、手続支援システムの利用料10,000円(税込)と、事前確認審査料(センター直接申込なら長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込))は別にかかります。
Q. 渋谷区に独自の認定基準はありますか?
A. あります。令和8年4月から、国の基準に加えて防災とコミュニティ活動の上乗せ基準が設けられました。防災マニュアルの作成が必須で、そのほかの項目も区のページで示されています。申請を考えるなら、事前に区へ相談してください。
Q. 管理組合が渋谷区に直接申請することはできますか?
A. 新規と更新は、直接申請できません。マンション管理センターの手続支援サービスを通します。区へ直接申請できるのは、変更認定申請だけです。
Q. 令和8年3月までに事前確認申請を済ませていた場合はどうなりますか?
A. 令和8年3月31日までに事前確認申請をした管理組合には経過措置があります。内容は区のページに詳しく書かれていないため、該当する場合は住宅政策課へ直接ご確認ください。
Q. 固定資産税はどれくらい減りますか?
A. 東京23区では、固定資産税額の2分の1が目安として示されています。対象は1戸あたり100㎡の床面積相当分までです。新築から20年以上、総戸数10戸以上、過去に長寿命化工事を実施済みで、令和9年3月31日までに工事が完了していることなどが条件です。申告は工事完了から3か月以内です。
Q. 認定までにどれくらいかかりますか?
A. 渋谷区のページと申請の手引きには、標準処理期間の記載がありません。事前相談から事前確認、区の審査までを合わせて、3か月前後は見ておくと安心です。認定の有効期間は5年間です。
Q. 長期修繕計画が古い場合、どうすればよいですか?
A. 作成や見直しが7年以内であることが要件の一つです。渋谷区には、作成・見直し費用の2分の1(上限20万円)を助成する制度があります。見直しとあわせてロープアクセス工法を含めた工法の比較をすると、工事費の見え方が変わる場合があります。明誠では概算のご相談を承っています。
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年10月15日
関連記事(姉妹サイト)
ロープアクセス工法の詳細や実例については、姉妹サイト「ロープアクセスドットコム」の以下の記事もぜひご覧ください。
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本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月15日時点で公表されている渋谷区および国土交通省・東京都・マンション管理センターの公式情報をもとに執筆しています。渋谷区の管理計画認定制度のページ(更新日2026年6月3日)と助成のページ(更新日2026年4月1日)は現行の令和8年度の内容です。一方、固定資産税減額の東京都主税局のページは更新日が2023年6月8日で、前年度以前のものです。区の認定基準PDFは本文を読み取れなかったため、区独自基準は区のページと推進計画概要版の記載にもとづいています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず渋谷区および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。
出典・参考資料
- 渋谷区「マンション管理計画認定制度」
- 渋谷区「マンション管理計画認定制度 申請の手引き(PDF)」
- 渋谷区「渋谷区マンション管理適正化推進計画(概要版・PDF)」
- 渋谷区「分譲マンション長期修繕計画作成等費用助成」
- 渋谷区「分譲マンション総合相談窓口・管理状況届出制度」
- 公益財団法人マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」
- 国土交通省「マンション管理計画認定制度」
- 国土交通省「マンションの管理計画認定の基準(PDF)」
- 国土交通省「管理計画認定のメリット(PDF)」
- 東京都主税局「長寿命化に資する大規模修繕工事が行われたマンションに対する固定資産税の減額制度」
- 住宅金融支援機構「【フラット35】維持保全型」
- 住宅金融支援機構「マンション共用部分リフォーム融資」
鎌倉市のマンション管理計画認定制度|市独自の「防災」基準あり・固定資産税3分の1減額と逆算スケジュール【2026年度版】
結論:鎌倉市で管理計画認定を取ると何が変わるか、費用はいくらか
先に結論です。鎌倉市の分譲マンションの管理計画認定は、鎌倉市が認定します。窓口は都市政策部都市計画課都市計画担当です(出典:鎌倉市「マンション管理計画認定制度」、ページ更新日2026年9月14日)。
鎌倉市で押さえたい点は三つあります。
- 市へ直接は申請できません。マンション管理センターの「管理計画認定手続支援サービス」を経由します
- 国の基準に加えて、市独自の基準として「防災への対策」があります
- 独自基準については、表明保証書に防災の取組みがわかる書類を添えて、都市計画課へ別に提出します
費用の目安です。マンション管理センターの手続支援サービスでは、システム利用料が1申請あたり10,000円(税込)、センターへ直接申し込む場合の事前確認審査料が長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)です(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。合わせて2万円ほどが入口の費用です。鎌倉市への手数料の有無は、市のページに記載がありませんでした。申請前に都市計画課(0467-61-3408)へ確認してください。
認定を取ると、固定資産税の減額、【フラット35】の金利引下げ、マンションすまい・る債の利率上乗せといった優遇の入口に立てます。鎌倉市の固定資産税の減額割合は「3分の1」です。2回目以降の大規模修繕工事を令和9年3月31日までに終えることが条件になります。
私は東京都東大和市で会社を構え、首都圏のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕に20年以上関わってきました。海と山に囲まれた鎌倉市の理事長さま、理事の皆さまが、読んだその日に理事会で動けるよう、要点を順に整理します。
認定主体はどこか:鎌倉市が自ら認定します
管理計画認定制度は、令和4年4月に始まった国の制度です。管理組合が作った管理計画を審査して認定する役所を「認定行政庁」(認定の事務を担う自治体のこと)と呼びます。鎌倉市は、令和6年5月に「鎌倉市マンション管理適正化推進計画」を策定し、認定の事務を始めました。計画期間は令和6年度から令和10年度までの5年間です(出典:鎌倉市「鎌倉市マンション管理適正化推進計画」)。
窓口は本庁舎3階の都市計画課都市計画担当(御成町18-10)で、電話は0467-61-3408です。制度の一般的な質問には、日本マンション管理士会連合会の無料の相談ダイヤル(03-5801-0858、月〜土の10時から17時、祝日・年末年始を除く)も案内されています。
数字で見る鎌倉市のマンション
推進計画には、鎌倉市のマンションの実情が数字で出ています(出典:鎌倉市マンション管理適正化推進計画(令和6年5月策定)PDF)。
- 市内のマンションは11,106戸で、住宅全体の約16%
- 築30年以上が37%。築40年超は約2,200戸で、20年後には約6,000戸になる見込み
- JR大船駅や鎌倉駅の周辺、腰越、由比ガ浜、材木座など市の南部に多い
- 市の高齢化率は30%超
戸数は平成30年住宅・土地統計調査をもとにした推計です。令和5年度の市の実態調査(231か所に送付、回答134件、回答率58%)では、長期修繕計画を作成している組合が90%ありました。一方で、修繕積立金が適正だと答えた組合は55%にとどまります。
私が気になったのは防災の数字です。災害対応マニュアルを作成している組合は37%、災害時の備蓄や装備がある組合は45%でした。この数字が、次に説明する市独自の基準につながっています。
認定の基準:国の17項目に「防災」が加わります
認定の基準は、国が5つの分野に17項目で定めています。管理組合の運営、管理規約、管理組合の経理、長期修繕計画の作成及び見直し等、その他です(出典:国土交通省「マンションの管理計画認定の基準」(PDF))。鎌倉市はこれに独自の基準を加えています(出典:鎌倉市「マンション管理計画認定制度における認定基準」(PDF))。
管理組合の運営・管理規約・経理
管理者等(理事長など)と監事が選任され、総会が年1回以上開かれていることが基本です。規約には、災害などの緊急時に専有部分へ立ち入れる定め、修繕履歴の管理、財務・管理情報の書面交付または電磁的方法での提供の定めが要ります。経理は、管理費と修繕積立金を区分していること、修繕積立金を他の会計へ流用していないこと、3か月以上の滞納が直前の事業年度末で全体の1割以内であることが条件です。
長期修繕計画の作成及び見直し等
ここがいちばん手間のかかる分野で、6項目あります。
- 国の標準様式に準拠した長期修繕計画と、それに基づく修繕積立金の額が、総会で決議されていること
- 計画の作成または見直しが7年以内であること
- 計画期間が30年以上で、残りの期間に大規模修繕工事が2回以上含まれること
- 将来の一時金の徴収を予定していないこと
- 修繕積立金の平均額が、著しく低額でないこと
- 計画期間の最終年度に、借入金の残高がないこと
その他と、鎌倉市の「防災への対策」
国の「その他」の分野は、組合員名簿と居住者名簿を備えて年1回以上確認していること、そして自治体の管理適正化指針に照らして適切であることです。鎌倉市の基準表は推進計画からの抜粋で、名簿の項目は載っていません。ただ、計画には、市独自の基準を除く詳細は国の事務ガイドラインによると書かれています。名簿の整備も、国の基準どおり必要だと考えておくのが安全です。
そのうえで、鎌倉市は5番目の分野として「防災への対策」を置いています。内容は「防災訓練の実施や、備蓄の有無など、防災に関する取組みを行っていること」です。
独自基準の実務:表明保証書と防災の書類を用意する
何を出すのか
市のページによると、防災の独自基準については、表明保証書(第1号様式)に防災の取組み内容がわかる書類を添えて、都市計画課都市計画担当へ提出します。様式は市のページから入手できます。マンション管理センター経由の申請とは別に、市への提出物が一つ増えると考えてください。
「わかる書類」として何がふさわしいかは、市のページには具体例がありません。私の経験上、次のようなものを日ごろ残しておくと、話が早く進みます。
- 防災訓練の案内文、当日の写真、参加人数を記した記録
- 備蓄品の一覧(水、簡易トイレ、救急用品など)と保管場所
- 総会や理事会で防災を議題にした議事録
- 災害対応マニュアル(ある場合)
どの書類で足りるかは、必ず都市計画課に事前に確認してください。基準の文言は「防災訓練の実施や、備蓄の有無など」ですので、訓練と備蓄のどちらか一方でも取組みがあれば対象になる可能性があります。ここは私の推測ですので、断定はできません。
防災の基準は、建物の点検とも相性がいい
正直に申し上げます。私は、防災の取組みと建物の点検は、ワンセットで進めるべきだと考えています。外壁タイルの浮き、手すりや金物のさび、屋上の防水の傷みは、地震や台風のときに被害を広げます。海に近いマンションでは、潮風で金物の傷みが早い建物にも出会います。
防災訓練の日に、理事の皆さまと一緒に外回りを歩くだけでも、気づきは増えます。高い場所の点検には、足場を組まずにロープで外壁に近づく方法もあります。明誠の作業員はメインロープとバックアップロープの2本に接続し、2点以上の吊元を確保して作業します。工法の考え方は明誠のロープアクセス工法の詳細ページに、技術や訓練の詳細は姉妹サイトのロープアクセスドットコムにまとめています。
手数料と申請ルート:市へ直接は出せません
鎌倉市の標準ルート
市の手引きとセンターの案内から、流れを整理します。
- 国と市の基準でセルフチェックを行う(防災の取組みもここで確認)
- 総会で、管理計画認定の申請を決議する
- マンション管理センターに問い合わせ、手続支援サービスの利用を申し込む
- マンション管理士による事前確認を受ける
- 同サービスを経由して鎌倉市へ認定申請し、あわせて表明保証書と防災の書類を都市計画課へ提出する
- 市が審査し、適合すれば認定される
申請時に公表を可としたマンションは、市のページに掲載されます。2026年7月9日更新の一覧では、令和6年度に3件、令和7年度に5件、令和8年度に1件、合計9件が載っています(出典:鎌倉市「認定を受けたマンション」)。約11,000戸の市で9件ですから、まだ取り組む組合は少ないということです。
事前確認の依頼先と費用
| パターン | 依頼先 | 事前確認審査料 |
|---|---|---|
| ① | 事前確認講習を修了したマンション管理士 | 管理組合とマンション管理士が取り決める |
| ② | 管理会社(マンション管理適正評価制度と併せて) | 管理組合と依頼先が取り決める |
| ③ | 日本マンション管理士会連合会(診断サービスと併せて) | 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込) |
| ④ | マンション管理センターへ直接申込 | 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込) |
いずれもシステム利用料1申請あたり10,000円(税込)が別にかかります(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。事前確認は国の基準への適合を確認するものです。市独自の防災の基準は、市への表明保証書で確認される形だと理解しておくとよいでしょう。
有効期間と変更
推進計画では、認定は5年ごとの更新制で、更新しなければ効力を失うとされています。認定内容に変更が出たときは変更認定の申請が必要で、その場合も有効期間は延びません。認定期間中に、市から報告を求められることもあります。
認定の3つの経済効果:税・住宅ローン・債券
1. マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)
長寿命化に役立つ大規模修繕工事を行ったマンションについて、工事の翌年度の建物部分の固定資産税を減額する制度です。国の枠では、減額割合は6分の1から2分の1の範囲で市町村が定め、国の目安は3分の1です(出典:国土交通省「管理計画認定のメリット」(PDF))。
鎌倉市は国の目安どおり「3分の1」です。市のページによる主な内容は次のとおりです(出典:鎌倉市「マンション長寿命化大規模修繕工事に伴う固定資産税の減額について」、ページ更新日2026年8月17日)。
- 工事完了の翌年度分のみ、1戸あたり100平方メートルまでの床面積分の固定資産税を3分の1減額。都市計画税は対象外
- 管理計画認定マンション、または助言・指導を受けたマンションであること
- 新築から20年以上、総戸数10戸以上、併用住宅は2分の1以上が居住用
- 認定マンションは、令和3年9月1日以降に修繕積立金を認定基準まで引き上げていること
- 屋根防水・床防水・外壁塗装等の工事を過去に1回以上行い、2回目以降の工事を令和5年4月1日から令和9年3月31日までに完了していること
- 申告は工事完了から3か月以内に、資産税課(0467-61-3931)へ
- 1棟につき1回のみ。耐震・バリアフリー・省エネ改修の減額とは同時に使えない
注意したいのは窓口が二つに分かれる点です。認定は都市計画課、減額の申告は資産税課です。添付書類には、認定通知書の写し、大規模の修繕等証明書、過去工事証明書、修繕積立金引上証明書がそろいます。
2. 【フラット35】の金利引下げ
管理計画認定マンションの住戸を購入する方が使える住宅ローンの優遇で、当初5年間、年0.25%の引下げです(出典:国土交通省「管理計画認定のメリット」(PDF))。【フラット35】維持保全型には予算金額があり、見込みに達すると受付が終わります(出典:住宅金融支援機構「【フラット35】維持保全型」)。売るときにも、認定済みであることは買い手に選ばれる理由になり得ます。
3. マンションすまい・る債と共用部リフォーム融資
マンションすまい・る債は、管理組合が修繕積立金を運用する債券で、認定マンションは利率が上乗せされます。令和8年度の募集は2026年10月9日で受付が終わっています。次回の募集は住宅金融支援機構の案内でご確認ください。
マンション共用部分リフォーム融資は、国の資料で認定による金利引下げの対象とされています。借入の前に、住宅金融支援機構のマンション共用部分リフォーム融資のページで最新の条件を確認してください。
数字で見る工事費のイメージ
減額は3分の1、1年分です。金額だけを見れば、劇的な額ではないかもしれません。私が理事会でお伝えするのは、「税で下がる分より、工事の組み立てで下がる分のほうが大きいことが多い」という話です。
以前、築35年ほどの海に近いマンションの理事会に呼ばれたことがあります。長期修繕計画が10年以上動いておらず、理事長さまは「積立金は足りているはず」と話されていました。見直しのついでに工法を比べると、10階建てで外周80m、工期3か月ほどの条件で、仮設足場が約168万円、ロープアクセス工法を併用した場合は約59万円、差額は約109万円という試算になりました。建物の形や立地で大きく変わる、あくまで一つの目安です。それでも理事の皆さまの表情が変わった瞬間を、私は今でも覚えています。
総額5,000万円の大規模修繕なら、仮設足場は総工費の15〜25%(750万〜1,250万円)が目安で、外壁塗装は1㎡あたり3,500〜4,500円がレンジです。費用の考え方は大規模修繕の料金の考え方に、管理組合の方向けの内容は管理組合さま向けの大規模修繕サービスにまとめています。
株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法では、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを続けています。通常足場、ロープアクセス、両者を組み合わせたハイブリッド工法の3つから、建物に合う工法をご提案できます。フランチャイズ加盟企業の取り組みはロープアクセスドットコムでも公開しています。
令和9年4月の制度改正にも目を向けておく
国土交通省は、令和9年度から認定基準の見直しを行うと案内しています。改正省令と告示は令和8年7月31日に公布、施行は令和9年4月1日です。自治体への申請日が令和9年4月1日以降になる場合は、見直し後の基準が適用され、経過措置も設けられます(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。
鎌倉市のページには、この改正への言及がありませんでした。令和9年3月までに申請するか、4月以降かで適用される基準が変わり得ます。都市計画課とマンション管理センターに、変更点を確認しておいてください。
鎌倉市での逆算スケジュール(令和8年10月起点)
認定に絞った逆算です。工事まで同時に進める組合は、半年では足りないことが多いです。
| 時期の目安 | やること |
|---|---|
| 令和8年10月 | 理事会で認定の方針を共有。長期修繕計画の作成時期、名簿、会計、防災訓練・備蓄の現状を確認。都市計画課へ手数料と防災書類を電話で確認 |
| 令和8年11月 | 長期修繕計画が7年以内でなければ見直しを依頼。事前確認の依頼先を決める。防災訓練を一度実施し、記録を残す |
| 令和8年12月 | 臨時総会で、認定申請、長期修繕計画と修繕積立金額、必要な規約改正を決議 |
| 令和9年1月 | 議事録をそろえ、事前確認を依頼。表明保証書と防災の書類を準備 |
| 令和9年2〜3月 | 事前確認を終え、手続支援サービスから鎌倉市へ申請。表明保証書を都市計画課へ提出 |
固定資産税の減額を使いたい場合は、令和9年3月31日までに工事を終える必要があります。私はいつも理事長さまに、「期限に合わせて中身を急ぐより、建物の状態を優先しましょう」とお伝えしています。間に合わなくても、認定そのものは住宅ローンや資産価値の面で意味があります。
まとめと、今週動くこと3点
鎌倉市の管理計画認定は、鎌倉市が認定行政庁です。市へ直接は申請できず、マンション管理センターの手続支援サービスを経由します。国の17項目に加えて、市独自の「防災への対策」があり、表明保証書と防災の書類を都市計画課へ出します。固定資産税の減額は3分の1で、令和9年3月31日までの工事完了が条件です。
今週、理事会で動いていただきたいことは次の3点です。
- 長期修繕計画の作成日を確認する(7年以内かどうかが最初の分かれ目です)
- 防災訓練の記録と備蓄品の一覧が手元にあるかを確かめる
- 都市計画課(0467-61-3408)へ、市の手数料の有無と防災の書類の内容を問い合わせる
十月のうちに理事会で数分でもこの話題を出していただければ、年内の総会決議が現実的になります。どこから手をつければよいか迷われたら、ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。明誠へのお問合せフォームからどうぞ。これまでの明誠の施工事例もご覧いただけます。
よくあるご質問
Q. 鎌倉市の管理計画認定にかかる費用はいくらですか?
A. マンション管理センターの手続支援サービスのシステム利用料10,000円(税込)と、事前確認審査料(センター直接申込なら長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込))が目安です。鎌倉市への手数料の有無は市のページに記載がないため、都市計画課へ確認してください。
Q. 鎌倉市に独自の認定基準はありますか?
A. あります。「防災への対策」として、防災訓練の実施や備蓄の有無など、防災に関する取組みを行っていることが求められます。表明保証書に取組みがわかる書類を添えて、都市計画課都市計画担当へ提出します。
Q. 管理組合が鎌倉市に直接申請することはできますか?
A. できません。市のページに「本市へは直接申請できません」と明記されています。マンション管理センターの手続支援サービスを経由して申請します。
Q. 防災訓練をしていないと、認定は受けられませんか?
A. 基準は「防災訓練の実施や、備蓄の有無など」と幅のある書き方です。どの取組みで足りるかは、事前に都市計画課へ確認してください。申請までに訓練を一度行い、記録を残しておくと安心です。
Q. 固定資産税はどれくらい減りますか?
A. 鎌倉市では工事完了の翌年度分のみ、1戸あたり100平方メートルまでの床面積分の固定資産税が3分の1減額されます。都市計画税は対象外です。2回目以降の工事を令和9年3月31日までに完了し、完了から3か月以内に資産税課へ申告することが条件です。
Q. 認定の有効期間はどれくらいですか?
A. 5年ごとの更新制です。更新しなければ効力を失います。認定内容に変更が出た場合は変更認定の申請が必要で、有効期間は延長されません。
Q. 長期修繕計画が古い場合、どうすればよいですか?
A. 作成や見直しが7年以内であることが要件の一つです。専門家に見直しを依頼し、あわせてロープアクセス工法を含めた工法の比較をすると、工事費の見え方が変わる場合があります。明誠では概算のご相談を承っています。
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年10月15日
関連記事(姉妹サイト)
ロープアクセス工法の詳細や実例については、姉妹サイト「ロープアクセスドットコム」の以下の記事もぜひご覧ください。
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本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月15日時点で公表されている鎌倉市および国土交通省・マンション管理センターの公式情報をもとに執筆しています。鎌倉市の管理計画認定制度のページの更新日は2026年9月14日、固定資産税減額のページは2026年8月17日、認定マンション一覧は2026年7月9日です。推進計画は令和6年5月策定、戸数は平成30年時点の推計です。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず鎌倉市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。
出典・参考資料
- 鎌倉市「マンション管理計画認定制度」
- 鎌倉市「マンション管理計画認定制度における認定基準(PDF)」
- 鎌倉市「鎌倉市マンション管理適正化推進計画(令和6年5月策定)(PDF)」
- 鎌倉市「マンション管理計画認定制度における認定を受けたマンション」
- 鎌倉市「マンション長寿命化大規模修繕工事に伴う固定資産税の減額について」
- 公益財団法人マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」
- 国土交通省「マンション管理計画認定制度」
- 国土交通省「マンションの管理計画認定の基準(PDF)」
- 国土交通省「管理計画認定のメリット(PDF)」
- 住宅金融支援機構「【フラット35】維持保全型」
- 住宅金融支援機構「マンション共用部分リフォーム融資」
横須賀市のマンション管理計画認定制度|市の手数料は無料・市独自基準なし・固定資産税2分の1減額と逆算スケジュール【2026年度版】
結論:横須賀市で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか
先に結論です。横須賀市の分譲マンションの管理計画認定は、横須賀市が認定します。窓口は都市部建築指導課です。市への手数料は無料で、市のページには「制度開始から当面の間は徴収しない」と書かれています(出典:横須賀市「マンション管理計画認定制度」、ページ更新日2024年12月6日)。
そして、横須賀市は市独自の認定基準を設けていません。市のマンション管理適正化推進計画に、認定基準は国の定めた基準と同様と明記されています(出典:横須賀市マンション管理適正化推進計画(PDF))。東京都や神奈川県内には上乗せ基準をもつ自治体もありますが、横須賀市は国の基準だけを満たせばよい、ということです。
一方で、気をつけたい点が一つあります。横須賀市では、管理組合が市へ直接申請することはできません。総会決議、マンション管理士による事前確認、手続支援サービスからの認定申請という3ステップを踏む仕組みです。
費用の中身を整理します。
- 横須賀市への認定手数料:無料
- システム利用料:1申請あたり10,000円(税込)
- 事前確認審査料:(公財)マンション管理センターへ直接申し込む場合などは、長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)。マンション管理士や管理会社に直接頼む場合は、管理組合と依頼先の取り決め
センター直接申込の場合、目安は合計2万円ほどです(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。長期修繕計画の見直しや規約改正を専門家に頼む費用は別にかかります。
認定を受けると、固定資産税の減額、【フラット35】の金利引下げ、マンションすまい・る債の利率上乗せといった優遇の入口に立てます。横須賀市の固定資産税の減額割合は、国の枠で最大の「2分の1」です。ただし、2回目以降の長寿命化工事を令和9年3月31日までに終えることが条件です。
私は東京都東大和市で会社を構え、首都圏の大規模修繕に20年以上関わってきました。海と丘の街、横須賀の理事長さま、理事の皆さまが、読んだその日に理事会で動けるよう、認定主体、17要件、申請ルート、経済効果、逆算スケジュールの順に整理します。
認定主体はどこか:横須賀市が自ら認定します
管理計画認定制度は、令和4年4月に始まった国の制度です。管理組合が作った管理計画を審査して認定する役所を「認定行政庁」(認定の事務を担う自治体のこと)と呼びます。横須賀市のページでは、認定主体は横須賀市と整理されています。県ではなく、市が窓口です。
窓口は、都市部建築指導課(小川町11番地、分館4階)です。ここで一点、お伝えしておきます。私が確認した市のページには、電話番号が二つ載っていました。認定制度のページには046-822-8077、マンション関連施策のページには046-822-9530です。どちらも同じ課の案内ですが、つながり方が違う可能性があります。迷ったら、市代表の046-822-4000(開庁時間は平日8時30分から17時)経由でも確認できます(出典:横須賀市「マンション関連施策」、更新日2026年6月2日)。
横須賀市のマンションの実情は、推進計画に数字が出ています。2018年の住宅・土地統計調査をもとにした推計で、分譲マンションは約30,347戸です。市の令和5年(2023年)の調査では、回答のあった259管理組合、468棟のうち、築40年を超える棟が206棟(44.0%)でした。今後10年で、その割合は約68.4%に達すると推計されています(出典:横須賀市マンション管理適正化推進計画(PDF))。市全体の棟数は、計画に載っていません。回答のあった棟の数字だけです。
築40年超が4割を超えるまち。長期修繕計画と修繕積立金の見直しは、横須賀市の多くの管理組合にとって待ったなしの課題だと、私は感じています。
認定17要件:理事会が確認しやすい順に整理する
認定の基準は、国が5つの分野に17項目で定めています。管理組合の運営、管理規約、管理組合の経理、長期修繕計画の作成及び見直し等、その他の5分野です(出典:国土交通省「マンションの管理計画認定の基準」(PDF))。横須賀市は上乗せをしていませんので、この17項目が全部です。
管理組合の運営・管理規約・経理
管理者等(理事長など)と監事が選任され、総会が年1回以上開かれていることが基本です。規約には、災害時などに専有部分へ立ち入れる定め、修繕履歴の管理、財務・管理情報の書面交付の定めが要ります。経理は、管理費と修繕積立金を区分していること、修繕積立金を他の会計へ流用していないこと、3か月以上の滞納が直前の事業年度末で全体の1割以内であることが条件です。
議事録が薄い、書面決議が続いているという組合は、まず議事録の残し方から整えるのが近道です。私はいつもそうお伝えしています。
長期修繕計画の作成及び見直し等
ここがいちばん手間のかかる分野で、6項目あります。
- 国の標準様式に準拠した長期修繕計画と、それに基づく修繕積立金の額が、総会で決議されていること
- 計画の作成または見直しが7年以内であること
- 計画期間が30年以上で、残りの期間に大規模修繕工事が2回以上含まれること
- 将来の一時金の徴収を予定していないこと
- 修繕積立金の平均額が、著しく低額でないこと
- 計画期間の最終年度に、借入金の残高がないこと
その他
組合員名簿と居住者名簿を備え、年1回以上確認していること、そして「地方公共団体のマンション管理適正化指針に照らして適切であること」です。
現場で見る「計画の古さ」と足場費の考え方
認定の準備が止まる一番の理由は、長期修繕計画が古いことです。10年以上前の計画のまま、資材費や人件費の上昇を織り込んでいない組合は少なくありません。築40年を超える建物なら、なおさらです。
以前、築35年ほどで、坂の途中に建つマンションの理事会に呼ばれたときのことです。長期修繕計画の数字が長く動いておらず、理事長さまは「積立金は足りているはず」と話されていました。見直しのついでに工法を比べたところ、10階建てで外周80m、工期3か月ほどという条件の試算で、仮設足場が約168万円、ロープアクセス工法を併用した場合は約59万円、差額は約109万円でした。建物の形や立地で大きく変わりますので、あくまで一つの目安です。それでも、理事の皆さまの表情が変わった瞬間を、私は今でも覚えています。
足場を組む工法と、足場を使わないロープアクセス工法の違いは、明誠のロープアクセス工法の詳細ページで整理しています。作業員はメインロープとバックアップロープの2本に接続し、2点以上の吊元を確保して、安全を二重に守りながら作業します。大規模修繕の進め方は大規模修繕工事の安全管理と進め方に、技術や訓練の詳細は姉妹サイトのロープアクセスドットコムにまとめています。
独自基準の有無と実務への影響:横須賀市は「国の基準のみ」です
神奈川県内では、川崎市のように、管理組合の登録を条件にしている市があります。横須賀市はそうではありません。推進計画の中で、認定基準は国と同様、助言・指導の基準も同様と整理されています。
この「独自基準なし」は、実務上、次の三つの意味をもちます。
- 上乗せ書類が少ない。登録手続きなどを別に済ませる必要がありません
- 事前確認の範囲と市の審査の範囲が一致する。センターの案内では、事前確認は国の認定基準への適合が対象で、地方公共団体の独自基準は対象外です
- 他市の記事や解説と比べるとき、国の17項目の理解がそのまま使える
ただし、「市のページが書いていない」と「ルールがない」は違います。市のページの更新日は2024年12月6日で、前年度以前のものです。推進計画(令和6年3月策定、計画期間は令和6年度から令和11年度)の記述と合わせて確認しましたが、申請の前には、都市部建築指導課へ最新の運用を電話で確認してください。標準処理期間や有効期間は、市のページに記載がありませんでした。国の制度では認定の有効期間は5年間で、満了までに更新申請をします。
手数料と申請ルート:市へ直接は出せません。事前確認から始めます
横須賀市の標準ルート
市のページによると、流れは「総会決議」「事前確認」「認定申請」の3ステップです(出典:横須賀市「マンション管理計画認定制度」)。
- 認定基準のセルフチェックを行う
- 総会で、管理計画認定の申請を決議する
- マンション管理士による事前確認を受け、適合すれば「事前確認適合証」を受け取る
- マンション管理センターの手続支援サービスから、横須賀市へ認定申請する
- 市が審査し、適合すれば認定される。認定されたマンションは、市の「認定マンション一覧」で公表される
認定にかかる期間は、市のページに記載がありません。事前確認と市の審査を合わせて、少なくとも2〜3か月は見ておくのが現実的だと私は考えています。
事前確認の依頼先と費用
マンション管理センターの案内では、申請の経路が次のように整理されています(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。
| パターン | 依頼先 | 事前確認審査料 |
|---|---|---|
| ① | 事前確認講習を修了したマンション管理士 | 管理組合とマンション管理士が取り決める |
| ② | 管理会社(マンション管理適正評価制度と併せて) | 管理組合と依頼先が取り決める |
| ③ | 日本マンション管理士会連合会(診断サービスと併せて) | 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込) |
| ④ | マンション管理センターへ直接申込 | 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込) |
| ⑤ | 地方公共団体に直接申請 | 事前確認なし |
横須賀市のページが案内しているのは、①から④です。⑤の直接申請は、市のページに「市に直接申請することはできません」と明記されています。システム利用料は1申請あたり10,000円(税込)です。地方公共団体が手数料を定めている場合は別途かかりますが、横須賀市は無料としています。
市の無料相談を使う手もあります
横須賀市は、NPO法人よこすかマンション管理組合ネットワークと連携し、予約制・無料のマンション相談会を毎月1回、ヴェルクよこすか(勤労福祉会館)で開いています。令和8年度の日程は、10月24日、11月28日、12月26日、令和9年1月23日、2月27日、3月27日です(いずれも土曜日、13時30分から16時30分)。予約はNPO(電話046-824-8133、10時から16時、水・土・日・祝は除く)です(出典:横須賀市「マンション関連施策」)。理事会の初動に使いやすい窓口です。
認定の3つの経済効果:税・住宅ローン・債券
1. マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)
長寿命化に役立つ大規模修繕工事を行ったマンションについて、工事の翌年度の建物部分の固定資産税を減額する制度です。国の制度では、減額割合は6分の1から2分の1の範囲で市町村が定め、参酌基準(国の目安)は3分の1です(出典:国土交通省「管理計画認定のメリット」(PDF)、令和8年4月1日現在)。
横須賀市は、この割合を最大の「2分の1」としています。市のページ(更新日2026年8月4日)による主な内容は次のとおりです(出典:横須賀市「マンション長寿命化促進税制」)。
- 固定資産税額の2分の1を減額。都市計画税は対象外
- 管理計画認定マンションで、居住用専有部分があること
- 新築から20年以上、総戸数10戸以上
- 過去に長寿命化工事(外壁塗装等、床防水、屋根防水のすべて)を1回以上実施していること
- 令和5年4月1日から令和9年3月31日までに、2回目以降の長寿命化工事を完了していること
- 令和3年9月1日以降に、修繕積立金の平均額を認定基準以上に引き上げていること
- 申告は、工事完了から3か月以内。申告先は税務部資産税課家屋担当(電話046-822-8198)
押さえたいのは期限です。令和9年3月31日の工事完了が前提ですので、これから設計から施工へ進めるのは日程に余裕がありません。認定は都市部建築指導課、減額の申告は資産税課と、窓口が分かれる点にも注意が必要です。条件の細部は、築年数や過去の工事内容で変わりますので、資産税課への事前相談をおすすめします。
2. 【フラット35】の金利引下げ
管理計画認定マンションの住戸を購入する方が使える住宅ローンの優遇で、当初5年間、年0.25%の引下げです。【フラット35】維持保全型には予算金額があり、見込みに達すると受付が終わります(出典:【フラット35】維持保全型)。売る側にとっても、認定済みであることは、買い手に選ばれる理由になり得ます。
3. マンションすまい・る債と共用部リフォーム融資
マンションすまい・る債は、管理組合が修繕積立金を運用する債券で、認定マンションは利率が上乗せされます。国土交通省の資料では、認定マンションは年2.10%、認定なしは年2.00%の例が示され、購入申込期間は2026年4月13日から10月9日までです。本記事の公開日の10月14日には、今回の募集は終わっています。次回以降の募集は、住宅金融支援機構の案内でご確認ください。
マンション共用部分リフォーム融資は、国土交通省の資料で、金利が全期間年0.20%引き下げられるとされています。借入の前に、住宅金融支援機構のマンション共用部分リフォーム融資のページや窓口で、最新の条件と、認定マンションへの適用の有無を確認してください。
数字で見る経済効果のイメージ
仮に総額5,000万円の大規模修繕なら、仮設足場は総工費の15〜25%(750万〜1,250万円)が目安で、外壁塗装は1㎡あたり3,500〜4,500円がレンジです。物件ごとに大きく変わります。工法で足場の比率を下げ、制度で税を下げる。私はこれを「二段構え」と呼んでいます。
株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法では、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを続けています。通常足場、ロープアクセス、両者を組み合わせたハイブリッド工法の3つから、建物に合う工法をご提案できます。
費用の考え方は大規模修繕の料金の考え方に、管理組合の方向けの内容は管理組合さま向けの大規模修繕サービスにまとめています。フランチャイズ加盟企業の取り組みは、ロープアクセスドットコムでも公開しています。
令和9年4月の制度改正にも目を向けておく
国土交通省のページでは、令和9年度から、分譲事業者が管理計画認定を申請できる仕組みが整うと案内されています。改正省令と告示は令和8年7月31日に公布、施行は令和9年4月1日です。地方公共団体への申請日が令和9年4月1日以降になる場合は、見直し後の認定基準が適用され、経過措置も設けられます(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。
横須賀市のページには、この改正への言及がありませんでした。令和9年3月までに申請するか、4月以降かで適用される基準が変わり得ます。都市部建築指導課とマンション管理センターに、変更点を確認しておいてください。
逆算スケジュール(令和8年10月起点)
認定に絞った逆算です。工事まで同時に進める組合は、半年では足りないことが多いです。
| 時期の目安 | やること |
|---|---|
| 令和8年10月 | 理事会で認定の方針を共有。10月24日の市の無料相談会(要予約)の枠を確保。長期修繕計画の作成時期と、規約・名簿・会計の現状を確認 |
| 令和8年11月 | 長期修繕計画が7年以内でなければ見直しを依頼。事前確認の依頼先(表の①〜④)を決め、費用を見積もる |
| 令和8年12月 | 臨時総会で、認定申請、長期修繕計画と修繕積立金額、必要な規約改正を決議 |
| 令和9年1月 | 議事録などをそろえ、事前確認を依頼 |
| 令和9年2〜3月 | 事前確認適合証を取得し、手続支援サービスから横須賀市へ申請 |
固定資産税の減額を使いたい場合は、令和9年3月31日までに工事を終える必要があります。私はいつも理事長さまに、「期限に合わせて中身を急ぐより、建物の状態を優先しましょう」とお伝えしています。期限に間に合わなくても、認定そのものは住宅ローンや資産価値の面で意味があります。
まとめと、今週動くこと3点
横須賀市の管理計画認定は、横須賀市が認定行政庁で、市の手数料は無料、市独自の基準はなく、国の17項目を満たせば足ります。市へ直接は申請できず、マンション管理士による事前確認を経て、手続支援サービスから申請する形です。費用の中心は、システム利用料10,000円と事前確認審査料です。固定資産税の減額は2分の1ですが、令和9年3月31日までの工事完了が条件です。
今週、理事会で動いていただきたいことは次の3点です。
- 長期修繕計画の作成日を確認する(7年以内かどうかが最初の分かれ目です)
- 10月24日(土)の市の無料マンション相談会の予約を、NPOよこすかマンション管理組合ネットワーク(046-824-8133)へ入れる
- 固定資産税の減額が気になる場合は、資産税課家屋担当(046-822-8198)へ、自分の建物が条件に当てはまるか確認する
十月のうちに理事会で数分でもこの話題を出していただければ、年内の総会決議が現実的になります。令和9年3月が一つの分かれ目です。どこから手をつければよいか迷われたら、ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。明誠へのお問合せフォームからどうぞ。これまでの明誠の施工事例もご覧いただけます。
よくあるご質問
Q. 横須賀市の管理計画認定に、市へ払う手数料はいくらですか?
A. 横須賀市への認定手数料は無料です。ただし、手続支援システムの利用料10,000円(税込)と、事前確認審査料(センター直接申込なら長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込))は別にかかります。
Q. 横須賀市に独自の認定基準はありますか?
A. ありません。市のマンション管理適正化推進計画で、認定基準は国の定めた基準と同様とされています。国の17項目を満たせば足ります。
Q. 管理組合が横須賀市に直接申請することはできますか?
A. できません。市のページに「市に直接申請することはできません」と明記されています。総会決議、マンション管理士による事前確認、手続支援サービスからの認定申請の順に進みます。
Q. 事前確認は誰に頼めばよいですか?
A. 事前確認講習を修了したマンション管理士、管理会社、日本マンション管理士会連合会、マンション管理センターへの直接申込のいずれかです。費用は、連合会とセンターなら長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)、それ以外は依頼先との取り決めです。
Q. 固定資産税はどれくらい減りますか?
A. 横須賀市では固定資産税額の2分の1です。都市計画税は対象外です。新築から20年以上、総戸数10戸以上、過去に長寿命化工事を1回以上実施し、2回目以降の工事を令和9年3月31日までに完了していることなどが条件で、申告は工事完了から3か月以内に資産税課へ行います。
Q. 認定までにどれくらいかかりますか?
A. 市のページには標準処理期間の記載がありません。事前確認と市の審査を合わせて、2〜3か月は見ておくと安心です。国の制度では、認定の有効期間は5年間です。
Q. 長期修繕計画が古い場合、どうすればよいですか?
A. 作成や見直しが7年以内であることが要件の一つです。専門家に見直しを依頼し、あわせてロープアクセス工法を含めた工法の比較をすると、工事費の見え方が変わる場合があります。明誠では概算のご相談を承っています。
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年10月14日
関連記事(姉妹サイト)
ロープアクセス工法の詳細や実例については、姉妹サイト「ロープアクセスドットコム」の以下の記事もぜひご覧ください。
本間社長の著書のご案内
『大規模修繕工事 職人だから言える本当の話 —— 見積書では見えない業界の裏側と、修繕積立金を守る発注術』(Kindle版)を出版しています。20年以上の現場経験から、管理組合・オーナーが修繕積立金を守るための発注術と、業界の内幕を書き下ろしました。
本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月14日時点で公表されている横須賀市および国土交通省・マンション管理センターの公式情報をもとに執筆しています。横須賀市の管理計画認定制度のページの更新日は2024年12月6日で、前年度以前のものです。そのため、同じ市の「マンション関連施策」ページ(更新日2026年6月2日)、推進計画(令和6年3月策定)、固定資産税減額のページ(更新日2026年8月4日)と照らし合わせて記載しました。市の窓口の電話番号など、ページにより異なる記載があります。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず横須賀市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。
出典・参考資料
- 横須賀市「マンション管理計画認定制度」
- 横須賀市「マンション関連施策」
- 横須賀市「横須賀市マンション管理適正化推進計画(PDF)」
- 横須賀市「マンション長寿命化促進税制」
- 公益財団法人マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」
- 国土交通省「マンション管理計画認定制度」
- 国土交通省「マンションの管理計画認定の基準(PDF)」
- 国土交通省「管理計画認定のメリット(PDF)」
- 住宅金融支援機構「【フラット35】維持保全型」
- 住宅金融支援機構「マンション共用部分リフォーム融資」
平塚市のマンション管理計画認定制度|市の手数料は不要・市独自基準なし・固定資産税2分の1減額と逆算スケジュール【2026年度版】
結論:平塚市で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか
先に結論です。平塚市の分譲マンションの管理計画認定は、平塚市が認定します。窓口は建築指導課です。マンション管理センターの手続支援サービスを通じて申請する場合、市への手数料はかかりません(出典:平塚市「マンション管理計画認定制度、助言・指導について」、ページ更新日2026年5月18日)。
また、平塚市は市独自の認定基準を設けていません。市のマンション管理適正化指針は「国の指針と同様の内容」とされています(出典:平塚市空家等対策計画(令和5年3月改定))。国の基準を満たせば足りる、ということです。
ただし、管理組合が市へ直接申請することはできません。マンション管理士による事前確認を受け、同じ手続支援サービスを経由して市へ申請する流れです。
実際にかかる費用を整理します。
- 平塚市への認定手数料:サービス経由の申請ではかからない
- システム利用料:1申請あたり10,000円(税込)
- 事前確認審査料:マンション管理センターへ直接申し込む場合は、長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)。マンション管理士や管理会社に直接頼む場合は、管理組合と依頼先の取り決め
センター直接申込なら、目安は合計2万円ほどです(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。長期修繕計画の見直しや規約改正を専門家に頼む費用は、別にかかります。
認定を取ると、固定資産税の減額、【フラット35】の金利引下げ、マンションすまい・る債の利率上乗せといった優遇の入口に立てます。平塚市の固定資産税の減額割合は、国の枠で最大の「2分の1」です。ただし、2回目以降の長寿命化工事を令和9年3月31日までに終えることが条件になります。
私は東京都東大和市で会社を構え、首都圏のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕に20年以上関わってきました。湘南の海風を受ける平塚市の理事長さま、理事の皆さまが、読んだその日に理事会で動けるよう、認定主体、17要件、申請ルート、経済効果、逆算スケジュールの順に整理します。
認定主体はどこか:平塚市が自ら認定します
管理計画認定制度は、令和4年4月に始まった国の制度です。管理組合が作った管理計画を審査して認定する役所を「認定行政庁」(認定の事務を担う自治体のこと)と呼びます。平塚市では、令和5年4月に制度を創設し、マンション管理適正化推進計画を「平塚市空家等対策計画」に位置づけています。県ではなく、市が窓口です。
窓口は建築指導課(浅間町9番1号、本館6階)で、建築指導担当の直通電話は0463-21-9731です。制度の一般的な相談先として、日本マンション管理士会連合会の相談ダイヤル(03-5801-0858、月〜土の10時から17時)も案内されています。
平塚市のマンションの実情は、空家等対策計画に数字が出ています。平成30年(2018年)時点の推計で、市内のマンションは約16,100戸、うち築40年以上が約3,200戸です。計画では、築40年以上の戸数が10年後に約7,600戸(約2.4倍)、20年後に約11,100戸(約3.5倍)になると推計されています(出典:平塚市空家等対策計画(令和5年3月改定))。この数字は住宅・土地統計調査をもとにした推計で、棟数や管理組合へのアンケート結果は計画に載っていません。
20年で築古マンションが3.5倍に増えていく計算です。長期修繕計画と修繕積立金の見直しは、平塚市の多くの管理組合にとって先送りできない課題だと、私は感じています。なお、計画期間は令和5年度から令和9年度までの5か年です。
認定17要件:理事会が確認しやすい順に整理する
認定の基準は、国が5つの分野に17項目で定めています。管理組合の運営、管理規約、管理組合の経理、長期修繕計画の作成及び見直し等、その他の5分野です(出典:国土交通省「マンションの管理計画認定の基準」(PDF))。平塚市は上乗せをしていませんので、この17項目が全部です。
管理組合の運営・管理規約・経理
管理者等(理事長など)と監事が選任され、総会が年1回以上開かれていることが基本です。規約には、災害時などに専有部分へ立ち入れる定め、修繕履歴の管理、財務・管理情報の書面交付の定めが要ります。経理は、管理費と修繕積立金を区分していること、修繕積立金を他の会計へ流用していないこと、3か月以上の滞納が直前の事業年度末で全体の1割以内であることが条件です。
議事録が薄い、書面決議が続いているという組合は、議事録の残し方から整えるのが近道です。私はいつも、そうお伝えしています。
長期修繕計画の作成及び見直し等
ここがいちばん手間のかかる分野で、6項目あります。
- 国の標準様式に準拠した長期修繕計画と、それに基づく修繕積立金の額が、総会で決議されていること
- 計画の作成または見直しが7年以内であること
- 計画期間が30年以上で、残りの期間に大規模修繕工事が2回以上含まれること
- 将来の一時金の徴収を予定していないこと
- 修繕積立金の平均額が、著しく低額でないこと
- 計画期間の最終年度に、借入金の残高がないこと
その他
組合員名簿と居住者名簿を備え、年1回以上確認していること、そして「地方公共団体のマンション管理適正化指針に照らして適切であること」です。平塚市の指針は国と同様の内容ですので、ここで追加の宿題は出ません。
現場で見る「計画の古さ」と足場費の考え方
認定の準備が止まる一番の理由は、長期修繕計画が古いことです。10年以上前の計画のまま、資材費や人件費の上昇を織り込んでいない組合は少なくありません。海に近いエリアでは、潮風による外壁や金物の傷みが早く、築年数の割に劣化が進んでいる建物にも出会います。
以前、築35年ほどの海寄りのマンションの理事会に呼ばれたときのことです。長期修繕計画の数字が長く動いておらず、理事長さまは「積立金は足りているはず」と話されていました。見直しのついでに工法を比べたところ、10階建てで外周80m、工期3か月ほどという条件の試算で、仮設足場が約168万円、ロープアクセス工法を併用した場合は約59万円、差額は約109万円でした。建物の形や立地で大きく変わりますので、あくまで一つの目安です。それでも、理事の皆さまの表情が変わった瞬間を、私は今でも覚えています。
足場を組む工法と、足場を使わないロープアクセス工法の違いは、明誠のロープアクセス工法の詳細ページで整理しています。作業員はメインロープとバックアップロープの2本に接続し、2点以上の吊元を確保して、安全を二重に守りながら作業します。大規模修繕の進め方は大規模修繕工事の安全管理と進め方に、技術や訓練の詳細は姉妹サイトのロープアクセスドットコムにまとめています。
独自基準の有無と実務への影響:平塚市は「国の基準のみ」です
神奈川県内では、川崎市のように、管理組合の登録を条件にしている市があります。平塚市はそうではありません。市のページには、市独自の基準である旨の記載がなく、空家等対策計画では、指針は国と同様の内容とされています。
ただし、計画には「実態調査等を踏まえ、本市の地域性に応じたマンション管理の基準の作成を検討します」という趣旨の記述もあります。今は国の基準のみですが、将来、市独自の基準が加わる可能性は残っています。この「独自基準なし」は、実務上、次の三つの意味をもちます。
- 上乗せ書類が少ない。登録手続きなどを別に済ませる必要がありません
- 事前確認の範囲と市の審査の範囲が一致する。センターの案内では、事前確認は国の認定基準への適合が対象です
- 他市の記事や解説と比べるとき、国の17項目の理解がそのまま使える
ここで一点、お断りしておきます。市のページには、標準処理期間と認定の有効期間の記載がありませんでした。国の制度では認定の有効期間は5年間で、満了までに更新申請をします。申請の前には、建築指導課へ最新の運用を電話で確認してください。
手数料と申請ルート:市へ直接は出せません。事前確認から始めます
平塚市の標準ルート
市のページによると、流れは次のとおりです(出典:平塚市「マンション管理計画認定制度、助言・指導について」)。
- 認定基準のセルフチェックを行う
- 総会で、管理計画認定の申請を決議する(総会決議がないと事前確認を受けられません)
- マンション管理センターの手続支援サービスで、マンション管理士による事前確認を受ける
- 同サービスを経由して、平塚市へ認定申請する
- 市が審査し、適合すれば認定される
申請時に公表へ同意したマンションは、マンション名、所在地、認定コードが、マンション管理センターの閲覧サイトと市のWebサイトに掲載されます。認定にかかる期間は、市のページに記載がありません。事前確認と市の審査を合わせて、少なくとも2〜3か月は見ておくのが現実的だと、私は考えています。
事前確認の依頼先と費用
マンション管理センターの案内では、申請の経路が次のように整理されています(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。
| パターン | 依頼先 | 事前確認審査料 |
|---|---|---|
| ① | 事前確認講習を修了したマンション管理士 | 管理組合とマンション管理士が取り決める |
| ② | 管理会社(マンション管理適正評価制度と併せて) | 管理組合と依頼先が取り決める |
| ③ | 日本マンション管理士会連合会(診断サービスと併せて) | 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込) |
| ④ | マンション管理センターへ直接申込 | 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込) |
| ⑤ | 地方公共団体に直接申請 | 事前確認なし |
平塚市のページが案内しているのは、センターの手続支援サービス経由の申請です。⑤の直接申請は、市のページに「市へ直接申請することはできません」と明記されています。システム利用料は1申請あたり10,000円(税込)です。地方公共団体が手数料を定めている場合は別途かかりますが、サービス経由で申請する場合、平塚市は手数料をかけていません。
「助言・指導」という、もう一つの入口
平塚市のページには、認定とは別に「助言・指導」の案内があります。市から管理状況について助言・指導を受け、長期修繕計画の作成や見直しなどを行ったうえで、一定の要件を満たせば、固定資産税の優遇を受けられるという仕組みです。認定の要件がすぐには整わない組合にとって、現実的な選択肢になり得ます。どちらの入口が合うかは、建築指導課への相談で見極めてください。
認定の3つの経済効果:税・住宅ローン・債券
1. マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)
長寿命化に役立つ大規模修繕工事を行ったマンションについて、工事の翌年度の建物部分の固定資産税を減額する制度です。国の制度では、減額割合は6分の1から2分の1の範囲で市町村が定め、参酌基準(国の目安)は3分の1です(出典:国土交通省「管理計画認定のメリット」(PDF)、令和8年4月1日現在)。
平塚市は、この割合を最大の「2分の1」としています。市のページによる主な内容は次のとおりです(出典:平塚市「マンション長寿命化促進税制」)。
- 工事完了の翌年度分の建物の固定資産税を、1年間2分の1減額。都市計画税は対象外
- 減額の上限は、1戸あたり100平方メートル(共用部分を含む)まで
- 新築から20年以上、総戸数10戸以上、専有部分の床面積の2分の1以上が居住用
- 平塚市の管理計画認定、または助言・指導の手続きが、建築指導課で完了していること
- 屋根防水、床防水、外壁塗装等の長寿命化工事を過去に1回以上実施し、令和5年4月1日から令和9年3月31日までに、2回目以降の工事を完了していること
- 工事完了日の翌年1月1日までに、管理計画の認定を取得すること
- 申告は、工事完了から3か月以内。申告先は固定資産税課(家屋担当は0463-21-8768)
- 1つのマンションにつき減額は1度のみ。耐震・バリアフリー・省エネ改修の減額とは重複しない
押さえたいのは期限です。令和9年3月31日の工事完了が前提ですので、これから設計から施工へ進めるには、日程に余裕がありません。認定は建築指導課、減額の申告は固定資産税課と、窓口が分かれる点にも注意が必要です。申告には、認定通知書の写しや修繕積立金引上証明書などの書類がそろいます。築年数や過去の工事内容で当てはまるかが変わりますので、固定資産税課への事前相談をおすすめします。
2. 【フラット35】の金利引下げ
管理計画認定マンションの住戸を購入する方が使える住宅ローンの優遇で、当初5年間、年0.25%の引下げです(出典:国土交通省「管理計画認定のメリット」(PDF))。【フラット35】維持保全型には予算金額があり、見込みに達すると受付が終わります(出典:【フラット35】維持保全型)。売る側にとっても、認定済みであることは、買い手に選ばれる理由になり得ます。
3. マンションすまい・る債と共用部リフォーム融資
マンションすまい・る債は、管理組合が修繕積立金を運用する債券で、認定マンションは利率が上乗せされます。国土交通省の資料では、10年満期の年平均利率(税引前)が認定マンション年2.1%、未認定年2.0%の例が示され、応募受付期間は2026年4月13日から10月9日までです。本記事の公開日の10月14日には、今回の募集は終わっています。次回以降の募集は、住宅金融支援機構の案内でご確認ください。
マンション共用部分リフォーム融資は、国土交通省の資料で、管理計画認定により金利引下げを受けられるとされています。引下げ幅は資料に記載がなく、住宅金融支援機構のページでも、認定との関係は確認できませんでした。借入の前に、住宅金融支援機構のマンション共用部分リフォーム融資のページや窓口で、最新の条件を確認してください。
数字で見る経済効果のイメージ
仮に総額5,000万円の大規模修繕なら、仮設足場は総工費の15〜25%(750万〜1,250万円)が目安で、外壁塗装は1㎡あたり3,500〜4,500円がレンジです。物件ごとに大きく変わります。工法で足場の比率を下げ、制度で税を下げる。私はこれを「二段構え」と呼んでいます。
株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法では、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを続けています。通常足場、ロープアクセス、両者を組み合わせたハイブリッド工法の3つから、建物に合う工法をご提案できます。
費用の考え方は大規模修繕の料金の考え方に、管理組合の方向けの内容は管理組合さま向けの大規模修繕サービスにまとめています。フランチャイズ加盟企業の取り組みは、ロープアクセスドットコムでも公開しています。
令和9年4月の制度改正にも目を向けておく
国土交通省のページでは、令和9年度から、分譲事業者が分譲時に管理計画認定を申請できるようになると案内されています。改正省令と告示は令和8年7月31日に公布、施行は令和9年4月1日です。地方公共団体への申請日が令和9年4月1日以降になる場合は、見直し後の認定基準が適用され、経過措置も設けられます(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。
平塚市のページには、この改正への言及がありませんでした。令和9年3月までに申請するか、4月以降かで適用される基準が変わり得ます。建築指導課とマンション管理センターに、変更点を確認しておいてください。
逆算スケジュール(令和8年10月起点)
認定に絞った逆算です。工事まで同時に進める組合は、半年では足りないことが多いです。
| 時期の目安 | やること |
|---|---|
| 令和8年10月 | 理事会で認定の方針を共有。長期修繕計画の作成時期と、規約・名簿・会計の現状を確認。建築指導課へ運用を電話で確認 |
| 令和8年11月 | 長期修繕計画が7年以内でなければ見直しを依頼。事前確認の依頼先(表の①〜④)を決め、費用を見積もる |
| 令和8年12月 | 臨時総会で、認定申請、長期修繕計画と修繕積立金額、必要な規約改正を決議 |
| 令和9年1月 | 議事録などをそろえ、事前確認を依頼 |
| 令和9年2〜3月 | 事前確認を終え、手続支援サービスから平塚市へ申請 |
固定資産税の減額を使いたい場合は、令和9年3月31日までに工事を終える必要があります。私はいつも理事長さまに、「期限に合わせて中身を急ぐより、建物の状態を優先しましょう」とお伝えしています。期限に間に合わなくても、認定そのものは住宅ローンや資産価値の面で意味があります。
まとめと、今週動くこと3点
平塚市の管理計画認定は、平塚市が認定行政庁で、サービス経由なら市の手数料は不要、市独自の基準はなく、国の17項目を満たせば足ります。市へ直接は申請できず、マンション管理士による事前確認を経て、手続支援サービスから申請する形です。費用の中心は、システム利用料10,000円と事前確認審査料です。固定資産税の減額は2分の1ですが、令和9年3月31日までの工事完了が条件です。
今週、理事会で動いていただきたいことは次の3点です。
- 長期修繕計画の作成日を確認する(7年以内かどうかが最初の分かれ目です)
- 建築指導課(0463-21-9731)へ、認定と助言・指導のどちらが自分のマンションに合うかを問い合わせる
- 固定資産税の減額が気になる場合は、固定資産税課家屋担当(0463-21-8768)へ、自分の建物が条件に当てはまるか確認する
十月のうちに理事会で数分でもこの話題を出していただければ、年内の総会決議が現実的になります。令和9年3月が一つの分かれ目です。どこから手をつければよいか迷われたら、ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。明誠へのお問合せフォームからどうぞ。これまでの明誠の施工事例もご覧いただけます。
よくあるご質問
Q. 平塚市の管理計画認定に、市へ払う手数料はいくらですか?
A. 手続支援サービス経由で申請する場合、平塚市への手数料はかかりません。ただし、システム利用料10,000円(税込)と、事前確認審査料(センター直接申込なら長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込))は別にかかります。
Q. 平塚市に独自の認定基準はありますか?
A. 現時点ではありません。市のマンション管理適正化指針は国の指針と同様の内容とされており、国の17項目を満たせば足ります。ただし、市は地域性に応じた基準の作成を検討するとしています。
Q. 管理組合が平塚市に直接申請することはできますか?
A. できません。市のページに「市へ直接申請することはできません」と明記されています。総会決議、マンション管理士による事前確認、手続支援サービス経由の認定申請の順に進みます。
Q. 事前確認は誰に頼めばよいですか?
A. 事前確認講習を修了したマンション管理士、管理会社、日本マンション管理士会連合会、マンション管理センターへの直接申込のいずれかです。費用は、連合会とセンターなら長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)、それ以外は依頼先との取り決めです。
Q. 固定資産税はどれくらい減りますか?
A. 平塚市では工事完了の翌年度の建物分が1年間、2分の1減額されます。1戸あたり100平方メートルまでが上限で、都市計画税は対象外です。新築から20年以上、総戸数10戸以上、2回目以降の工事を令和9年3月31日までに完了していることなどが条件で、申告は工事完了から3か月以内に固定資産税課へ行います。
Q. 認定ではなく「助言・指導」でも固定資産税の優遇は受けられますか?
A. 平塚市の案内では、市から助言・指導を受けて長期修繕計画の作成や見直しなどを行い、一定の要件を満たせば、固定資産税の優遇を受けられます。認定と助言・指導で申告に必要な書類が異なりますので、建築指導課と固定資産税課に確認してください。
Q. 認定までにどれくらいかかりますか?
A. 市のページには標準処理期間の記載がありません。事前確認と市の審査を合わせて、2〜3か月は見ておくと安心です。国の制度では、認定の有効期間は5年間です。
Q. 長期修繕計画が古い場合、どうすればよいですか?
A. 作成や見直しが7年以内であることが要件の一つです。専門家に見直しを依頼し、あわせてロープアクセス工法を含めた工法の比較をすると、工事費の見え方が変わる場合があります。明誠では概算のご相談を承っています。
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年10月14日
関連記事(姉妹サイト)
ロープアクセス工法の詳細や実例については、姉妹サイト「ロープアクセスドットコム」の以下の記事もぜひご覧ください。
本間社長の著書のご案内
『大規模修繕工事 職人だから言える本当の話 —— 見積書では見えない業界の裏側と、修繕積立金を守る発注術』(Kindle版)を出版しています。20年以上の現場経験から、管理組合・オーナーが修繕積立金を守るための発注術と、業界の内幕を書き下ろしました。
本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月14日時点で公表されている平塚市および国土交通省・マンション管理センターの公式情報をもとに執筆しています。平塚市の管理計画認定制度のページの更新日は2026年5月18日です。固定資産税減額のページには更新日の記載がなく、空家等対策計画は令和5年3月改定、戸数の数字は平成30年時点の推計です。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず平塚市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。
出典・参考資料
- 平塚市「マンション管理計画認定制度、助言・指導について」
- 平塚市「マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)」
- 平塚市「平塚市空家等対策計画(令和5年3月改定)」
- 公益財団法人マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」
- 国土交通省「マンション管理計画認定制度」
- 国土交通省「マンションの管理計画認定の基準(PDF)」
- 国土交通省「管理計画認定のメリット(PDF)」
- 住宅金融支援機構「【フラット35】維持保全型」
- 住宅金融支援機構「マンション共用部分リフォーム融資」
相模原市中央区のマンション管理計画認定制度|手数料3,600円・市独自の防災基準・固定資産税2分の1減額と逆算スケジュール【2026年度版】
結論:相模原市中央区で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか
先に結論です。相模原市中央区の分譲マンションの管理計画認定は、相模原市(住宅課)が担当します。相模原市は政令指定都市ですので、神奈川県ではなく市が認定を行います。市へ納める新規・更新の認定申請手数料は、長期修繕計画が1つなら3,600円です(出典:相模原市「マンションの管理計画認定制度について」、最終更新日 令和8年9月15日)。
相模原市中央区のマンションで押さえたい、相模原市ならではの条件は二つです。一つ目は、国の基準に加えて「防災に向けた取組みを実施していること」という市独自基準があること。二つ目は、事前確認を申し込む前に、その独自基準について住宅課へ事前相談するよう案内されていることです。
費用の中身を整理します。
- 相模原市への認定申請手数料(新規・更新):長期修繕計画が1つの場合3,600円。複数ある場合は1計画あたり1,700円を加算
- 手続支援システムの利用料:1申請あたり10,000円(税込)
- 事前確認審査料:(公財)マンション管理センターへの直接申込、または日本マンション管理士会連合会経由なら、長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)。マンション管理士や管理会社に頼む場合は、管理組合と相手方の取り決め
長期修繕計画が1つで、センターへ直接申し込む場合、目安は合計23,600円ほどです(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。長期修繕計画の見直しや規約改正を専門家に依頼する費用は別にかかります。
認定を受けると、固定資産税の減額、【フラット35】の金利引下げ、マンションすまい・る債の利率上乗せといった優遇の入口に立てます。相模原市は固定資産税の減額割合を、国が認める範囲で最大の「2分の1」としています。ただし、令和9年3月31日までに工事を終えることが前提です。
私は東京都東大和市で会社を構え、首都圏の大規模修繕に20年以上関わってきました。相模原駅や淵野辺駅の周辺をはじめ、相模原市中央区で暮らす理事長さま、理事の皆さまが、読んだその日に理事会で動けるよう、認定主体、基準、手数料、経済効果、逆算スケジュールの順に整理します。
認定主体はどこか:相模原市中央区のマンションは相模原市住宅課が窓口です
管理計画認定制度は、令和4年4月に始まった国の制度です。管理組合が作った管理計画を審査して認定する役所を「認定行政庁」(認定の事務を担う自治体のこと)と呼びます。相模原市は政令指定都市なので、市内3区(緑区・中央区・南区)のマンションは、すべて相模原市が認定します。区役所に認定の窓口はありません。
窓口は相模原市 住宅課(住宅政策班、電話042-769-9817)です。所在地は中央区中央2-11-15、市役所第1別館2階です。中央区のマンションにとっては、市役所が同じ区内にあるのは心強い点です。手数料を窓口で納める方法も用意されていますので、足を運びやすいと思います(出典:相模原市「マンションの管理計画認定制度について」)。
相模原市は、令和5年3月に「相模原市マンション管理適正化推進計画」を策定しています。マンション管理適正化支援法人の登録は「当面の間、登録を行わない」とされています(出典:相模原市「マンションに関する計画や施策等について」、最終更新日 令和7年12月26日)。
中央区の分譲マンションの棟数や、区ごとの認定件数は、私が確認した市の公表ページには載っていませんでした。数字を推測で書くことはしません。気になる方は住宅課に問い合わせてみてください。
認定17要件:理事会が確認しやすい順に整理する
認定の基準は、国が5つの分野に17項目で定めています。管理組合の運営、管理規約、管理組合の経理、長期修繕計画の作成及び見直し等、その他の5分野です(出典:国土交通省「マンションの管理計画認定の基準」(PDF))。相模原市のページでは、この国の基準に、市独自の防災基準を加えた形で掲載されています。
管理組合の運営・管理規約・経理
管理者等(理事長など)と監事が選任され、集会(総会)が年1回以上開かれていることが基本です。規約には、災害時などに専有部分へ立ち入れる定め、修繕履歴の管理、財務・管理情報の書面交付(または電磁的方法による提供)の定めが要ります。経理は、管理費と修繕積立金を区分していること、修繕積立金を他の会計へ充当していないこと、3か月以上の滞納額が直前の事業年度末で全体の1割以内であることが条件です。
長期修繕計画の作成及び見直し等
ここがいちばん手間のかかる分野で、6項目あります。
- 国の「長期修繕計画標準様式」に準拠した計画と、それに基づく修繕積立金の額が、集会で決議されていること
- 計画の作成または見直しが7年以内であること
- 計画期間が30年以上で、残りの期間に大規模修繕工事が2回以上含まれること
- 将来の一時金の徴収を予定していないこと
- 修繕積立金の平均額が、著しく低額でないこと
- 計画期間の最終年度に、借入金の残高がないこと
その他
組合員名簿と居住者名簿を備え、年1回以上内容を確認していること、そして「相模原市マンション管理適正化指針に照らして適切なものであること」です。ここに、次の章で詳しく説明する市独自の防災基準が加わります。
現場で見る「計画の古さ」と足場費の考え方
認定の準備が止まる一番の理由は、長期修繕計画が古いことです。10年以上前の計画のまま、資材費や人件費の上昇を織り込んでいない組合は少なくありません。
以前、築30年近いマンションの理事会に呼ばれたときのことです。長期修繕計画の数字が長く動いておらず、理事長さまが「積立金は足りているはず」と話されていました。見直しのついでに工法を比べたところ、10階建てで外周80m、工期3か月ほどという条件の試算で、仮設足場が約168万円、ロープアクセス工法を併用した場合は約59万円、差額は約109万円でした。建物の形や立地で大きく変わりますので、あくまで一つの目安です。それでも、理事の皆さまの表情がふっと緩んだ瞬間を、私は今でも覚えています。
足場を組む工法と、足場を使わないロープアクセス工法の違いは、明誠のロープアクセス工法の詳細ページで整理しています。作業員はメインロープとバックアップロープの2本に接続し、2点以上の吊元を確保して、安全を二重に守りながら作業します。安全への取り組みは大規模修繕工事の安全管理に、技術や訓練の詳細は姉妹サイトのロープアクセスドットコムにまとめています。
相模原市中央区で使う独自基準の実務:「防災に向けた取組み」が条件です
東京都や神奈川県内には、国の基準に上乗せする独自基準を設けている自治体があります。相模原市もその一つで、市のページには「防災計画の作成や防災訓練等、防災に向けた取組みを実施していること【市独自基準】」と書かれています(出典:相模原市「マンションの管理計画認定制度について」)。
8つの取組みのうち「いずれか」でよい
市のページでは、次のいずれかの取組みを実施していることを証する書類を出すよう案内されています。
- 防災計画を作成
- 自主防災組織を編成
- 災害時の対応マニュアルを作成
- 防災用品や医薬品等を備蓄
- 非常食や飲料水を備蓄
- 防災用名簿を作成
- 定期的に防災訓練を実施
- その他管理組合として実施する防災に関する取組
提出書類の例として、防災訓練の経過が分かる書類や居住者へ配った案内チラシ、共用部の備蓄品のリストや写真が挙げられています。8つ全部ではなく「いずれか」で足りる点は、理事会の負担を考えると大事なところです。
書類はシステムに添付できず、市へ直接提出
実務で気をつけたいのは、提出の経路です。市独自基準の書類は、手続支援サービス(オンラインのシステム)には添付できません。「第1号様式 表明保証書(第2条関係)」と「取組を実施していることが確認できる書類」を、相模原市へ直接提出する決まりです。様式は市のページからダウンロードできます。
現場から見た「防災の取組み」の記録の残し方
私が修繕の打合せで管理組合に伺うと、「防災訓練はやっているが、記録がない」というお話をよく聞きます。消防訓練の案内を掲示板に貼って、終わったら剥がしてしまう。これでは証明書類になりません。案内チラシ、参加人数のメモ、当日の写真の3点を、理事会の議事録と一緒に保管しておくだけで、提出の準備はぐっと楽になります。備蓄倉庫がある組合は、品目と数量の一覧を年1回更新しておくとよいでしょう。
大規模修繕の工事中も、防災の視点は欠かせません。足場で窓や避難経路がふさがる期間をどう減らすか、という相談は多くいただきます。外壁の部分補修であれば、足場を組まないロープアクセス工法で、避難経路への影響を小さくできる場合があります。
手数料と申請ルート:事前相談 → 事前確認 → 市へ申請
相模原市の標準ルート
市のページに示された流れは次のとおりです(出典:相模原市「マンションの管理計画認定制度について」)。
- 市独自基準について、住宅課へ事前相談する(防災に関する取組内容の確認)
- 集会(総会)で、管理計画認定の申請を決議する
- マンション管理センターの「管理計画認定手続支援サービス」で事前確認を申請する
- センターが国の認定基準に沿って内容を確認する
- 基準を満たせば、システム上で「事前確認適合証」が発行される
- 手続支援サービスから相模原市へ認定申請する。あわせて独自基準の書類を市へ直接提出する。市から連絡があり、申請手数料を納める(住宅課窓口に来庁して市役所内の金融機関で納付、または納付書の郵送を受けて金融機関で納付し、領収書の写しを住宅課へ送付)
- 手数料の納付確認後、市が申請内容を確認する
- 問題がなければ、市から「認定通知書」が発行される
手数料の納付を市が確認してから審査が始まる点は、日程を組むうえで覚えておきたいところです。市のページには審査にかかる期間の記載がありませんでした。事前相談から認定通知まで、少なくとも2〜3か月は見ておくのが現実的だと私は考えています。
市の手数料の一覧(新規・更新・変更)
| 申請の種類 | 手数料 | 長期修繕計画等が複数ある場合の加算(1計画あたり) |
|---|---|---|
| 新規・更新 | 3,600円 | 1,700円 |
| 変更(管理組合の運営) | 3,800円 | 2,100円 |
| 変更(管理規約) | 3,200円 | 2,100円 |
| 変更(管理組合の経理) | 3,700円 | 2,200円 |
| 変更(長期修繕計画) | 7,700円 | 4,000円 |
| 変更(その他) | 2,400円 | 1,500円 |
| 変更(防災対策・市独自基準) | 1,200円 | 600円 |
(出典:相模原市「マンションの管理計画認定制度について」、令和8年9月15日更新)
事前確認の依頼先と費用
マンション管理センターの案内では、事前確認の依頼先が次のように整理されています(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。
| パターン | 依頼先 | 事前確認審査料 |
|---|---|---|
| ① | 事前確認講習を修了したマンション管理士 | 管理組合とマンション管理士が取り決める |
| ② | 管理会社(マンション管理適正評価制度と併せて) | 管理組合と管理会社が取り決める |
| ③ | 日本マンション管理士会連合会(診断サービスと併せて) | 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込) |
| ④ | マンション管理センターへ直接申込 | 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込) |
相模原市のページで案内されているのは、事前確認を受けたうえで手続支援サービスから申請する流れです。システム利用料(1申請あたり10,000円・税込)は、市の手数料とは別にかかります。認定の有効期間は5年間で、続けるには更新の申請が必要です。料金や運用は変わることがありますので、申込の前に各窓口でご確認ください。
制度全般の相談には、日本マンション管理士会連合会の「マンション管理計画認定制度 相談ダイヤル」(電話03-5801-0858、平日午前10時〜午後5時)も市のページで紹介されています。
認定の3つの経済効果:税・住宅ローン・債券
1. マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)
長寿命化に役立つ大規模修繕工事を行ったマンションについて、工事の翌年度の建物部分の固定資産税を減額する制度です。国の制度では減額割合は6分の1から2分の1の範囲で市町村が定め、参酌基準(国の目安)は3分の1です(出典:国土交通省「管理計画認定のメリット」(PDF))。
相模原市は、この割合を最大の「2分の1」としています。市のページ(最終更新日 令和7年5月12日)による主な内容は次のとおりです(出典:相模原市「マンション長寿命化促進税制について」)。
- 各区分所有者が翌年度に支払う固定資産税(建物部分のみ)の2分の1を減額。適用は1年間
- 築20年以上かつ10戸以上のマンション
- 過去に長寿命化工事(外壁塗装等工事、床防水工事、屋根防水工事)を行っていること
- 令和5年4月1日から令和9年3月31日までに、2回目以降の長寿命化工事を完了していること
- 管理計画認定マンションの場合は、修繕積立金の額を国の示す基準以下から認定基準まで引き上げたこと
- 工事完了後3か月以内に申告が必要
申告の方法と必要書類は、市の税のページ「長寿命化工事が行われたマンションに対する固定資産税の減額について」に案内があります。認定は住宅課、減額の申告は税の担当と、窓口が分かれる点に注意してください。
押さえたいのは期限です。令和9年3月31日の工事完了が前提ですので、これから設計・施工に進むのは日程に余裕がありません。「修繕積立金を引き上げたこと」という条件もあり、すでに十分な積立金を設定している組合では対象にならない場合があります。対象になるかどうかは、先に住宅課と税の担当へ確認してください。
2. 【フラット35】の金利引下げ
管理計画認定マンションの住戸を購入する方が使える住宅ローンの優遇で、国土交通省の資料では、当初5年間、年0.25%の引下げと示されています。予算に達する見込みになると受付が終わりますので、利用する際は住宅金融支援機構の【フラット35】維持保全型のページで最新の状況をご確認ください。売る側にとっても、認定済みであることは買い手に選ばれる理由になり得ます。
3. マンションすまい・る債と共用部リフォーム融資
マンションすまい・る債は、管理組合が修繕積立金を運用する債券で、認定マンションは利率が上乗せされます。国土交通省の資料では、認定マンションは年2.10%、認定なしは年2.00%の例が示され、応募期間は2026年4月13日から10月9日までとされています。本記事の公開日(10月13日)には、今回の募集は終わっています。次回以降の募集は住宅金融支援機構の案内でご確認ください。
マンション共用部分リフォーム融資は、国土交通省の資料で、認定マンションは全期間、年0.20%の金利引下げとされています。借入の前に、住宅金融支援機構のマンション共用部分リフォーム融資のページで最新の条件を確認してください。
数字で見る経済効果のイメージ
仮に総額5,000万円の大規模修繕なら、仮設足場は総工費の15〜25%(750万〜1,250万円)が目安で、外壁塗装は1㎡あたり3,500〜4,500円がレンジです。物件ごとに大きく変わります。工法で足場の比率を下げ、制度で税を下げる。私はこれを「二段構え」と呼んでいます。
株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法では、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを続けています。通常足場、ロープアクセス、両者を組み合わせたハイブリッド工法の3つから、建物に合う工法をご提案できます。
費用の考え方は大規模修繕の料金の考え方に、管理組合の方向けの内容は管理組合さま向けの大規模修繕サービスにまとめています。フランチャイズ加盟企業の取り組みや工法比較の技術情報は、ロープアクセスドットコムの技術解説でも公開しています。
令和9年4月の制度改正にも目を向けておく
国土交通省のページでは、令和9年度から、分譲時に分譲事業者が管理計画認定を申請できるようになると案内されています。地方公共団体への申請日が令和9年4月1日以降となる場合は、見直し後の認定基準が適用され、経過措置も設けられています。改正省令と告示は令和8年7月31日に公布され、施行は令和9年4月1日です(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。
相模原市の認定制度のページには、この改正への言及は見当たりませんでした。令和9年3月までに申請するか、4月以降になるかで、適用される基準が変わり得ます。市独自の防災基準の扱いも含めて、住宅課とマンション管理センターに変更点を確認しておいてください。
逆算スケジュール(令和8年10月起点)
認定に絞った逆算です。工事まで同時に進める組合は、半年では足りないことが多いです。
| 時期の目安 | やること |
|---|---|
| 令和8年10月 | 理事会で認定の方針を共有。長期修繕計画の作成時期と、規約・名簿・会計の現状を確認。防災訓練・備蓄などの記録を集める |
| 令和8年11月 | 住宅課へ独自基準の事前相談。長期修繕計画が7年以内でなければ見直しを依頼。事前確認の依頼先を決める |
| 令和8年12月 | 臨時総会で、認定申請、長期修繕計画と修繕積立金額、必要な規約改正を決議 |
| 令和9年1月 | 議事録などをそろえ、事前確認を依頼。表明保証書と防災の取組書類を準備 |
| 令和9年2〜3月 | 事前確認適合証を取得し、手続支援サービスから市へ申請。書類の直接提出と手数料の納付 |
固定資産税の減額を使いたい場合は、令和9年3月31日までに工事を終える必要があります。私はいつも理事長さまに、「期限に合わせて中身を急ぐより、建物の状態を優先しましょう」とお伝えしています。期限に間に合わなくても、認定そのものは住宅ローンや資産価値の面で意味があります。
まとめと、今週動くこと3点
相模原市中央区のマンションの管理計画認定は、相模原市住宅課が窓口で、新規・更新の申請手数料は3,600円(長期修繕計画1つの場合)です。市独自の基準として防災に向けた取組みが求められ、8つの取組みのいずれかを書類で示します。事前相談、事前確認を経て、手続支援サービスで市へ申請し、独自基準の書類は市へ直接出します。固定資産税の減額は相模原市では2分の1ですが、令和9年3月31日までの工事完了が条件です。
今週、理事会で動いていただきたいことは次の3点です。
- 長期修繕計画の作成日を確認する(7年以内かどうかが最初の分かれ目です)
- 防災訓練の案内チラシ、備蓄品リスト、防災マニュアルなど、手元にある防災の記録を集める
- 住宅課(042-769-9817)へ、独自基準の事前相談の日程を電話で相談する
十月のうちに理事会で数分でもこの話題を出していただければ、年内の総会決議が現実的になります。どこから手をつければよいか迷われたら、ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。明誠へのお問合せフォームからどうぞ。これまでの明誠の施工事例もご覧いただけます。
よくあるご質問
Q. 相模原市中央区の管理計画認定に、市へ払う手数料はいくらですか?
A. 新規・更新の申請で、長期修繕計画が1つなら3,600円です。計画が複数ある場合は1計画あたり1,700円が加算されます。このほかに、手続支援システムの利用料10,000円(税込)と事前確認審査料がかかります。
Q. 相模原市に独自の認定基準はありますか?
A. あります。「防災計画の作成や防災訓練等、防災に向けた取組みを実施していること」が市独自基準です。防災計画、自主防災組織、対応マニュアル、備蓄、防災用名簿、防災訓練など8つの取組みのいずれかを、書類で示します。
Q. 独自基準の書類はどこへ出しますか?
A. 手続支援サービスには添付できないため、「第1号様式 表明保証書」と取組を確認できる書類を、相模原市(住宅課)へ直接提出します。事前確認の前に、住宅課へ事前相談するよう案内されています。
Q. 申請手数料はどうやって納めますか?
A. 手続支援サービスで申請すると、市から連絡があります。住宅課窓口に来庁して市役所内の金融機関で納めるか、郵送された納付書で金融機関に納め、領収書の写しを住宅課へ送る方法があります。納付の確認後に審査が始まります。
Q. 固定資産税はどれくらい減りますか?
A. 相模原市では、翌年度の固定資産税(建物部分)の2分の1が1年間減額されます。築20年以上・10戸以上、2回目以降の長寿命化工事を令和9年3月31日までに完了していること、修繕積立金を引き上げたことなどの条件があり、工事完了後3か月以内の申告が必要です。
Q. 認定までにどれくらいかかりますか?
A. 市のページには審査期間の記載がありません。事前相談、事前確認、市の審査を合わせて、2〜3か月は見ておくと安心です。認定の有効期間は5年間です。
Q. 長期修繕計画が古い場合、どうすればよいですか?
A. 作成や見直しが7年以内であることが要件の一つです。専門家に見直しを依頼し、あわせてロープアクセス工法を含めた工法の比較をすると、工事費の見え方が変わる場合があります。明誠では概算のご相談を承っています。
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年10月13日
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本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月13日時点で公表されている相模原市および国土交通省・マンション管理センターの公式情報をもとに執筆しています。相模原市の管理計画認定制度のページの最終更新は令和8年9月15日です。長寿命化促進税制のページ(最終更新 令和7年5月12日)は、令和9年3月31日までの工事完了が対象の制度で、期間内の内容として引用しています。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず相模原市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。
出典・参考資料
- 相模原市「マンションの管理計画認定制度について」(令和8年9月15日更新)
- 相模原市「マンション長寿命化促進税制について」(令和7年5月12日更新)
- 相模原市「長寿命化工事が行われたマンションに対する固定資産税の減額について」
- 相模原市「マンションに関する計画や施策等について」(令和7年12月26日更新)
- 公益財団法人マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」
- 国土交通省「マンション管理計画認定制度」
- 国土交通省「マンションの管理計画認定の基準(PDF)」
- 国土交通省「管理計画認定のメリット(PDF)」
- 住宅金融支援機構「【フラット35】維持保全型」
- 住宅金融支援機構「マンション共用部分リフォーム融資」
川崎市宮前区のマンション管理計画認定制度|申請手数料は無料・市独自基準は管理組合登録・固定資産税の減額と逆算スケジュール【2026年度版】
結論:宮前区で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか
先に結論です。川崎市宮前区の分譲マンションの管理計画認定は、宮前区役所ではなく、川崎市(まちづくり局住宅政策部住宅整備推進課)が担当します。川崎市への認定(更新)申請の手数料は無料です(出典:川崎市「川崎市マンション管理計画認定制度」、最終更新2026年4月1日)。
ただし、宮前区のマンションにも当てはまる川崎市ならではの条件が二つあります。一つ目は、国の基準に加えて、市独自の基準があること。「川崎市マンション管理組合登録・支援制度」に登録されていることが求められます。二つ目は、市へ申請する前に、(公財)マンション管理センターの手続支援サービスで事前確認を受ける流れが案内されていることです。
費用の中身を整理します。
- 川崎市への認定申請手数料:無料。管理組合登録の登録料も、市の認定制度のページでは無料と案内されています
- 手続支援システムの利用料:1申請あたり10,000円(税込)
- 事前確認審査料:センターへの直接申込、または日本マンション管理士会連合会経由なら、長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)。マンション管理士や管理会社に頼む場合は、管理組合と相手方で取り決めた金額
長期修繕計画が1つで、センターへ直接申し込む場合、目安は合計2万円ほどです(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。長期修繕計画の見直しや規約改正を専門家に頼む費用は別にかかります。
認定を受けると、固定資産税の減額、【フラット35】の金利引下げ、マンションすまい・る債の利率上乗せといった優遇の入口に立てます。川崎市は、固定資産税の減額割合を国の枠で最大の「2分の1」としています。ただし、工事を令和9年3月31日までに終えることが前提です。
私は東京都東大和市で会社を構え、首都圏の大規模修繕に20年以上関わってきました。宮前平、鷺沼、宮崎台といった東急田園都市線沿線をはじめ、宮前区で暮らす理事長さま、理事の皆さまが、読んだその日に理事会で動けるよう、認定主体、基準、手数料、経済効果、逆算スケジュールの順に整理します。
認定主体はどこか:宮前区のマンションも認定行政庁は川崎市です
管理計画認定制度は、令和4年4月に始まった国の制度です。管理組合が作った管理計画を審査して認定する役所を「認定行政庁」(認定の事務を担う自治体のこと)と呼びます。川崎市は政令指定都市ですので、市内の認定は川崎市が行います。区役所に認定の窓口はありません。
問合せ先は、川崎市まちづくり局住宅政策部住宅整備推進課(電話044-200-2996)です。所在地は川崎区宮本町1番地、市役所本庁舎の18階にあります。宮前区からは少し距離がありますが、電話での相談ができます(出典:川崎市「川崎市マンション管理計画認定制度」)。
宮前区の分譲マンションの棟数や、区ごとの認定件数は、私が確認した市の公表ページには載っていませんでした。川崎市のマンション管理適正化推進計画のページにも、区別の数字は記載がありません(出典:川崎市「川崎市マンション管理適正化推進計画」)。数字を推測で書くことはしません。
一般に、田園都市線沿線は丘陵地の住宅地として知られ、起伏のある敷地や、道路から建物まで高低差のある物件が見られます。こうした立地では、足場の搬入や設置に手間がかかり、仮設費が膨らみやすい傾向があります。管理の良さを第三者の目で示せる管理計画認定と、工法の比較は、相性の良い組み合わせだと私は考えています。
認定17要件:理事会が確認しやすい順に整理する
認定の基準は、国が5つの分野に17項目で定めています。管理組合の運営、管理規約、管理組合の経理、長期修繕計画の作成及び見直し等、その他の5分野です(出典:国土交通省「マンションの管理計画認定の基準」(PDF))。川崎市では、これに市独自の基準が加わります。
管理組合の運営・管理規約・経理
管理者等(理事長など)と監事が選任され、総会が年1回以上開かれていることが基本です。規約には、災害時などに専有部分へ立ち入れる定め、修繕履歴の管理、財務・管理情報の書面交付の定めが要ります。経理は、管理費と修繕積立金を区分していること、修繕積立金を他の会計へ流用していないこと、3か月以上の滞納が直前の事業年度末で全体の1割以内であることが条件です。
議事録が薄い、書面決議が続いているという組合は、まず議事録の残し方から整えるのが近道だと私は考えています。
長期修繕計画の作成及び見直し等
ここがいちばん手間のかかる分野で、6項目あります。
- 国の標準様式に準拠した長期修繕計画と、それに基づく修繕積立金の額が、総会で決議されていること
- 計画の作成または見直しが7年以内であること
- 計画期間が30年以上で、残りの期間に大規模修繕工事が2回以上含まれること
- 将来の一時金の徴収を予定していないこと
- 修繕積立金の平均額が、著しく低額でないこと
- 計画期間の最終年度に、借入金の残高がないこと
その他
組合員名簿と居住者名簿を備え、年1回以上確認していること、そして「地方公共団体のマンション管理適正化指針に照らして適切であること」です。川崎市の上乗せは、次の章で説明する管理組合登録として設けられています。
現場で見る「計画の古さ」と足場費の考え方
認定の準備が止まる一番の理由は、長期修繕計画が古いことです。10年以上前の計画のまま、資材費や人件費の上昇を織り込んでいない組合は少なくありません。
以前、築30年近いマンションの理事会に呼ばれたときのことです。長期修繕計画の数字が長く動いておらず、理事長さまが「積立金は足りているはず」と話されていました。見直しのついでに工法を比べたところ、10階建てで外周80m、工期3か月ほどという条件の試算で、仮設足場が約168万円、ロープアクセス工法を併用した場合は約59万円、差額は約109万円でした。建物の形や立地で大きく変わりますので、あくまで一つの目安です。それでも、理事の皆さまの表情が変わった瞬間を、私は今でも覚えています。
足場を組む工法と、足場を使わないロープアクセス工法の違いは、明誠のロープアクセス工法の詳細ページで整理しています。作業員はメインロープとバックアップロープの2本に接続し、2点以上の吊元を確保して、安全を二重に守りながら作業します。大規模修繕の進め方は大規模修繕工事の安全管理と進め方に、技術や訓練の詳細は姉妹サイトのロープアクセスドットコムにまとめています。
宮前区で使う独自基準の実務:川崎市は「管理組合登録」が条件です
東京都や神奈川県内には、独自の基準を設けている自治体があります。川崎市もその一つで、市のページには、「川崎市マンション管理組合登録・支援制度に登録されている」ことが川崎市独自の認定基準と書かれています。認定(更新)の申請までに、登録または登録内容の変更を済ませる必要があります(出典:川崎市「川崎市マンション管理計画認定制度」)。
登録の中身と手間
登録制度のページ(最終更新2025年9月9日)によると、申請はマンションの管理者等が行います。理事長であることを確認できる書類(総会の議事録など)を添えて、簡易電子申請ツール、または住宅整備推進課への書類提出で手続きします(出典:川崎市「マンション管理組合登録・支援制度」)。
実務で気をつけたいのは、登録の有無が分からない組合が意外と多いことです。過去に登録したのか、理事長が交代した後の変更を出したのか、記録が残っていないことがあります。認定の準備を始めたら、最初に住宅整備推進課へ電話で確認しておくと、後で慌てずに済みます。
登録のメリットも見逃さないでください
登録すると受けられる支援として、市のページには、年2回の情報紙の発行、管理組合どうしの交流会、段差解消工事への助成、そしてマンション管理アドバイザーの派遣(年3回まで)が挙げられています。認定の準備は、専門家の知恵を借りたい場面の連続です。登録を済ませておけば、その一部を市の支援の枠で相談できます。派遣の条件や費用負担は、このページに記載がありませんので、申込の前に住宅整備推進課でご確認ください。
手数料と申請ルート:事前確認を受けてから、市へ申請します
川崎市の標準ルート
流れは次のとおりです。市への申請の前に、専門家による事前確認が入ります(出典:川崎市「川崎市マンション管理計画認定制度」)。
- 認定基準のセルフチェックを行う
- 総会で、管理計画認定の申請を決議する
- マンション管理センターの手続支援サービスで事前確認を申請し、適合すれば「事前確認適合証」を受け取る
- 川崎市マンション管理組合登録・支援制度に登録(新規または変更)する。登録完了の通知を受ける
- 手続支援サービスから川崎市へ認定申請する。「認定申請」ボタンは申請者本人が押す必要がある
- 川崎市が審査し、適合すれば認定通知書が発行される。正式な通知書は後日、郵送される
川崎市のページには、審査にかかる期間の記載がありませんでした。事前確認と市の審査を合わせて、少なくとも2〜3か月は見ておくのが現実的だと私は考えています。
事前確認の依頼先と費用
マンション管理センターの案内では、申請の経路が次のように整理されています(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。
| パターン | 依頼先 | 事前確認審査料 |
|---|---|---|
| ① | 事前確認講習を修了したマンション管理士 | 管理組合とマンション管理士が取り決める |
| ② | 管理会社(マンション管理適正評価制度と併せて) | 管理組合と管理会社が取り決める |
| ③ | 日本マンション管理士会連合会(診断サービスと併せて) | 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込) |
| ④ | マンション管理センターへ直接申込 | 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込) |
| ⑤ | 地方公共団体に直接申請 | 事前確認なし |
川崎市の案内に載っているのは、事前確認を受けたうえで手続支援サービスから申請する流れです。⑤の直接申請は、川崎市のページでは案内されていませんでした。システム利用料は1申請あたり10,000円(税込)で、地方公共団体が手数料を定めている場合は別途その団体へ支払う、とセンターは説明しています。川崎市の場合、その手数料が無料という整理です。
なお、認定の内容を変更するときの「変更認定」の申請は、手続支援サービスを使わず、川崎市へ直接出します。認定の有効期間は5年間で、満了までに更新の申請をします。料金や運用は変わることがありますので、最新の内容は各窓口でご確認ください。
認定の3つの経済効果:税・住宅ローン・債券
1. マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)
長寿命化に役立つ大規模修繕工事を行ったマンションについて、工事の翌年度の建物部分の固定資産税を減額する制度です。国の制度では減額割合は6分の1から2分の1の範囲で市町村が定め、参酌基準(国の目安)は3分の1です(出典:国土交通省「管理計画認定のメリット」(PDF)、令和8年4月1日現在)。
川崎市は、この割合を最大の「2分の1」としています。市のページ(最終更新2025年7月22日)による主な内容は次のとおりです(出典:川崎市「大規模の修繕等が行われたマンションに係る固定資産税の減額」)。
- 居住部分の固定資産税額の2分の1を減額。1戸あたり100㎡相当分まで
- 過去に1回以上の長寿命化工事を行い、令和5年4月1日から令和9年3月31日までに、2回目以降の長寿命化工事を完了していること
- 新築から20年以上、総戸数10戸以上。耐震改修など他の減額との同時適用がなく、過去にこの減額を受けていないこと
- 管理計画認定マンションなどで、所定の修繕積立金の引上げや長期修繕計画の基準に適合していること
- 申告は、工事完了日から3か月以内。申告先は、マンションの所在区を担当する市税事務所の資産税課家屋係
宮前区を担当するのは「みぞのくち市税事務所」です。川崎市の所在地一覧では、担当区域が高津区と宮前区と示されています(出典:川崎市「市税事務所・市税分室の所在地一覧」(PDF))。窓口の電話番号や受付時間は、私が確認した資料には本文に載っていませんでした。減額のページには、問合せ先としてサンキューコールかわさき(044-200-3939、午前8時から午後9時、年中無休)が案内されていますので、まずそちらで確認するのが確実です。認定は市の住宅整備推進課、減額の手続きは市税事務所と、窓口が分かれる点にも注意が必要です。
押さえたいのは期限です。令和9年3月31日の工事完了が前提ですので、これから設計から施工へ進めるのは日程に余裕がありません。「過去に1回以上の長寿命化工事をしている」という条件があるため、築年数の若い建物は対象外になるケースもあります。先に市税事務所へ確認してください。
2. 【フラット35】の金利引下げ
管理計画認定マンションの住戸を購入する方が使える住宅ローンの優遇で、国土交通省の資料では、当初5年間、年0.25%の引下げと示されています。予算に達する見込みになると受付が終わりますので、利用する際は住宅金融支援機構の【フラット35】維持保全型のページで最新の状況をご確認ください。売る側にとっても、認定済みであることは、買い手に選ばれる理由になり得ます。
3. マンションすまい・る債と共用部リフォーム融資
マンションすまい・る債は、管理組合が修繕積立金を運用する債券で、認定マンションは利率が上乗せされます。国土交通省の資料では、認定マンションは年2.10%、認定なしは年2.00%の例が示され、応募期間は2026年4月13日から10月9日までとされています。本記事の公開日の10月13日には、今回の募集は終わっています。次回以降の募集は、住宅金融支援機構の案内でご確認ください。
マンション共用部分リフォーム融資は、国土交通省の資料で、認定マンションは全期間、年0.20%の金利引下げとされています。借入の前に、住宅金融支援機構のマンション共用部分リフォーム融資のページや窓口で、最新の条件を確認してください。
数字で見る経済効果のイメージ
仮に総額5,000万円の大規模修繕なら、仮設足場は総工費の15〜25%(750万〜1,250万円)が目安で、外壁塗装は1㎡あたり3,500〜4,500円がレンジです。物件ごとに大きく変わります。工法で足場の比率を下げ、制度で税を下げる。私はこれを「二段構え」と呼んでいます。
株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法では、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを続けています。通常足場、ロープアクセス、両者を組み合わせたハイブリッド工法の3つから、建物に合う工法をご提案できます。
費用の考え方は大規模修繕の料金の考え方に、管理組合の方向けの内容は管理組合さま向けの大規模修繕サービスにまとめています。フランチャイズ加盟企業の取り組みは、ロープアクセスドットコムでも公開しています。
令和9年4月の制度改正にも目を向けておく
国土交通省のページでは、令和9年度から、分譲時に分譲事業者が管理計画認定を申請できるようになると案内されています。地方公共団体への申請日が令和9年4月1日以降となる場合は、見直し後の認定基準が適用され、経過措置も設けられています。改正省令と告示は令和8年7月31日に公布され、施行は令和9年4月1日です(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。
川崎市のページには、この改正への言及がありませんでした。令和9年3月までに申請するか、4月以降かで適用される基準が変わり得ます。川崎市の住宅整備推進課とマンション管理センターに、変更点を確認しておいてください。
逆算スケジュール(令和8年10月起点)
認定に絞った逆算です。工事まで同時に進める組合は、半年では足りないことが多いです。
| 時期の目安 | やること |
|---|---|
| 令和8年10月 | 理事会で認定の方針を共有。長期修繕計画の作成時期と、規約・名簿・会計の現状を確認。管理組合登録の有無を住宅整備推進課へ確認 |
| 令和8年11月 | 長期修繕計画が7年以内でなければ見直しを依頼。事前確認の依頼先を決め、費用を見積もる |
| 令和8年12月 | 臨時総会で、認定申請、長期修繕計画と修繕積立金額、必要な規約改正を決議 |
| 令和9年1月 | 議事録などをそろえ、事前確認を依頼。あわせて管理組合登録(新規または変更)を済ませる |
| 令和9年2〜3月 | 事前確認適合証を取得し、手続支援サービスから川崎市へ申請 |
固定資産税の減額を使いたい場合は、令和9年3月31日までに工事を終える必要があります。私はいつも理事長さまに、「期限に合わせて中身を急ぐより、建物の状態を優先しましょう」とお伝えしています。期限に間に合わなくても、認定そのものは住宅ローンや資産価値の面で意味があります。
まとめと、今週動くこと3点
宮前区のマンションの管理計画認定は、川崎市が認定行政庁で、申請手数料は無料です。市独自の基準として、管理組合登録・支援制度への登録が要ります。事前確認を経て、手続支援サービスで市へ申請する形です。費用の中心は、システム利用料10,000円と事前確認審査料です。固定資産税の減額は、川崎市では2分の1ですが、令和9年3月31日までの工事完了が条件です。
今週、理事会で動いていただきたいことは次の3点です。
- 長期修繕計画の作成日を確認する(7年以内かどうかが最初の分かれ目です)
- 川崎市マンション管理組合登録・支援制度への登録の有無を、住宅整備推進課(044-200-2996)へ電話で確認する
- 管理規約、名簿、会計の整備状況を、国の17項目に照らして確認する。固定資産税の減額が気になる場合は、サンキューコールかわさき(044-200-3939)経由でみぞのくち市税事務所へ
十月のうちに理事会で数分でもこの話題を出していただければ、年内の総会決議が現実的になります。令和9年3月が一つの分かれ目です。どこから手をつければよいか迷われたら、ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。明誠へのお問合せフォームからどうぞ。これまでの明誠の施工事例もご覧いただけます。
よくあるご質問
Q. 宮前区の管理計画認定に、市へ払う手数料はいくらですか?
A. 川崎市への認定申請手数料は無料です。ただし、手続支援システムの利用料10,000円(税込)と、事前確認審査料(センター直接申込なら長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込))は別にかかります。
Q. 川崎市に独自の認定基準はありますか?
A. あります。国の基準に加えて、「川崎市マンション管理組合登録・支援制度」に登録されていることが条件です。認定(更新)申請の時までに、登録または登録内容の変更を済ませます。
Q. 管理組合が川崎市に直接申請することはできますか?
A. 川崎市の案内では、事前確認を受けたうえで、手続支援サービスから申請する流れです。直接申請の道は案内されていません。変更認定の申請だけは、市へ直接出します。
Q. 固定資産税はどれくらい減りますか?
A. 川崎市では居住部分の固定資産税額の2分の1で、1戸あたり100㎡相当分までが対象です。2回目以降の長寿命化工事を令和9年3月31日までに終えていること、総戸数10戸以上、築20年以上などの条件があります。申告は工事完了から3か月以内に、宮前区ならみぞのくち市税事務所で行います。
Q. 認定までにどれくらいかかりますか?
A. 川崎市のページには審査期間の記載がありません。事前確認と市の審査を合わせて、2〜3か月は見ておくと安心です。認定の有効期間は5年間です。
Q. 長期修繕計画が古い場合、どうすればよいですか?
A. 作成や見直しが7年以内であることが要件の一つです。専門家に見直しを依頼し、あわせてロープアクセス工法を含めた工法の比較をすると、工事費の見え方が変わる場合があります。明誠では概算のご相談を承っています。
Q. 管理組合の登録をしているか分からないときは?
A. 川崎市住宅整備推進課(電話044-200-2996)へお問い合わせください。理事長が交代している場合は、登録内容の変更が必要になることがあります。
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年10月13日
関連記事(姉妹サイト)
ロープアクセス工法の詳細や実例については、姉妹サイト「ロープアクセスドットコム」の以下の記事もぜひご覧ください。
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『大規模修繕工事 職人だから言える本当の話 —— 見積書では見えない業界の裏側と、修繕積立金を守る発注術』(Kindle版)を出版しています。20年以上の現場経験から、管理組合・オーナーが修繕積立金を守るための発注術と、業界の内幕を書き下ろしました。
本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月13日時点で公表されている川崎市および国土交通省・マンション管理センターの公式情報をもとに執筆しています。川崎市の制度ページの最終更新は2026年4月1日です。固定資産税の減額ページ(最終更新2025年7月22日)は、令和9年3月31日までの工事完了が対象の制度で、期間内の内容として引用しています。管理組合登録のページ(最終更新2025年9月9日)は更新から1年以内ですが、窓口の運用は変わることがあります。市税事務所の窓口は最新の内容をご確認ください。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず川崎市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。
出典・参考資料
- 川崎市「川崎市マンション管理計画認定制度」
- 川崎市「マンション管理組合登録・支援制度」
- 川崎市「川崎市マンション管理適正化推進計画」
- 川崎市「大規模の修繕等が行われたマンションに係る固定資産税の減額」
- 川崎市「市税事務所・市税分室の所在地一覧(PDF)」
- 公益財団法人マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」
- 国土交通省「マンション管理計画認定制度」
- 国土交通省「マンションの管理計画認定の基準(PDF)」
- 国土交通省「管理計画認定のメリット(PDF)」
- 住宅金融支援機構「【フラット35】維持保全型」
- 住宅金融支援機構「マンション共用部分リフォーム融資」
川崎市高津区のマンション管理計画認定制度|申請手数料は無料・市独自基準は管理組合登録・固定資産税の減額と逆算スケジュール【2026年度版】
結論:高津区で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか
先に結論です。川崎市高津区の分譲マンションの管理計画認定は、高津区役所ではなく、川崎市(まちづくり局住宅政策部住宅整備推進課)が担当します。川崎市への認定申請の手数料は無料です(出典:川崎市「川崎市マンション管理計画認定制度」、最終更新2026年4月1日)。
ただし、高津区のマンションにも当てはまる川崎市ならではの条件が二つあります。一つ目は、国の基準に加えて、市独自の基準があること。「川崎市マンション管理組合登録・支援制度」に登録されていることが求められます。二つ目は、市へ申請する前に、(公財)マンション管理センターの手続支援サービスで事前確認を受ける流れが案内されていることです。
費用の中身を整理します。
- 川崎市への認定申請手数料:無料。管理組合登録の登録料も、市のページでは無料です
- 手続支援システムの利用料:1申請あたり10,000円(税込)
- 事前確認審査料:センターへの直接申込、または日本マンション管理士会連合会経由なら、長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)。マンション管理士や管理会社に頼む場合は、管理組合と相手方で取り決めた金額
長期修繕計画が1つで、センターへ直接申し込む場合、目安は合計2万円ほどです(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。長期修繕計画の見直しや規約改正を専門家に頼む費用は別にかかります。
認定を受けると、固定資産税の減額、【フラット35】の金利引下げ、マンションすまい・る債の利率上乗せといった優遇の入口に立てます。川崎市は、固定資産税の減額割合を国の枠で最大の「2分の1」としています。ただし、工事を令和9年3月31日までに終えることが前提です。
私は東京都東大和市で会社を構え、首都圏の大規模修繕に20年以上関わってきました。溝の口駅周辺をはじめ高津区で暮らす理事長さま、理事の皆さまが、読んだその日に理事会で動けるよう、認定主体、基準、手数料、経済効果、逆算スケジュールの順に整理します。
認定主体はどこか:高津区のマンションも認定行政庁は川崎市です
管理計画認定制度は、令和4年4月に始まった国の制度です。管理組合が作った管理計画を審査して認定する役所を「認定行政庁」(認定の事務を担う自治体のこと)と呼びます。川崎市は政令指定都市ですので、市内の認定は川崎市が行います。高津区役所に認定の窓口はありません。
問合せ先は、川崎市まちづくり局住宅政策部住宅整備推進課(電話044-200-2996)です。所在地は川崎区宮本町1番地、市役所本庁舎の18階にあります。高津区からは少し距離がありますが、電話やメールでの相談ができます(出典:川崎市「川崎市マンション管理計画認定制度」)。
高津区の分譲マンションの棟数や、区ごとの認定件数は、私が確認した市の公表ページには載っていませんでした。川崎市のマンション管理適正化推進計画のページ(2023年10月30日掲載)にも、区別の数字は記載がありません(出典:川崎市「川崎市マンション管理適正化推進計画」)。数字を推測で書くことはしません。
一般に、溝の口駅周辺は、商業施設とマンションが隣り合う、利便性の高い住宅地として知られています。駅に近い物件は、築年数が進んでも住み替え需要が見込みやすく、建物の管理状態が売却価格や賃料に響きやすい場所です。管理計画認定は、その「管理の良さ」を第三者の目で示す手段になり得ます。
認定17要件:理事会が確認しやすい順に整理する
認定の基準は、国が5つの分野に17項目で定めています。管理組合の運営、管理規約、管理組合の経理、長期修繕計画の作成及び見直し等、その他の5分野です(出典:国土交通省「マンションの管理計画認定の基準」(PDF))。川崎市では、これに市独自の基準が加わります。
管理組合の運営・管理規約・経理
管理者等(理事長など)と監事が選任され、総会が年1回以上開かれていることが基本です。規約には、災害時などに専有部分へ立ち入れる定め、修繕履歴の管理、財務・管理情報の書面交付の定めが要ります。経理は、管理費と修繕積立金を区分していること、修繕積立金を他の会計へ流用していないこと、3か月以上の滞納が直前の事業年度末で全体の1割以内であることが条件です。
議事録が薄い、書面決議が続いているという組合は、まず議事録の残し方から整えるのが近道だと私は考えています。
長期修繕計画の作成及び見直し等
ここがいちばん手間のかかる分野で、6項目あります。
- 国の標準様式に準拠した長期修繕計画と、それに基づく修繕積立金の額が、総会で決議されていること
- 計画の作成または見直しが7年以内であること
- 計画期間が30年以上で、残りの期間に大規模修繕工事が2回以上含まれること
- 将来の一時金の徴収を予定していないこと
- 修繕積立金の平均額が、著しく低額でないこと
- 計画期間の最終年度に、借入金の残高がないこと
その他
組合員名簿と居住者名簿を備え、年1回以上確認していること、そして「地方公共団体のマンション管理適正化指針に照らして適切であること」です。川崎市の上乗せは、この指針とは別に、次の章で説明する管理組合登録として設けられています。
現場で見る「計画の古さ」と足場費の考え方
認定の準備が止まる一番の理由は、長期修繕計画が古いことです。10年以上前の計画のまま、資材費や人件費の上昇を織り込んでいない組合は少なくありません。
以前、築30年近いマンションの理事会に呼ばれたときのことです。長期修繕計画の数字が長く動いておらず、理事長さまが「積立金は足りているはず」と話されていました。見直しのついでに工法を比べたところ、10階建てで外周80m、工期3か月ほどという条件の試算で、仮設足場が約168万円、ロープアクセス工法を併用した場合は約59万円、差額は約109万円でした。建物の形や立地で大きく変わりますので、あくまで一つの目安です。それでも、理事の皆さまの表情が変わった瞬間を、私は今でも覚えています。
足場を組む工法と、足場を使わないロープアクセス工法の違いは、明誠のロープアクセス工法の詳細ページで整理しています。作業員はメインロープとバックアップロープの2本に接続し、2点以上の吊元を確保して、安全を二重に守りながら作業します。大規模修繕の進め方は大規模修繕工事の安全管理と進め方に、技術や訓練の詳細は姉妹サイトのロープアクセスドットコムにまとめています。
高津区で使う独自基準の実務:川崎市は「管理組合登録」が条件です
東京都や神奈川県内には、独自の基準を設けている自治体があります。川崎市もその一つで、市のページには、「川崎市マンション管理組合登録・支援制度に登録されている」ことが川崎市独自の認定基準と書かれています。認定(更新)の申請までに、登録または登録内容の変更を済ませる必要があります(出典:川崎市「川崎市マンション管理計画認定制度」)。
登録の中身と手間
登録制度のページ(最終更新2025年9月9日)によると、申請はマンションの管理者等が行います。理事長であることを確認できる書類(総会の議事録など)を添えて、電子申請、郵送、または住宅整備推進課への持参で手続きします(出典:川崎市「マンション管理組合登録・支援制度」)。
実務で気をつけたいのは、登録の有無が分からない組合が意外と多いことです。過去に登録したのか、理事長が交代した後の変更を出したのか、記録が残っていないことがあります。認定の準備を始めたら、最初に住宅整備推進課へ電話で確認しておくと、後で慌てずに済みます。
登録のメリットも見逃さないでください
登録すると受けられる支援として、市のページには、年2回の情報紙の発行、管理組合どうしの交流会、段差解消工事への助成、そしてマンション管理アドバイザーの派遣(年3回まで)が挙げられています。認定の準備は、専門家の知恵を借りたい場面の連続です。登録を済ませておけば、その一部を市の支援の枠で相談できます。派遣の条件や費用負担は、このページに記載がありませんので、申込の前に住宅整備推進課でご確認ください。
手数料と申請ルート:事前確認を受けてから、市へ申請します
川崎市の標準ルート
流れは次のとおりです。市への申請の前に、専門家による事前確認が入ります(出典:川崎市「川崎市マンション管理計画認定制度」)。
- 認定基準のセルフチェックを行う
- 総会で、管理計画認定の申請を決議する
- マンション管理センターの手続支援サービスで事前確認を申請し、適合すれば「事前確認適合証」を受け取る
- 川崎市マンション管理組合登録・支援制度に登録(新規または変更)する。登録完了の通知を受ける
- 手続支援サービスから川崎市へ認定申請する。「認定申請」ボタンは申請者本人が押す必要がある
- 川崎市が審査し、適合すれば認定通知書が発行される。正式な通知書は後日、郵送される
川崎市のページには、審査にかかる期間の記載がありませんでした。事前確認と市の審査を合わせて、少なくとも2〜3か月は見ておくのが現実的だと私は考えています。
事前確認の依頼先と費用
マンション管理センターの案内では、申請の経路が次のように整理されています(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。
| パターン | 依頼先 | 事前確認審査料 |
|---|---|---|
| ① | 事前確認講習を修了したマンション管理士 | 管理組合とマンション管理士が取り決める |
| ② | 管理会社(マンション管理適正評価制度と併せて) | 管理組合と管理会社が取り決める |
| ③ | 日本マンション管理士会連合会(診断サービスと併せて) | 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込) |
| ④ | マンション管理センターへ直接申込 | 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込) |
| ⑤ | 地方公共団体に直接申請 | 事前確認なし |
川崎市の案内に載っているのは、①から④の4パターンです。⑤の直接申請は、川崎市のページでは案内されていませんでした。システム利用料は1申請あたり10,000円(税込)で、地方公共団体が手数料を定めている場合は別途その団体へ支払う、とセンターは説明しています。川崎市の場合、その手数料が無料という整理です。
なお、認定の内容を変更するときの「変更認定」の申請は、手続支援サービスを使わず、川崎市へ直接出します。認定の有効期間は5年間で、満了までに更新の申請をします。料金や運用は変わることがありますので、最新の内容は各窓口でご確認ください。
認定の3つの経済効果:税・住宅ローン・債券
1. マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)
長寿命化に役立つ大規模修繕工事を行ったマンションについて、工事の翌年度の建物部分の固定資産税を減額する制度です。国の制度では減額割合は6分の1から2分の1の範囲で市町村が定め、参酌基準(国の目安)は3分の1です(出典:国土交通省「管理計画認定のメリット」(PDF)、令和8年4月1日現在)。
川崎市は、この割合を最大の「2分の1」としています。市のページ(最終更新2025年7月22日)による主な内容は次のとおりです(出典:川崎市「大規模の修繕等が行われたマンションに係る固定資産税の減額」)。
- 居住部分の固定資産税額の2分の1を減額。1戸あたり100㎡相当分まで
- 令和5年4月1日から令和9年3月31日までに、2回目以降の長寿命化工事を完了していること
- 新築から20年以上、総戸数10戸以上。耐震改修など他の減額との同時適用がなく、過去にこの減額を受けていないこと
- 管理計画認定マンションなどで、所定の修繕積立金の引上げや長期修繕計画の基準に適合していること
- 申告は、工事完了日から3か月以内。減額は工事完了年の翌年1月1日を賦課期日とする年度分
申告先は、マンションの所在区を担当する市税事務所です。高津区を担当するのは「みぞのくち市税事務所」で、所在地は高津区下作延2-7-60、資産税課家屋係の電話は044-820-6567です(出典:川崎市「市税事務所・市税分室の所在地一覧」(PDF))。窓口の受付時間は、確認したページに記載がありませんでしたので、訪問前にお電話ください。認定は市の住宅整備推進課、減額の手続きは市税事務所と、窓口が分かれる点にも注意が必要です。
押さえたいのは期限です。令和9年3月31日の工事完了が前提ですので、これから設計から施工へ進めるのは日程に余裕がありません。「過去に1回以上の長寿命化工事をしている」という条件があるため、築年数の若い建物は対象外になるケースもあります。先に市税事務所へ確認してください。
2. 【フラット35】の金利引下げ
管理計画認定マンションの住戸を購入する方が使える住宅ローンの優遇で、国土交通省の資料では、当初5年間、年0.25%の引下げと示されています。予算に達する見込みになると受付が終わりますので、利用する際は住宅金融支援機構の【フラット35】維持保全型のページで最新の状況をご確認ください。売る側にとっても、認定済みであることは、買い手に選ばれる理由になり得ます。
3. マンションすまい・る債と共用部リフォーム融資
マンションすまい・る債は、管理組合が修繕積立金を運用する債券で、認定マンションは利率が上乗せされます。国土交通省の資料では、認定マンションは年2.10%、認定なしは年2.00%の例が示され、応募期間は2026年4月13日から10月9日までとされています。本記事の公開日の10月12日には、今回の募集は終わっています。次回以降の募集は、住宅金融支援機構の案内でご確認ください。
マンション共用部分リフォーム融資は、国土交通省の資料で、認定マンションは全期間、年0.20%の金利引下げとされています。借入の前に、住宅金融支援機構のマンション共用部分リフォーム融資のページや窓口で、最新の条件を確認してください。
数字で見る経済効果のイメージ
仮に総額5,000万円の大規模修繕なら、仮設足場は総工費の15〜25%(750万〜1,250万円)が目安で、外壁塗装は1㎡あたり3,500〜4,500円がレンジです。物件ごとに大きく変わります。工法で足場の比率を下げ、制度で税を下げる。私はこれを「二段構え」と呼んでいます。
株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法では、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを続けています。通常足場、ロープアクセス、両者を組み合わせたハイブリッド工法の3つから、建物に合う工法をご提案できます。
費用の考え方は大規模修繕の料金の考え方に、管理組合の方向けの内容は管理組合さま向けの大規模修繕サービスにまとめています。フランチャイズ加盟企業の取り組みは、ロープアクセスドットコムでも公開しています。
令和9年4月の制度改正にも目を向けておく
国土交通省のページでは、令和9年度から、分譲時に分譲事業者が管理計画認定を申請できるようになると案内されています。地方公共団体への申請日が令和9年4月1日以降となる場合は、見直し後の認定基準が適用され、経過措置も設けられています。改正省令と改正告示は、令和8年7月31日に公布されました(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。
川崎市のページには、この改正への言及がありませんでした。令和9年3月までに申請するか、4月以降かで適用される基準が変わり得ます。川崎市の住宅整備推進課とマンション管理センターに、変更点を確認しておいてください。
逆算スケジュール(令和8年10月起点)
認定に絞った逆算です。工事まで同時に進める組合は、半年では足りないことが多いです。
| 時期の目安 | やること |
|---|---|
| 令和8年10月 | 理事会で認定の方針を共有。長期修繕計画の作成時期と、規約・名簿・会計の現状を確認。管理組合登録の有無を住宅整備推進課へ確認 |
| 令和8年11月 | 長期修繕計画が7年以内でなければ見直しを依頼。事前確認の依頼先を決め、費用を見積もる |
| 令和8年12月 | 臨時総会で、認定申請、長期修繕計画と修繕積立金額、必要な規約改正を決議 |
| 令和9年1月 | 議事録などをそろえ、事前確認を依頼。あわせて管理組合登録(新規または変更)を済ませる |
| 令和9年2〜3月 | 事前確認適合証を取得し、手続支援サービスから川崎市へ申請 |
固定資産税の減額を使いたい場合は、令和9年3月31日までに工事を終える必要があります。私はいつも理事長さまに、「期限に合わせて中身を急ぐより、建物の状態を優先しましょう」とお伝えしています。期限に間に合わなくても、認定そのものは住宅ローンや資産価値の面で意味があります。
まとめと、今週動くこと3点
高津区のマンションの管理計画認定は、川崎市が認定行政庁で、申請手数料は無料です。市独自の基準として、管理組合登録・支援制度への登録が要ります。事前確認を経て、手続支援サービスで市へ申請する形です。費用の中心は、システム利用料10,000円と事前確認審査料です。固定資産税の減額は、川崎市では2分の1ですが、令和9年3月31日までの工事完了が条件です。
今週、理事会で動いていただきたいことは次の3点です。
- 長期修繕計画の作成日を確認する(7年以内かどうかが最初の分かれ目です)
- 川崎市マンション管理組合登録・支援制度への登録の有無を、住宅整備推進課(044-200-2996)へ電話で確認する
- 管理規約、名簿、会計の整備状況を、国の17項目に照らして確認する。固定資産税の減額が気になる場合は、みぞのくち市税事務所(044-820-6567)へ
十月のうちに理事会で数分でもこの話題を出していただければ、年内の総会決議が現実的になります。令和9年3月が一つの分かれ目です。どこから手をつければよいか迷われたら、ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。明誠へのお問合せフォームからどうぞ。これまでの明誠の施工事例もご覧いただけます。
よくあるご質問
Q. 高津区の管理計画認定に、市へ払う手数料はいくらですか?
A. 川崎市への認定申請手数料は無料です。ただし、手続支援システムの利用料10,000円(税込)と、事前確認審査料(センター直接申込なら長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込))は別にかかります。
Q. 川崎市に独自の認定基準はありますか?
A. あります。国の基準に加えて、「川崎市マンション管理組合登録・支援制度」に登録されていることが条件です。認定(更新)申請の時までに、登録または登録内容の変更を済ませます。
Q. 管理組合が川崎市に直接申請することはできますか?
A. 川崎市の案内では、事前確認を受けたうえで、手続支援サービスから申請する流れです。直接申請の道は案内されていません。変更認定の申請だけは、市へ直接出します。
Q. 固定資産税はどれくらい減りますか?
A. 川崎市では居住部分の固定資産税額の2分の1で、1戸あたり100㎡相当分までが対象です。2回目以降の長寿命化工事を令和9年3月31日までに終えていること、総戸数10戸以上、築20年以上などの条件があります。申告は工事完了から3か月以内に、高津区ならみぞのくち市税事務所で行います。
Q. 認定までにどれくらいかかりますか?
A. 川崎市のページには審査期間の記載がありません。事前確認と市の審査を合わせて、2〜3か月は見ておくと安心です。認定の有効期間は5年間です。
Q. 長期修繕計画が古い場合、どうすればよいですか?
A. 作成や見直しが7年以内であることが要件の一つです。専門家に見直しを依頼し、あわせてロープアクセス工法を含めた工法の比較をすると、工事費の見え方が変わる場合があります。明誠では概算のご相談を承っています。
Q. 管理組合の登録をしているか分からないときは?
A. 川崎市住宅整備推進課(電話044-200-2996)へお問い合わせください。理事長が交代している場合は、登録内容の変更が必要になることがあります。
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年10月12日
関連記事(姉妹サイト)
ロープアクセス工法の詳細や実例については、姉妹サイト「ロープアクセスドットコム」の以下の記事もぜひご覧ください。
本間社長の著書のご案内
『大規模修繕工事 職人だから言える本当の話 —— 見積書では見えない業界の裏側と、修繕積立金を守る発注術』(Kindle版)を出版しています。20年以上の現場経験から、管理組合・オーナーが修繕積立金を守るための発注術と、業界の内幕を書き下ろしました。
本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月12日時点で公表されている川崎市および国土交通省・マンション管理センターの公式情報をもとに執筆しています。川崎市の制度ページの最終更新は2026年4月1日です。固定資産税の減額ページ(最終更新2025年7月22日)は、令和9年3月31日までの工事完了が対象の制度で、期間内の内容として引用しています。管理組合登録のページ(最終更新2025年9月9日)は更新から1年以内ですが、窓口の運用は変わることがあります。市税事務所の窓口はお電話で最新の内容をご確認ください。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず川崎市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。
出典・参考資料
- 川崎市「川崎市マンション管理計画認定制度」
- 川崎市「マンション管理組合登録・支援制度」
- 川崎市「川崎市マンション管理適正化推進計画」
- 川崎市「大規模の修繕等が行われたマンションに係る固定資産税の減額」
- 川崎市「市税事務所・市税分室の所在地一覧(PDF)」
- 公益財団法人マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」
- 国土交通省「マンション管理計画認定制度」
- 国土交通省「マンションの管理計画認定の基準(PDF)」
- 国土交通省「管理計画認定のメリット(PDF)」
- 住宅金融支援機構「【フラット35】維持保全型」
- 住宅金融支援機構「マンション共用部分リフォーム融資」
川崎市中原区のマンション管理計画認定制度|申請手数料は無料・市独自基準は管理組合登録・事前確認の流れを整理【2026年度版】
結論:中原区で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか
先に結論です。川崎市中原区の分譲マンションの管理計画認定は、中原区役所ではなく、川崎市(まちづくり局住宅政策部住宅整備推進課)が担当します。そして川崎市への認定申請の手数料は無料です(出典:川崎市「川崎市マンション管理計画認定制度」、最終更新2026年4月1日)。
ただし、川崎市には他の自治体と違う点が二つあります。一つ目は、国の基準に加えて、市独自の基準が設けられていること。「川崎市マンション管理組合登録・支援制度」に登録されていることが条件です。二つ目は、市へ申請する前に、(公財)マンション管理センターが発行する「事前確認適合証」が必要なことです。
費用の中身を整理します。
- 川崎市への認定申請手数料:無料。管理組合登録の登録料についても、市の制度ページでは無料と案内されています
- 手続支援システムの利用料:1申請あたり10,000円(税込)
- 事前確認審査料:日本マンション管理士会連合会経由、またはマンション管理センターへの直接申込なら、長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)。マンション管理士や管理会社に頼む場合は、管理組合と相手方で取り決めた金額
長期修繕計画が1つで、センターへ直接申し込む場合、目安は合計で2万円ほどです(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。長期修繕計画の見直しや規約改正を専門家に頼む費用は別です。
認定を受けると、固定資産税の減額、【フラット35】の金利引下げ、マンションすまい・る債の利率上乗せといった優遇の入口に立てます。川崎市は、固定資産税の減額割合を国の枠で最大の「2分の1」としています。ただし、工事を令和9年3月31日までに終えることが前提です。
私は東京都東大和市で会社を構え、首都圏の大規模修繕に20年以上関わってきました。武蔵小杉をはじめ、中原区の理事長さま、理事の皆さまが、読んだその日に理事会で動けるよう、認定主体、基準、手数料、経済効果、逆算スケジュールの順に整理します。
認定主体はどこか:中原区のマンションも認定行政庁は川崎市です
管理計画認定制度は、令和4年4月に始まった国の制度です。管理組合が作った管理計画を審査して認定する役所を「認定行政庁」(認定の事務を担う自治体のこと)と呼びます。川崎市は政令指定都市ですので、市内の認定は川崎市が行い、区役所には認定の窓口がありません。
問合せ先は、川崎市まちづくり局住宅政策部住宅整備推進課(電話044-200-2996)です。所在地は川崎区宮本町1番地、市役所本庁舎の18階にあります。中原区からは少し足を延ばす距離ですが、電話やメールでの相談もできます(出典:川崎市「川崎市マンション管理計画認定制度」)。
中原区の分譲マンションの棟数や、区ごとの認定件数は、私が確認した市の公表ページには載っていませんでした。数字を推測で書くことはしません。全体の統計や目標は、市のマンション管理適正化推進計画に載っています(出典:川崎市「川崎市マンション管理適正化推進計画」)。
一般に、武蔵小杉駅の周辺は、高層・大規模のマンションが集まる街として知られています。戸数が多い建物ほど、総会の成立や合意形成に時間がかかります。認定の準備は、技術の話より先に、「いつ総会を開き、何を決議するか」という段取りの話から始まります。これは規模の大きな管理組合ほど、早めに動くべき理由です。
認定17要件:理事会が確認しやすい順に整理する
認定の基準は、国が5つの分野に17項目で定めています。管理組合の運営、管理規約、管理組合の経理、長期修繕計画の作成及び見直し等、その他の5分野です(出典:国土交通省「マンションの管理計画認定の基準」(PDF))。川崎市では、これに市独自の基準が加わります。
管理組合の運営・管理規約・経理
管理者等(理事長など)と監事が選任され、総会が年1回以上開かれていることが基本です。規約には、災害時などに専有部分へ立ち入れる定め、修繕履歴の管理、財務・管理情報の書面交付の定めが要ります。経理は、管理費と修繕積立金を区分していること、修繕積立金を他の会計へ流用していないこと、3か月以上の滞納が直前の事業年度末で全体の1割以内であることが条件です。議事録が薄い、書面決議が続いているという組合は、まず議事録の残し方から整えるのが近道だと私は考えています。
長期修繕計画の作成及び見直し等
ここがいちばん手間のかかる分野で、6項目あります。
- 国の標準様式に準拠した長期修繕計画と、それに基づく修繕積立金の額が、総会で決議されていること
- 計画の作成または見直しが7年以内であること
- 計画期間が30年以上で、残りの期間に大規模修繕工事が2回以上含まれること
- 将来の一時金の徴収を予定していないこと
- 修繕積立金の平均額が、著しく低額でないこと
- 計画期間の最終年度に、借入金の残高がないこと
その他
組合員名簿と居住者名簿を備え、年1回以上確認していること、そして「地方公共団体のマンション管理適正化指針に照らして適切であること」です。川崎市の上乗せの基準は、この指針とは別に、次の章で説明する管理組合登録として設けられています。
現場で見る「計画の古さ」と足場費の考え方
認定の準備が止まる一番の理由は、長期修繕計画が古いことです。10年以上前の計画のまま、資材費や人件費の上昇を織り込んでいない組合は少なくありません。
以前、築30年を超えるマンションの理事会に呼ばれたときのことです。長期修繕計画の数字が十数年動いておらず、理事長さまが「積立金は足りているはず」と話されていました。見直しのついでに工法を比べたところ、10階建てで外周80m、工期3か月ほどという条件の試算で、仮設足場が約168万円、ロープアクセス工法を併用した場合は約59万円、差額は約109万円でした。建物の形や立地で大きく変わりますので、あくまで一つの目安です。それでも、理事の皆さまの表情が変わった瞬間を、私は今でも覚えています。
足場を組む工法と、足場を使わないロープアクセス工法の違いは、明誠のロープアクセス工法の詳細ページで整理しています。作業員はメインロープとバックアップロープの2本に接続し、安全を二重に確保して作業します。大規模修繕の進め方は大規模修繕工事の安全管理と進め方に、技術や訓練の詳細は姉妹サイトのロープアクセスドットコムにまとめています。
独自基準の有無と実務への影響:川崎市は「管理組合登録」が条件です
東京都や神奈川県内には、独自の基準を設けている自治体があります。川崎市もその一つで、市のページには、「川崎市マンション管理組合登録・支援制度に登録されている」ことが川崎市独自の認定基準と書かれています。認定(更新)の申請までに、登録または登録内容の変更を済ませる必要があります(出典:川崎市「川崎市マンション管理計画認定制度」)。
登録の中身と手間
登録制度のページ(最終更新2025年9月9日)によると、申請者はマンションの管理者等です。理事長であることを確認できる書類(総会の議事録など)を添えて、電子申請、郵送、または住宅整備推進課への持参で手続きします(出典:川崎市「マンション管理組合登録・支援制度」)。このページには、中原区に固有のマンション情報は載っていません。区の情報は中原区役所のサイトを案内するだけの構成です。
実務で気をつけたいのは、登録の有無が分からない組合が意外と多いことです。過去に登録したのか、理事長が交代した後の変更を出したのか、記録が残っていないことがあります。認定の準備を始めたら、最初に住宅整備推進課へ電話で確認しておくと、後で慌てずに済みます。
登録のメリットも見逃さないでください
登録の支援メニューには、マンション管理アドバイザーの派遣があり、管理組合の運営や修繕について相談できます。市のページでは、アドバイザー派遣は年3回までと案内されています。認定の準備は、専門家の知恵を借りたい場面の連続です。登録を済ませておけば、その一部を市の支援の枠で相談できます。派遣の条件や費用負担は、申込の前に住宅整備推進課でご確認ください。
手数料と申請ルート:事前確認適合証を取ってから、市へ申請します
川崎市の標準ルート
流れは次のとおりです。市への申請の前に、専門家による事前確認が入ります(出典:川崎市「川崎市マンション管理計画認定制度」)。
- 認定基準のセルフチェックを行う
- 総会で、管理計画認定の申請を決議する
- マンション管理センターの手続支援サービスで事前確認を受け、「事前確認適合証」を取得する
- 川崎市マンション管理組合登録・支援制度に登録(新規または変更)する。登録完了の通知を受ける
- 手続支援サービスから川崎市へ認定申請する。「認定申請」ボタンは申請者本人が押す必要がある
- 川崎市が審査し、適合すれば認定通知書が発行される。正式な通知書は後日、川崎市から郵送される
川崎市のページには、審査にかかる期間の記載がありませんでした。事前確認と市の審査を合わせて、少なくとも2〜3か月は見ておくのが現実的だと私は考えています。
事前確認の依頼先と費用
マンション管理センターの案内では、申請の経路が次のように整理されています(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。
| パターン | 依頼先 | 事前確認審査料 |
|---|---|---|
| ① | 事前確認講習を修了したマンション管理士 | 管理組合とマンション管理士が取り決める |
| ② | 管理会社(マンション管理適正評価制度と併せて) | 管理組合と管理会社が取り決める |
| ③ | 日本マンション管理士会連合会(診断サービスと併せて) | 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込) |
| ④ | マンション管理センターへ直接申込 | 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込) |
| ⑤ | 地方公共団体に直接申請 | 事前確認なし |
川崎市の案内に載っているのは、①から④の4パターンです。⑤の直接申請は、川崎市のページでは案内されていませんでした。システム利用料は1申請あたり10,000円(税込)で、地方公共団体が手数料を定めている場合は別途その団体へ支払う、とセンターは説明しています。川崎市の場合、その手数料が無料という整理です。
なお、認定の内容を変更するときの「変更認定」の申請は、手続支援サービスを使わず、川崎市へ直接(オンラインまたは窓口)出します。認定の有効期間は5年間で、満了までに更新の申請をします。料金や運用は変わることがありますので、最新の内容は各窓口でご確認ください。
認定の3つの経済効果:税・住宅ローン・債券
1. マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)
長寿命化に役立つ大規模修繕工事を行ったマンションについて、工事の翌年度の建物部分の固定資産税を減額する制度です。国の制度では減額割合は6分の1から2分の1の範囲で市町村が定め、参酌基準(国の目安)は3分の1です(出典:国土交通省「管理計画認定のメリット」(PDF)、令和8年4月1日現在)。
川崎市は、この割合を最大の「2分の1」としています。市のページ(最終更新2025年7月22日)による主な内容は次のとおりです(出典:川崎市「大規模の修繕等が行われたマンションに係る固定資産税の減額」)。
- 居住部分の固定資産税額の2分の1を減額。1戸あたり100㎡相当分まで
- 令和5年4月1日から令和9年3月31日までに、2回目以降の長寿命化工事(外壁塗装等、床防水、屋根防水)を完了していること
- 新築から20年以上、総戸数10戸以上。耐震・バリアフリー・省エネ等の減額との同時適用がなく、過去にこの減額を受けていないこと
- 管理計画認定マンションは、令和3年9月1日以降に修繕積立金を認定基準まで引き上げていること
- 申告は、工事完了日から3か月以内。減額は工事完了年の翌年1月1日を賦課期日とする年度分
申告先は、マンションの所在区を担当する市税事務所です。中原区は「こすぎ市税分室」の担当区域で、資産税担当(家屋)の電話は044-744-3243、所在地は中原区小杉町3-245の中原区役所3階、窓口は平日の午前8時30分から午後5時です(出典:川崎市「こすぎ市税分室(担当区域:中原区)」)。このページは2024年2月の更新ですので、訪問前にお電話で最新の窓口をご確認ください。認定は市の住宅整備推進課、減額の手続きは市税分室と、窓口が分かれる点にも注意してください。
押さえたいのは期限です。令和9年3月31日の工事完了が前提ですので、これから設計から施工へ進めるのは日程に余裕がありません。「過去に1回以上の長寿命化工事をしている」という条件があるため、築年数の若い建物は、この減額の対象外になるケースもあります。先に市税分室へ確認してください。
2. 【フラット35】の金利引下げ
管理計画認定マンションの住戸を購入する方が使える住宅ローンの優遇で、国土交通省の資料では、当初5年間、年0.25%の引下げと示されています。予算に達する見込みになると受付が終わりますので、利用する際は住宅金融支援機構の【フラット35】維持保全型のページで最新の状況をご確認ください。売る側にとっても、認定済みであることは、買い手に選ばれる理由になり得ます。
3. マンションすまい・る債と共用部リフォーム融資
マンションすまい・る債は、管理組合が修繕積立金を運用する債券で、認定マンションは利率が上乗せされます。国土交通省の資料では、認定マンションは年2.10%、認定なしは年2.00%の例が示され、応募期間は2026年4月13日から10月9日までとされています。本記事の公開日の10月12日には、今回の募集は終わっています。次回以降の募集は、住宅金融支援機構の案内でご確認ください。
マンション共用部分リフォーム融資は、国土交通省の資料で、認定マンションは全期間、年0.20%の金利引下げとされています。借入の前に、住宅金融支援機構のマンション共用部分リフォーム融資のページや窓口で、最新の条件を確認してください。
数字で見る経済効果のイメージ
仮に総額5,000万円の大規模修繕なら、仮設足場は総工費の15〜25%(750万〜1,250万円)が目安で、外壁塗装は1㎡あたり3,500〜4,500円がレンジです。物件ごとに大きく変わります。工法で足場の比率を下げ、制度で税を下げる。私はこれを「二段構え」と呼んでいます。
株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法では、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを続けています。通常足場、ロープアクセス、両者を組み合わせたハイブリッド工法の3つから、建物に合う工法をご提案できます。
費用の考え方は大規模修繕の料金の考え方に、管理組合の方向けの内容は管理組合さま向けの大規模修繕サービスにまとめています。フランチャイズ加盟企業の取り組みは、ロープアクセスドットコムでも公開しています。
令和9年4月の制度改正にも目を向けておく
国土交通省のページでは、令和9年4月1日から、分譲時に分譲事業者が管理計画認定を申請できるようになると案内されています。地方公共団体への申請日が令和9年4月1日以降となる場合は、見直し後の認定基準が適用され、経過措置も設けられています(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。
川崎市のページには、この改正への言及がありませんでした。令和9年3月までに申請するか、4月以降かで適用される基準が変わり得ます。川崎市の住宅整備推進課とマンション管理センターに、変更点を確認しておいてください。
逆算スケジュール(令和8年10月起点)
認定に絞った逆算です。工事まで同時に進める組合は、半年では足りないことが多いです。
| 時期の目安 | やること |
|---|---|
| 令和8年10月 | 理事会で認定の方針を共有。長期修繕計画の作成時期と、規約・名簿・会計の現状を確認。管理組合登録の有無を住宅整備推進課へ確認 |
| 令和8年11月 | 長期修繕計画が7年以内でなければ見直しを依頼。事前確認の依頼先を決め、費用を見積もる |
| 令和8年12月 | 臨時総会で、認定申請、長期修繕計画と修繕積立金額、必要な規約改正を決議 |
| 令和9年1月 | 議事録などをそろえ、事前確認を依頼。あわせて管理組合登録(新規または変更)を済ませる |
| 令和9年2〜3月 | 事前確認適合証を取得し、手続支援サービスから川崎市へ申請 |
固定資産税の減額を使いたい場合は、令和9年3月31日までに工事を終える必要があります。私はいつも理事長さまに、「期限に合わせて中身を急ぐより、建物の状態を優先しましょう」とお伝えしています。期限に間に合わなくても、認定そのものは住宅ローンや資産価値の面で意味があります。
まとめと、今週動くこと3点
中原区のマンションの管理計画認定は、川崎市が認定行政庁で、申請手数料は無料です。市独自の基準として、管理組合登録・支援制度への登録が要ります。事前確認適合証を取ってから、手続支援サービスで市へ申請する形です。費用の中心は、システム利用料10,000円と事前確認審査料です。固定資産税の減額は、川崎市では2分の1ですが、令和9年3月31日までの工事完了が条件です。
今週、理事会で動いていただきたいことは次の3点です。
- 長期修繕計画の作成日を確認する(7年以内かどうかが最初の分かれ目です)
- 川崎市マンション管理組合登録・支援制度への登録の有無を、住宅整備推進課(044-200-2996)へ電話で確認する
- 管理規約、名簿、会計の整備状況を、国の17項目に照らして確認する。固定資産税の減額が気になる場合は、こすぎ市税分室(044-744-3243)へ
十月のうちに理事会で数分でもこの話題を出していただければ、年内の総会決議が現実的になります。令和9年3月が一つの分かれ目です。どこから手をつければよいか迷われたら、ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。明誠へのお問合せフォームからどうぞ。これまでの明誠の施工事例もご覧いただけます。
よくあるご質問
Q. 中原区の管理計画認定に、市へ払う手数料はいくらですか?
A. 川崎市への認定申請手数料は無料です。ただし、手続支援システムの利用料10,000円(税込)と、事前確認審査料(センター直接申込なら長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込))は別にかかります。
Q. 川崎市に独自の認定基準はありますか?
A. あります。国の基準に加えて、「川崎市マンション管理組合登録・支援制度」に登録されていることが条件です。認定(更新)申請の時までに、登録または登録内容の変更を済ませます。
Q. 管理組合が川崎市に直接申請することはできますか?
A. 川崎市の案内では、事前確認適合証を取ったうえで、手続支援サービスから申請する流れです。直接申請の道は案内されていません。変更認定の申請だけは、市へ直接出します。
Q. 固定資産税はどれくらい減りますか?
A. 川崎市では居住部分の固定資産税額の2分の1で、1戸あたり100㎡相当分までが対象です。過去に長寿命化工事を1回以上行い、2回目以降の工事を令和9年3月31日までに終えていること、総戸数10戸以上、築20年以上などの条件があります。申告は工事完了から3か月以内に、中原区ならこすぎ市税分室で行います。
Q. 認定までにどれくらいかかりますか?
A. 川崎市のページには審査期間の記載がありません。事前確認と市の審査を合わせて、2〜3か月は見ておくと安心です。認定の有効期間は5年間です。
Q. 長期修繕計画が古い場合、どうすればよいですか?
A. 作成や見直しが7年以内であることが要件の一つです。専門家に見直しを依頼し、あわせてロープアクセス工法を含めた工法の比較をすると、工事費の見え方が変わる場合があります。明誠では概算のご相談を承っています。
Q. 管理組合の登録をしているか分からないときは?
A. 川崎市住宅整備推進課(電話044-200-2996)へお問い合わせください。理事長が交代している場合は、登録内容の変更が必要になることがあります。
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年10月12日
関連記事(姉妹サイト)
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本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月12日時点で公表されている川崎市および国土交通省・マンション管理センターの公式情報をもとに執筆しています。川崎市の制度ページの最終更新は2026年4月1日です。固定資産税の減額ページ(最終更新2025年7月22日)は、令和9年3月31日までの工事完了が対象の制度で、期間内の内容として引用しています。管理組合登録のページ(最終更新2025年9月9日)とこすぎ市税分室の問合せ先ページ(最終更新2024年2月14日)は更新が古いため、窓口はお電話で最新の内容をご確認ください。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず川崎市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。
出典・参考資料
- 川崎市「川崎市マンション管理計画認定制度」
- 川崎市「マンション管理組合登録・支援制度」
- 川崎市「川崎市マンション管理適正化推進計画」
- 川崎市「大規模の修繕等が行われたマンションに係る固定資産税の減額」
- 川崎市「こすぎ市税分室(担当区域:中原区)」
- 公益財団法人マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」
- 国土交通省「マンション管理計画認定制度」
- 国土交通省「マンションの管理計画認定の基準(PDF)」
- 国土交通省「管理計画認定のメリット(PDF)」
- 住宅金融支援機構「【フラット35】維持保全型」
- 住宅金融支援機構「マンション共用部分リフォーム融資」
横浜市戸塚区のマンション管理計画認定制度|市独自基準なし・直接申請は不可・手数料と固定資産税の減額を整理【2026年度版】
結論:横浜市戸塚区で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか
先に結論です。横浜市戸塚区の分譲マンションの管理計画認定は、戸塚区役所ではなく、横浜市(建築局住宅部住宅再生課)が窓口です。市のQ&Aには、認定基準は国が定める基準と同じで、市独自の基準はないと書かれています(出典:横浜市「管理計画認定制度に関するご質問」)。
もう一つ、横浜市ならではの大事な点があります。管理組合が市へ直接申請する窓口はありません。申請は、公益財団法人マンション管理センターの手続支援システムを通して行います(出典:横浜市「管理計画認定制度」、最終更新2025年12月8日)。
費用の中身は次のとおりです。
- 横浜市への申請手数料:3,900円(長期修繕計画が複数なら1,700円×(計画数-1)を加算)。郵送料は別途
- 手続支援システムの利用料:1申請あたり10,000円(税込)
- 事前確認の費用:マンション管理センターや日本マンション管理士会連合会なら、長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)。マンション管理士や管理会社に頼む場合は、管理組合と相手方で取り決めた金額
長期修繕計画が1つで、センターに事前確認を直接頼む場合、市のQ&Aは事前確認でおよそ2万円、市への申請でおよそ4千円としています。合計で約2万4千円です。長期修繕計画の見直しや規約改正を専門家に頼む費用は別になります。
認定を受けると、固定資産税の減額、【フラット35】の金利引下げ、マンションすまい・る債の利率上乗せといった優遇の入口に立てます。横浜市の固定資産税の減額割合は、国の枠で最大の「2分の1」です。ただし、認定を受けたうえで、大規模修繕工事を令和9年3月31日までに終えることが前提です。
私は東京都東大和市で会社を構え、首都圏の大規模修繕に20年以上関わってきました。戸塚区の理事長さま、理事の皆さまが、読んだその日に理事会で動けるよう、認定主体、基準、手数料、経済効果、逆算スケジュールの順に整理します。
戸塚区のマンション事情と認定主体:認定行政庁は横浜市です
管理計画認定制度は、令和4年4月に始まった国の制度です。管理組合が作った管理計画を審査して認定する役所を「認定行政庁」(認定の事務を担う自治体のこと)と呼びます。横浜市は政令指定都市ですので、市内の認定は横浜市が行います。戸塚区は区ですが、区役所に認定の窓口はありません。
問合せ先は、横浜市建築局住宅部住宅再生課(電話045-671-2954)です。区役所は、のちほど触れる固定資産税の減額の手続きでお世話になります。
横浜市の資料(令和8年5月)によれば、市内で管理計画認定を受けたマンションは、令和7年度末で累計326件で、全国1位とされています。年度ごとの累計は、令和4年度が2件、令和5年度が86件、令和6年度が213件、令和7年度が326件と、急速に増えています(出典:横浜市「第1回マンション部会 資料」(PDF))。
同じ資料には、分譲マンションの住戸数は港北区や鶴見区で約4万戸と多く、割合では戸塚区が50.7%と最も高い、と書かれています。ただし、50.7%の分母が何なのかは資料の本文からは読み取れません。戸塚区のマンション棟数や、区ごとの認定件数も、私が確認した市の公表資料には載っていませんでしたので、そこは書きません。
戸塚区には、戸塚駅と東戸塚駅という二つの大きな駅があります。駅周辺の中高層マンションと、駅から少し離れた住宅地の中の中層・低層マンションとでは、大規模修繕の現場の事情がまるで違います。駅前は道路が狭く、足場の搬入や資材置き場の確保に苦労することが多いです。一方、住宅地の中は足場を組みやすい反面、隣地との間隔が狭い建物もあります。立地の事情まで長期修繕計画に織り込むと、工事費の数字がずれにくくなります。
認定基準17項目を、理事会が確認しやすい順に整理する
認定の基準は、国が5つの分野に17項目で定めています。管理組合の運営、管理規約、管理組合の経理、長期修繕計画の作成及び見直し等、その他の5分野です。横浜市でも17項目すべてを満たす必要があります(出典:国土交通省「マンションの管理計画認定の基準」(PDF))。
管理組合の運営・管理規約・経理
管理者等(理事長など)と監事が定められ、総会が年1回以上開かれていることが基本です。規約には、災害時などに専有部分へ立ち入れる定め、修繕履歴の保管、財務・管理情報の提供の定めが要ります。経理は、管理費と修繕積立金を区分していること、修繕積立金を他の会計へ流用していないこと、3か月以上の滞納が全体の1割以内であることが条件です。書面決議ばかりで議事録が薄い組合は、まず議事録の残し方から整えるのが近道だと私は考えています。
長期修繕計画の作成及び見直し等
ここがいちばん手間のかかる分野で、6項目あります。
- 標準様式に準拠した長期修繕計画と、それに基づく修繕積立金の額が、総会で決議されていること
- 計画の作成または見直しが7年以内であること
- 計画期間が30年以上で、残りの期間に大規模修繕工事が2回以上含まれること
- 将来の一時金の徴収を予定していないこと
- 修繕積立金の平均額が、著しく低額でないこと
- 計画期間の最終年度に、借入金の残高がないこと
その他
組合員名簿と居住者名簿を備え、年1回以上確認していること、そして「横浜市マンション管理適正化指針に照らして適切であること」です。最後の項目は、国の基準にある17番目の項目で、市が別に上乗せした基準ではないと私は理解しています。
現場で見る「計画の古さ」と足場費の考え方
認定の準備が止まる一番の理由は、長期修繕計画が古いことです。10年以上前の計画のまま、資材費や人件費の上昇を織り込んでいない組合は少なくありません。
私が以前、理事会に呼ばれた築35年を超えるマンションでは、長期修繕計画の数字が十数年動いていませんでした。見直しを機に工法も比べたところ、10階建てで外周80m、工期3か月ほどという条件の試算で、仮設足場が約168万円、ロープアクセス工法を併用した場合は約59万円、差額は約109万円という結果が出ました。建物の形や立地で大きく変わりますので、あくまで一つの目安です。それでも、計画を新しくするついでに工法を比べるだけで、理事の皆さまの数字の見え方が変わる場面を、私は何度も見てきました。
足場を組む工法と、足場を使わないロープアクセス工法の違いは、明誠のロープアクセス工法の詳細ページで整理しています。作業員はメインロープとバックアップロープの2本に接続し、安全を二重に確保して作業します。安全管理の考え方は大規模修繕工事の安全管理と進め方に、技術や訓練の詳細は姉妹サイトのロープアクセスドットコムにまとめています。
独自基準の有無と実務への影響:横浜市の上乗せはありません
東京都や神奈川県内には、防災関連などで独自の基準を設けている自治体があります。では横浜市はどうかというと、市のQ&Aに「市独自の基準はありません」と明記されています。
実務上の意味は二つです。国の17項目を整えれば、市独自の追加書類に追われないこと。そして、令和9年4月の国の基準見直しを、横浜市もそのまま受ける可能性があることです。
17項目目の「横浜市マンション管理適正化指針に照らして適切であること」は、制度ページに具体的な中身が書かれていません。事前確認を頼む専門家に、確認のポイントを聞いてください。
手数料と申請ルート:市へ直接は出せず、事前確認から電子申請へ
横浜市の標準ルート
流れは次のとおりです。他の自治体と大きく違うのは、市への申請の前に、専門家による事前確認が入る点です。
- 認定基準のセルフチェックを行う
- 総会で、管理計画認定の申請を決議する
- 専門家(管理会社、日本マンション管理士会連合会、マンション管理センター、管理組合と契約しているマンション管理士)に適合確認を依頼する
- 手続支援システムに入力し、書類を提出して申請する
- 横浜市が審査し、問題がなければ認定される
市のQ&Aでは、事前確認に約1〜2か月、市への申請から認定まで約1か月が目安とされています。一方、制度ページには、申請から認定まで2〜3か月かかる場合があると書かれています。ぎりぎりの日程は組まないでください。
事前確認の依頼先と費用
マンション管理センターの案内では、申請の経路が次のように整理されています(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。
| パターン | 依頼先 | 事前確認審査料 |
|---|---|---|
| ① | 事前確認講習を修了したマンション管理士 | 管理組合とマンション管理士が取り決める |
| ② | 管理会社(マンション管理適正評価制度と併せて) | 管理組合と管理会社が取り決める |
| ③ | 日本マンション管理士会連合会(診断サービスと併せて) | 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込) |
| ④ | マンション管理センターへ直接申込 | 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込) |
| ⑤ | 地方公共団体に直接申請 | 事前確認なし(横浜市は直接申請の窓口なし) |
⑤は自治体が窓口を用意している場合の道筋で、横浜市では①から④のどれかを選びます。システム利用料は、パターン④の場合で1申請あたり10,000円(税込)です。ほかに、市への申請手数料3,900円が別にかかります。
複数の見積りを比べ、最新の料金は各窓口でご確認ください。認定の有効期間は5年間で、満了までに更新の申請をする形になります。
認定の3つの経済効果:税・住宅ローン・債券
1. マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)
長寿命化に役立つ大規模修繕工事を行ったマンションについて、工事の翌年度の建物部分の固定資産税を減額する制度です。国の制度では減額割合は6分の1から2分の1の範囲で市町村が定め、参酌基準(国の目安)は3分の1です(出典:国土交通省「管理計画認定のメリット」(PDF)、令和8年4月1日現在)。
横浜市は、この割合を最大の「2分の1」としています。市の制度ページ(最終更新2026年4月8日)による主な内容は次のとおりです(出典:横浜市「大規模修繕工事を行ったマンションの固定資産税の減額」)。
- 減額されるのは、建物部分の固定資産税の2分の1、1戸あたり100㎡まで。工事完了の翌年度分のみで、都市計画税と土地は対象外
- 令和5年4月1日から令和9年3月31日までに工事が完了していること
- 居住用が床面積の2分の1以上、築20年以上、総戸数10戸以上であること
- 管理計画認定マンション、または市から助言・指導を受けたマンションであること。認定マンションは、過去の工事実績や修繕積立金の引き上げなどの要件がある
- 対象工事は外壁塗装、床防水、屋根防水など。1つのマンションで1回限りで、耐震・省エネ・バリアフリーの減額とは併用できない
- 工事完了から3か月以内に、区役所の税務課家屋担当へ書類を提出すること
申告先は、戸塚区の場合は戸塚区役所の税務課(家屋担当)です。区の案内ページには、7階73番窓口、電話045-866-8368、開庁時間は月曜から金曜の午前8時45分から午後5時までと書かれています。ただし、このページの最終更新は2024年11月5日と古いため、訪問前に電話で最新の窓口をご確認ください(出典:横浜市戸塚区役所「税務課」)。認定そのものは市の住宅再生課、減額の手続きは区役所の税務課と、窓口が分かれる点に注意してください。
押さえたいのは期限です。令和9年3月31日の工事完了が前提ですので、これから設計から施工へ進めるのは日程に余裕がありません。工事の計画がある組合は、完了時期を最優先で確認してください。
2. 【フラット35】の金利引下げ
管理計画認定マンションの住戸を購入する方が使える住宅ローンの優遇で、国土交通省の資料では、当初5年間、年0.25%の引下げと示されています。予算に達する見込みになると受付が終わりますので、利用する際は住宅金融支援機構の【フラット35】維持保全型のページで最新の状況をご確認ください。売る側にとっても、認定済みであることは、買い手に選ばれる理由になり得ます。
3. マンションすまい・る債と共用部リフォーム融資
マンションすまい・る債は、管理組合が修繕積立金を運用する債券で、認定マンションは利率が上乗せされます。国土交通省の資料では、認定マンションは年2.1%、認定なしは年2.0%と想定され、応募期間は2026年4月13日から10月9日までとされています。本記事の公開日の10月11日には、今回の募集は終わっています。次回以降の募集は、住宅金融支援機構の案内でご確認ください。
マンション共用部分リフォーム融資は、国土交通省の資料で、認定マンションは全期間、年0.20%の金利引下げとされています。借入の前に、住宅金融支援機構のマンション共用部分リフォーム融資のページや窓口で、最新の条件を確認してください。
数字で見る経済効果のイメージ
仮に総額5,000万円の大規模修繕なら、仮設足場は総工費の15〜25%(750万〜1,250万円)が目安で、外壁塗装は1㎡あたり3,500〜4,500円がレンジです。物件ごとに大きく変わります。工法で足場の比率を下げ、制度で税を下げる。私はこれを「二段構え」と呼んでいます。
株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法では、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを続けています。通常足場、ロープアクセス、両者を組み合わせたハイブリッド工法の3つから、建物に合う工法をご提案できます。
費用の考え方は大規模修繕の料金の考え方に、管理組合の方向けの内容は管理組合さま向けの大規模修繕サービスにまとめています。フランチャイズ加盟企業の取り組みは、ロープアクセスドットコムでも公開しています。
戸塚区の理事会が使える、横浜市の支援策
横浜市は、管理組合向けの支援策を幅広く用意しています。市の資料(令和8年5月)には、次のような事業が挙がっています(出典:横浜市「第1回マンション部会 資料」(PDF))。
- マンション・アドバイザー派遣(原則6回まで、1回目は無料、2回目以降は1回12,650円)
- 長期修繕計画作成促進モデル事業(補助率2分の1、上限20万円)
- 顧問導入支援(令和8年度の新規事業)
- 管理組合活動活性化支援事業(総会未開催や規約未作成などの課題がある組合への助言)
長期修繕計画の作成を支援する補助が、認定の準備と重なります。募集の有無や条件は年度で変わりますので、住宅再生課に確認してから進めてください。
令和9年4月の制度改正にも目を向けておく
国土交通省のページでは、令和9年4月1日に関連の省令・告示が施行されると案内されています。地方公共団体への申請日が令和9年4月1日以降となる場合は、見直し後の認定基準が適用されます。経過措置も設けられています(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。
令和9年3月までに申請するか、4月以降かで基準が変わり得ます。横浜市の住宅再生課とマンション管理センターに、変更点を確認しておいてください。
逆算スケジュール(令和8年10月起点)
認定に絞った逆算です。工事まで同時に進める組合は、半年では足りないことが多いです。
| 時期の目安 | やること |
|---|---|
| 令和8年10月 | 理事会で認定の方針を共有。長期修繕計画の作成時期と、規約・名簿・会計の現状を確認 |
| 令和8年11月 | 長期修繕計画が7年以内でなければ見直しを依頼。事前確認の依頼先を決め、費用を見積もる |
| 令和8年12月 | 臨時総会で、認定申請、長期修繕計画と修繕積立金額、必要な規約改正を決議 |
| 令和9年1月 | 議事録などをそろえ、事前確認を依頼(約1〜2か月) |
| 令和9年2〜3月 | 事前確認を終え、手続支援システムから横浜市へ申請(審査は約1か月) |
固定資産税の減額を使いたい場合は、令和9年3月31日までに工事を終える必要があります。私はいつも理事長さまに、「期限に合わせて中身を急ぐより、建物の状態を優先しましょう」とお伝えしています。期限に間に合わなくても、認定そのものは住宅ローンや資産価値の面で意味があります。
まとめと、今週動くこと3点
戸塚区のマンションの管理計画認定は、横浜市が認定行政庁で、市独自の上乗せ基準はありません。市への直接申請はなく、事前確認を経て、手続支援システムから申請する形です。費用の中心は、システム利用料10,000円、事前確認審査料、市への申請手数料3,900円です。固定資産税の減額は、横浜市では2分の1ですが、令和9年3月31日までの工事完了が条件です。
今週、理事会で動いていただきたいことは次の3点です。
- 長期修繕計画の作成日を確認する(7年以内かどうかが最初の分かれ目です)
- 管理規約、名簿、会計の整備状況を、国の17項目に照らして確認する
- 横浜市建築局住宅再生課(045-671-2954)へ、認定の流れと令和9年4月の改正の扱いを電話で確認する。固定資産税の減額は、戸塚区役所の税務課(家屋担当)へ
十月のうちに理事会で数分でもこの話題を出していただければ、年内の総会決議が現実的になります。令和9年3月が一つの分かれ目です。どこから手をつければよいか迷われたら、ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。明誠へのお問合せフォームからどうぞ。これまでの明誠の施工事例もご覧いただけます。
よくあるご質問
Q. 戸塚区の管理計画認定に、市へ払う手数料はいくらですか?
A. 横浜市へは申請手数料3,900円です。長期修繕計画が複数ある場合は、1,700円×(計画数-1)が加わります。ほかに、手続支援システムの利用料10,000円(税込)と、事前確認の費用、郵送料がかかります。
Q. 横浜市に独自の認定基準はありますか?
A. 市のQ&Aに、国の基準と同じで市独自の基準はないと書かれています。ただし17項目目に「横浜市マンション管理適正化指針に照らして適切であること」があり、事前確認で確認されます。
Q. 管理組合が横浜市に直接申請することはできますか?
A. できません。市の制度ページには、市への直接申請は受け付けていないと書かれています。専門家による事前確認を受けたうえで、マンション管理センターの手続支援システムから申請する流れです。
Q. 固定資産税はどれくらい減りますか?
A. 横浜市では建物部分の固定資産税の2分の1で、工事完了の翌年度の1年度分のみ、1戸あたり100㎡までが対象です。築20年以上、総戸数10戸以上などの条件があり、令和9年3月31日までの工事完了が前提です。申告は工事完了から3か月以内に、戸塚区役所の税務課(家屋担当)へ行います。
Q. 認定までにどれくらいかかりますか?
A. 事前確認に約1〜2か月、市への申請に約1か月が目安です。全体で2〜3か月かかる場合もあります。有効期間は5年間です。
Q. 長期修繕計画が古い場合、どうすればよいですか?
A. 作成や見直しが7年以内であることが要件の一つです。専門家に見直しを依頼し、あわせてロープアクセス工法を含めた工法の比較をすると、工事費の見え方が変わる場合があります。明誠では概算のご相談を承っています。
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年10月11日
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ロープアクセス工法の詳細や実例については、姉妹サイト「ロープアクセスドットコム」の以下の記事もぜひご覧ください。
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本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月11日時点で公表されている横浜市および国土交通省・マンション管理センターの公式情報をもとに執筆しています。横浜市の制度ページの最終更新は2025年12月8日、固定資産税の減額制度は令和9年3月31日までの工事完了が対象です。戸塚区役所の税務課ページは最終更新が2024年11月5日のため、窓口はお電話で最新の内容をご確認ください。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず横浜市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。
出典・参考資料
- 横浜市「管理計画認定制度」
- 横浜市「管理計画認定制度に関するご質問」
- 横浜市「大規模修繕工事を行ったマンションの固定資産税の減額」
- 横浜市「第1回マンション部会 資料(PDF)」
- 横浜市戸塚区役所「税務課」
- 公益財団法人マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」
- 国土交通省「マンション管理計画認定制度」
- 国土交通省「マンションの管理計画認定の基準(PDF)」
- 国土交通省「管理計画認定のメリット(PDF)」
- 住宅金融支援機構「【フラット35】維持保全型」
- 住宅金融支援機構「マンション共用部分リフォーム融資」
川崎市川崎区のマンション管理計画認定制度|申請手数料は無料・市独自基準は管理組合登録・事前確認の流れを整理【2026年度版】
結論:川崎市川崎区で管理計画認定を取ると何が変わるか、手数料はいくらか
先に結論です。川崎市川崎区の分譲マンションの管理計画認定は、川崎区役所ではなく、川崎市(まちづくり局住宅政策部住宅整備推進課)が窓口です。しかも、川崎市への認定申請の手数料は無料です(出典:川崎市「川崎市マンション管理計画認定制度」、最終更新2026年4月1日)。
ただし、川崎市には他の自治体と違う点が二つあります。一つ目は、国の基準に加えて、市独自の基準が設けられていること。「川崎市マンション管理組合登録・支援制度」に登録されていることが条件です。二つ目は、市へ申請する前に、マンション管理センターの手続支援サービスで「事前確認適合証」を取る必要があることです。
費用の中身を整理します。
- 川崎市への認定申請手数料:無料。管理組合登録の登録料も無料
- 手続支援システムの利用料:1申請あたり10,000円(税込)
- 事前確認審査料:日本マンション管理士会連合会経由、またはマンション管理センターへの直接申込なら、長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込)。マンション管理士や管理会社に頼む場合は、管理組合と相手方で取り決めた金額
長期修繕計画が1つで、センターへ直接申し込む場合、目安は合計で2万円ほどです(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。長期修繕計画の見直しや規約改正を専門家に頼む費用は別になります。
認定を受けると、固定資産税の減額、【フラット35】の金利引下げ、マンションすまい・る債の利率上乗せといった優遇の入口に立てます。川崎市の固定資産税の減額割合は、国の枠で最大の「2分の1」です。ただし、工事を令和9年3月31日までに終えることが前提になります。
私は東京都東大和市で会社を構え、首都圏の大規模修繕に20年以上関わってきました。川崎区の理事長さま、理事の皆さまが、読んだその日に理事会で動けるよう、認定主体、基準、手数料、経済効果、逆算スケジュールの順に整理します。
川崎区のマンションと認定主体:認定行政庁は川崎市です
管理計画認定制度は、令和4年4月に始まった国の制度です。管理組合が作った管理計画を審査して認定する役所を「認定行政庁」(認定の事務を担う自治体のこと)と呼びます。川崎市は政令指定都市ですので、市内の認定は川崎市が行います。川崎区は区ですが、区役所に認定の窓口はありません。
問合せ先は、川崎市まちづくり局住宅政策部住宅整備推進課(電話044-200-2996)です。所在地は川崎区宮本町1番地、本庁舎18階です。川崎区に住宅整備推進課があるので、直接ご相談に行きやすい立地といえます。
川崎区の分譲マンションの棟数や、区ごとの認定件数は、私が確認した市の公表ページには載っていませんでした。数字を推測で書くことはしません。市のマンション管理適正化推進計画のページ(令和5年3月策定)に、全体の統計や目標をまとめた計画本体が置かれていますので、詳しく知りたい方はそちらをご覧ください(出典:川崎市「川崎市マンション管理適正化推進計画」)。
川崎区は、JR川崎駅や京急川崎駅の周辺に中高層のマンションが多く、臨海部に近いエリアもあります。一般論として、海に近い建物は潮風の影響で外壁や鉄部の傷みが早く出やすいものです。駅前は道路が狭く、足場の搬入や資材置き場の確保が大変な現場も少なくありません。こうした立地の事情を長期修繕計画に織り込んでおくと、工事費の数字がずれにくくなります。
認定基準17項目を、理事会が確認しやすい順に整理する
認定の基準は、国が5つの分野に17項目で定めています。管理組合の運営、管理規約、管理組合の経理、長期修繕計画の作成及び見直し等、その他の5分野です(出典:国土交通省「マンションの管理計画認定の基準」(PDF))。川崎市では、これに市独自の基準が1つ加わります。
管理組合の運営・管理規約・経理
管理者等(理事長など)と監事が選任され、総会が年1回以上開かれていることが基本です。規約には、災害時などに専有部分へ立ち入れる定め、修繕履歴の管理、財務・管理情報の書面交付の定めが要ります。経理は、管理費と修繕積立金を区分していること、修繕積立金を他の会計へ流用していないこと、3か月以上の滞納が直前の事業年度末で全体の1割以内であることが条件です。議事録が薄い、書面決議が続いているという組合は、まず議事録の残し方から整えるのが近道だと私は考えています。
長期修繕計画の作成及び見直し等
ここがいちばん手間のかかる分野で、6項目あります。
- 国の標準様式に準拠した長期修繕計画と、それに基づく修繕積立金の額が、総会で決議されていること
- 計画の作成または見直しが7年以内であること
- 計画期間が30年以上で、残りの期間に大規模修繕工事が2回以上含まれること
- 将来の一時金の徴収を予定していないこと
- 修繕積立金の平均額が、著しく低額でないこと
- 計画期間の最終年度に、借入金の残高がないこと
その他
組合員名簿と居住者名簿を備え、年1回以上確認していること、そして「川崎市マンション管理適正化指針に照らして適切であること」です。この指針の項目は、国の基準の17番目にあたるもので、市が別に上乗せした基準とは区別して考えるのが自然だと私は理解しています。市の上乗せは、次の章で触れる管理組合登録です。
現場で見る「計画の古さ」と足場費の考え方
認定の準備が止まる一番の理由は、長期修繕計画が古いことです。10年以上前の計画のまま、資材費や人件費の上昇を織り込んでいない組合は少なくありません。
以前、築30年を超えるマンションの理事会に呼ばれたときのことです。長期修繕計画の数字が十数年動いておらず、理事長さまが「積立金は足りているはず」と話されていました。見直しのついでに工法を比べたところ、10階建てで外周80m、工期3か月ほどという条件の試算で、仮設足場が約168万円、ロープアクセス工法を併用した場合は約59万円、差額は約109万円でした。建物の形や立地で大きく変わりますので、あくまで一つの目安です。それでも、理事の皆さまの表情が変わった瞬間を、私は今でも覚えています。
足場を組む工法と、足場を使わないロープアクセス工法の違いは、明誠のロープアクセス工法の詳細ページで整理しています。作業員はメインロープとバックアップロープの2本に接続し、安全を二重に確保して作業します。安全管理の考え方は大規模修繕工事の安全管理と進め方に、技術や訓練の詳細は姉妹サイトのロープアクセスドットコムにまとめています。
独自基準の有無と実務への影響:川崎市は「管理組合登録」が条件です
東京都や神奈川県内には、独自の基準を設けている自治体があります。川崎市もその一つで、市のページには、「川崎市マンション管理組合登録・支援制度に登録されている」ことが川崎市独自の認定基準と書かれています。認定(更新)の申請までに、登録または登録内容の変更を済ませる必要があります(出典:川崎市「川崎市マンション管理計画認定制度」)。
登録の中身と手間
登録制度のページ(最終更新2025年9月9日)によると、登録は川崎市内のマンション管理組合が対象で、登録料は無料です(出典:川崎市「マンション管理組合を支援する制度について」、川崎市「マンション管理組合登録・支援制度」)。申請者はマンションの管理者等で、理事長であることを確認できる書類(総会の議事録など)を添えます。建物名、所在地、戸数、連絡先を届け出る形で、オンラインでも、郵送や持参でも手続きできます。
実務で気をつけたいのは、登録の有無が分からない組合が意外と多いことです。過去に登録したのか、理事長が交代した後の変更を出したのか、記録が残っていないことがあります。市のページにも、登録の有無が不明な場合は住宅整備推進課に問い合わせるよう案内があります。認定の準備を始めたら、最初に電話で確認しておくと、後で慌てずに済みます。
登録のメリットも見逃さないでください
登録すると、年2回のマンション便りや管理組合の交流会の案内が届きます。さらに、市のマンション管理アドバイザー派遣を、登録済みなら最大3回まで無料で使えます(未登録は1回まで)。利用には、市が必要と認めることなどの条件があり、ハウジングサロンでの相談を経て申し込む形です。認定の準備は、専門家の知恵を借りたい場面の連続です。登録を済ませておけば、その一部を無料の枠で相談できます。
手数料と申請ルート:事前確認適合証を取ってから、市へ申請します
川崎市の標準ルート
流れは次のとおりです。他の自治体と同様、市への申請の前に、専門家による事前確認が入ります(出典:川崎市「川崎市マンション管理計画認定制度」)。
- 認定基準のセルフチェックを行う
- 総会で、管理計画認定の申請を決議する
- マンション管理センターの手続支援サービスで事前確認を受け、「事前確認適合証」を取得する
- 川崎市マンション管理組合登録・支援制度に登録(新規または変更)する。登録完了の通知を受ける
- 手続支援サービスから川崎市へ認定申請する。「認定申請」ボタンは申請者本人が押す必要がある
- 川崎市が審査し、適合すれば認定通知書が発行される。正式な通知書は後日、川崎市から郵送される
川崎市のページには、審査にかかる期間の記載がありませんでした。事前確認と市の審査を合わせて、少なくとも2〜3か月は見ておくのが現実的だと私は考えています。国の制度や他の自治体でも、目安はこのくらいです。
事前確認の依頼先と費用
マンション管理センターの案内では、申請の経路が次のように整理されています(出典:マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」)。
| パターン | 依頼先 | 事前確認審査料 |
|---|---|---|
| ① | 事前確認講習を修了したマンション管理士 | 管理組合とマンション管理士が取り決める |
| ② | 管理会社(マンション管理適正評価制度と併せて) | 管理組合と管理会社が取り決める |
| ③ | 日本マンション管理士会連合会(診断サービスと併せて) | 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込) |
| ④ | マンション管理センターへ直接申込 | 長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込) |
| ⑤ | 地方公共団体に直接申請 | 事前確認なし |
川崎市の案内に載っているのは、①から④の4パターンです。⑤の直接申請は、川崎市のページでは案内されていませんでした。システム利用料は1申請あたり10,000円(税込)で、地方公共団体が手数料を定めている場合は別途その団体へ支払う、とセンターは説明しています。川崎市の場合、その手数料が無料という整理です。
なお、認定の内容を変更するときの「変更認定」の申請は、手続支援サービスを使わず、川崎市の窓口へ直接出します(オンラインフォームまたは窓口)。複数の見積りを比べ、最新の料金は各窓口でご確認ください。認定の有効期間は5年間で、満了までに更新の申請をします。
相談先は無料のものから使う
認定制度の相談は、日本マンション管理士会連合会の相談ダイヤル(電話03-5801-0858、月〜土の10時〜17時、無料)が使えます。川崎市の案内ページでも紹介されています。管理センターの手続支援サービス係は電話03-6261-1274です。
認定の3つの経済効果:税・住宅ローン・債券
1. マンション長寿命化促進税制(固定資産税の減額)
長寿命化に役立つ大規模修繕工事を行ったマンションについて、工事の翌年度の建物部分の固定資産税を減額する制度です。国の制度では減額割合は6分の1から2分の1の範囲で市町村が定め、参酌基準(国の目安)は3分の1です(出典:国土交通省「管理計画認定のメリット」(PDF)、令和8年4月1日現在)。
川崎市は、この割合を最大の「2分の1」としています。市のページ(最終更新2025年7月22日)による主な内容は次のとおりです(出典:川崎市「大規模の修繕等が行われたマンションに係る固定資産税の減額」)。
- 居住部分の固定資産税額の2分の1を減額。1戸あたり100㎡相当分まで
- 令和5年4月1日から令和9年3月31日までに、2回目以降の長寿命化工事(外壁塗装等、床防水、屋根防水)を完了していること
- 新築から20年以上、総戸数10戸以上。耐震・バリアフリー・省エネ等の減額との同時適用がなく、過去にこの減額を受けていないこと
- 管理計画認定マンションは、令和3年9月1日以降に修繕積立金を認定基準まで引き上げていること。認定通知書は、申告時点と賦課期日時点までに取得していること
- 申告は、工事完了日から3か月以内。減額は工事完了年の翌年1月1日を賦課期日とする年度分
申告先は、工事をしたマンションの所在区を担当する市税事務所です。川崎区は、かわさき市税事務所(担当区域は川崎区・幸区)の資産税課家屋係で、電話は044-200-3958です。所在地は川崎区砂子1-8-9の川崎御幸ビルで、窓口は平日の8時30分から17時までです(出典:川崎市「かわさき市税事務所」)。ただし、家屋係の問合せ先ページは2024年2月の更新ですので、訪問前にお電話で最新の窓口をご確認ください。認定は市の住宅整備推進課、減額の手続きは市税事務所と、窓口が分かれる点にも注意してください。
押さえたいのは期限です。令和9年3月31日の工事完了が前提ですので、これから設計から施工へ進めるのは日程に余裕がありません。「過去に1回以上の長寿命化工事をしている」という条件があるため、築年数の若い建物は、この減額の対象外になるケースもあります。ご自分のマンションが条件に当てはまるか、先に市税事務所へ確認してください。
2. 【フラット35】の金利引下げ
管理計画認定マンションの住戸を購入する方が使える住宅ローンの優遇で、国土交通省の資料では、当初5年間、年0.25%の引下げと示されています。予算に達する見込みになると受付が終わりますので、利用する際は住宅金融支援機構の【フラット35】維持保全型のページで最新の状況をご確認ください。売る側にとっても、認定済みであることは、買い手に選ばれる理由になり得ます。
3. マンションすまい・る債と共用部リフォーム融資
マンションすまい・る債は、管理組合が修繕積立金を運用する債券で、認定マンションは利率が上乗せされます。国土交通省の資料では、認定マンションは年2.10%、認定なしは年2.00%、応募期間は2026年4月13日から10月9日までとされています。本記事の公開日の10月11日には、今回の募集は終わっています。次回以降の募集は、住宅金融支援機構の案内でご確認ください。
マンション共用部分リフォーム融資は、国土交通省の資料で、認定マンションは全期間、年0.20%の金利引下げとされています。借入の前に、住宅金融支援機構のマンション共用部分リフォーム融資のページや窓口で、最新の条件を確認してください。
数字で見る経済効果のイメージ
仮に総額5,000万円の大規模修繕なら、仮設足場は総工費の15〜25%(750万〜1,250万円)が目安で、外壁塗装は1㎡あたり3,500〜4,500円がレンジです。物件ごとに大きく変わります。工法で足場の比率を下げ、制度で税を下げる。私はこれを「二段構え」と呼んでいます。
株式会社明誠は、これまでに約6,000棟のマンション・ビル・ホテルの大規模修繕を手がけてきました。ロープアクセス工法では、明誠と全国のフランチャイズ加盟企業で、過去16年間、墜落による労働災害ゼロを続けています。通常足場、ロープアクセス、両者を組み合わせたハイブリッド工法の3つから、建物に合う工法をご提案できます。
費用の考え方は大規模修繕の料金の考え方に、管理組合の方向けの内容は管理組合さま向けの大規模修繕サービスにまとめています。フランチャイズ加盟企業の取り組みは、ロープアクセスドットコムでも公開しています。
令和9年4月の制度改正にも目を向けておく
国土交通省のページでは、令和8年7月31日に関連の省令(令和8年国土交通省令第70号)と告示(同第1017号)が公布され、令和9年4月1日に施行されると案内されています。地方公共団体への申請日が令和9年4月1日以降となる場合は、見直し後の認定基準が適用されます。また、分譲時に分譲事業者も管理計画認定を申請できるようになります。経過措置も設けられています(出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」)。
川崎市のページには、この改正への言及がありませんでした。令和9年3月までに申請するか、4月以降かで適用される基準が変わり得ます。川崎市の住宅整備推進課とマンション管理センターに、変更点を確認しておいてください。
逆算スケジュール(令和8年10月起点)
認定に絞った逆算です。工事まで同時に進める組合は、半年では足りないことが多いです。
| 時期の目安 | やること |
|---|---|
| 令和8年10月 | 理事会で認定の方針を共有。長期修繕計画の作成時期と、規約・名簿・会計の現状を確認。管理組合登録の有無を住宅整備推進課へ確認 |
| 令和8年11月 | 長期修繕計画が7年以内でなければ見直しを依頼。事前確認の依頼先を決め、費用を見積もる |
| 令和8年12月 | 臨時総会で、認定申請、長期修繕計画と修繕積立金額、必要な規約改正を決議 |
| 令和9年1月 | 議事録などをそろえ、事前確認を依頼。あわせて管理組合登録(新規または変更)を済ませる |
| 令和9年2〜3月 | 事前確認適合証を取得し、手続支援サービスから川崎市へ申請 |
固定資産税の減額を使いたい場合は、令和9年3月31日までに工事を終える必要があります。私はいつも理事長さまに、「期限に合わせて中身を急ぐより、建物の状態を優先しましょう」とお伝えしています。期限に間に合わなくても、認定そのものは住宅ローンや資産価値の面で意味があります。
まとめと、今週動くこと3点
川崎区のマンションの管理計画認定は、川崎市が認定行政庁で、申請手数料は無料です。市独自の基準として、管理組合登録・支援制度への登録が要ります。事前確認適合証を取ってから、手続支援サービスで市へ申請する形です。費用の中心は、システム利用料10,000円と事前確認審査料です。固定資産税の減額は、川崎市では2分の1ですが、令和9年3月31日までの工事完了が条件です。
今週、理事会で動いていただきたいことは次の3点です。
- 長期修繕計画の作成日を確認する(7年以内かどうかが最初の分かれ目です)
- 川崎市マンション管理組合登録・支援制度への登録の有無を、住宅整備推進課(044-200-2996)へ電話で確認する
- 管理規約、名簿、会計の整備状況を、国の17項目に照らして確認する。固定資産税の減額が気になる場合は、かわさき市税事務所の家屋係(044-200-3958)へ
十月のうちに理事会で数分でもこの話題を出していただければ、年内の総会決議が現実的になります。令和9年3月が一つの分かれ目です。どこから手をつければよいか迷われたら、ご相談だけでも遠慮なくお声がけください。総会の前段階の整理だけでも、お力になれることがあります。明誠へのお問合せフォームからどうぞ。これまでの明誠の施工事例もご覧いただけます。
よくあるご質問
Q. 川崎区の管理計画認定に、市へ払う手数料はいくらですか?
A. 川崎市への認定申請手数料は無料です。ただし、手続支援システムの利用料10,000円(税込)と、事前確認審査料(センター直接申込なら長期修繕計画1計画あたり10,000円(税込))は別にかかります。
Q. 川崎市に独自の認定基準はありますか?
A. あります。国の基準に加えて、「川崎市マンション管理組合登録・支援制度」に登録されていることが条件です。認定(更新)申請の時までに、登録または登録内容の変更を済ませます。登録料は無料です。
Q. 管理組合が川崎市に直接申請することはできますか?
A. 川崎市の案内では、事前確認適合証を取ったうえで、手続支援サービスから申請する流れです。直接申請の道は案内されていません。変更認定の申請だけは、市へ直接出します。
Q. 固定資産税はどれくらい減りますか?
A. 川崎市では居住部分の固定資産税額の2分の1で、1戸あたり100㎡相当分までが対象です。過去に長寿命化工事を1回以上行い、2回目以降の工事を令和9年3月31日までに終えていること、総戸数10戸以上、築20年以上などの条件があります。申告は工事完了から3か月以内に、かわさき市税事務所などで行います。
Q. 認定までにどれくらいかかりますか?
A. 川崎市のページには審査期間の記載がありません。事前確認と市の審査を合わせて、2〜3か月は見ておくと安心です。認定の有効期間は5年間です。
Q. 長期修繕計画が古い場合、どうすればよいですか?
A. 作成や見直しが7年以内であることが要件の一つです。専門家に見直しを依頼し、あわせてロープアクセス工法を含めた工法の比較をすると、工事費の見え方が変わる場合があります。明誠では概算のご相談を承っています。
Q. 管理組合の登録をしているか分からないときは?
A. 川崎市住宅整備推進課(電話044-200-2996)へお問い合わせください。市のページにも、登録の有無が不明な場合は問い合わせるよう案内があります。理事長が交代している場合は、登録内容の変更が必要になることがあります。
この記事の執筆者
本間 幸紘(ほんま ゆきひろ)
株式会社明誠 代表取締役/東京都東大和市
マンション・ビル・ホテルの大規模修繕20年以上の実務経験。3工法(通常足場/ロープアクセス/ハイブリッド)から建物特性に応じて最適提案。日本初のロープアクセス工事フランチャイズ本部を運営。JCSA(一般社団法人 全国建設業支援協会)代表理事。
最終更新:2026年10月11日
関連記事(姉妹サイト)
ロープアクセス工法の詳細や実例については、姉妹サイト「ロープアクセスドットコム」の以下の記事もぜひご覧ください。
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本記事の情報の鮮度について:本記事は2026年10月11日時点で公表されている川崎市および国土交通省・マンション管理センターの公式情報をもとに執筆しています。川崎市の制度ページの最終更新は2026年4月1日です。固定資産税の減額ページ(最終更新2025年7月22日)は、令和9年3月31日までの工事完了が対象の制度で、期間内の内容として引用しています。管理組合登録のページ(最終更新2025年9月9日)と市税事務所家屋係の問合せ先ページ(最終更新2024年2月14日)は更新が古いため、窓口はお電話で最新の内容をご確認ください。制度は年度途中でも改正・予算終了があり得ます。実際に申請される前に、必ず川崎市および該当窓口へ最新の内容をご確認ください。
出典・参考資料
- 川崎市「川崎市マンション管理計画認定制度」
- 川崎市「マンション管理計画認定制度のご案内(令和8年4月、PDF)」
- 川崎市「マンション管理組合登録・支援制度」
- 川崎市「マンション管理組合を支援する制度について」
- 川崎市「川崎市マンション管理適正化推進計画」
- 川崎市「大規模の修繕等が行われたマンションに係る固定資産税の減額」
- 川崎市「かわさき市税事務所(担当区域:川崎区・幸区)」
- 公益財団法人マンション管理センター「管理計画認定手続支援サービス」
- 国土交通省「マンション管理計画認定制度」
- 国土交通省「マンションの管理計画認定の基準(PDF)」
- 国土交通省「管理計画認定のメリット(PDF)」
- 住宅金融支援機構「【フラット35】維持保全型」
- 住宅金融支援機構「マンション共用部分リフォーム融資」

